君が好き   作:不思議ちゃん

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頑張るよ、私たち!

 あのあと、目が覚めた時には日付が変わりそうになっていた。

 部室の鍵は閉められているため荷物はあとで回収となり、梨子を家まで送っていった。

 

 翌日、道具もなければ疲労で面倒になったため、学校を休んで惰眠を貪り、授業が終わるのに合わせて向かえば。

 

「心配したんだよ!」

「分かってるの!? 優くん!」

 

 部室にて正座をさせられ、叱られていた。

 まあ、当然っちゃ当然なんだが、みんなも意外と元気そうで良かったと思う。

 

 ただ、みんなの姿はラブライブに出る意味を無くしてしまったからか練習着ではなく制服のままだが。

 

「みんな、着替えないの?」

「……もう、終わっちゃったから」

 

 みんな触れないようにしていたのか、途端に誰とも目が合わなくなる。

 昨日の今日で気持ちの整理が出来る人なんて殆どいないだろうし、きっと今日、全校集会を開いて発表しただろうから尚更現実を突きつけられた感じだと思う。

 

「僕的にはまだなんだけどね」

「どういう……?」

「そのままでもいいからさ、取り敢えず屋上に行こうよ」

 

 正座をやめて部室を後にし屋上へ向かう。

 

「優くん、説教から逃げたんじゃ」

「あっ!」

 

 後ろからそんな声が聞こえた瞬間、僕は廊下を駆け出した。

 

 

 

「廊下を走っていけないのはどの学校も同じはずですわ!」

「「「「はい、すみません……」」」」

 

 屋上で僕、果南、曜、千歌の四人はダイヤから説教を受けていた。

 

「ダイヤさん、説教もほどほどに……」

「そうよ。優はどうして屋上へ連れてきたかったわけ?」

 

 梨子とヨハネによって解放されたが、今度は早く質問に答えろと視線を集める。

 みんなの遠慮がなくなってきたのは喜ばしい事なのだが、少し違う気も。

 

「あまり何度も言う事じゃないけど、浦の星女学院は統廃合が決まった」

「…………うん」

「このままじゃ何もなくなっちゃうけど、そうならない方法があるよね」

「……そうならない方法?」

 

 普段は勘のいい子たちも今日は調子が悪いみたいだ。

 今までのが全部無駄と思って、思い込んで。

 他の可能性が見えなくなっているのだろう。

 

 でも、この学校の統廃合をどうにかしたかった。

 そう思っていたのはAqoursのメンバーだけじゃない。

 

「おーい! 千歌ー!」

 

 聞こえてきた声にみんなは駆け寄って中庭を見下ろす。

 

 そこには全校生徒が集まっており、屋上にいるAqoursのみんなを見上げていた。

 

「ラブライブ! 大会に出て!」

「そんでもって優勝してきてー!」

「でも、もう……」

「意味ならある!」

 

 どうしようもないとみんな俯きかけるが、意味があると言う言葉に顔を上げる。

 

「せーの!」

 

 

 

『浦の星女学院スクールアイドルAqours!!!』

 

 

 

「この学校があった事!」

「名前を歴史に刻みつけてきて!」

 

 ここまで言われてようやく気が付いたみんなは溢れ出てくる涙を何度も拭っていた。

 

「頑張る……頑張るよ、私たち!」

 

 みんなも決意を新たにしたところで、始めましょうか。

 

「で、終わったとか言ってたのはどこの誰かな?」

『…………』

 

 ピシリと音がするぐらい、キレイにみんな固まった。

 中庭からどうしたー、って声が聞こえてくるけど誰も反応しない。

 

「練習、始めよっか?」

「ダッシュで着替えてきます!」

「ろ、廊下を走っては……」

「ダイヤ死にたいの!?」

「し、死……っ!?」

「ハリーよ、ダイヤ!」

 

 慌てて駆けていくみんなの背中が見えなくなったところでため息を漏らす。

 

 自分もあまり偉そうな事を言えないのに、どうにかするため引っ張っていかなきゃいけない。

 それが少し、ストレスを感じる。

 

 ああ、今、また後悔し始めている。

 キラキラしている彼女たちの元に僕なんかが居ていいのか。

 

 ものすごく自分勝手で、構ってちゃんだと分かっていても止められない。

 

「れ、練習、始めよ……っ!」

「少し休憩する時間くらいあるよ」

 

 曜や果南の体力ある子から順に着替えて戻ってくる。

 その二人でさえ息も絶え絶えなため、体力ない方の花丸とかは目を回している。

 

 先ほどまで考えていたことはおくびにも出さない。

 こんな事で彼女たちの邪魔をしてはいけないのだから。

 

 今度はバレないようにしないとな。

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