君が好き   作:不思議ちゃん

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大事なもの

 Aqoursと別れた僕はにこさん、花陽さんと喫茶店に来ていた。

 

「ファストフードじゃなくていいの? ポテト、好きでしょ?」

「にこも大人になったのよ」

「あそこよりもこっちのほうが落ち着いて話せるから、かな?」

「……分かってるなら聞くんじゃ無いわよ」

 

 相も変わらずなにこさんに思わず笑みがこぼれてしまう。

 テーブル席に二人と向き合う形で座り、飲み物を注文する。

 

「…………」

「…………」

「…………」

 

 店員が去った後。

 誰も話そうとしないため沈黙が場を支配し、空気が少し重くなる。

 

 そんな空気をリセットするように水を飲み、口を開く。

 

「みんなとはよく会うの?」

「ええ、そうね。μ's十人全員……ってのはないけど」

「そっか。みんな元気そうでよかったよ」

「それにいつのまにか他人行儀な呼び方しちゃって、ねぇ」

「あわっ……あわわわっ……」

 

 花陽さんが僕とにこさんを交互に見ては何か焦ってる。

 少し前まで似たやり取りはよくあったことなのに、未だ反応が可愛らしいものだ。

 

 そんな事がありつつ全員分の飲み物が並び、ここからが本番だとばかりににこさんはテーブルに肘をつく。

 

「で、結局あんたはどうするの?」

「……彼女たちが望むなら、手伝うんだろうね」

「ハッキリしない答えね」

「……うん。僕はいつもどっち付かずなんだ。結局自分じゃ決められない」

 

 だから今一歩、踏み出せないでいるのだ。

 

 あの頃から何も成長なんてしていない。

 深く関わろうともしないのに口出しだけをして。

 

 今回も最初からきちんとやっていれば良かったのに。

 

「……何を後悔してるのか知らないけど、私たちは優に会えて良かったと思ってるわよ。色々あったけど、人間なんだから当たり前よ。それらも含めて全部、大切な時間なんだから」

「そ、そうですよ! 優くんがいてくれたから、今の私たちはあるんです!」

 

 今の言葉に、これまでの全部が許されたような気がした。

 これは酷く、自分勝手な事なのに。

 

「彼女たちは今からでも受け入れてくれると思う?」

「受け入れるに決まってるじゃない」

「受け入れてくれますよ!」

「あんた達の関係、少ししか見ていないけどそれぐらい分かるわよ」

 

 それをきちんと理解していないのは僕だけだったわけか。

 

「……これからはみんなとも会ってみるよ」

「ふんっ。少しはまともになったじゃない」

 

 なんだか憑き物が落ちたような気分だ。

 これからはμ'sのみんなとも向き合っていけたらなと思う。

 

「落ち着いたらなんかお腹すいたな」

「好きなもん頼めばいいじゃない。奢ってあげるわよ」

 

 奢ってくれるというので財布の中身を気にしなくて済む。

 お言葉に甘えて遠慮なくソコソコの値段がするものを頼んだ。

 

 ちょっとは遠慮しなさいよ! とかなんとか騒いでるにこ(・・)は放っておき、帰ってからのことを考える。

 まずはみんなに謝らないといけないな……。

 

 まだ何か言っているにこへ料理についてきたポテトを差し出せば。

 一瞬だけ躊躇ったのちにそれを咥える。

 

 そしたら今度は花陽が騒ぎ出した。

 それはなんだかあの頃に戻ったみたいで、それをやり直しているようで。

 

 ああ、この気持ちはとても大事なものだ。

 これまでμ'sと、Aqoursと向き合ってこなかった分、これからは大事にしていかないと。




監禁についてアンケートとりましたが、監禁エンドではないです
あと誰も死にません

監禁エンドはバッドエンドか否か(ヤンデレ娘の)

  • バッドエンドではない
  • バッドエンド
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