ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第86話

 「やつめ、あれは・・・本当に素人か?」

 

 ワスプのパイロットは疑問に思った。前情報として得ていた敵戦艦、ネプチューンの保有戦力は5名。そのいずれにも該当せず、なおかつ動き方がまる生まれたばかりの仔鹿のような危なげなさなのを見るに、そう判断できる。

 

 せいぜい素人に毛の生えた程度といったところだが、にもかかわらず自分が仕留めきれていないという事実に小首をかしげた。・・・いささか本気に欠けていたということには否めないが、今はこうして対レベリオン用の武装を揃え、本気で落としにかかっている。

 

 にもかかわらず、どういうわけだか自分は仕留めそこない続けている。もうすでに5度はその心臓を貫いているところだろうが、やつは未だ健在だ。

 

 「まさか、C級相手にこうも手こずるとは・・・。」

 

 等級としては一番低いCランクの簡易量産型で、このA級のさらに+のワスプからここまで逃げおおせるとは、普通に考えればただ物ではない。だが動きのクセは素人そのもの、それがとにかく解せない。

 

 まあ、こんな考えが浮かんでいる時点で余裕綽々そのものであるという事には、疑いようがないのだが。あまり弱い者いじめをするのは性分ではないので、さっさと終わらせてやりたいというのが本心だ。

 

 無人機軍団による包囲網、ハニカムスクラムを敷き、逃げ場を奪ったうえで必殺の一撃を与える。それが私の流儀、礼儀だ。

 

 「チッ、またか。」

 

 だというのに、この仔鹿ときたら素直に殺されてくれないの。戦い方を変えるほうが得策だろうけど、半ばムキになってレイピアによる刺殺を試みる。

 

 それをやつは片方だけ残されたシールドを使って、器用に捌いてくるのだ。これが訓練ならば褒めてやりたいところだけれど、今はただただムカつくだけだ。

 

 いや、逆に興味がわいてきた。どうせじっくり時間をかけていたぶることが出来るのなら、捕獲することも視野に入れてもいいかもしれない。捕獲して情報を吐かせるのもよし、我々の仲間とすることができれば、教育のし甲斐がありそうというもの。

 

 敵艦を無事に轟沈させられたかどうかの確認は現在出来ない。ならば、他に戦果を挙げて凱旋としたいものだ。

 

 そうと決まれば行動は早い。このワスプにはそういうことが得意な機能がついている。

 

 「ハニカム・キャプチャ!」

 

 無人機に指揮をおくると三角形の陣を組み、その間にレーザーネットを張る。

 

 「捕らえろ!」

 

 ハチの巣というよりもクモの巣の様相だが、この際見た目はどうでもいい。機能については太鼓判を押していい。

 

 ライトレベリオンはしばらくの間回避に専念していたが、スクラムに次ぐスクラム、正二十面体の立体構造の檻に捕らえる。

 

 ところで、ハチの能力を持っているからには六角形だけの立体を作りたいところだが、六角形だけで出来た立体というものは存在しないので、正二十面体で我慢しよう。

 

 「さて、あとは連れて行くだけでいいのだけれど、このまま自分は殺されないと思われてナメられても困る。」

 

 ちょっと、仕返しをしてあげるとしよう。二度と反抗する気が起きない程度に痛めつける。

 

 「死ねぇえええ!!」

 

 いえ殺すつもりはなかったんです、本当です。

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