ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
13話目です。
オルクス大迷宮の最深部のガーディアンの役割を持つヒュドラを倒してから俺たちは倒れて気を失っているハジメを運んでライトセーバーがあった扉の奥に進むと、予想外な場所にたどり着いた。そこは迷宮の最深部だというのに外と勘違いさせる程の空間があった。更には反逆者の住処と思わしき屋敷があった。
「ここは……この迷宮を作った反逆者の住処か?それにしては中々凝った趣味をしているな?」
「此処じゃあまるで何処かの森林にある村を見つけた様なものだ。見ろ、天井近くの壁から川と思わしき水が流れている。その川には魚が生息している。それに家畜部屋や大きな畑もあるようだ。家畜部屋には動物の気配はないが、ある程度なら自炊できそうだ」
「此処がこの世界の反逆者達が作り上げたとなると、それなりの技術力があると見ていいですね。…しかし、解せないことがあります。何故これほどの技術力や迷宮を作れるものが世界を手に入れようとしたのか分かりません」
「その辺は俺も知りたいところだが、今はその時ではないぞデルタ。将軍、彼所に寝所と思われる場所がある。そこでハジメを休ませよう」
「そうだな……よしっデルタ分隊はハジメをあの場所まで運んでくれ。ARCトルーパー達は半分に分ける。半分は負傷者の治療ともう半分はこの場所と屋敷の探索と家畜部屋に何かしらの動物がいないかの確認をしろ」
「「「サー、イエッサー!」」」
そう俺が指示を出し、ARCトルーパー達は各個に分かれて負傷者の治療とこの場所と屋敷を探索に移る。
「ライデン、私は……?」
「ユエは出来るだけハジメの看病を頼む。万が一ハジメが起きたとしてもまだ動けない筈だ…ユエはハジメの側にいてやってくれ」
そうユエに伝えるとユエは嬉しそうに俺の頼みを了承した。……あの迷宮での出会いからハジメはユエに気に入られたんだなと思った自分がいた。そう思いながらも俺もハジメが目覚めるまでしばらく此処で滞在することになった。その後にARCトルーパー達から連絡があった。この場所と屋敷は俺たちの読み通り、反逆者の一人が所有していた場所だった。その証拠に屋敷の三階にある奥の部屋に白骨化した人影の骸があった。その白骨化した骸には黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っていたとのことだ。恐らく、その骸こそ例の反逆者の骸の様だ。
……しかし、気になることがあった。この屋敷にある暖炉や柔らかな絨毯、ソファのあるリビングらしき場所、台所、トイレなどがありながらも、長年放置されていたような気配は無かった。……例えるならば旅行から帰った時の家の様と言えば分かるだろうか?しばらく人が使っていなかったんだなと言う感じの空気だ。まるで、人は住んでいないが管理維持だけはしているみたいの様で何かしらと気味が悪かった。そしてその後の調べによると、この世界のドロイド的な存在に位置する“ゴーレム”と呼ばれる物がこの屋敷を長年掃除を繰り返していた様だ。まるで帰らぬ者となった主の帰りをずっと待っているかの様に……。そう考えながらも俺はハジメが目を覚ますまで、しばらくの間はハジメが眠るベッドに寄りかかりながら眠るのであった。
雷電Side out
俺は……いや、俺たちはどうなったんだ?覚えているといえば俺たちはヒュドラを倒したのはいいが、その時に俺の身体が限界が来てその場で倒れてしまった。その後の記憶が全くねえ。今わかる事といえば、体全体が何か温かで柔らかな物に包まれているのを感じた。随分と懐かしい感触だ。これは、そうベッドの感触だ。頭と背中を優しく受け止めるクッションと、体を包む羽毛の柔らかさを感じ、俺のまどろむ意識は混乱する。
(どういう事だ?ここは迷宮の筈じゃ……それ以前に何で俺はベッドに……)
俺は身体を動かす前に残っている左眼で辺りを見渡すと、そこには雷電がベッドに寄りかかりながら眠っていた。俺が起きるのを待っているかの様に。俺は自分が本当にベッドで寝ていることに気がついた。そう考えたその時……
「……ぁん……」
何やら艶かしい喘ぎ声が聞こえた。
「ん?……ぅわっ!?」
その瞬間、まどろんでいた俺の意識は一気に覚醒する。慌てて体を起こし、シーツを捲ると隣には一糸纏わないユエがハジメの右手に抱きつきながら眠っていた。そして、今更ながらに気がつくが俺自身も素っ裸だった。
「……んぁ……ハジメ……ぁう……」
「ユエ!起きてくれ、ユエ!」
「んぅ~……」
俺はユエに声をかけるが愚図るようにイヤイヤをしながら丸くなるユエ。それに対して俺は短気を起こし……
「…いい加減に起きやがれ!この天然エロ吸血姫!!」
俺は纏雷を発動させ、バリバリと右手に放電が走る。
「!?…アババババババアバババ!?」
「!?…あばばばばっばっばばらりるれろろろろろろろ!?」
「……あっ」
俺はこの時に雷電がいることをすっかり忘れていて雷電までも纏雷の餌食になってユエ同様に感電する。そして雷電は目を覚ましたや否や、ライトセーバーを起動させて周囲を警戒する。
「なっ何だ!?新手のシスの攻撃か?!……って、ハジメ?お前起きていたのか?」
雷電はシスの攻撃ではないことを知ったところでライトセーバーのスイッチを切り、懐にしまった時に途中で声を中断させる。
「あぁ…何とかな。それと悪い、お前がいるのを忘れてつい纏雷を…な?……それとどうした?俺に何かついているのか?」
「……ハジメ?」
その時にユエが纏雷による感電から
「あぁ、ハジメさんだ。ねぼすけ、目は覚め……「ハジメ!」!?」
目を覚ましたユエは茫洋とした目でハジメを見ると、次の瞬間にはカッと目を見開きハジメに飛びついた。もちろん素っ裸で。動揺するハジメ。しかし、ユエがハジメの首筋に顔を埋めながら、ぐすっと鼻を鳴らしていることに気が付くと、仕方ないなと苦笑いして頭を撫でた。
「わりぃ、随分心配かけたみたいだな」
「んっ……心配した……」
「…んんっ!あーっ……その前にだ、ハジメ。今更かもしれないが、お楽しみ中にすまないと言わせてもらう」
「は?お楽しみ…?……って、はいっ?!」
雷電が言っている意味を理解した俺は必要以上に動揺してしまう。ユエは満更でもないかの様に顔を真っ赤にする。その時にスコーチがやって来て俺たちの今の光景を見て“お楽しみでしたねぇ……だったか?へへっ……”と言ってきた時に俺はブチキレてドンナーをぶっ放した。因みに敢えて当てずにわざと外しておいた。それ以降スコーチは余りハジメをからかうのを止めるのであった。
色々とあったが、雷電とユエからあの後どうなったのか聞いたところ、この反逆者の住処と思わしき場所に辿り着いたらしい。俺が気を失ってから雷電達は、俺を運んで此処のベッドに寝かせつつも神水やバクタを使い、完治するまでしばらくの間ユエが看病していた様だ。その間に雷電はARCトルーパー達にこの場所と屋敷内の捜索を命じて色々と調べてもらいつつも俺が目を覚ますまで一旦此処で休んでいた様だ。もっとも、タイミングが悪く俺が発動させた纏雷の餌食になったのだが……。まぁ…それは置いておくとして、俺が着ていたフェーズⅠARCトルーパー・アーマーはどうなったというと雷電曰く、完全に使い物にならなくなってしまったらしい。その代わりとして反逆者の屋敷から上質な服を持って来てくれたそうだったので俺はそれを着ることにした。因みにユエが着ていたジェダイの服一式とローブは洗濯中だった為にカッターシャツ一枚しか着ていなかった。
「…なぁユエ、狙っているのか?」
「?……サイズ合わない」
「ユエ、それは男性用の服だ。サイズが違うのも当然だ」
雷電の言う通り男物のサイズなんて身長が百四十センチしかないユエには合わないだろう。しかし、それなりの膨らみが覗く胸元やスラリと伸びた真っ白な脚線が、ユエの纏う雰囲気のせいか見た目の幼さに反して何とも扇情的で、俺としては正直目のやり場に困るのだった。……天然なのか狙っているのか分からないが色んな意味で恐ろしいと思った。
ハジメSide out
ハジメ達が服を着た後に屋敷を探索し始めた。予めARCトルーパー達が探索したから大体のことは把握しているとはいえハジメは別だ。まず、ハジメの目に入ったのは太陽だ。もちろんここは地下迷宮であり本物ではない。頭上には円錐状の物体が天井高く浮いており、その底面に煌々と輝く球体が浮いていたのである。僅かに温かみを感じる上、蛍光灯のような無機質さを感じないため、思わず“太陽”と称したのである。
「本当に此処が迷宮だとは思えねぇな?まるで外と変わらねえじゃねぇか……」
「……夜になると月みたいになる」
「マジか……」
「しかし…この場所を作った反逆者はコロニーとしての環境をよく理解出来ている。ここは一家の別荘地として最適なくらいだ。とりあえずこの屋敷を探索してみよう」
「あぁ……道案内を任せるぜ」
そう道案内を任された俺はハジメ達と共に屋敷内を探索するのである。屋敷内をある程度探索した後に外に再び出た。そこには大きな円状の穴があり、その淵にはライオンぽい動物の彫刻が口を開いた状態で鎮座している。彫刻の隣には魔法陣が刻まれている。気になった俺は少し確認してみようと魔力を注いでみるとライオンモドキの口から勢いよく温水が飛び出した。どこの世界でも水を吐くのはライオンというのがお約束らしいが、実際はどうなのかは俺には分からない。……だが、風呂があるというのはある意味助かった。
「風呂か……助かるな。この何ヶ月風呂に入る機会が無かったからな」
「確かにな、俺たちに取ってありがたいな」
「……入る、一緒に?」
「一人でのんびりな……」
「むぅ……」
今のユエの反応からしてユエはハジメに好意を抱いているようだ。そう考えながらも俺たちは再び屋敷内を探索した。ARCトルーパーの報告通り、二階で書斎や工房らしき部屋を発見した。しかし、書棚も工房の中の扉も封印がされているらしくハジメの錬成でもってしても開けることはできなかった。仕方なく諦め、探索を続ける。そして俺たち三人は三階に辿り着き、反逆者の骸がある奥の部屋に入る。改めてこの部屋を見渡してみると直径七、八メートルの今まで見たこともないほど精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。いっそ一つの芸術といってもいいほど見事な幾何学模様である。
「此処が反逆者がいたと思われる場所だ。あの玉座に座り込んでいる骸は既に白骨化しているとはいえ恐らくは……」
「反逆者の骸の可能性があるってことか。特にあの魔法陣の位置といい、あの反逆者の骸の位置といい、まるで……誰かを待っている見たいだな。地上への道を調べるには、この部屋が鍵だろうな。俺の錬成を受け付けない書斎と工房の封印を解くには。……ユエ、雷電。もしもの時は頼む」
「ん……気をつけて」
「十分に警戒して行け、何が起こるのか分からないからな」
そう俺がハジメに伝えた後にハジメは魔法陣の上に進む。そしてハジメが魔法陣の中に踏み込んだ瞬間、魔法陣が光り出した。その魔法陣の中にいたハジメは光の眩しさに目を瞑っていた。そして光が収まると骸から黒衣の青年が現れた。しかし、俺は違和感を覚えた。突如と出現した黒衣の青年はまるでホログラムの様な感じだった。
「あれは……ホロクロンと同じホログラムメッセージか?」
《試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。“反逆者”…と言えばわかるかな?》
「アンタが……それに、これがホログラムメッセージか?」
《ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを》
そうして俺たちはオスカー・オルクスが残したメッセージを最後まで聞くことにした。
その内容はあまりにも酷な話でありながらも俺たちが聖教教会で教わった歴史とユエから聞かされた反逆者の話とは大きく異なった。
神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた。人間と魔人、様々な亜人達が絶えず戦争を続けていた。争う理由は様々だ。領土拡大、種族的価値観、支配欲、他にも色々あるが、その一番は“神敵”だから。今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っていた。その神からの神託で人々は争い続けていたのだ。だが、そんな何百年と続く争いに終止符を討たんとする者達が現れた。それが当時、“解放者”と呼ばれた集団である。彼らには共通する繋がりがあった。それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったということだ。そのためか“解放者”のリーダーは、ある時偶然にも神々の真意を知ってしまった。何と神々は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していたのだ。“解放者”のリーダーは、神々が裏で人々を巧みに操り戦争へと駆り立てていることに耐えられなくなり志を同じくするものを集めたのだ。
彼等は、“神域”と呼ばれる神々がいると言われている場所を突き止めた。“解放者”のメンバーでも先祖返りと言われる強力な力を持った七人を中心に、彼等は神々に戦いを挑んだ。……しかし、その目論見は戦う前に破綻してしまう。何と、神は人々を巧みに操り、“解放者”達を世界に破滅をもたらそうとする神敵であると認識させて人々自身に相手をさせたのである。その過程にも紆余曲折はあったのだが、結局、守るべき人々に力を振るう訳にもいかず、神の恩恵も忘れて世界を滅ぼさんと神に仇なした“反逆者”のレッテルを貼られ“解放者”達は討たれていった。この話を聞かされて俺は前世で体験したクローン達の反乱……基、スカイウォーカーの裏切りと酷似していた。俺たちジェダイはシスの陰謀によってジェダイは銀河を支配する“反逆者”兼“暴力装置”として多くのジェダイはクローン達とスカイウォーカーによって討たれた。そして俺もまたその討たれたジェダイの一人だ。何という偶然、何という皮肉。俺が体験した歴史と似過ぎていた。
最後まで残ったのは中心の七人だけだった。世界を敵に回し、彼等は、もはや自分達では神を討つことはできないと判断した。そして、バラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにしたのだ。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って。全てを話し終えたかの様にオスカーは穏やかに微笑む。
《君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを》
そうホログラムのオスカーは話を締めくくり、消えていった。同時に、ハジメは何かが頭の中に入ってくるのを感じ取ったのか頭を抱え込んで膝をつく。しばらくするとハジメは苦痛から解放されたのか頭を抱えなくなった。
「ハジメ……大丈夫?」
「大丈夫か、ハジメ?何かと苦しそうだったが?」
「あぁ、平気だ。……にしても、どえらいこと聞いちまったな」
そうだなと言いつつも俺たちはオスカー・オルクスの亡骸を建物近くに“勇気ある解放者オスカー・オルクス此処に眠る”という日本語の刻印を刻んだ墓標を建て埋葬した。その後何かしらの鍵になり得るかもしれないと思い、オスカーの亡骸が嵌めていたと思われる指輪も回収しておいた。もし彼が生きている時代に俺たちが来ていればこの様な結末は回避出来たのではないのか?と考えてしまうがよそはよそ、うちはうちと割切り、俺たちは元の世界の故郷に帰る為の手段を考えるのであった。因みにオスカーのホログラムの話が終わった時にハジメは魔法陣から“生成魔法”というアーティファクト制作魔法を習得したそうだ。その生成魔法でハジメは現代兵器やクローン達が使うブラスターなどの光学兵器を開発してしようと思ったのは余談である。
色々なことがありながらも俺はハジメ達に今後のことでどうするかを聞いてみた。
「……ハジメ、これからどうする?どの道元の世界に帰る為には、あのエヒトという神と戦わなきゃならない様だが?」
「あっ?……何でだ?」
「俺たちをこの世界に連れ込んだあのはた迷惑な神エヒトという存在だ。もしそいつを野放しにすれば俺たちはその神の妨害を受けることになる。そうならない様にこの世界の創造神であるエヒトを攻略しなければならない」
「……なるほどな、一理あるな。俺たちはある意味この世界の力から逸脱した存在だ。そのエヒトって野郎が俺たちこと面白い駒を見逃す筈が無いってことか」
「そう言うことになるな。だが、オスカーが言っていた様にもしかしたら神殺しも視野に入れといても損は無いと思う。俺たちの共通の目的は元の世界への帰還。その為にはエヒトを倒さなければ意味が無いという状況だと判断すればいいだけの話だ」
その為にはもっと数の多いクローン達を召喚しなければならない。欲を言えば乗客定員16.000人を乗せられるアクラメーターI級アサルト・シップを召喚出来れば文句は無い。ヴェネター級スター・デストロイヤーでは定員数が2.000人に限られてしまう為に一個師団を乗せられるアクラメーターI級アサルト・シップの方が理想的だ。それに、ヴェネター級スター・デストロイヤーからの砲撃では明らかにオーバーキルだ。……まぁ、アクラメーターI級アサルト・シップの武装もこの世界にとってオーバーキルなんだが、飽くまで兵員用の輸送艦として運用しようと考えるのであった。すると置いてきぼりだったユエが俺たちに今後の方針はどうするか聞いてきた。
「それで……どうするの?」
「そうだな……しばらくは此処に滞在しようと考えている。地上に出たいのは山々だが……せっかく学べるものも多いし、ここは拠点としては最高だ。他の迷宮攻略のことを考えても、ここで可能な限り準備しておきたい。どうだ?」
「俺もそうすべきだ。他の迷宮攻略に向けての準備や様々な訓練を行うにはこれほど適した場所は無い」
「……ハジメと一緒ならどこでもいい」
こうして俺たちは解放者のオスカー・オルクスの住処を拠点に様々な準備や訓練に勤しむのであった。ユエはハジメの推薦で同じ生成魔法を習得したものの相性と適正が悪く、アーティファクトなどの類を作ることは出来なかった。だが、覚えといて損は無いだろう。その後にこの屋敷に封印が掛かっていた書斎や工房の扉をオスカーの指輪を翳すと封印が解けて色々とハジメに取ってありがたいくらいに鉱石や材料が色々とあったのだ。これを機にハジメは生成魔法で兵器開発と乗り物開発、そして失った左腕を補う為に義手開発を行うのであった。そして俺は何故この世界にライトセーバーがあるのか謎に思っていたが、俺はこのライトセーバーに組み込まれているカイバー・クリスタルに導かれたかもしれない。このライトセーバーは絶対に壊さない様にしようと固く心に誓うのであった。
雷電Side out
将軍がしばらくの間此処を拠点にして滞在することになった俺たちは負傷したARCトルーパー達の回復を見送った後に俺達はハジメが錬成で作ってくれた野外入浴セットで出来た簡易風呂で身体を癒していた。俺たちは普段シャワーだけで清潔生を保っていたが、今回の迷宮攻略の際にしばらくの間シャワーですら見込めなかった。しかし、今回は将軍が俺たちを気遣って簡易風呂へ誘ってくれた様だ。
「いや〜……意外と風呂ってのも良いもんだな?お陰で疲れが吹っ飛ぶぜ〜……」
「普段我々特殊部隊は任務が来るたびにシャワーですら惜しむくらいですからこれはこれで新鮮ですね」
「狩りの後の疲れの癒しには持って来いだな……」
「今回の待遇、感謝します将軍」
「いや、お前達には色々と助けられたからな。こっちからも感謝するよ、デルタ分隊」
そう将軍から礼を言われ、俺たちはしばらくの間風呂を満喫しようとした時に屋敷からハジメの悲鳴が木霊した。
「な……何だ!?ハジメに何かあったのか!?」
「スコーチ、大丈夫だよ。多分ユエだよ」
「ユエ?……あーっ成る程な」
「何か言ったか、スコーチ?」
「いやっ…何でもありませんよ、分隊長」
この時に俺は将軍とスコーチが何を考えているのか理解出来なかったが、きっとハジメは別の意味でユエに食われたと理解するのであった。
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おまけ
俺は今あることをする為にオルクス大迷宮で食糧を確保していた。その食糧は当然魔物肉であった。しかし、これには意味がある。それは魔力を帯びた魔物肉を魔力操作の派生技能である遠隔操作で魔力を調整して神水を使わずとも食べられる様にする為の実験でもある。……もっともこれは俺自身地球に転生した時に趣味として料理を覚えたのだ。その趣味の料理で何処までやれるのかやってみたかっただけかもしれない。
今日俺が作ったのは“魔物肉の肉食定食”だ。“魔物肉のステーキ”や“魔物肉の香草焼き”、“骨付き魔物肉の丸焼き”だ。殆ど肉料理だけだった。試しに俺が試食してみると、意外にも味はよく出来上がっていた。しかも、魔物肉を食べた時の副作用である激痛も無かった。これは実験成功だった。その料理をハジメ達に食べさせてみた。
「!……こいつは美味い!」
「美味しい……!」
「そいつは良かった。趣味で料理をやっているとはいえ、上手くいって良かった」
その後、ハジメはかなり気に入ってガツガツと食べていた。しかし、あまりに急いで食べていた為か途中で喉に詰まらせて呼吸困難になり、ユエはハジメの背中を優しく揺するのであった。……古今東西、食べる際はよく噛んで食べることだと改めて認識させられるのであった。