君が好き   作:不思議ちゃん

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本日二話目


「うん。二人」

 まあ、現実はそんなに甘くなく。

 肩を落としたヨハネをみんなで励ましながら迎え入れる。

 

 順番的にはアニメの時より早いのだが、交通機関だと間に合わない。

 

 学校へ戻ってきた僕たちは、さあどうするかと話し合う。

 

「…………こうなったら、Aqoursを二チームに分けよう」

「でも、それじゃあ……」

「どっちもやるにはこうするしか無いよ」

「パフォーマンスを落としてでも?」

 

 僕の問いかけに千歌は真っ直ぐな目をしながら強く頷く。

 

「予備予選も、学校説明会も成功させる。出来る出来ないじゃない! 私たちはやるしかないんだよ!」

「そうだったわね」

「私たちには時間がないずら」

「ど、どっちも成功させようねっ」

 

 振り付けの修正などの話をしている中、スマホに通知が届いたので少し離れて確認をする。

 

「おっ」

「優くん、どうかしたの?」

「みんな、Aqoursを二つに分けるのは無しだ。予備予選も学校説明会も、九人全員で踊るよ」

「でも、どうやって」

 

 みんなが困惑してる中、とてもいい笑みを浮かべて口を開く。

 

「運転手、見つかったよ」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 そこからただひたすらに完成度を高めていく日々だった。

 運転手は誰かと聞かれても、予備予選に影響するからとその日に会うまで秘密に。

 

 それが気になってクオリティが下がりようものなら罰が待っているため、みんな練習に気合が入っていた。

 

 迎えた予備予選当日、すでにみんなは会場へと向かっていたが、僕はとある人たちを待っている。

 

「優くん、久しぶりにゃ!」

「久しぶりね、優。話したい事がたくさんあるわ」

「や、凛、絵里。足を頼んでごめんね」

 

 目の前に止まったバイクから降りてきたのは凛と絵里だ。

 ここで再開を懐かしんでる暇もないため、さっそく絵里にはAqoursを乗せるための車に変えてもらい、僕は凛の後ろへとまたがる。

 

 一応、車のカーナビにも目的地は設定してあるが、凛の後をついて貰う形で現地へと向かう。

 

 それにしても二人が来てくれて助かった。

 車だけだとAqoursのみんなで定員いっぱいだ。

 パフォーマンスをするのはみんななので僕は後から追いかければいいだけだが、一緒に行けるならそれに越したことはない。

 

 

 

 

 

 ライブが始まるまで余裕を持って着いたため、二人には席へ移動してステージを楽しんでもらおう。

 全部のスクールアイドルを見せられないのは少しあれだけど。

 

「みんな、気合いは大丈夫?」

「優くん!」

「運転手の方はどちらに?」

「Aqoursのステージを楽しむように伝えてるよ」

 

 待機しているみんなの元へと向かい声をかける。

 見た感じいい具合に肩の力も抜けているし、最高のパフォーマンスを期待できそうだ。

 

「ライブが終わったら着替えて前もって伝えた場所に集合ね。……楽しんでおいで」

『うん!』

 

 恒例となった掛け声を終え、急いで絵里と凛のところへ戻る。

 

「次よね。いま優がマネージャーをやってるスクールアイドル」

「そうだよ」

「すっごく楽しみにゃ」

 

 凛のセリフを合図にしたかのようにいいタイミングでAqoursのステージが始まった。

 出だしも問題ないし、ダンスも揃っている。

 そしてなにより、みんなとても楽しそうだ。

 

「……懐かしいわね」

「凛も踊りたくなってきたにゃ」

 

 視線はAqoursに向けたまま、他の人の邪魔にならないよう小声で話している。

 

 かつて自分たちも経験していたこと。

 あの頃を思い出してか、動きたそうにしている。

 

「みんなで集まろうよ」

 

 二人の手を取る。

 

「今度は僕も行くからさ。μ's、十人で」

「ええ、そうね」

「うん!」

 

 けど、今の優先事項はAqoursである。

 これからたくさん時間はあるけれど、時間がないのが現状なのだ。

 

 ミスもなく、ステージを終えたAqoursがはけていく。

 なので僕たちも席を立ち、待ち合わせ場所へと先に向かって待つことに。

 

「そういえば、Aqoursに絵里と凛のファンがいるんだよね」

「えっ、そうなの?」

「なんだか照れるにゃ」

「ちなみに二人が来てることを伝えてない」

「…………優も変わってないわね」

「ちょっと同情するにゃ」

「どういう意味?」

 

 そんなことを話しながら待っていると、みんなが走ってやってくる。

 

「優くんお待た──うぇっ!?」

「あ、あああああやせえりさんっ!?」

「り、凛ちゃんずらっ!?」

「みゅ、μ'sのお二人がなんでここにっ!?」

 

 千歌、ダイヤさん、花丸、ルビィの順に声を出し、驚き固まっていく。

 他のみんなも四人ほどではないが、驚きを隠せないでいた。

 

 そんなAqoursの様子を見て、絵里と凛は苦笑いを浮かべている。

 

「みんな、そんなことしてる時間ないんだから、早く乗って」

「そ、そんな事じゃありませんわよっ!?」

「ま、まさか優くんが頼んだ運転手って……」

「うん。二人」

 

 呆けてるみんなの背を押して車に詰め込み、絵里に合図を出す。

 僕もヘルメットを被り、凛の後ろへ。

 

「それじゃ、学校説明会でのライブも成功させるぞー!」

 

 ……誰からも返事はなかった。

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