Re:緋弾のアリア   作:Sinku

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更新が遅くなってごめんなさい( ;˙꒳˙;)
最近特に忙しくなってしまい、中々執筆する時間がとれませんでした…
大変な時期ですが、今だからこそ更新を頑張りたいと思います!
外出を自粛してくだった皆様への娯楽となりますように。



9.

青海駅の構内は多くの人で賑わっていた。観光のため、ショッピングのため、各々がそれぞれの目的を持ち、楽しそうに喋りながら歩いている。

 

(かつて倉庫街だったとは思えんな…)

 

というのもここ青海地区は都市計画により再開発され、今や億ションやハイソなブティックなどが建ち並ぶオシャレな街だ。日本でも特徴的で有名なフジテレビ湾岸スタジオやガンダムがあるのもこの地区である。人混みが苦手な俺にとっては居心地が悪い場所だ。

 

「で、猫探しっていうけど、あんたどうやって探すのよ」

 

綺麗に舗装された道を横並びで歩いていると、アリアが声をかけてきた。

 

「別に。普通に情報を集めてしらみつぶしに探すだけだ」

 

基本的に探偵科(インケスタ)の活動は地味だ。自身の肉体で情報を収集、頭脳を駆使し、それらを元に推理していく。ま、簡単に言えばドラマに出てくる刑事(デカ)みたいなもんだな。戦闘一辺倒だった強襲科(アサルト)とは180°真逆の活動である。

 

「ふーん。あんたならパパッと見つけられると思ったけど」

 

 

「そんな訳ないだろ…。俺は精々Cランク程度の力しかない」

 

ヒステリアモード時ならいざ知らず、通常モードじゃせいぜいそのぐらいだ。これでも3学期から転科した身としては伸びた方だぞ。

 

「そ。まあ、キンジが推理できるのは僥倖ね。わたしと前衛(フロント)でもいいけど、支援(サポート)もありかしら。パーティの幅が広がるわ」

 

ピンと立てた指を唇に当て、首を傾げながらそう呟いた。いつの間にか今後の戦闘配置(ポジション)まで決め始めたようだ。おい、まだ仮パーティーだってこと忘れてんじゃないだろうな。

 

「なんだお前、推理は苦手なのか」

 

「ニガテよ。1番の特徴が遺伝しなかったのよねえ」

 

身長差から俺を上目遣いに見ながら、唇を尖らせつまらなそうに言った。

 

(特徴…?)

 

何のことかは分からんが、強襲科(アサルト)は教師を含めたほぼ全員が脳筋。暴力の化身みたいなアリアが苦手ってのも頷けなくはないか。ただ妙に感が鋭いんだよなーコイツ。

 

(ま、一つ苦手なものが分かったのは収穫か)

 

現在の対アリア戦線は敗北の連続によりキンジ軍は既に死に体。連邦の白い悪魔ならぬピンク色の悪魔が猛威を奮い、このままでは敗戦しそうな勢いだ。首の皮が一枚繋がっているが、まさに体のないジオング状態である。ここから巻き返しを図るためにはアリアのことを詳しく知らねばならん。秘策として()()にも調査を依頼したしな。恐らく今日か明日には情報が出揃うだろ。

 

「ねえ、おなかへった」

 

脳内で今後の対アリアの作戦を練っていると、横からそんな声がかけられた。腹減ったって…。

 

「さっき昼休みだったろ。お前メシ食わなかったのかよ」

 

「食べたけどへったのっ」

 

そう言いながら地面を一度どゲシッと蹴り、ギロリと睨みつけてくる。

 

(燃費の悪いやつだな…)

 

コイツのどこにそんなエネルギーがいくのか甚だ疑問である。

 

「なんかおごって」

 

「自分で買えよ…」

 

どうやらアリアはお腹が空くと短気になるらしい。ギロリと俺を睨みつけ、今にも暴れ出しそうな勢いだ。このまま放置しておくと街中で発砲しかねんぞ…!

 

「はあ…ちょっと待ってろ」

 

深い溜息が漏れてしまったが、これも周囲の安全のため。懐具合が心配だがしょうがないか。どのみち依頼(クエスト)の為に情報収集が必要だったしな。どっかで休みながら調べることにしよう。

 

 

 

 

 

 

「ほら」

 

アリアを引き連れ道の反対側にあった公園に入ると、適当なベンチに座りながらマックの袋を手渡す。

 

「ん、ありがと」

 

俺が買ってきたマックを嬉しそうな顔で受け取ると、そのままどしんと隣に座ってきた。

その際にひらり。と武偵高の赤いスカートがひらめき、太もものホルスターが一瞬見えた。この現象はパンチラならぬガンチラ。車輌科(ロジ)の武藤が名付けたものである。

こいつのなりが小学生みたいであるため、ヒステリア性の血流が起こる心配はないが、油断は大敵だ。

女子ってのはどこに爆弾が潜んでいるか分からんからな…。

 

「ん〜」

 

(にしても美味そうに食うな…)

 

だがまあ、アリアが大人しくしてる今がチャンスか。

モグモグと肉肉しいハンバーガーを美味そうに頬張っているアリアを横目に、俺はコーラを飲みながら携帯を使い情報科(インフォルマ)の専用掲示板から情報収集していた。

ここは情報収集の際に多くの武偵が閲覧し、利用する場所の一つだ。情報科(インフォルマ)という学科名から分かるようにこの学科は主に情報を扱う。手段の合法、違法問わず、日常茶飯事的に国内外から情報収集を行っており、集まった様々なデータをストックしてあるのがここだ。内容は公開すれば政権を失う恐れもある各国政府の闇情報から都内のおススメスポットなど多種多様。中には役にたたん情報(もの)もあるが、恐らく俺の求める情報(もの)あるばず。

 

(お、あったあった)

 

お目当ての情報に辿り着いたため、ついつい顔が綻んでしまった。

ま、こんだけ集まれば十分か。パタンと携帯を閉じ、先程得た情報を元に絡みついた糸を解して行くように頭の中で推理していく。

ふむ…恐らくここらへんだな。

 

「それで、あんたの推理はまとまったの」

 

マックを食べ終えたらしいアリアがハンカチで口を吹きながら赤紫色(カメリア)の瞳をこちらへと向ける。

食べ物に夢中でこっちのことは後回しだと思ったが…案外コイツも考えて行動してたみたいだな。

俺は飲みさしのギガコーラをベンチに置き、アリアへと視線を向ける。

 

「ああ、おかげ様でな」

 

「そ、じゃああんたの推理を聴かせてもらおうかしら」

 

「…期待するような推理は出来んぞ」

 

「別にいいわよ。待ってあげてたんだから早くしなさい」

 

足を組み貴族のような振る舞いをしながら、こちらが話し出すのを待っている。おい、推理を聞くまでテコでも動かん気だぞ。さっさと解決しに行こうと思ったが無理そうだ。

 

(人に推理を聴かせるのも探偵術を高めるためには必要か…)

 

実際に探偵科(インケスタ)でも自身の推理を披露することは推奨されている。ドラマやアニメの中で探偵が推理を披露している姿を見た事があるだろう。一見、大袈裟に見えなくはないが、理にかなった行動だ。嘘や真実を入り混じらせ、対象に聴かせることにより相手の反応・仕草から情報を集める一種のテクニックだ。探偵科(インケスタ)でも授業内でそういった実習は行われているしな。

 

「はあ…まず猫の行動範囲ってのは大体100mくらいなんだよ。自由に動き回るから勘違いされてるが基本的に狭い範囲でしか行動しない。この迷い猫は目を離した隙に脱走したらしいからな。とすれば自宅を中心と考えて約1ヘクタールの範囲内に通常ならいるってのは予想できる。

ただ飼い主が自宅周辺を何度も探しても見つからなかったってことは、通常とは違うイレギュラーがあったってことだ」

 

「ふーん。で、そのイレギュラーってなによ」

 

「さっき掲示板でも確認したが、飼い主の自宅近くには野良猫の集落が複数あるんだよ。これはあくまでも予想でしか無いんだが…多分野良猫に追いかけ回されて逃げたってとこだな」

 

「それがイレギュラーってことね。んーけど追いかけ回されて逃げたのならどこいったかなんてわからないじゃない」

 

「ああ、普通ならな。いったろ複数の猫集落があるって。そこを避けて逃げ回ったんなら大体の居場所は特定できる。最悪のケースが無ければ、こっからもう少し先の水辺にいるはずだ」

 

「なら答え合わせね。早く行くわよ」

 

じゅるうううー。

話をしていて喉が乾いたのかベンチに置いてあったギガコーラを飲み干すと、ぴょんっとベンチから降りた。こいつ…。

 

「早く探しに行くのは賛成だがな。一言、言いたいことがある」

 

「なによ」

 

「それは俺のコーラだ」

 

げほっ!

飲み込んでしまったため大きく咳き込みながら、顔を真っ赤にさせている。その様子をじっと見ていたからかーー

 

「このヘンタイ!」

 

照れ隠しからいきなり殴りかかってきた。だが猛牛を避ける闘牛士さながら、ひらりと回避する。

おい、どう考えても理不尽な流れだろ。

 

 

 

 

 

 

推理したとおり、公園の端の水辺にて迷子の猫を見つけた。

にぃ、にぃ。

弱々しく鳴いていた子猫は依頼の資料にあった通りの特徴をしており、飼い猫の証であるちっちゃな鈴をつけていた。あの猫で間違いないだろう。

 

「おとなしくしてろよー…」

 

水辺にプカプカと浮かぶゴミ箱の中にいたため、動こうにもごけないみたいだ。恐らく逃げる過程で、勢いあまって入り込んだらしい。救出すべく、靴を脱ぎ、ザブザブと水辺に入る。

 

フー!

 

俺が猫を威嚇させないようにゆっくり近くと最後の力を振り絞るかのように声を上げ威嚇してきた。

うーむ…近くに近づけんな。ならばっと考え、ポケットからあるものを取り出す。その名もチャ◯チュール。どんな猫をも虜にすると言われる対猫用必殺兵器(リーサルウェポン)だ。ここに来る前に念の為買っておいたのが役立ちそうだぞ。

そっと差し出すと先程まで威嚇していたのが嘘のように中身をペロペロと舐め始めた。

 

(よし、これなら…)

 

子猫が夢中になっているうちにもう片方の手でガサゴソとゴミ箱を漁り、そっと猫を救出する。チャ◯チュール様様だな。

 

「やるじゃない」

 

「これくらい普通だろ」

 

土手に座り込んだアリアが声をかけてきたので、猫を抱き直しながらもぶっきらぼうに返す。

探偵科(インケスタ)の授業じゃ初歩的なレベルだ。初期の頃の俺なら苦労したかも知れんが、今なら出来て当たり前である。むしろ出来なければ高天原による特別補修を受けねばならん。これが蘭豹なら目も当てられない事態になっていただろう。考えるだけでも恐ろしいね。

水辺から上がり、身支度を整えるとそのまま依頼主の所へ向かうのだった。

 

 

 

 

「おにーさん、ありがとう!」

 

子猫を依頼主に手渡すと満面の笑みを浮かべ、優しく受け取ってくれた。安心したのか子猫はすや…と眠りにつき丸くなっている。

 

「もうはぐれるんじゃないぞ」

 

腰を落とし、少女の目線に合わせながらわしゃっと頭を軽く撫でる。

 

「うん!おにいさん、ありがとね!」

 

バイバーイと元気よく手を振りながら去っていく少女に苦笑しながらも、こちらも手をヒラヒラと振り返しておく。報酬としては大きくないが、こういった地道な活動は探偵科(インケスタ)では必要なことである。ま、今回も一件落着だな。

 

「やっぱりあたしの見込みどうりね」

 

依頼主とやり取りをしている姿を見たアリアが後ろからそう呟いた。

評価されたのは素直に喜べるが、こいつに評価されるということはその分真の自由から遠ざかる。やっちまった…。好感度を下げるどころか上げちまったぞ。

若干気落ちしながらも依頼達成の報告をしに、探偵科(インケスタ)の専門棟へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

報告後は特に問題もなくアリアと別れた。いつものようにしつこく付きまとってくると思ったが、用事があるとのことだ。どんな用事かは知らんが、ここまで感謝することはないだろう。

 

(これで理子の依頼料は大丈夫だな)

 

今は理子への依頼料を買いに帰り道のゲ◯に寄ったところだ。迷い猫の報酬どころか財布の中身も消し飛んでしまったが、これも自身のため。背に腹は変えられん。

 

「あかりさん、前を向いて歩かないと危ないですよ」

「大丈夫大丈夫!」

 

ーードンッ!

 

「うおっ!」

 

「きゃっ!」

 

「あかりさん!」

 

いけね。他のことに集中してたために人が来てることに気がつかず、派手にぶつかってしまった。相手はかなり小柄で中等部かそれくらいの子だと思われる。体格差から俺は軽くよろける位で済んだが向こうは派手に飛ばされてしまった。だがーー

ズザッと小柄な子が転んでしまうよりも先に隣にいた黒髪の子が彼女を庇った。

 

「いたた…しのちゃん、ありがとう」

 

「あかりさん、大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫!あ、しのちゃん、足から血が…」

 

「いえ、これくらい大丈夫ですよ」

 

黒髪の子が小柄な子を庇った時に膝を擦りむいたみたいだ。大事にはならんと思うが若干流血量が多い。早めに治療した方が良さそうだ。

相手が女子であるため近寄り難いが…さっと武偵手帳に挟まれている応急処置キットを取り出し、処置をするため彼女たちに駆け寄る。

 

「あーっと悪かった。ちょっと考えごとしてたから反応が遅れちまった。応急処置するから少し動かないでくれると助かる」

 

そう言いながら上着を脱ぎ、片膝だけを避けるように黒髪の子の下半身を覆い隠す。目をそらして事なきを得たが…彼女のスカートが捲れ上がり太腿の際どい部分まで見えそうになっていたのだ。だが妙なことにこの子からはヒステリア性の血流が起きにくい感じがする。理由は分からんが何故かたまにいるんだよな…。

小柄の子がハラハラと心配そうに見ている姿を横目にテキパキと応急処置を施していく。兄に憧れ何かの役に立つだろうと自由履修で受けていた救護科(アンビュラス)の知識が役立ったな。

最後に上からキュッとハンカチを巻き、一通りの処置を終える。

 

「応急処置はしたから傷跡は残らんと思うが、念の為救護科(アンビュラス)に見てもらった方がいい。それと悪かったな。」

 

「い、いえ、私たちも前を向いていなかったので…治療もありがとうございます」

 

「ありがとうございます!」

 

礼を言われたせいか若干照れ臭くなってきた。顔を背け頰を指でかく。

気恥ずかしので、さっさと立ち去ろう。というか中等部の女子とはいえ、女子と長時間一緒に居たくない。

 

「あー…そのハンカチは返さなくていいからな」

 

そう言いながら上着を拾い、返事もきかずその場を後にするのであった。




AA側のキャラと初顔合わせとなりました!ここから物語か加速していくので、乞うご期待です!(*´˘`*)
この描写にした理由はAA原作及び漫画内でキンジとすれ違っている描写があったからです!もし気になる方がいましたらAAの漫画が無料で見られるスクエニのアプリがありますので、そちらで確認してみてください(*´▽`*)
そのアプリは私も小説を書き始めたあたりから愛用しております笑

PS.本小説は今後、徐々にAA側とクロスしていきます。
だだし、あくまでも主人公はキンジであり緋弾のアリアがメインとなるお話です。出来る限りAA側の描写も入れようとは思っておりますが、AA側がメインの方のご期待には添えない可能性がありますので、ご了承頂けると幸いです。
またキンジがAA側の戦闘にメインで加わるということありません。あくまでもそれらは彼女たちの戦いであり、成長の場です。キンジの役割としては、先輩としてアドバイスやサポートをするくらいになります。アリア・白雪・理子・レキといった面々にキンジが加わるという認識でお願いします(* > <)⁾⁾
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