「それじゃ、過去の経験活かしてやっていく……と言う前に、僕はここにいていいのか?」
「それ、今更言う?」
あれから数日が経ったいま、授業を終えた僕は女子校にいる。
首には通行証が下げられているため問題はないのだが、僕がマネージャーについた事をどこから聞きつけたのやら。
直接会っていないが、千歌が理事長から貰ったと校門で受け取った通行証をいじる。
「気を取り直して始めるその前に。僕が来た時、みんなでパソコン見て話してたみたいだけど」
「話脱線しまくりじゃない……」
「そうそう! 沼津の花火大会を運営しているとこから出演のオファーがあったの!」
「なーるほど。そしたらまず目標にしていくべきはそこだな」
ヨハネが二度続けて無視されてからかいじけているがみんなしてスルー案件である。
ここで反応してしまうとうざ絡みが始まってしまう。
「みんなで優くんにビシバシ鍛えてもらって、目指せラブライブ優勝!」
『おー!』
いじけながらも律儀に手を挙げるあたり、根はいい子なんだよな。
「ん、このあいだの結果、張り出してるんだ」
「うん……。この気持ち、忘れちゃいけないから」
千歌は軽く口にしているが、言葉に重みがあった。
そしてそれをメンバー全員がきちんと理解し、心に刻んでいる。
「…………ん?」
ホワイトボードに掠れているが何か書いた形跡が。
……三人でスクールアイドル、やっていたのか。
「それ、何か書いてあるんだけど私たちもよく分からないんだよね」
「これ、歌詞だよ。誰かがこの学校でスクールアイドルやってたみたいだね」
「えっ!? そうなの!? 誰? 誰っ?!」
「誰だろうね」
「優くん、誰か知ってるの?」
「まあね」
彼女たちからマネージャーをやってくれと頼まれたんだもの。
その時は断ったわけだけども、少し複雑な気分だ。
今度は逆に頼む立場になるんだから。
「そんな事より、始めようか」
「な、なんか顔が怖いよ……」
「優さん、急にどうしたずらか……」
「まだ一年生組が入る前なんだけど、やるべき事をまとめた紙を紙飛行機にして飛ばした阿呆がいるわけなんですよ」
「……ウッ」
曜と梨子、僕の視線が千歌へと向かう。
その様子から三人は察したのか、『あー……』って感じを出していた。
「今後はしっかり見守っていくから、練習始めようか?」
「なんだか嫌な予感がする」
「……私、千歌ちゃん恨むからね」
「曜ちゃん!? 急にどうして?!」
騒がしい千歌の首根っこを掴み、練習場所という屋上へと足を向ける。
「うぇっ!? ちょっ、誰か助けて! 曜ちゃん!梨子ちゃん!」
「…………ごめん、千歌ちゃん」
「…………私たちは無力よ」
「花丸ちゃん! ルビィちゃん! 善子ちゃん!」
「…………ごめんずら」
「…………ピギィ」
「ヨハネよ!」
「何を騒いでるのか分からないけれど」
ドアに手をかけたところで振り返り、みんなの顔を見回す。
「君たちも練習だよ?」
「「「「「「は、はい!」」」」」」