ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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暗黒面の力はある意味でハイリスク・ハイリターンなものだなと思う自分がいる。


11話目です。


ヒュドラ戦、暗黒面の力

 

 

俺たちがあの似非アルラウネの魔物を殺し、俺たちはようやく最初にいた階層から百階目になるところまで来た。その百層目のところで俺たちは一旦自身のステータスプレートを確認してみた。

 

 

 

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藤原 雷電 17歳 男 レベル77

天職:■■■■■■■■

筋力:1930

体力:2010

耐性:1930

敏捷:3000

魔力:6500

魔耐:1690

技能:フォース感知者・フォース光明面・フォース暗黒面・剣術・ライトセーバーの型[シャイ=チョー][ソレス][ニマン][ジャーカイ]・クローン軍団召喚[+共和国軍兵器召喚][+共和国軍武器・防具召喚]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・風爪・胃酸強化・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・夜目・遠目・気配感知・魔力感知・熱源探知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・言語理解

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____________________________________________

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:79

天職:錬成師

筋力:2050

体力:2140

耐性:2230

敏捷:2560

魔力:1850

魔耐:1840

技能:錬成[+精密錬成][+電子機器錬成][+電子機器組立て錬成][+複製錬成][+鉱物系鑑定][+鉱物探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+超精密錬成]・銀河共和国式近接格闘術・光学兵器知識・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・熱源感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・言語理解

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もはや完全にステータスが当てに出来ないくらいにぶっ壊れ性能だった。……まぁ、魔物の肉とか喰っていた所為でもあるけどな。とりあえず俺たちは万全の状態で挑む為に俺はドンナーの弾を錬成で作成し、雷電は精鋭部隊のARCトルーパー一個小隊を召喚した。それもただのARCトルーパーではない。重火器を装備したヘヴィARCトルーパー部隊だった。武装はZ-6ロータリー・ブラスター・キャノンやレシプロケイティング・クワッド・ブラスター、RPS-6ロケット・ランチャーにPLX-1ポータブル・ミサイル・ランチャーとかなり重武装な重火器を持っていた。一応それらの武器の弾が尽きた時はDC-15ブラスター・カービンやDC-17ハンド・ブラスターで応戦するつもりだそうだ。俺やユエに雷電、そして雷電に召喚されたデルタ分隊にARCトルーパー一個小隊。最早世界に戦争でも仕掛けるつもりかと言わんばかりの軍隊だが、飽くまで俺たちの故郷に帰る為に必要不可欠な仲間達だ。

 

 

「百層目あたりで戦力の増強を行ったのはいいが、流石にこれはやり過ぎたな?」

 

 

流石の雷電もこればかりは少しやり過ぎたと言わんばかりに少し反省していた。ユエは雷電が召喚したARCトルーパー達に驚いていた。……まぁ、ユエにとって人間を召喚する技能を持った者は多分雷電が初めてだろうな?

 

 

「彼ら…全部、ライデンが召喚した者たち?」

 

「あぁ……一応彼らは、所謂使い魔という形の兵隊だ。ちゃんと個々の感情があり、仲間意識が強い最強の兵隊だ。……もっとも彼らは戦う為に造られた命でもあり、見方によっては換えの効く消耗品とも言えるが、俺は彼らをそんな風に見てはいない。彼らだってちゃんとした人であり、人間だ。俺にとって掛け替えの無い戦友達だ」

 

「そのおかげで、俺たちは何とか百層目に到達した訳だが……問題はこっから先にある扉の向こう側だな」

 

 

そう言って俺は扉の方を見る。その扉の高さが異常で、如何にもこの扉の向こうに迷宮のボスがいるのは確実だと本能が訴えてくる。

 

 

「感知系の技能に反応がなくても本能で分かる。この先はマズイってな。怖いか、ユエ?」

 

「ハジメと一緒だから、大丈夫」

 

「ヒューッ!熱いねぇ、お二人さん」

 

「茶化すな62。俺たちのやることは変わりはない、いつも通りでいくぞデルタ」

 

「ボスの言う通りだ。ARCトルーパー諸君、お前たちがこの任務に選ばれたのはお前達が最高の戦士だからだ。諸君等の連携がこの危険な任務を成功へと導く鍵となる。その分お前達には、自分たちの命を懸けてもらうことになる。だが、あえて言わせてもらう…死に急ぐな、生き残れ!」

 

「「「サー、イエッサー!!」」」

 

 

雷電がARCトルーパーに期待しながらも死に急がない様に生き残る様に告げる。これによりARCトルーパーの士気は上がった。そして俺たちはオルクス大迷宮奈落の底の百階層の扉を開き、その部屋に侵入する。侵入した場所は巨大なクリスタルの柱が無数に建ち並ぶ所だった。その時に雷電は無言でARCトルーパーに手でハンドサインを作り、指示を出した。ARCトルーパーは手際良くクリスタルの柱に身を隠しながらもクリアリングを行っていた。俺はARCトルーパーの手際の良い行動を見て流石は精鋭部隊だなと思った。

 

 

「……彼らは何をしているの?」

 

「あれは周囲の安全確保だ。トラップとか敵がいないかの周辺確認だな」

 

「全周囲異常なし。将軍……今の所はクリアですが、トラップの類が発見出来ません」

 

「その様だな、あまりリスクは犯したくないがそうも言ってられない。デルタ分隊にARCトルーパー部隊、全員戦闘準備しつつ警戒せよ!」

 

 

そう雷電がトルーパー達に指示を出し、デルタ分隊やARCトルーパー部隊はクリスタルの柱に身を潜めながら待ち伏せに入る。

 

 

「二人とも、一応トルーパー達の援護があるとは言え、用心しながら進むぞ。あの先がゴールだとするなら必ず門番が存在する筈だ」

 

「まぁ…確かに、お約束と言やぁお約束だな。…いけるな、ユエ?」

 

「うん……大丈夫。私、頑張る!」

 

 

そう俺たちの決意を雷電に伝え、俺たちは慎重に進んだ。すると俺たちの目の前に魔法陣が出現する。しかし、その魔法陣に問題があった。それは魔法陣の範囲の大きさだった。

 

 

「この大きさ……この魔法陣から出てくるのはそれなりにデカい魔物が出現するかもしれん。流石にジロ・ビーストの大きさまでとはいかないが……」

 

「上等だ!……この迷宮のラスボスだろうが俺たちは負けねえ!」

 

「大丈夫、私たち……負けない!」

 

 

俺たちは魔法陣から出てくる敵に警戒しつつもそれぞれの武器を構えた。そして魔法陣から出現した魔物は六つの首が存在するドラゴン“ヒュドラ”の姿であった。ヒュドラは俺たちを認識した瞬間、赤いドラゴンの頭が火炎弾を放ち、先制攻撃を仕掛ける。俺たちはそれを避けてそのまま反撃に移ると同時に雷電はクリスタルに身を潜めている全トルーパーに号令する。

 

 

「全トルーパー、攻撃開始!」

 

 

それを皮切りにデルタ分隊やARCトルーパー部隊は持てる火力の全てをヒュドラにぶつけた。デルタ分隊からはDC-17m対装甲アタッチメントによるグレネード・ランチャー。ARCトルーパーからはZ-6ロータリー・ブラスター・キャノン、レシプロケイティング・クワッド・ブラスター、RPS-6ロケット・ランチャーにPLX-1ポータブル・ミサイル・ランチャーと大火力でヒュドラに攻撃する。それによりヒュドラの赤、青、黄、緑のドラゴンの頭がダメージを受ける。

 

 

「よしっ…これならいけるか?」

 

「いや…まだの様だ、特にあの白いのを見ろ!」

 

 

雷電がヒュドラの白いドラゴンの首の方に指を指す。するとヒュドラの白いドラゴンの頭は詠唱すると、先ほどダメージを受けていた赤、青、黄、緑のドラゴンの頭が傷ついたところが回復していった。

 

 

「クソッ!あの白い奴は回復役か!」

 

「そしてあの黄色のドラゴンの頭は白いドラゴンの頭を守る為にあえてトルーパー達の攻撃を受けていた。これほど厄介な魔物は初めてだぞ?」

 

「チッ!攻撃に盾に回復と、実にバランスがいいことだな!」

 

 

そう言いながらも俺は焼夷手榴弾をヒュドラに目掛けて三つ投げ出した。焼夷手榴弾はヒュドラの上空で爆発し、その炎はヒュドラの身体に浴びる様に覆い被さった。この攻撃にヒュドラの全てのドラゴンの首達が苦しんだ。そして追撃と言わんばかりに雷電は俺が錬成で作った処刑人の剣で赤いドラゴンの頭を切り落とした。

 

 

「先ずは一本…!」

 

「その調子だ、雷電!ユエ、雷電の援護を!」

 

 

そう俺がユエに指示を出し、俺はヒュドラの注意を引くためにドンナーを撃つ。ARCトルーパー達やデルタ分隊も重火器やブラスターで俺たちを援護するのだった。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

六つの首を持つドラゴンの様な魔物を相手にしつつも俺は六つの首を特徴を見極めていた。赤いドラゴンの首は火属性による魔法攻撃役で青いドラゴンの首は氷、緑のドラゴンの首は風。黄色のドラゴンの首は白いドラゴンの首を守る盾役を、白いドラゴンの首は回復役と改めて確認してみたらバランスが整った敵であることを理解した。…しかし既に俺はその赤いドラゴンの頭の首を切り落として残りは五本となった。…ただ問題があるとするのならば、あの黒いドラゴンの頭だ。あの黒いドラゴンの頭は一体何の能力を持っているのか、まだはっきりしてなかった。とりあえず俺は適当に攻撃しつつも敵の特徴の解析を行っていたその時であった。

 

 

「“砲皇”!……きゃあっ!?」

 

「ユエっ!?」

 

 

ユエが黒いドラゴンの首によって叩き落され、咄嗟に俺はユエの方に向かった。しかし、この判断がいけなかった。その時に黒いドラゴンの首は俺とユエの間近にいて、じっとこちらを見ていた。

 

 

「大丈夫か、ユエ……っ!?ユエ、奴の目を見るな!」

 

「…っ、ライデン?」

 

 

俺は直感的に危険を察知して直ぐにユエの目を隠す。すると黒いドラゴンの目が異様な光を放った。その時に俺の周りが暗くなり、辺りが何も見えなくなる。

 

 

「何だ……?まさか、幻覚か?だとしたら不味いな……幻覚耐性はまだ身に付いては……?」

 

 

すると一点の光が漏れ出す。その光の中にはハジメやユエの影の姿があった。

 

 

「ハジメにユエ?……だが影だけ?これは一体……っ!?」

 

 

そう考えている瞬間、突如と青い光の閃光が一閃。ハジメとユエの影の首を両断する。その時に俺は明細に見えてしまった。

 

 

 

ハジメとユエのゆがんだ表情をした生首を……

 

 

 

「いやっ……これは幻覚なんだ!これは幻覚だ、これは………!」

 

 

そう否定する中、俺はハジメ達の影を斬った者は青い光の剣で照らされていることが分かった。そして、その正体が判明した。それはこの世界にいない筈の裏切り者の()()()()()()()()()()()()()の姿だった。

 

 

「お前は……スカイウォーカー………!」

 

 

その時に俺の中で密かに蠢いていた怒りと憎しみと闘争本能があの男を殺せと信号が脳へと伝わってくる。

 

 

 

殺してやる…

 

 

 

殺してやる…

 

 

 

殺してやる…!

 

 

 

殺してやる…!!

 

 

 

そして俺は気付かぬうちに歪んだ表情で笑っていた。怒りと殺意の声を出しながら……

 

 

「く…くくくっ……はっははははっ………!そうだったな、例えこれが幻覚だろうと何だろうと俺の知ったことじゃない!お前が俺たちジェダイ達やマスターを…!お前が、お前がぁっ!!

 

 

 

「……うぅっぉぉぉぉぁぁぁあああーっ!!スカイウォーカァァァー!!!」

 

 

 

俺は怒りと本能のままにハジメが作った処刑人の剣を片手にスカイウォーカーに飛び掛かり、斬り掛かった。その果てが孤独と虚しさが待っていることを知らずに……。

 

 

雷電Side out

 

 

 

俺がヒュドラの注意を引いている時に問題が発生した。雷電がユエを庇ってあの黒いドラゴンの首から何かしらの幻術を掛けられていた。そして黒いドラゴンの頭はそのまま雷電に喰らいつこうとしていた。

 

 

「雷電!?テメェ!させるか「……うぉぉぉぁぁぁあああーっ!!スカイウォーカァァァー!!!」……な、雷電っ!?」

 

 

俺が雷電を助けに向かおうとした途端、雷電は怒り狂った表情をしながらも処刑人の剣でその黒いドラゴンの首を切断した。流石のヒュドラもこれは想定外だったのかかなり焦っている様子だった。そして何よりも雷電の急激な変化に俺やユエ、デルタ分隊にARCトルーパーのクローン達も驚きを隠せないでいた。あの変わりよう……まるでフォースの暗黒面に取り付かれている様なもんじゃねぇか!

 

 

「ハジメ、ライデンが…私を庇って……!」

 

「分かってる!…だが無闇に彼奴のところに近づけば巻き添えをくらうぞ!」

 

「おいおい、将軍が何かヤベぇ感じに暴走しているぞ!?」

 

「…かなり危険だが、何とか止めるしかない。デルタ、将軍を止めるぞ!ARCトルーパーは万が一のことを考え、此処で待機してくれ!」

 

 

デルタ分隊は雷電を止めようと行動し、残ったARCトルーパー達はボスに言われた通り万が一のことを想定し、対応出来る様に待機するのであった。

 

 

「…俺たちもじっとしていられねぇ!ユエ、雷電を止めに行くぞ!」

 

「うん!ライデンは、私を助ける為に庇ってくれた。…だから、今度は私たちが助ける…!」

 

 

俺たちも雷電の暴走を止める為にデルタ分隊の後を追って雷電の下に向かう。

 

 

 

雷電がヒュドラと戦っている最中、俺たちが来た時には既にヒュドラの首は黄色と白の二つしか無かった。その証拠に切り落とされたドラゴン達の首の切り傷が滅多切りにされており、雷電は怒りと闘争本能のまま、完全に容赦なくヒュドラを殺しきるつもりだった。黄色のドラゴンの頭はせめて一矢報いようと雷電に向かって首を伸ばし、雷電を喰らおうとした。だが、個々で雷電が予想外な行動を取った。

 

 

「…邪魔だぁぁああーっ!!」

 

 

雷電がヒュドラに手を前に出した瞬間、手の指先から青白い強力な電撃を放った。俺はあの電撃には見覚えがあった。あれはシスの暗黒卿であるシディアスやドゥークー伯爵が持つフォースの技の一つ“フォース・ライトニング”だった。そのフォース・ライトニングを受けた黄色のドラゴンの頭は感電し、しびれて動けなくなっていた。そんな隙だらけの瞬間を逃さず、雷電は処刑人の剣で首を一閃、両断した。残るは白いドラゴンの頭だけであった。だが、その白いドラゴンの頭は雷電の圧倒的な力と怒りに恐れるあまり、後ずさりしてしまう。しかし、その行動が返って雷電の怒りの炎に油を注ぐことになる。

 

 

「逃がさん……!!」

 

 

雷電がフォースを使って白いドラゴンの動きを止めたと思いきや、その白いドラゴンの頭が苦しがっていた。まるで息が出来ない様な感じで暴れていた。そして雷電がフォースを操っていた手を瞬時に握り締めると、その白いドラゴンの首は曲がってはいけない角度に曲がると同時に“ゴキッ”と決して鳴ってはいけない音を鳴らして絶命する。この様な光景を俺たちは見てしまい、改めて雷電がかなり不味い状況にあると判断する。全てが終わったと思われた瞬間、雷電が俺たちを見た瞬間、獲物を見つけた様に笑っていたのだ。その時の雷電の瞳は魔物の肉を食べる前と変わらなかった紅色の瞳ではなく黄金の瞳へと変わっていた。今の雷電はシスの暗黒卿と同じ暗黒面に取り付かれていることを俺は悟ってしまった。

 

 

「フフフ……!」

 

「雷電……っ!…チィッ!?」

 

 

そして雷電は処刑人の剣で俺だけを狙ってきた。ユエやデルタ分隊を無視して。俺はドンナーの銃身で雷電の処刑人の剣の刃を受け止める。

 

 

「ハジメっ!?」

 

「駄目だ、完全に俺たちに対して眼中に無い様だ!」

 

「チッ……クソがっ!おい、雷電!いつまで寝ぼけてやがる!いい加減目を覚ませ!」

 

「くはははっ……!」

 

 

俺はドンナーで受け止めている雷電の処刑人の剣を外側に去なし、距離を取りながらもドンナーを撃ち込む。その時に雷電はもう一振りとエレクトロ・ロングバトンを取り出してドンナーから電磁加速で放たれる弾丸を処刑人の剣と合わせて二刀流で弾いた。

 

 

「“緋槍”!」

 

「将軍を無力化するぞ、デルタ!」

 

「「「了解!」」」

 

 

その後からユエの緋槍やデルタ分隊の援護射撃を受けるも、雷電は二刀流で軽々とユエ達の攻撃を去なす。雷電が元ジェダイであるが故にデルタ分隊のブラスター弾を相手に弾き返して来ないあたり、まだ彼奴の意識が僅かに残っている可能性があった。そして俺はある一か八かの賭けに出た。

 

 

「本当ならあのヒュドラにぶちかますつもりだったが、止む終えねえ……!雷電なら多分フォースとかで何とかするだろう。ユエ、デルタ、今から俺の切り札を使う。連発は出来ねえから援護してくれ」

 

「…ん!」

 

「了解だハジメ。デルタ、ユエのバックアップだ!」

 

 

ユエは無詠唱で“緋槍”や“砲皇”、“凍雨”といった魔法を連続で放ち、デルタ分隊も持てる火力を雷電にぶつける。ユエ達が雷電を足止めしている間に俺は切り札とも言えるとっておきである電磁加速式対物ライフル“シュラーゲン”を取り出す。そして照準を雷電に向けながら纏雷を使い、シュラーゲンが紅いスパークを起こす。弾丸はタウル鉱石をサソリモドキの外殻であるシュタル鉱石でコーティングした地球で言うところのフルメタルジャケットだ。シュタル鉱石は魔力との親和性が高く、纏雷にもよく馴染む。

 

 

「いい加減に目を覚ましやがれ、雷電っ!!」

 

「……くっ!?」

 

 

危険を察知したのか雷電は前を向いたまま距離を取った。しかし、そんなのは関係無い。俺は雷電に向けてシュラーゲンの引き金を引き、銃口から大砲でも撃ったかのような凄まじい炸裂音と共にフルメタルジャケットの赤い弾丸が、更に約一・五メートルのバレルにより電磁加速を加えられる。その威力はドンナーの最大威力の更に十倍。単純計算で通常の対物ライフルの百倍の破壊力である。異世界の特殊な鉱石と固有魔法がなければ到底実現し得なかった怪物兵器だ。

 

 

 

発射の光景は正しく極太のレーザー兵器のよう。かつて、勇者の光輝がベヒモスに放った切り札が、まるで児戯に思える。射出された弾丸は真っ直ぐ周囲の空気を焼きながら雷電に直撃すると思いきや、雷電は俺が考えた通りフォースで電磁加速で放たれた弾丸を止めていた。しかし、俺が放ったのは電磁加速式の対物ライフルから放たれた弾丸だ。それを止めるのに両手でフォースをコントロールする様に集中する他に無かった。その時に雷電の周りに水色の球体が雷電を囲む様に展開されていた。その球体の正体はユエからは放たれる魔法の一つであった。ある程度の数の球体が雷電を囲った時には既にユエの攻撃準備が終わっていた。この時の雷電はシュラーゲンから放たれた弾丸を止めるのに精一杯だった為かユエの攻撃魔法を躱す余裕が無かった。

 

 

「“天灼”」

 

 

その隙にユエがそう唱えた瞬間、球体から青白い電撃が放たれて雷電に襲いかかった。これはやり過ぎではないのかと思われるが、今の雷電は正気でもなく、フォースの暗黒面に囚われている。相手が殺す気で来る以上、こっちも殺す気で止めなければ逆に俺たちが殺られるのがオチだ。ユエの天灼をまともに喰らった雷電は悲鳴を上げる暇もないまま膝をつく。そして黒いドラゴンから受けたバッドステータスの効果が切れた影響か、雷電の瞳が黄金から元の紅色の瞳に戻り、その場で倒れ込み気を失ってしまう。流石のデルタ分隊のスコーチは雷電が死んだのではないのか不安に思った。

 

 

「お…おい?死んじゃってはいない……よな?」

 

「もし将軍が死んだなら俺たちはとっくに消えている筈だ。つまり、まだ将軍は生きている」

 

「……ったく、面倒かけるな。ユエ、ありがとな」

 

「…ん。……っ!ハジメ!!」

 

「っ!?」

 

 

その時にユエの切羽詰まった声が響き渡る。何事かと見開かれたユエの視線を辿ると、そこには雷電が倒した……というより黒いドラゴンのバッドステータスによって暴走し、逆に巻き込まれて殺された筈のヒュドラが音もなく七つ目の頭が胴体部分からせり上がり、俺たちを睥睨していた。

 

 

「遮蔽に隠れろ、デルタ!ハジメ、ユエ!すぐに遮蔽に隠れろ!奴の報復が来るぞ!!」

 

 

ボスの言う通り七つ目の銀色に輝く頭は、俺からスっと視線を逸らすとユエをその鋭い眼光で射抜き予備動作もなく極光を放った。先ほどのハジメのシュラーゲンもかくやという極光は瞬く間にユエに迫る。デルタ分隊は既に遮蔽に身を隠したのだが、俺は動けるにしてもユエは雷電を止める為に魔力を大幅に消費し、魔力枯渇で動けない。

 

 

「っ!…ユエ!!」

 

 

俺は咄嗟にユエの前に立ち、サイクロプスから得た技能の“金剛”である程度のダメージ軽減でヒュドラの銀色の頭からの攻撃を防ごうとした。極光が俺を飲み込んだ時に俺の意識がそこで途切れてしまい、後ろのユエも直撃は受けなかったものの余波により体を強かに打ちぬかれ吹き飛ばされた。

 

 

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