君が好き   作:不思議ちゃん

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思いを込めて

 先日、ダメ元で誰か泊めてくれる? などとμ'sのグループに送ったら。

 何故か個別で通知やら着信が相次いだ。

 

 それでもグループでは当たり障りのないトークが続いていたため、余計に不気味である。

 

 なので通知が最も少なく、かつ安全そうなことりの家へとお邪魔したのだが。

 

「まったく。今まで連絡もなしにとても心配したのですよ? 聞けば希やにこ、花陽に真姫とは会っているじゃありませんか」

「ま、まあまあ……海未ちゃんもそこらへんで、ね?」

 

 何故か朝一で海未がやってきて、僕は正座をさせられていた。

 

「もちろん、今日は一日居てくれるんですよね?」

「い、いや、予定あるんだけど……」

「居てくれるんですよね?」

「予定が……ね?」

「ことりも、優くんと一緒に居たいな?」

「うぐぐ……」

 

 海未からの圧力とことりのお願い、それとみんなとの約束。

 本来ならば約束を取らねばならないのだが、僕は色々と負い目もあり──。

 

『ごめん。こっちで予定ができて一緒に回れなくなった。帰るときには合流する』

 

 Aqoursのグループへ連絡を入れ、スマホの電源を落とす。

 

 罪悪感が凄いが、目の前で喜ぶ二人を見ると喜びもあり、内心ぐちゃぐちゃである。

 

「それよりも優くん、誰に連絡を入れていたの?」

「まさか、女の子ではないでしょうね?」

 

 問い詰めてくる二人に苦笑しながら、これまでの事を話していく。

 

 幼馴染がスクールアイドルをやっていること。

 気持ちの変化があって、それを手伝っていること。

 これからはμ'sのみんなにも会うこと。

 

 そして今日の予定のこと。

 

「なるほど。そうだったのですか」

「でも、私たち学校には何も残してないよ?」

「いいんだよ、それで」

 

 僕の言葉で二人にも伝わってくれたのか。

 優しい笑みを浮かべている。

 

「気付いてくれますかね」

「気付いてくれるといいね」

「大丈夫。みんななら気付いてくれるよ」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 あの後、買い物だったりと色々連れ回されたがなんとも楽しい時間を過ごした。

 みんなが真面目に答えを探してる中、遊んでるのはやっぱり罪悪感はあるけども。

 

 待ち合わせの時間よりも早く着いてしまったため、スマホをいじりながら時間を潰して待っていると後ろから目隠しをされる。

 

「集合しようと言ったのに集まらなかった悪い子はだーれだ!」

「……はい」

「素直でよろしいっ!」

 

 目隠しを外されて振り向けば、ニコニコと笑顔の曜が立っていた。

 少し離れたところにみんなも居り、曜に手を引かれてそちらへと向かう。

 

「ごめん、みんな。一緒に回れなくて。……でも、スッキリした顔をしてるから何か見つけたんだね」

 

 詳しい話は電車に乗ってからゆっくり聞くことにした。

 

 梨子と合流した後、神社でSaint Snowの二人と会い、UTXで話をしたこと。

 μ'sの母校を訪れて、大切なことに気付かされたこと。

 

 僕がいなくても千歌たちは成長していることに少しの寂しさと嬉しさを胸に抱く。

 

 その気持ちをどうにかしようと窓の外へ目を向ければ。

 見覚えのある駅でちょうど停車したところだった。

 

「降りよう!」

 

 急にそう口にして電車から降りて行ってしまった千歌の後をみんなで慌てて追いかけていく。

 僕はそんなみんなの一番後ろを見ながら、いつの日かのことを思い出していた。

 

 

 

「ほら、優くんも」

「……ん?」

「指、こうして」

 

 ボーッとしていたら色々と置いてけぼりをくらっていた。

 曜に言われるがまま指をLの形にしてみんなの輪に加わる。

 

 僕が入っても大丈夫なのかと少し不安になり、見回せば。

 みんなは頷いて返してくれる。

 

「ゼロからいちへ!」

 

 解散を決めたこの場所で、新しいスクールアイドルの気持ちが一つになり、前へ進んで行こうとしている。

 

 キラキラと輝いている彼女たちと一緒に過ごしていけることに感謝をしつつ、今度は自分に嘘を、後悔をしない選択をしていこうと決めた。

 

 廃校という物語(おわり)を変えるために全力を尽くすという思いを込めて。

 

 僕は目一杯、空に向かって手を伸ばした。




次からやっとヤンデレに入れる気がする
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