私は艦娘に転生して本当の『仲間』を求める   作:釣果津抜

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後編!


金髪美女と碧眼主人の正義と理由(後編)

「さて、どこから話したもんか・・・

 

始まりは・・・そうだな・・・

 

10年前の・・・ああ、そうだ。

NY(ニューヨーク)で人違いから友人達と知り合ってから色々と大変な事に巻き込まれた」所だな。」

「色々って?」

 

「そうだな・・・サルにカメラを取れたり、友人に連れられて地下闘技場に行ってみたり、

昼食を食べにNY(ニューヨーク)中を走り回ったり、家に入れなくなって締め出されたり、

・・・色々だな。」

 

「・・・ホントに色々ねぇ~」

神薙さんが懐かしむような顔をしてるぽい

 

「ああ、本当に、な・・・色々とやったよ。

そして、友人の頼みで日本に抜け道を使って渡って来きたはいいが・・・

帰り道が閉ざされてしまってな」

 

ちょっ?!

「抜け道ぽい!?」

「ん、ああ、今は全て断ち切られたぞ?」

 

「いや、そう言う問題じゃないぽい」

そう言うと神薙さんが人差し指を立てて口元に持っていき片目を閉じてるぽい

ああ、うん・・・ぽい・・・

 

「・・・ふぅ・・・夕立は考え事をしていて聞こえて無かったぽい」

「・・・助かる」

 

「何の事ぽい?」

「・・・そうだな。俺の過去の話だ。

 

それから、まずは、働き口を探した。

当面は「帰れないなら住むしかない」つう事だった

それには金がかかる。

 

んで、働くにしても『英語の話せる雇用主』という所が一番のネックだったな

んで、へとへとになって入った深夜のバーに入って椅子に座ってポケットに手を突っ込むと

ポケットの中には25セントコインしか無くてな・・・

 

カウンターに突っ伏していたら悠長な英語で「どうした?大丈夫か?」

って声をかけられた時は思わず勢いよく顔を上げたぜ・・・

 

そこで全部ぶちまけて、出された水を飲み干して、また突っ伏していると

 

『・・・ウチで働け、住む所は此処に近くて家賃が安い所を知ってるからそこに住め』

 

って言われた時は一瞬意味が分からなかったな

そっから、働きバーテンダーの知識と技術、日本語の勉強漬けの毎日だったな。

そして、給与の殆どは妹に仕送りして、残りの給与で生活してたな」

 

「妹さんぽい?」

「ああ、俺の自慢の妹だ。

それから10年後のある日マスターが一枚の求人を持ってきてな、

それがこのバーの求人だったって訳だ

 

・・・もしかしたら、俺に妹が居なければ堕落してたかもな

 

結局は『妹の為』ってのが一番だな。

『その為に働き、誰かにお酒を作り楽しませお金をもらう』

 

コレが俺の過去であり、俺の働く理由だな。」

「そうなのね・・・」

 

神薙さんの・・・理由と正義ぽい・・・?

人には人のワケがあるぽい・・・。

 

 

「そう言う愛宕、お前はどうなんだ?」

「私?私はね・・・昔、私の提督はアメリカ人の提督だったのよ?

元々は舞鶴の所属だったのだけども、戦局が変わって、攻勢に打って出る事にした人々は

 

精鋭を募ってハワイに基地を構えて、攻撃の要にするつもりだったの・・・。」

「・・・あの事件かコッチにも、流れてたな。」

 

えっと・・・

「夕立は・・・最近、ドロップしたばかりで分かんないぽい」

「・・・『ドロップ』?」

 

「神薙には後で説明してあげるわ♪

 

ハワイ鎮守府の提督は初対面で胸を揉んでくるスケベな提督だったけども、

私の中の好感度は「ただの変体」だったのよ?

 

でもね、やる時は急に真面目になって凛々しい人だったの・・・

そして、いつしか、そんな提督とお酒を酌み交わす様になったの

 

そして、あの日の晩・・・二人でお酒を呑んでいると提督が

 

『お前の作るカクテルを飲んでみたい』なんて言っていたのよ

私は冗談で「良いわよ?私が生きて退役できた、アナタに最高のカクテルを送るわ」

って言ったら「楽しみに待ってるぜ?」って笑いながら、

 

微笑んでグラスのお酒を煽っていたの・・・そんな時、の事・・・だったの・・・

 

空襲警報が鳴り響き、鎮守府が揺れて、火災警報が鳴ったわ。

私はすぐに酔いから醒めて、出撃した先で見たのは海を蔽い尽くす深海棲艦だったの・・・

 

私達は圧倒的物量の前に敗れ、私は運よくグアムに漂着して、惨事を知ったわ

そして、提督の行方を探したわ。

 

最後の最後まで避難せずに、指揮を執りつづけてたけども、途中で音信不通になっていたの

でもね、結局、何処を探しても見つけられなかったわ・・・

 

もしも、『願いが叶うなら、あの人との最後の約束を果たしたい。』

そう思ってバーテンダーになったの。」

 

 

・・・これが、愛宕さんの『正義』と『理由』ぽい?

 

 

「・・・気軽に聞いてスマン」

「ふふっ♪良いのよ?私が自分で話したいから話したのよ?」

 

「それでも、だ。」

「う~ん・・・それなら、気軽に退役した艦娘の娘に過去を聞かない事よ~?椛さん?」

 

ぽい?(え?)

 

カウンターから

後方のBJのテーブルを見るとひとりで聞き耳を立ててた様子の椛さんが居たっぽい。

 

「・・・あり?・・・バレてました?」

「ええ、勿論!これでも遊撃部隊のエースだったのよ~♪

 

「誰かの気配」と「誰かの行動」を読む事は得意だったのよ?

それと、鼻も利くわね♪

 

そして、そこで隠れてる彼女、

霞ちゃんは水雷戦隊の中でもトップクラスの実力を持つ艦娘だったのよ?」

 

あ、愛宕さんッ!?

そう言って入り口のから飛び出して来たのは霞さんぽい

 

「そして、私が知る限りでは

「彼女は『賭け事』・『飲酒』・『喫煙』などは一切しない真面目な艦娘だ」

 

って聞いてたのだけども・・・

霞ちゃんが呑みに来てくれた時に*1『マイセン』の香りがしたもの・・・

 

『月日が経てば人は変わる』なんて言うけども・・・

霞ちゃん・・・貴方に何があったの?」

 

「・・・別に、何も・・・」

「あらぁ?人の過去を勝手に盗み聞きして、連れないわねぇ?」

 

「っ・・・はぁ・・・分かったわよ・・・話すわよ!!話せばいいんでしょ!!

全くもう・・・

 

 

なんだか、今日は「流れ」が来てるぽい?

 

*1
「『マイ』ルド『セ』ブ『ン』」の略、2013年2月に「マイルドセブン」から正式に「メビウス」に改称された。ウィキペディアから抜粋




お次は霞と椛さんのターン!!
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