いつの間にか評価が真っ赤になっていたので驚きました!(*´罒`*)
お気に入りにしてくれた方、評価をしてくれた方、ありがとうございます!
もし本小説に興味を持った方で、原作を読んだことがない、もしくは読むのをやめてしまった方がいましたら、ぜひぜひ原作も読んでみてください(,,>ლ<,,)
とある魔術の禁書目録に次ぐほどの長編連載小説で、全巻揃えるのは難しいかも知れませんが、後悔はしないと思います!
この小説をきっかけに緋弾のアリア、キンちゃん様のファンが増えてくれると嬉しいです笑
ーー夕方。
風魔との遭遇後は、何事もなく帰宅することができた。これ以上何かあれば俺の身が持たん。
上着を脱ぎ、壁にかける気力も残っていないので雑に椅子に放り投げる。ベレッタとバタフライ・ナイフを机に置くとーーどさっ。そのまま倒れこむように自室のソファーに体を沈めた。
(疲れた……)
イベントに事欠かないのは武偵高ならではだが…此処まで遭遇するのは俺ぐらいなもんだろう。初日から自身の不運さに涙が出てくるね。
「はぁ……」
溜息が俺1人が住むには広過ぎる部屋に響き、静けさを強調する。静か過ぎるってのは大抵の人が嫌がるだろうが、俺にとっては有難い。1人ってのは最高だよ。
この部屋にはルームメイトは居らず俺1人しか住んでいない。本来なら4人部屋なのだが、俺が転科したことと、たまたま相部屋になる
時々白雪とかが押しかけてくることはあるが…今は俺1人のみ。邪魔するものは居らず、平穏な空間でゆっくりできる。
そう考えながら俺は夕焼け空の東京を窓越しに眺めていた。
(『武偵殺し』か…)
あれはいったい何だったんだろうな…。先程の出来事が鮮明に頭の中でフラッシュバックする。
今朝のチャリジャックについてはまだ何も分かっていない。セグウェイの残骸、俺の自転車の欠片、
(なぜ俺が狙われた…?)
ソファで考え込んでいると、気が緩んだせいか俺の意識は徐々に思考の海へと沈んでいく。
あれをイタズラの一言で片付けるには事件の規模がデカすぎる上、不自然な点が多い。ましてや
爆弾魔によるイタズラなら、より人の多い場所を狙うか使用頻度の高い自転車を狙うはずだ。俺は基本バス通学なため自転車を使う機会がほとんどない。事実、今日俺が乗る前までは駐輪場の奥の方で埃を被っていた代物だ。狙うにしても
「っても分かってることはないか…」
ふう、と口から緊張が溶け込んだような息を吐くと深く沈んでいた意識が徐々に浮上する。
落ちこぼれ同然のEランク武偵ではあるが、これでも
まあ、武偵高では殺人ならともかく未遂程度なら流されるのが普通である。一般人から考えれば頭のおかしい所業ではあるが…悲しいことにここではこれが現実だ。
実際、俺も
「風呂でもはいるかね…」
大きく伸びをし、凝り固まった体をほぐしながらそう呟く。風呂にでも入ってリフレッシュしよう。
そう考え立ち上がろうとしたがーー
ピンポーン。
そんな気分を邪魔するが如く魔の抜けるようなチャイムが鳴った。
「誰だ…?」
白雪だろうか。いや、あいつはもっと慎ましげなチャイムのはずだ。なら宅配便か。どっちにしろ面倒だな。居留守でも使おう。
ピンポンピンポンピンポーン。
いつか諦めるだろ。無視だ無視。
今日は風呂にでも入って早く寝るに限る。
ピポピポピポピピポピポポピピピピンポーン! ピポピポピンポーン!
(しつこすぎるだろ…)
どうやら相手は俺がいる事に気付いているようだ。居留守を使ったがダメっぽいな。今日ぐらいは静かに過ごさせてくれよ…。
渋々ながら玄関へと向かうが、流石にイラッときたので開けながら怒鳴る。
「あー、うっせえ!頼むから静かに過ごさせてくれ!」
バンッと勢いよくドアを開けると、目の前にはピンクブロンドの髪。武偵高のセーラー服をきた中学生にしか見えない小さな身体。
「遅い! あたしがチャイムを鳴らしたら5秒以内に出なさい!」
びしっ!と手を俺に突きつけ、
「か、神崎!?なんでここに!?」
「アリアでいいわよ」
するり、驚きで身を固くしている俺を他所に玄関へと上がる。
しまった…!侵入させちまった…!
「お、おい!ちょっと待て!」
これはマズイと声を上げるが、時既に遅し。アリアはケンケン混じりで靴を脱ぎ散らかし、とてとてとリビングへ向かっていた。
(あ、ありえん…!!)
あれだけ静かだっだ空間がいつの間にやら騒がしい空間に。しかも悩みの種であるアリアのおまけ付き。そのことに頭を抱えながら急いで追いかけようとした瞬間、アリアは何かを思い出したかのようにリビングの扉手前で振り返った。
「トランクを中に運んどきなさい!」
そう言うや否や家主を差し置き、ぱたん。まるで自分の家の如くリビングへ入っていってしまった。女子たちの傍若無人っぷりは身に染みていたが…こいつは今までで一番だ。
「はぁ…」
既に侵入を許した時点で追い返すことはほぼ不可能。半ば諦めモードになりながら周囲を見回すと、玄関先に小洒落たストライプ柄のトランクが。おそらくアリアが持ってきたものだろう。
「……何言われるかわかったもんじゃないな」
仮にもここは男子寮。明らかに女物と分かるトランクが置きっぱなしにされているのを見られたら、あらぬ誤解しか招かん。もし部屋に女子を連れ込んだと誤解されれば
自身の命を守るため泣く泣くトランクを運び込む。って重っ!何入ってんだこれ。やたら重いトランクを引きずりながらリビングの扉まで行くがーー入りたくない。入らなければならない事は分かっているのだが、嫌な予感しかしない。
(ええい…!ままよ…!)
ーーガチャリ。
意を決して扉を開けリビングに入る。
部屋を見渡すとアリアはリビングの一番奥、窓の辺りに立っていた。カーテンの隙間から差し込んでくる夕日に照らされピンクブロンドの髪が水面に映る太陽のようにキラリと光る。
俺が入ってきたことに気づいたのだろう。
くるっーーと。バレエのダンサーのように優雅な動きでアリアは振り返った。
小さな身体を夕日に染め、その容姿も相まってか幻想的な雰囲気を漂わせる。
しゃらり。
長いツインテールが、優美な曲線を描きながらその動きを追う。その一連の動きは、全くの無駄がなくつい見とれてしまうような美しさをはらんでいた。可憐な妖精に出会ったような感覚を抱かせるが…次の一言でそれも全て吹っ飛んだ。
「ーーキンジ。あんた、あたしのドレイになりなさい!」
…
……
「………は?」
一瞬、何を言われたのか分からなくなった。その言葉が衝撃的だったのか口をポカンと開け呆然としてしまう。
聞き間違えか?ドレイになれと聞こえた気がするんだが…。
いや、聞き間違えてあってくれ…!!というより部屋入って第一声がそれはおかしいだろ!
「ほら! 飲み物ぐらいだしなさいよ! 無礼やつね!」
意味が分からず固まっているとアリアは飲み物を要求してくる始末。既にテーブルにつき、居座る気満々のようだ。
おい、無礼なやつはお前だろ…!だがこのままでは全く帰りそうにない。腹ただしいが飲み物だけ飲ませて強制的に帰らせよう。
「はぁ…ちょっと待ってろ」
渋々ながらもキッチンへと向かう。ゴソゴソと棚を漁るとインスタントコーヒーを発見した。最初は紅茶でも出してやろうと思ったが…家には激安スーパーで買ったこのインスタントコーヒーしかない。しかもかなり年季が入っているものだ。まあ飲めればいいか。大して味なんてわからんだろ。
元を入れた白い二つのマグカップにお湯を注ぐと、湯気と共に苦味を感じさせるようなコーヒー独特の香りが辺りに漂う。俺は基本ブラックしか飲まんが、念の為ミルクと砂糖も持っていこう。キレられても面倒だしな。コーヒーが溢れないよう慎重にリビングへと運び、すっと、片方をアリアに差し出した。
「?ねえ、これって本当にコーヒーなの?」
どうやらアリアはインスタントコーヒーの存在を知らないらしい。
鼻を近づけふんふんしながら首を傾げている。匂いなんかインスタントだろうが豆だろうがそう変わらんだろ。
「それ飲んだら帰れよ」
早く帰れとの思いを込めながら睨むも、アリアはどこ吹く風。全く意に返さない様子だ。
「そのうちね」
そのうちって何だよ。俺は早く休みたいんだが。
一向に帰ろうとしないアリアに頭痛がし、額を抑える。
「はぁ…んで何しにきた」
しょうがないが情報を得る事に専念しよう。
恐らくアリアは納得するまでは帰らん。なんの情報もない今では後手後手もいいとこだ。とりあえず情報を引き出そう。
「さっき言ったでしょ。あたしのドレイになりなさい」
(聞き間違えであってほしかったが…)
今の時代でドレイなんて言葉が聞けるとは思ってもみなかった。
いったい、いつの時代に生きてる人間なんだ。今は平成だぞ。
「…そのドレイってのはなんだよ。どういう意味だ。」
「あんたそんなこともわかんないの?」
「分かるか。いきなりドレイって言われて気づくやつのかおかしいだろ」
察する奴のがおかしい。もしわかったやつがいれば、そいつには病院に行く事をお勧めする。
「んーあんたならもう分かってると思ったんだけど…まあいいわ。あんた
つまり俺とパーティー組んで武偵活動をしたいってことか。アリアの中ではドレイ=パートナーって認識らしい。
(最初からそう言えよ…)
こいつの遠回しな表現には頭痛がするが、要件は分かった。だがーー
「断る」
俺の答えは決まっている。というか何で会ったばかりのやつと組まなきゃならんのだ。あと口調を直してから出直してこい。
「だいたいお前、ロンドン武偵局に居たんだろうが。何でそこでパートナーを見つけずにわざわざ東京まで来る必要があるんだよ」
アリアが転科する前に所属していたのはロンドン武偵局。そこは武偵の実力が他の地域よりも突出しており桁違いに高い。
武装探偵、略して武偵はイギリスの有名な探偵シャーロック・ホームズを基本として作られた。
そのためかシャーロック・ホームズに憧れを持ち、彼の出身地で活動をしたいと望む武偵は数多く存在する。そうなれば当然、皆憧れの地である英国を目指すことになる。その結果、日本だけでなくアメリカ、ロシア、中国、フランス、ドイツといった主要国など世界中から実力のある武偵が英国へと集うのだ。
ただその分英国内での争いも熾烈になるため、ドンパチの絶えないという悪名で有名なのがロンドン武偵局である。必然だが…争いには勝者と敗者が存在し、勝者はその場に残り、敗者は自国へと帰国する。つまり一部の玉、武偵のエリートの中のエリートしか残らないため、実力が桁違いに高い。それと比較すると東京武偵高はまだ出来たばかりで歴史が浅い。
「そんなこと別にいいじゃない。今はあんたよ」
「いいわけあるか、そもそも何で俺なんだよ」
「太陽は何で昇る? 月はなぜ輝く?」
こいつ会話する気あるのか?
だが…このセリフは聞いたことがあるぞ。確かアメリカのアクション映画『ハイランダー』のワンシーンで出てきたフレーズ、その日本語訳版だ。
「ってまて、何で今そのセリフが出てくる」
「キンジは質問ばかりの子供みたい。仮にも武偵なら自分で情報を集めて推理してみなさい」
ダメだ。こいつとは会話のキャッチボールすらままならん。ピッチングマシーンのようにぼこぼこ自分の言葉を投げてくるだけだ。
「はぁ…今日は疲れてんだ。とりあえず明日また聞いてやる、帰れ」
疲れが酷い中、アリアの対応なんかしてられん。めんどくさいので、明日に持ち越してうやむやにしちまおう。翌日に持ち越すことで時間的な猶予を作り、これ自体を回避する作戦だ。
アリアには時間稼ぎにしかならんだろうが今は休む時間が欲しい。だがーー
「嫌よ。キンジが
そういうだけでどこ吹く風。足を組み、何処ぞの貴族様のような振る舞いである。なんつー態度だ。
「それとあたしには嫌いな言葉があるわ。『ムリ』『疲れた』『面倒くさい』。この言葉は、人間の持つ無限の可能性を押し留める良くない言葉よ。あたしの前では二度と言わないこと。いいわね?」
こいつのポジティブ差には見習うところがあるがこの発言は無茶だろ…。逃げることを許されない人間なんぞどこかで破綻するぞ。
「なんでもいいが…何と言おうと入らんからな」
「何がなんでも入ってもらうわ。私には時間がないの。うんと言わないならーー」
「言わねーよ。なら?どうするつもりだ。やってみろ」
アリアがもし暴れたとしても恐らく抑えることはできるだろう。女子は極力相手にしたくはないがその場合はしかたない。というか武偵がはいはいと相手の要求を飲むわけないだろ。仮にも元
「ーー
ーーは!?
その言葉に俺の頰が、痙攣を起こしたかのように引き攣る。
「お、おいッ!ちょっと待て!そんなのダメに決まってるだろ!今すぐ帰れ!」
一瞬、驚きすぎて頭が真っ白になったが再起動を果たす。男子寮に女子が訪ねることすらタブーなのに、泊まっていくなど言語道断だ。
「うるさい! 泊まっていくったら泊まっていくから! 長期戦になる事態も想定済よ!」
びしっ!と俺が運び込んだトランクを指差し、キレ気味に叫んでくる。
(やけに重たいと思ったが、最初から宿泊する気だったのか…!)
「んなの認められるかッ!早く帰れ!」
「いーやーよ!あんたがパーティーに入るって言うまで帰らない!」
ーーどったんバッタン。
アリアを追い返そうと取っ組み合いになるが、なんとか捕獲に成功する。痛ッ!おい、噛むな!お前は小ライオンか!
掴んでいる腕を犬歯で噛まれつい離してしまうが、今度は猫のようにセーラー服の首根っこの部分を掴みトランクとともに引きずっていく。
「っておいッ!扉から手を離せ!」
「ッーー!入るって言うまで絶対離さないから!」
アリアはリビングの扉にしがみついて離れない。こいつどんな力してんだ…!両手で引っ張っても剥がれないぞ!
ガッチリと扉の取っ手部分を掴んでおり引き剥がすのは至難の技。一度手を離せば恐らく逃げ回られ余計事態が悪化する。引っ張ってもビクともしないが、これは根気比べた…!
お互いがお互いに必死になっているとーー
……ピン、ポーン……
場違いな
ま、まさか…!ブワッと俺の全身に冷や汗が滲む。
嫌な予感しかしない、だがこの鳴らし方は
あまりの展開についアリアから手を離してしまう。しかしお互いに全力で引っ張り合っていた場合に手を離せばどうなるかはーー明らかだろう。
「ミキャッ!!?」
「う、うおっ!?」
ゴン!?と盛大な音を鳴らしながらアリアは勢いよく扉に激突。
俺はゴロンゴロンと後ろに転がってしまった。後頭部を打ったせいで目がチカチカする…!
「キ……キンちゃん!?どうしたの大丈夫!?」
あまりにも響いた音がデカすぎたため、ドアの外から白雪の心配するような声が。というかやっぱり白雪だった。
「ッー!だ、大丈夫だ」
アリアは扉にぶつかった影響で目を回している。よしっ!好都合だ!
未だにフラフラするがなんとか平静を装ってドアを開くとーー巫女装束に身を包み何かを抱えている白雪がいた。
「ど、どうしたんだ。そんなカッコで」
「あっ…これ、あのね。私、授業で遅くなっちゃって……明日から恐山の合宿でキンちゃんにご飯作ってあげられなくなるから……今日はキンちゃんにお夕飯を作ってすぐ届けようって…それで、その着替えないで来ちゃったの……キ、キンちゃんが嫌だったらすぐセーラー服に着替えてくるからっ」
そう言いながら不安そうな表情を浮かべ俺を見つめてくる。
いかん、ほっといたら本気で着替えにいきかねん。
「いや別にそのままでいいからっ」
「そのままでいいって…キ、キンちゃんはこういうカッコウのがす、すすす好きなの?」
何を勘違いしたのか、モジモジしながら上目遣いでそう言ってきた。
お前は何を言っているんだ。だかその時白雪が前屈みになるもんだから胸元が少しはだけ、超弩級戦艦並みの白雪の豊満な胸が見えてしまった。余談だが巫女装束は比較的に脱がし易い構造をしている。…そんな余計なことを考えてしまったせいかーードクン。一瞬ヒステリア性の血流を感じてしまう。い、いかんッ!
「そのまま、そのままがいいから早く姿勢を戻せっ」
「キ、キンちゃん……!!!」
慌てて視線をずらし事なきを得るが焦りすぎて反射的に発言してしまった。大切な何かを失った気がするが…白雪は嬉しそうにしているので、深く考えないようにしよう。とりあえず今はこの状況をどうにかするのが先決だ…!
「そ、それで用事は何だよ?」
とにかく本当に早く追い払わないとマズイ。アリアが自宅にいる姿を見られてしまえば白雪が暴走しかねんぞ…!
白雪は1年の頃から俺の側に女子がいると、何故かその女子に襲い掛かるという性質を持つ。ついでに俺も巻き込まれるため、普段は優しく安全な側面を持つが場合によっては非常に危険でやっかいな存在になるのである。
記憶に新しいのが
「あ、あのね。こ、これ!」
白雪は目をギュッと閉じ、持っていた包みを俺に差し出してくる。
おい、前屈みになるんじゃないっ!
「タケノコごはん、今が旬だから…お夕飯に作ってみたの。」
「そ、そうか、ありがとうな。よしっ、これで用事は済んだよな。さあ、今日は帰ろう。な?」
俺が包みを受け取るとーーぽわっと。頰を桜色に染めながら、嬉しそうに顔を綻ばせる。
満開の桜が咲いたかのような笑顔を浮かべ、幸せそうにしている。飯渡したくらいで何がそこまで嬉しいのやら。
「お夕飯を届けるなんて、わ、わたし、キンちゃんのお嫁さんみたいだね…あはは、わ、私ったら何言ってるんだろ。…き、キンちゃんはどう思う?」
頰に手を当てチラチラと俺を見てくる。何か期待しているような視線だがそんなことは気にしていられん。というか近づいてくるなッ!近づいてきた白雪から何とか逃げるためつい焦り気味に返す。
「わかった!わかりましたから早くお引き取りください白雪さん!」
「それって、キ、キンちゃん…!私、お、お嫁さん…」
白雪が感激したかのように顔を上げる。だが背後から恐れていた事態が起きつつある。気配でわかった。目を回していたアリアが復活したようだ。まずい…!
「いったいわねッ!!!!」
「あーーーーー!!!!」
復活したアリアがキレながら声を上げたか、何とか俺も叫び声を上げアリアの声が白雪に届かないように阻止する。
「きゃ!ど、どうしたのキンちゃん?」
突然の俺の奇行に驚いたがーーよしッ!俺の声で白雪にはアリアの声は聞こえなかったみたいだ。だがこの状況、一刻を争う。
中ではアリアが扉に対し、ゲシゲシと蹴りを入れていた。俺よりも目の前にある扉にイラついたのか八つ当たりしているようだ。だがこのままでは部屋を破壊されかねん。現に周辺にはヒビやら色々と破片が散らばっている。怒りが頂点に達すればいつか拳銃を発砲しかねんぞ…!そうなれば破滅の道だ。怒り狂った白雪が俺ごとアリアを始末しかねん。しかも芋づる式で
「? 中に誰かいるの?」
「い、いないいない!誰もいないから!」
物音が聞こえたからか白雪が勘ぐり始めている。い、いかん!
「し、白雪!ちょっと渡したい物があるから待っててくれ!」
何とかするために急場凌ぎでそう言うと返事も聞かずにドアをしめる。
時間はできた。とりあえずアリアを何とかせねば。
未だにフラフラしながらも扉に八つ当たり中のアリアに声をかける。
「アリア!!」
「何よッ!あ、あんた!さっきはよくもやってくれたわね!」
「悪かった!それは謝る!だから頼む…!頼むから静かにしててくれ…!」
謝罪とともに俺の願いを口にする。
頼む…!俺とお前の命がかかってるんだ…!
「何でよ!あんたがパーティーに入るって言うまで黙らないから!」
だがアリアは俺の決死の説得にも頑なに黙ろうとしない。
あーくそっ!だが背に腹は変えられん…!!
「だー!わかった!わかったって!自由履修って形なら
「ほんとうでしょうね!嘘だったら風穴よ!」
現在の俺を助けるために未来の俺を犠牲にしたが、そのかいあって何とか黙らせることに成功する。だがしかし、表にはまだ白雪が残っている。
(どうするどうするどうする…!!!)
生と死の狭間にいるため、今までになく頭が回転する。だがいい手が思いつかない。このままでは破滅まっしぐらだ…!
悩みポケットに手を突っ込んだとき指先にベレッタの
(生き延びるためにはこれしかないッ!)
アリアは状況がわかっていないのが首を傾げているが、俺の鬼気迫る様子に気づいたのだろう。俺の願い通り黙っていてくれている。
「わ、悪い白雪。待たせたな」
冷や汗でびっしょりだが悟らせるわけにはいかん。
待たせてしまった白雪に何事もなかったかのように言うが…白雪の様子がおかしい。顔をうつむかせている。
「……ねえ、キンちゃん。私に、何か隠してることない?」
白雪はゆっくりと顔を上げ、ハイライトがオフになった目かつ無表情で問いかけてくる。
ひいッ…!危うく悲鳴を漏らすとこであったが何とか押しとどめる。
「ない!ないないないない!白雪に隠し事なんて絶対にありあ、じゃない、ありえねーから!」
即座に否定するが怪しまれている。このままでは部屋に突入しかねん。
「し、白雪。これを俺だと思って持っていってくれ」
そう言いながら
「キ、キンちゃん?これって…」
「御守りがわりだっ。お前が合宿でも無事なようにな」
いきなり実弾を渡してくるやつなんぞ、普通の奴なら頭がおかしいと思うだろう。だが相手は白雪。これまで何を渡してきたとしても喜んできたやつだ。その場凌ぎだが実弾でもなんとかなるはず…!
「キンちゃん…!!そんなに私のことを想って…!!」
涙ぐみながら俺が渡した
「キンちゃん…私頑張って、頑張ってくるからね!」
「あ、ああ、頑張ってこいよ」
そして暫くは帰ってこないでくれ。そんな俺の願いも知らずにニコッ。
春風みたいに爽やかな笑顔を作ると、ようやく背を向けてくれた。
そのまま白雪を見送ると玄関に座り込んでしまった。なんとか前門の虎が片付いたぞ。だがまだ後門の狼ならぬ子ライオンが残っている。
うかうか休んでもいられない。俺は立ち上がるとアリアが待つリビングへ戻る。タケノコごはんは玄関に置いておこう。
ーーガチャ。
ドアを開けると先程の慌てようが嘘のように優雅にソファに座っていた。アリアめ、俺がこんな状況だってのに…!
「確認よ。さっき言ってたことは本当でしょうね? もし嘘だったら風穴開けるわよ」
そんなことをアリアは問いかけてくる。
嘘にしてくれたらどれだけいいのだろうか。だが一度口にしてしまったものを取り消すことはできん。覚悟を決めるしかない。
「あー、くそ…。嘘じゃねえよ。ただし条件がある」
後から条件を付け足すのは反則ではあるが、アリアの要求はほぼ達成されている。条件をつけてもバチはあたるまい。
「ものによるわ。その条件って何よ」
「とりあえず1週間だ。1週間パーティーを組んでお互いの息が合うか確かめるってのはどうだ」
期限を設けることでこのパーティーが仮であることを意識させる。仮であればまだ解消が効くからな。ある程度
「んーしょうがないわね。私もキンジの実力は確認しときたいし…もしもの保険は必要かしら。いいわ、その条件で」
アリアは多少しぶりながらも俺の譲歩案に乗ってくれたようだ。よし。これで一旦は解放されるぞ!
「それじゃあ、今日はもういいだろ。とりあえず帰れ」
「いいわ。約束どおり出て行ってあげる。た・だ・し仮とはいえパートナーよ。また来るから」
そう言って目的が達成できたかのような晴れやかな笑顔で、女子寮へ帰っていくのであった。
皆さまにお願いがあります!
もし緋弾のアリアAAに詳しい方がいましたら、感想欄で教えて頂きたいです!
時系列やイベント、各キャラの口調、悩み事、裏設定などをぜひお願いします!自分でもネットやアニメで調べてはいるのですが、曖昧な部分が多くて少々苦戦しています……( ˆ꒳ˆ; )
出来れば違和感のないように進めていきたいので、どうかよろしくお願いします!