私は艦娘に転生して本当の『仲間』を求める   作:釣果津抜

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今回は明るめの話を神薙さん視点でおおくりまします
それと、今回は会話文が多めです


明日に向けて

あの後、夕立店長は提督に「いつまでサボってる」呼ばれて退出し、

陽が落ちてきて外は夕暮れに染まり、遮光カーテンを展開させて、

 

開店準備を整えていると愛宕さんが

 

「・・・「バージン・ブリーズ」、ねぇ?

神薙?「シー・ブリーズ」の方が良かったじゃないのかしら?」

 

 

愛宕の言う事は分かる

 

「バージン・ブリーズ」と「シーブリーズ」の違いは

「ウォッカを入れる」か「グレープフルーツジュースを増量するか」だけだ。

 

「グレープフルーツジュース」と「クランベリージュース」に「ウォッカ」をシェークして、

氷を入れたロックグラスに注ぐ事で出来るカクテルが「シーブリーズ」。

 

ウォッカを使用しないで、その分「グレープフルーツジュース」を増量して作る

ノンアルコールカクテルは、「ヴァージン・ブリーズ」

この違いだけだ。

 

「・・・確かに「シー・ブリーズ」の名前の意味は「潮風」だ。

どうせなら、『力強く吹く海からの風、潮風』を送るのも悪くは無かったが・・・

今の椛さんは「まだ」ウォッカにはなれないな」

 

「・・・確かに、そう、かも?」

「んなモンなんだよ・・・」

 

・・・ふぅ。

聞いてみる、か・・・

 

「なぁ、愛宕?」

「んー?なぁに?」

愛宕はいつもの調子で返事してくれる

 

「・・・もし、だ。もし、お前の提督に会えるなら・・・あってみたいか?」

「・・・。」

 

愛宕からの返事は無く彼女を見ると、

彼女の背中をコチラを向けて作業する手を止めていた。

 

「・・・。」

「・・・もう一度・・会える・・・ならね・・・

 

「そうか・・・。」

「もー♪私なら大丈夫よ?私はさて?明日は本番よ?頑張りましょ?」

「あ、ああ・・・ん?」

 

「・・・あー・・・今日は速めに店仕舞いですか?」

椛さんがご来店、と

 

「これからだぞ?まだ日も落ちてないしな。しかし椛さん?」

 

「ちゃんと分かってるますよ?」

「・・・OK。愛宕?」

「任せて?それと、霞ちゃんは?」

 

「自分の部屋に戻っていきましたよ。」

「そう・・・あの娘にも今だけは一人の時間も必要かしらね?」

 

「マスタぁー・・・おかわりぃ・・・」

 

そう言ってきたのは響さん

若干、涙目だな

 

しかし、コレは・・・

 

「・・・大方、渚さんに『酔っ払いは休め』って言われて呑みに来たのか?」

 

「そうだよぉ・・・」

「自分も渚さんの立場なら響さんを休ませると思います」

 

「椛さんまでもかい?!」

 

「ハロー♪楽しそうね?」

「やぁ、隣、失礼するよ?」

 

「・・・コレのどこが楽しいのだい?軽くヤケ酒したい気分だよ・・・。」

「あらぁ?ごめんなさい、ウチはヤケ酒するお客様にはお酒を提供してないのよ?」

 

「・・・なら、適当にご飯を、出来ればガッツけるモノを」

「ヤケ食いもNGだ」

 

какого черта(なんてこったい)ッ!!」

 

いや、頭抱える程の事か?そして、日本語か英語で頼む。

 

「・・・響、落ち着け」

「ふぇ?・・・あれ?渚?」

 

 

おや?珍しいお客さんだ事

 

「・・・仕込みはある程度は昨日の内に終わったからな。

今日中の作業だけだったから、な

 

それに、響、お前と呑んでみたかった」

 

「・・・いいよ、その変わりトコトン付き合ってね?」

「・・・ん、いいぞ。その変わり明日に響かない程度に、な」

 

Конечно(勿論)♪」

 

「マスター!適当に大皿で料理を頂戴!」

「夕飯はここで済ましてしまうわ♪」

おっと、アイオワさんとアークさんから大皿の注文と?

 

「愛宕さん、ノンアルコールカクテルをお願い致します。」

「む、手が空いたらアルコールが軽めのカクテルをお願いする」

「meにも~!!」

 

「はいはぁ~い♪」

 

愛宕にはカクテルの注文、か

「少し、速いが開店だな?」

「ええ、そうね?」

 

 

愛宕とアイコンタクトを取ると(勿論♪)と帰って気がした・・・。

 

・・・やるのか。愛宕の我儘で決まったこっぱずかしい奴を・・・。

もう一度愛宕とアイコンタクトし、タイミングを計り

 

「A toast for "the best moment" tonight!」

「Tonight, let's have a toast for "the best moment"♪」

 

決めておいたセリフと共に片手でハイタッチを決めて

仕事モードに切り替える

 

「おおー・・・なんだかそれっぽい・・・」

「いや、椛さん?「それっぽい」じゃなくて「それ」なんだが・・・」

 

アークさんナイスフォローです

それと、

 

「椛さん?アークさんの一杯目は椛さんの奢りって事で」

「む?悪いな?それじゃぁ、そう言う事で」

「え?えぇ?!」

 

「アイオワさん?今の翻訳して欲しいな」

「響?今のはね?どちらも「今宵も「最高の一瞬」に乾杯!」という意味よ?」

「・・・ん、英語の表現はとても豊かだな」

 

「マスター!料理ぃ!」

「ああ、少し待ってろ、今やる」

 

「椛さん?お待たせ♪今作るわよ?」

「それよりも、さっきの話は・・・。」

 

「この店のマスターの移行よ?私は従うだけよ?」

「・・・しかし、男ならこの程度黙って従います」

 

「ほぅ?・・・なら、椛さんの一杯目を私に驕らせてくれないか?」

「え?!いいんですか!?」

 

「椛さん?そこはクールに決めないと?ね♪」

「・・・ぁ」

 

「フッ・・・そこが椛さんらしい所だな」

「・・・次こそは」

 

「『次が』あれば、だな」

「『次』は無いかもよ♪」

 

「・・・ぐぅ」

 

とてもくだらない事で少しづつ盛り上がって行く店内

 

「今夜も、楽しい夜になりそうね♪」

「ああ、そうだな。」

あぁ・・・ホントに・・・

 

 

・・・。

 

「・・・愛宕?」

「んー?なぁに?」

「昔、俺の特技は『探し物を見つける』事が特技だったんだぜ?」

 

「・・・ぇ?・・・ぷっ!神薙?いきなり何を言い出すのよ♪ホラ、楽しい夜を盛り上げましょ?」

「・・・そう、だな。・・・そうしよう。」

 

それから約一週間程して、

楽しい夜を過ごしたのに自分だけ仲間はずれされにされた事を知った霞さんが

拗ねて椛さんが機嫌を取るのに手こずってるのが聞こえてくるので

 

(ありゃ、将来は椛さんは霞さんの尻に敷かれるのがオチだな・・・)

 

なんて思いつつ

紅茶の香りとスコーンの焼ける匂いがしだした店内で

二人の喧騒をBGMにゆったりと仕込みを順調に進めて行く今日この頃




次回で開店します。
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