色々あって花丸ちゃん外れてしもうた
僕に任せて欲しい。
優くんにそう言われたから私は何もしないでいたけれど、一向に話す様子が見えない。
夜に千歌ちゃんと話した時、思わず話してしまいそうになったけれど、口にすることはなかった。
話している中で千歌ちゃんのお母さんが来たりと色々あった時。
優くんの事をとても信頼していると聞いた。
正式なマネージャーになる前から、中々ライブを観に来てくれなくても私たちのために何かしていてくれたのだと。
本当にそうなのか本人から聞いたわけでもないのに、千歌ちゃんはハッキリとそう言い切った。
──だから私は優くんを信じて突っ走る!
そう口にする千歌ちゃんを見て私は。
──いいなぁ。
この想いが胸の内を占めていた。
私の知らない優くんを、小さい時からずっと近くで見てきたのだろう。
私の知らない表情を、仕草を、感情を。
そしてそれは千歌ちゃんだけでなく、曜ちゃんにも当てはまる。
みんなに内緒。私たち二人だけの秘密。
温かい気持ちで溢れていたのに、二人がくっついているのを間近に見て、黒いモヤが胸の内にあらわれた。
優くんが他の子と仲良くするのを見て、こう思うようになったのはいつだかハッキリしている。
ピアノコンクールの応援に来てくれた。
ただ、それだけの事。
きっと優くんに深い思いなんて無いのだろう。
でも、私はとても嬉しかった。
そんな素敵な優くんを狙ってるのは私一人じゃないはず。
だから私は──。
☆☆☆
その後も隙を見て曜からキスを強請られたりしたが、あの時のようにみんながいる場所で。っていうことは無かった。
それ以外は特に何事もなく、みんなの実力も付いてきただろう。
そして迎えた地区予選当日。
駅前には浦の星に通う全校生徒が集まっていた。
「申し訳ないけど、事前に登録した人以外が歌うこと、ステージに近づくことは出来ないんだ。もっと早く伝えれば良かったんだけど……」
みんなの注目を集める中で梨子はよく勇気を持って言えたと思う。
僕、今すぐ走り出して逃げたい気分だ。
でもみんないい子なのですぐに切り替え、頑張って応援する! と言って会場へと向かっていった。
「私たちも行こっか」
「その前に少し、みんなに話がある」
ライブの準備があるため、みんなも移動しようとするがそれを引き止める。
「どうしたの?」
「あまり時間はありませんわよ」
「うん。すぐに済ませるよ」
僕が何を話すのか不思議そうにしているみんなの顔を見回し、一呼吸おいてから話し始める。
「今回のラブライブ、諦めない?」