ライブイベントが始まるまで少し時間があるが、早めに奥の端っこ、人の少ない場所に座れたのはまあいい。
「ほんと、希の占いっておかしいわよね」
「お久しぶりです、優くん」
だけどにこさんと花陽さんがいるなんて聞いてない。
席を移ろうにも挟むように座られ、逃げようものならどうなるか分からない。
「二人はなんで……って、聞くまでもないか」
「はい! スクールアイドルのライブイベントですから! にこちゃんと前から一緒に観る約束してたんです!」
「そしたら希に座るならここが良いって言われたのよ。不思議に思ってたけど、優がいたってわけ」
希さんのイジワルな笑みが僕には見える。
今頃僕が困ってるとみて、笑っているのだろう。
「で、あんたは今、どのグループのマネージャーしてるわけ?」
「そうなんですかっ!?」
「やってないよ。何にも」
「ふーん。それじゃわざわざこっち来てスクールアイドルのライブを観に来たと言いたいわけ?」
「……まあ、間違ってはないね」
「ど、どのグループですか?!」
ジトッと見てくるにこさんをよそに、花陽さんは出演グループの紙を僕に見せながら迫ってくる。
「……この、Aqoursってグループ。幼馴染がやってる」
「Aqoursですか! 最近の動画で注目度が上がったグループです!」
「流石だね。よく知ってる」
「で、できたら後でサインとか貰えたり……」
「普通、花陽さんがサインする側なんだけどね」
相変わらずのスクールアイドル好きと言うか。
じゃなきゃ今日もここに居ないか。
未だに自分がトップのスクールアイドルだったという認識もないし。
「ま、優が本当の事を言わないなんて今に始まった事じゃないし、にこは別に良いけどね」
「……拗ねてるの?」
「す、拗ねてなんかないわよっ!?」
「優くんが勝手に居なくなったからだよ?」
「…………別に居なくなってはないよ」
そこで会話は終わってしまい、嫌な沈黙が続く。
「それで?」
「…………?」
「この際、マネージャー云々はどうでもいいわ。その幼馴染がやってるAqours、どのくらいまで行けると思ってるわけ?」
……相変わらずにこさんはサバサバしているというか、割り切っているというか。
飲み物を一気に飲み干し、先ほどまでの会話を無かったことにしてきた。
恐らく、言いたいことはまだ山ほどあるのだろう。
それよりもマネージャー云々はどうでもいいと言いつつ、僕が気にかけてるであろうグループがどうなのか知りたいのだろう。
「それは私も気になります!」
「ほら、早く言いなさいよ」
二人から急かされ。
僕は息を一つ吐き、口を開く。
「今回のライブイベントの投票で、Aqoursには一票も入らないよ」
それを聞き、一瞬だけ二人の動きが止まる。
「あんた、自分が何を言っているのか分かってんの?」
「分かってるよ」
にこさんの声が低くなっているから少しキレてる。
その目を真っ直ぐに見返し、頷く。
「彼女たちは今までの中でも取り分け良いクオリティーのライブをするよ。けれど、それでもまだレベルが足りない」
「な、ならせめて優くんだけでも……!」
「花陽。それは彼女たちにとってなんの慰めにもならないわ。……まずは見てみないと」
これ以上、僕から口で説明されるよりも見たほうが早いと考えたのだろう。
正面を見て腕を組み、口を閉じてしまった。
「もう始まるみたいだし、終わってからまた話そっか」
「…………うん」
Aqoursのグループに『頑張れ』と一言メッセージを送り、スマホの画面を落とす。
タグに曜ちゃんあるからアンケートとったら曜ちゃんトップになるよね…
アンケート、使ってみたかっただけなので票によって本編が変わる事は無いですすみません
回答の中で好きなキャラを教えていただけたらと
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曜
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梨子
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善子
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花丸
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千歌