私は艦娘に転生して本当の『仲間』を求める   作:釣果津抜

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さて、今回で「夕立の過去の記憶」は終わります。

お知らせと致しましては、「シリアス」タグを追加しました。
そして、お気に入り登録してくれた方や感想を書いて下さった方
ありがとうございます!

大変励みになっております。

また、投稿時間に関するアンケートを取った所

「お昼12時」

コチラが1番多かったので変更は無しの方向で行かせて貰います
アンケートのご協力ありがとうございます

これからも「かんなか」をよろしくお願いします!



「悪夢(ナイトメア)」の終わり

「前方の怨恨 後方の黒鉄の山は死屍累々 されど、生きる為の所業」

 

 

と、まぁ、詠ってみたが・・・・

あれから・・・一体どれだけの時間を過ごし、

どれだけの敵を射殺したのだろう・・・・

 

 

一定時間経つと謎の睡眠ガスで強制的に眠らされ、また敵に殺されかける

 

この繰り返すのがもはや日常になってきている

 

 

そして

 

ある時、もはやいつも通りのガスで眠り、起きた時

 

それまで無かった筈の黒色の指ぬきグローブに そして、純白のマフラーの正面とセーラー服の襟には特長的な金色のピンズ

セーラー服の襟には星が2つ追加され、髪にはヘアピンが

そして、何よりも・・・胸が・・・大きくなった・・・?

 

パッドでは無さそう・・・

 

 

最初はナニが起こったか分からなかったが、

 

「誰かに強制的に着せられた」

と言うのが1番考えられるけども何故?

 

こんな地獄に叩き込む「鬼畜外道のド畜生野郎」が

この状況で夕立()を「着せ替え人形」?

意味が分からない・・・

 

「洗濯して衣服がなくなった」

これまで一体何回眠らされた?覚えてるだけでも11回は眠ったしこれよりも確実に多い筈

 

衣服なんて最悪でも2、3着あればローテーションできる。

 

 

訳が分からない・・・

 

 

それに、今持っている砲も今まで使っていたモノとは別物になり

足には新たな武器である魚雷と思しきものと

その発射装置が追加されていた。

 

 

 

 

 

・・・魚雷?・・・砲?そして・・・水に浮く事が出来る・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか・・・な・・・

 

 

 

 

まさか・・・私は・・・「船」・・・だと言うの・・・?

 

 

 

 

 

・・・そう・・・なのかもしれない・・・

 

「水に浮く事が出来て砲で砲弾を撃ち戦う」

その様は「戦艦」そのもの・・・

 

歴史の先生が確か昔の海軍が好きで授業の合間に少し話をしてくれてた覚えがある・・・

 

もしも、だ。

 

もしも私は「船」である事を前提に考えていくと

 

「夕立」は日本語だから日本海軍の可能性が高いから日本海軍以外の話は除外してもいいかも・・・

 

「不沈のサム」なんかは除外対象

・・・もし、本当に夕立()が船なら考えたくもないし、

絶対に拾わない!

 

 

で・・・日本艦で魚雷を積める船は確か「駆逐艦」と「巡洋艦」は確実に積んでる筈

先生の話に何回も出てきたから覚えてる

 

「戦艦」は積んでる船もあったけども「魚雷=危険物(取り扱い注意、誘爆の危険あり。」で積まなかった事が多かった筈

 

「空母」は・・・飛行機に積んでいたけども「夕立()」は飛行機なんて持って無さそうだしこの空間では狭すぎる

 

「潜水艦」は・・・無さそう・・・

海面に顔を出したら危険が多いから滅多に顔を出さない筈だしし「夕立()」は潜水艦なら潜航が出来るはずなのにそれも無理・・・

 

なにせ初戦でヘッドスライディングみたいな事しても沈まなかった上に、

水の深さは夕立()が隠れられる程深くない・・・

 

 

後は・・・なんだろ?

分からない・・・

 

今、手元にあるキーワードが

「戦艦」「駆逐艦」「巡洋艦」「日本海軍」「魚雷」・・・

こっから何かこの地獄を生き抜く為のヒントは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁ・・・」

あるじゃん・・・ひとつだけ・・・

歴史の先生が大好きだったもの・・・

 

『水雷戦隊』

 

 

あの話は確か・・・

 

「うし!ちと、息抜きすんぞ〜

 

これは昔、日本とアメリカが戦争してた時の話だ。

日本の昔の海軍と言えばとてつもなく大きな「戦艦」を真っ先に思い出すが、小型の艦艇で編成された艦隊「水雷戦隊」も引けを取らなかった。

水雷戦隊の攻撃手段の主力は「魚雷」だ。「駆逐艦」や「軽巡洋艦」などの小型艦による魚雷攻撃が凄かった

 

日米どちらも発射された魚雷に対抗する手立ては無く回避一択だった。「早急に見つけて避ける」コレが鉄則。

 

日本の魚雷「酸素魚雷」は、「圧倒的長射程」に「雷速」つまり・・・あー・・・人で例えるなら「泳ぐスピード」だな。それが速かった。

そして「炸薬量」も多かったからとてつもない高火力だった。

 

更に、普通の魚雷と違って「圧縮空気」ではなく『酸素』を使用している。

ココがミソだ!!

 

その為、発射された魚雷から排出されるのは『二酸化炭素』だ。

二酸化炭素は海水に溶けやすく魚雷の通った道筋。

つまり『雷跡』が見つけにくい。

 

攻撃の隠密性が高い上に高火力。

その火力は並みの戦艦の主砲の一斉射撃よりも強力だ

 

そして、何よりも信頼できる

 

 

対して、アメリカの魚雷は当たっても不発弾が多かった。つまり、当たっても爆発せず日本の輸送船は不発の魚雷を魚雷をぶっ刺したまま悠々と海の上を走り続け港に帰還したそうな。

コレを見たとあるアメリカの潜水艦の艦長は『こんな魚雷では戦争は出来ない』と泣きついた事があったらしい・・・。」

 

っ!『酸素魚雷』!!

 

この足の魚雷は「圧縮空気」式かもしれないけども

恐らく酸素魚雷の可能性が高い!

 

 

歴史の先生・・・ありがとうございます!

まさか、こんな状況で役に立つ事が来るとは・・・

人生何が起こるか本当に分かんないな

 

 

これで・・・また生き残る為に一歩近づいた・・・

「足に付いている魚雷は信頼出来る上に、この一本道なら最強!」

 

これなら・・・「酸素魚雷」なら・・・!

生き残れる!!どんな状況だって!!

 

そして、またいつも通り鋼鉄の扉が開き今日も地獄が始まる・・・

 

さぁ、今日も来るなら来い!!

 

 

そして、

朝か夜かも分からないけども、隣でいつも戦い続けるおねえちゃんと目を合わせると

 

『今日も生き残るよ』

 

そう言われた気がするから

 

『うん!』

頷き、笑い、目の前の鋼鉄の扉を睨み、己の殺意を鋭利な刃の如く尖らせていく・・・

 

そして、扉の駆動音が聞こえてくる・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筈だった・・・

 

鋼鉄の扉の向こうでこの世のモノとは思えぬ音が鳴り出し

次第に共鳴し出している・・・

 

警戒しながらガラス越しに外の景色をみると警報機が鳴り響き、明らかに異常事態を伝えてる

 

 

 

こんな時に自分が出来る事は・・・

 

「周囲を経過しつつこの場を打開できるモノを見つける」

さっきから聞こえてくる共鳴音の発生元は恐らく・・・

 

あの敵だ。

 

で、肝心の敵と自分の間の鋼鉄の扉は開く気配がない・・・

 

 

 

ん?まてよ・・・?そもそも、あの敵は一体どこから来ている?

今の今まで考えることが無かったが敵を生産するなんて・・・おかしな話だ。

 

あの敵には高度なAI(人工知能)が搭載されて暴走?

なんで、夕立とおねえちゃんの二人だけで?しかも個別で?

協力した方が確実に効率がいい・・・それにこの衣服が関係が?

 

更に、

ココ最近で分かった事は「一体ずつしか、出てこない」

これが関係あるのか?

 

分からない・・・それにさっきから共鳴音が大きくなってきてうるさい・・・!!

 

共鳴音が大きくなり耳を塞なきゃ頭が割れそう・・・ッ!!

 

 

 

 

 

「・・・ミシッ・・・ミシミシッ!!」

と何かにヒビの入る音がする方向を見ると・・・

 

 

「ガラスにヒビが入っているぽい!!」

今の今まで交戦中に砲弾が当たってもかすり傷一つ付かなかったガラスにヒビが入っているッ!!

 

 

あの場所を狙えばッ!

 

共鳴音が大きくいから耳は塞いだままでしかし

主砲は右腕を前に出さなきゃ打てない・・・

 

どうにかしないと・・・

 

 

・・・音・・・撃つ・・・なんか引っかかってる・・・

 

 

 

 

そうだ!運動会!!

運動会や陸上競技のスタートの合図で空砲を撃つ時みたいにすれば!!

 

 

 

右腕の二の腕で耳を塞ぎながら狙いを定めて撃つ!

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾着と同時に視界が白く覆われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訳が分からなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付けば天井は無く

 

雲が浮かび、私は上下左右に揺れていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、口内に水が入り理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しょっぱい・・・みず・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しょっぱいみず?・・・しおみず・・・?潮・・・水・・・?

 

 

 

 

 

 

 

・・・ぅ・・・み・・・・ぇ・・・?

 

 

 

 

 

 

「おね・・・ぇ・・・・ちゃ・・・・ん・・・し・・・」

 

 

 

 

 

疲労からなのか頭を強く打ったのか気を失いそうなのは本能的に理解できた・・・

最後の力を振り絞り、いつも隣でおねぇちゃん戦っている方向をみるとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁の水平線が輝いているだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ハイ!という事で夕立『は』地獄からこうやって抜け出せました!!

時雨?いえ、知らない娘ですね・・・(すっとぼけ)

次話投稿は明日「2月16日」のヒトフタマルマル(12:00)時頃を予定しておりますが、
ハーメルン様の情報が更新され次第、閲覧出来るようになると思います。

次話は「あの娘は『まだ』この先には連れて行けない」となっております

あの「心優しき駆逐艦(初期艦)」との対話がメインとなっております。


*オマケ*
『不沈のサム』とは?

凄い簡潔に一言で言うと

「その猫を海で拾った艦は『ほぼ確実に』沈む」

被害艦

・戦艦ビスマルク
・駆逐艦コサック
・空母アークロイヤル
(なお、アークロイヤルの艦長が『不沈のサム』と命名した模様)

(また、余談だが、筆者は密かに「エラー猫」の事を『サム』と呼んでますw
不沈のサムはアークロイヤルを沈めた後、鎮守府に連れてかれて、鎮守府でその生涯に幕を閉じたそうです)

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