Aqours5周年おめでとう!
夏休みに入ったことにより、僕も付きっ切りで練習を見ることができるようになった。
だからといってさらなるレッスンを、なんてことはなく。
むしろ普段よりは少し軽めになっている。
「それじゃ、休憩にしようか」
「えっ? もう?」
「千歌さん、何事もやり過ぎは良くないですわ」
「それにこれから暑い時間だから尚更ね」
千歌は僕とダイヤさんの話を聞いて、納得はいかないままだが大人しく休むことにしたようだ。
「あ、暑い……」
「だから黒はやめておけばとあれほど言ったのに」
「ふふふ。堕天使である私に黒以外を身につけろと言うの?」
「それじゃせめて風通しがいいのを選ぶとか?」
「天才か!」
「普通真っ先に思いつくだろうに……」
アホなヨハネを視界から外し、自分も水分補給をしていると、梨子がわざわざ千歌にペットボトルを投げてよこしていた。
「優くん、ちょーだい!」
ボーッとそれを見ていると横から手が伸びてきてペットボトルを奪われる。
声から犯人が誰か分かっているため、一つ息を吐いて心の準備をし、そちらを見れば残りを全部飲み干した曜の姿があった。
「……全部飲むなし」
「ごめんごめん。代わりの買うから許して!」
曜はあの後、キスを求めてくることはなく。
まるで何事も無かったように今までと変わらず接してくる。
ただ、少しだけスキンシップが過剰になった。
「よ、よよよよ曜さん! 何をしているんですの!」
「何って……水分補給だけど?」
「自分のがあるでしょうに! ハレンチですわ!」
「ダイヤさんも気にし過ぎだよ。優くんとはちっちゃい頃から一緒だから、よくあったよねー?」
そんな事はない、とは言い切れなかった。
あまり深い仲にならないようにしていたが、千歌、曜、果南は御構い無しにグイグイやってくる。
当然、食べかけ、飲みかけなんかもしょっちゅう取られた。
流れが良くないと感じたのか、果南が手を叩いてみんなの注目を集める。
「はいはい。そろそろあれやるよ。みんな100円用意して」
☆☆☆
「うぐぐぐぐ……なんで勝てないのよっ!」
「ヨハネが弱いからだろ」
「うるさいわよっ! ……ってか、優は勝ったんだから来なくても良かったのに」
「哀れなヨハネを見ていたくてな」
僕はジャンケンに負けたヨハネと一緒にコンビニへと来ていた。
何か言っているヨハネは置いてカゴを手に取り、それぞれが頼んだアイスを入れていく。
「あんた、最近何かあった?」
自分は直接来ているし、100円じゃなくて少し高いやつでも買おうかと悩んでいると、ヨハネは僕の横に並び、アイスを選びながら何でもない風に問いかけてくる。
「何か……って、色々あったけど……」
「ふーん……まあいいわ。で、優はどうするの?」
「どうするって?」
「アイスよ。他に何もないでしょ?」
「そうだね。……僕はこれとこれかな」
「一人一つでしょ」
「みんなには内緒でね」
少しお高いカップアイスと、二つに分けられるタイプのアイスをカゴへと入れ、レジに向かう。
「これ、誰か高いアイス選んでるわね」
「んー、誰だろ……マリーさんとかかな?」
みんなから貰った分以上のお金は僕だ出しておくことにした。
選んだアイスから犯人が誰なのかすぐ分かるわけだし、あとで請求しておこう。
「ほら、食いながら帰るぞ」
「あ、ありがと」
買い物を終えてコンビニを出ると、先ほど買ったアイスを二つに分け、片方をヨハネに渡す。
こういったご褒美ぐらいはあっても良いだろう。
僕がこういった小さな秘密の共有みたいなのが好きなのである。
ただ、それは互いにとって楽しいものであって、曜のはまた別である。