歩く毒兵器
ホモくんが霧隠れの里に生まれ落ちました。現在五歳児。
この里も内乱内乱&内乱な蛮族ムーブの絶えない激ヤバ地帯ですので、両親が生存している確率は低いのですが今回は……うん?片親ですが居るようです。
母親生存してます。
これはちょっとラッキーですね、親が生存しているとなると多少は融通が利きます。
本来医療忍術を目指すにあたっていろいろしなくてはいけない事があるのですが、親が居るなら親を通してある程度本なんかを入手する事ができます。
というわけで母親と会話コマンドを実施します。
「あなたはどんな忍になりたい?」
【……医療忍者】
「えぇっ!?……ほ、本当にいいの?」
はい、ここの母親との会話で滅茶苦茶歯切れの悪い返答をされたのは理由がありまして……すなわち、霧隠れが蛮族ヂカラの高い里だからです。
何言ってんだオメェと思われる視聴者兄貴姉貴も居ることでしょうが、ぶっちゃけ霧隠れは医療忍者の需要はあるのに扱いは悪いです。
異様なまでの実力主義のせいで戦えないものに対する見えない圧力や壁がキツいうえに、医療忍術を目指す人数が少ないから少数派にならざるを得ないからです。
更に水の国特有の島国根性が倍率更にドン!で……お察しな感じになります。
オメェら医療を無碍にするとか自殺志願者か???戦いに必要な医療班を軽視するの、どこの限界集落だよ。
血継限界を迫害とかしてたしさもありなん。
そんな感じなので母親も流石に言葉を濁した……というわけですね。
ちなみに両親の性格ですがある程度ランダムで決まります、厳しかったり優しかったり奇人だったり違いはありますが最終的には主人公の意思を尊重してくれるのでその辺大分製作陣からの温情を感じます。
「医療忍者は……多分、普通の忍者より辛いと思うの。でも、目指すものがあるのは悪くないわ」
心配そうな顔をしているマッマですが、後日医療忍術の初歩の初歩の知識が得られる教本みたいなものをくれますのでありがたく受け取りましょう。
ちなみにこの教本、アイテム説明欄を見ると木の葉隠れ産のものなのでマッマめっちゃ頑張って入手してくれたという事になります。
親の愛ってありがたいね。
はい、では貰った教本を読みます。
基礎知識の章と簡単な実技の章とがありますが、今の段階だと簡単な実技も完璧にマスターするのは難しいです。才能持ちならまだしも。
とはいえ、基礎知識の章を読んで頭に入れておけばチャクラを使わない普通の手当ての方法はマスターできますのでまずそちらから手をつけましょう。
はい、読書開始!
【……ライザは基礎知識の章を半分読み終えた!】
【「基礎医療」を獲得した】
はい、半分だけですがとりあえず「基礎医療」のスキルは獲得しました。
これで応急手当なんかがスムーズにできるようになりました。
後半分の章を読み終えれば、「薬毒の知識(初歩)」のスキルも手に入れられます。
実技の章も今のステータスだと完全な理解やマスターはできませんが、読むだけ読んでおくと医療系スキルに経験値が入るのでとにかく読んで勉強しましょう。
それに、こういう勉強を行うと知力がじわじわとですが上がるのでやるだけお得です。
というわけで今後当分はこの本をマスターするためにひたすら読んで勉強するのと平行して、実践練習もやっていきます。
先ほども言いましたがこの里クッソ蛮族ムーブしてる人が多いので、術の練習なんかで山の獣相手に色々やってる人が居まして……。
傷ついた獣というのが結構野山に居るので、動物のお医者さんムーブをやります。
相手が獣だろうが人だろうが、治せばその分経験値になります。
それに獣相手だと、仮に失敗しても文句は言われないので大変うまあじ。
というわけで、これらの事を繰り返してアカデミー入学までに一定以上の医療スキルと知力を身につけます!
はい、倍速!
倍速中に、「不屈」がどんな特徴か説明し損ねていたのでついでに説明しましょう。
この特徴はいわゆるガッツスキルで、死亡に値する怪我をした時にランダムで踏みとどまるというものです。
発動するたびに次に発動する確率は低くなります、ポケモンのまもるとかと似たようなもんですね。
医療忍者を目指すと、なかなか戦闘まで手が回らないことが多いので保険としては頼りになります。
えっ?綱手?サクラ?あの人らは例外だから……実際ゲーム内での医療忍者目指す労力考えると、マジで綱手やサクラみたいな戦闘もガッツリできるのってすごいと思う。
ホモくんも霧隠れに居る以上最低限の戦闘能力は身につけますが、本職には流石に劣りますね戦闘は……。
おっと、イベントが起きたようなので倍速ストップです。
【陰から誰か覗いてる……同じ年齢くらいの少年だ。】
ああ、これは山で何かやってると同じく山で訓練してる鬼鮫に遭遇するイベントですね。
小さいから言うなれば稚魚みたいなもんよこの頃は、まだお辛い現実に打ちのめされていない頃の鬼鮫兄貴です。
【声をかけますか?】
せっかくですし声かけておきましょう、アカデミー入学後の接触度稼ぎに役立つと思うので。
ここでの遭遇イベントはランダムなのですが、損になるものでもないので適当に声かけでOKです。
【声をかけると逃げ出した……。】
この時点で声かけても逃げちゃうんだよなあ、成体……もとい成人の鬼鮫兄貴からは考えられないくらいシャイですね。
こういう風になんかしらのタイミングで会ってると、アカデミー入った後に「あっあの時の!」的な反応してくれて絡みやすいのでこれはロスではないです(確信)。
ちょっと早いですがキリもいいので今回はここまで!ご視聴ありがとうございました!
誰かに優しく生きるというのが、当たり前のようでどれほど難しいかというのは……己の故郷でもある霧隠れの里を見ていたら嫌という程分かるもの。
暁の任務帰り、道端に死んでいる山猫が居た。
切り傷を何気なく見てみれば、それは獣同士の縄張り争いというわけでもなく恐らくは忍から付けられたものだとわかった。術や何かの実験台にされたのかもしれない。
こういう時、きっと彼なら丁寧に埋葬をしたんだろう。
「鬼鮫、何か気になるものでもあったのか」
「……いえ、少し昔の知り合いを思い出しただけです」