ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第8話

 「花瓶の中からメダルが。」

 

 保健室を探して見つかった、めぼしいアイテムはこれだけだ。

 

 「たくさん集めるとレアなアイテムと交換できる、かな?」

 「金銭的な価値はなさそうだが。」

 「ゲームってそういうものなの。」

 

 RPGならよくあるものだ。

 

 「でもこれ、おかしくありません?」

 「そりゃメダルが隠してあったらおかしいでしょ。」

 「そうではなくて、花瓶の底にあったのでしょう?水で湿っていたら表面張力で張り付いて、取れなくなりますわよ。」

 

 生憎花は差してあらず、水も入ってなかったので普通に取り出せたが、確かに言われてみればそうだ。

 

 「何か意味があって花瓶の底に置いたのでは・・・?」

 「さすがに考えすぎじゃないかな。まあ意味があるのかは使い道がわかれば自ずと見えてくるよきっと。」

 

 それよりもだ、保健室には他にも意味のあるオブジェクトがあった。

 

 「どうやらベッドを『調べ』れば、休むことができるらしい。」

 「ちょうど5つあるし、ここを拠点にするのもいいかもしれないね。」

 「ベッドで休めばHPも回復するし、時間が『夜』になるらしい。」

 「夜になるとどうなるんだ?」

 「たぶん、別のサブクエストが発生するんだろうけど。今はメインクエストを進めるべきだと思う。」

 「その心は?」

 「さっきからずっと、グラウンドの中央で立ちんぼだから。」

 

 保健室のすぐ外にグラウンドはあるが、その中央に1人佇む影がある。

 

 ていうか明らかにこっちを見てる。

 

 「目を合わせたくないというか、あそこに行きたくない。」

 「言えてるね。」

 「ここから狙撃しちゃイカンのか?」

 「さすがに無理じゃないかな・・・。」

 

 と言いつつ、モンドが窓際に移動するのを追って、先に窓を開ける。

 

 ガチャガチャと音を立てながら、モンドはスナイパーライフルを手際よく組み立てると、スコープを覗く。

 

 「Shoot!」

 「気が散るから耳元で騒ぐな。」

 「当たった?」

 「いや、手ごたえ無し。」

 「外したの?」

 「外れたんだよ。」

 

 その後も何発か試射するが、いずれも効果なし。どうやら当たり判定すらないらしい。

 

 「チッ、弾がヤツの体をすり抜けやがる。」

 「やっぱり普通に接近するしかないか。」

 「戦闘になることを予想して、一旦回復したほうがよくない?」

 「別にいいだろ?俺はかすり傷だし。」

 「よくない!よくないから!」

 

 一番ダメージを受けているのはモンドではなく遊馬である。

 

 「まあ、試しにベッドを使ってみる?ボクここね。」

 「いきなり真ん中を占有するとは度胸ある。」

 「わたくし、一番奥を貰いますわ。」

 

 衝立とカーテンで仕切られているとはいえ、女の子と一つ屋根の下で寝るとは・・・。

 

 「何変な顔してんだお前。」

 「いやいや、なんでも?」

 

 気にしているのは遊馬だけだったようだ。なお、美鈴の隣にはラッピーが収まった。

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