ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第93話

 『そんなに抵抗するから、本当に殺してしまうじゃないか・・・。』

 

 絶体絶命の状態だ。帰ってきたと思ったら、すでにショックで気を失いそうだ。内頬を噛むと、鉄の味が口に広がり、それによって正気をなんとか保つ。

 

 「ぐぁ・・・。」

 

 身を捩ってコックピットを貫くランスから逃れると、手にしたゲームPODネクスを操作する。

 

 「回復アイテム・・・うぉっと!」

 

 ランスが引き抜かれ、ライトレベリオンも倒れ込む。倒れ込んだ先に陸はなく、代わりに潮の香りが出迎えてくれる。

 

 「回復・・・回復・・・ 『治療キット』!」

 

 ゴボゴボとコックピットに開いた穴から浸水してくるのを尻目に、ゲームPODの中から『タイムライダー』に登場する回復アイテムを取り出して使用する。

 

 普通なら入院が必要なほどの大怪我が、あっという間に傷一つなく感知する。それが未来の治療技術によるものなのか、それともゲーム上のルールに基づくものなのかは推して知るべし。

 

 「ふぅ、一安心・・・出来ないな。沈む沈む。」

 

 ライトレベリオンは完全に沈黙し、ハッチの開かない。仕方がないと今度はレーザーカッターを取り出す。

 

 「整備のおっちゃんたち、ごめんなさい・・・。」

 

 壊しても構わないと言われていたが、よりにもよって自分の手で最後のトドメを刺すことになるなんて。ともあれ、このまま一緒に沈んでいけばもれなく溺死するのでしょうがない。丁重に棺桶を作ってもらったわけではないのだ。

 

 「よっし・・・と。バイバイ。」

 

 シートを蹴って、水へと飛び込む。泳ぐのはそんなに得意ではないが、数mも離れられれば十分だ。

 

 「ゴボゴボ・・・ソフトはよし・・・。」

 

 ここから逆転する方法はとても簡単。ゲームPODネクスを掲げ、親指でスイッチを入れる。そして心の中で大きく叫ぶ。

 

 「『リバイバル』!!!!」

 

 『何の光?!』

 

 海面上は波立ち、渦巻く。その中央から光の柱が立ち上がる。その様をワスプはただ見ているだけしかできない。

 

 やがて空まで届いた光は、空中に展開していた無人機を焼く。それを見て慌てた様子でワスプは退かせると、自身の周りに防御陣形を張った。あの光が次は自分を狙いかねないと考えての事だった。

 

 その鉄壁の防御網の中で、ワスプの搭乗者は驚愕した。渦潮の中心、海中から光の道に沿って見たことのない機体が浮上しているではないか。

 

 『あれは・・・あの機体は・・・?!』

 

 次にその姿に驚愕した。我らが同胞として迎えられた救世主の娘が駆る漆黒の機体、カサブランカMk.Ⅱに色まで同じ。

 

 慌てて手元のデータベースを検索すると、よく見ればカサブランカMK.Ⅱとも少し違ったが、肝心な情報である該当機データが無い。

 

 そしてもう一つ、驚いたことにその手には人影が握られているではないか。

 

 「まさか、自動的に乗せてくれないとは思わなかったな・・・おかげで服も髪も乾いたけど。」

 

 その人物はデータにあった。要注意人物、片桐遊馬である。その黒い機体・・・ダークリリィはハッチを開き、遊馬を迎え入れる。

 

 するりとその隙間に身を滑りこませた遊馬は、ゲームPODネクスをゲーム世界であったようにコンソールに接続する。

 

 「さあさ、お立合いだ。」

 

 ここからが本当の始まり。エヴァリアンと、世界への反撃はここから幕開ける。

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