ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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ようやくライセン大峡谷編に突入です。それとシアは無意識ですが、既に目覚めています。


16話目です。


ライセン大峡谷編
旅立ちと残念ウサギ?


 

 

オルクス大迷宮の最深部に至ってから約二ヶ月と数日が経過した。本来なら数日前にここから出ようと思ったのだが、オスカーの屋敷にある工房の隠し部屋が発見された為に、日日を調整すべく数日間ここに滞在した。その間に俺とハジメはお互いに片目を失っている為、ハジメは自分用と俺用に生成魔法で“魔眼石”を作り、それで失った左目に擬似神経を繋いで埋め込んだ。なお、埋め込まれた魔眼石にはハジメが義手に使われていた擬似神経の仕組みを取り込むことで、魔眼が捉えた映像を脳に送ることができるようになったのだ。

 

 

 

因みに俺の片眼に埋め込んだ魔眼石はハジメが生成魔法を使って生成する時に“魔力感知”と“千里眼”を付与して戦術の幅を広げてくれた。そしてハジメはと言うと“魔力感知”は共通で片方は“先読”を付与した様だ。魔眼では通常の視界を得ることはできない。その代わりに、魔力の流れや強弱、属性を色で認識できるようになった上、発動した魔法の核が見えるようにもなった。

 

 

 

そして気になったのはステータスだ。二ヶ月の間、最近見ていない為に俺達は改めて自身のステータスプレートを確認し合ってみた。

 

 

 

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藤原 雷電 17歳 男 レベル???

天職:ジェダイの騎士

筋力:10090《+3000》

体力:11950《+3000》

耐性:10000《+3000》

敏捷:18000《+3000》

魔力:21000《+3000》

魔耐:10450《+3000》

技能:フォース感知者・フォース光明面・フォース暗黒面・剣術・ライトセーバーの型[シャイ=チョー][ソレス][アタル][シエン][ニマン][ジャーカイ]・クローン軍団召喚[+共和国軍兵器召喚][+共和国軍武器・防具召喚][+基地プラント生成]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・フォース操作[+フォース身体強化][+フォーススキル]・全属性適性・全属性耐性・物理耐性・風爪・胃酸強化・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・夜目・遠目・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源探知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・金剛・千里眼・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・生成魔法・言語理解

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???

天職:錬成師

筋力:11200

体力:15010

耐性:11020

敏捷:14700

魔力:16940

魔耐:15900

技能:錬成[+精密錬成][+電子機器錬成][+電子機器組立て錬成][+複製錬成][+鉱物系鑑定][+鉱物探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+超精密錬成]・銀河共和国式近接格闘術・光学兵器知識・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・風爪・夜目・遠見・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・全属性耐性・先読・金剛・物理耐性・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・生成魔法・言語理解

===============================

 

 

 

ハジメのステータスもそうだが、俺のステータスを改めて見た俺は、完全にステータスプレートが仕事を放棄する程ぶっ壊れ性能になっていた事に唖然するしかなかった。…そもそもレベルは100を成長限度とする。その人物の現在の成長度合いを示すものだが、俺達は魔物の肉を喰いすぎて体が変質し過ぎたのか、ある時期からステータスは上がれどレベルは変動しなくなり、遂には非表示になってしまった。

 

 

…それと地上に出る時の装備だが、俺はメルド騎士団長から支給された防具が完全にがたが来た為に破棄して、新たにジェダイのローブと一体化したフェーズⅠクローン・トルーパー・アーマーを召喚して着込み、俺が生成魔法で作った専用のフェーズⅠC T(クローン・トルーパー)カスタムヘルメットを被り、腰にライトセーバーを懸架して準備が完了する。ハジメ達も地上へ出る為の準備を完了させていた。ハジメは黒をベースにしたコートを着い、魔眼石を隠す為の眼帯を装備した。何処の黒の銃士なのかと思った。ユエは普通の衣服とハジメとは正反対に白のコートを着ていた。

 

 

「……ハジメ達も準備を終えた様だな」

 

「まぁな。……にしても雷電、お前本当にそれで良かったのか?俺が言うのも何だが、ジェダイの衣服じゃなくても良いのか?」

 

「この先は長い旅路になるからな。より戦闘向けの装備の方が良いだろう?下手をすれば俺たちは全世界を敵に回す事になるからな」

 

 

事実上、俺たちの武器や力、そしてクローン・トルーパーを召喚出来る俺は地上にとっては異端だ。聖教教会や各国にとって無視出来ない程の武力を持っていると言っても良いだろう。もしもだが、神を自称する者達と敵対すること想定しておいて損は無いだろう。

 

 

「…まぁ、それもそうか。全員準備は万端…最早魔物の肉から何も得られることはない。装備も整った……それでも二ヶ月以上経っちまったがな」

 

「ん……ハジメ達と一緒なら、大丈夫」

 

「そうだな。……雷電、ユエ、分かっていると思うが俺達の武器や雷電の技能は地上においては異端だ。兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性も極めて大きい」

 

「だからこそ、俺達は俺達で元の世界に帰る為に各地にある大迷宮を攻略し、そして黒幕であろうエヒトを倒す……だろ?」

 

 

俺達の目標は既に決まっている。どんな障害が待ち構えていようとも真っ向から打ち破り、エヒトを倒し、元の世界に帰還する。それが俺達の最終目標である。その時に俺は地上に出る前にハジメにある権限を与えようとハジメに声を掛けた。

 

 

「……と、その前にだ。ハジメ、一旦俺の前で膝をついてくれるか?()()()()を行おうと思う」

 

「ある儀式?……一応聞くが、変な黒魔術っぽい何かの儀式じゃねえよな?」

 

「ジェダイにそんなものがあったら既に暗黒面に落ちているよ。……とにかく、黒魔術の類じゃないから膝をついてくれ」

 

 

ハジメは若干不安を抱えながらも膝をつく。そして俺はライトセーバーを起動させ、プラズマ刃をハジメの横側に向ける。俺がやっているのは、ジェダイ・パダワンがジェダイ・ナイトになる際に行われるナイト昇格の儀式だ。

 

 

「今は無きジェダイ評議会に与えられた権利とフォースの意思により、南雲ハジメ。お前を共和国軍のコマンダーに任命する」

 

「…は?俺が……コマンダー?!」

 

「あぁ、お前ならクローン達を率いても問題は無いと俺は判断した。それに、お前はデルタ分隊のスコーチと仲が良いからな。もし俺が居ない時は、変わりに指示を出してやってくれ」

 

 

俺はハジメをコマンダーに任命した時には、ハジメは面倒くさそうだったが、少しばかり満更でもなかった。こうしてハジメは共和国軍のコマンダーとなったのであった。

 

 

雷電Side

 

 

 

まさか雷電から俺を共和国軍のコマンダーとして任命されるとは思ってもいなかった。だが、これはこれで悪くはないと思った。そうして俺達は、オスカーの屋敷にある三階の部屋に向かった。そこにはデルタ分隊とARCトルーパー達、俺たちがこの屋敷の隠し部屋で発見したR2-D7が待っていた。

 

 

「将軍、こちらは準備完了です」

 

「デルタ分隊もだ。将軍、指令を」

 

「あぁ。……これから俺達はこの部屋にある魔法陣を使って地上へと出る。地上に出た後に、お前達には新たな指令を与える。全員、魔法陣の上に。ハジメ、魔法陣の起動を…」

 

「あぁ…分かってる」

 

 

雷電の指示で全トルーパー、R2は魔法陣の方に集まり、俺は魔法陣を起動させる。

 

 

「さて……ここから新たな旅の始まりだ。俺がユエや雷電を、ユエと雷電は俺を、互いに背中を守りながら行こう」

 

「あぁ……それと、クローン達もな」

 

「だな。…俺たちが揃えば最強だ。全部なぎ倒して、世界を越えよう」

 

「んっ!」

 

 

そうして俺たちは魔法陣の中で俺達の視界を白一色に染めると同時に、一瞬の浮遊感に包まれ、この場から消えるのだった。

 

 

 

場所は変わって、俺達は空気が変わったのを感じた。光が収まり目を開けた俺達の視界に写ったものは……洞窟だった。

 

 

「…何でやねん」

 

「まぁ…流石に地上から大迷宮まで直通だったら、すぐバレるからな。秘密の通路ぐらいは必要だろうな」

 

「…確かに、転移して直ぐ地上に出たんじゃ隠れ家の意味がないからな。秘密の通路があってもおかしくはないか。それと……」

 

 

俺は目の前にある不自然な岩を見つけた。そこには紋様っぽいものが描かれていた。

 

 

「もしかしたら、オスカーの家で見つけたあの指輪ならいけるか?」

 

「…かもな。一旦指輪を翳してみよう」

 

 

俺は宝物庫からオスカー・オルクスの指輪を取り出し、指輪を紋様に向けて翳すと紋様が光り、岩が左右に分かれる様に道が開く。開いた道でその先にある光りを辿って行く。そして、遂に俺達は外へと出ることに成功した。……その外の場所が大峡谷であったとしてもである。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

俺達はオルクス大迷宮から地上に出たのは良いが、目に映った景色は左右に長く伸びる崖のような構造だった。この場所は、オスカーの屋敷にある書斎で見つけた地図に記されていた。その名は、“ライセン大峡谷”。どうやら俺達は、そのライセン大峡谷の谷底にある洞窟の入口にいた様だ。

 

 

「……戻って…来たんだな…」

 

「そうだな。あれから約二ヶ月以上もオルクス大迷宮に居たからな。ようやく俺達は、戻って来れたんだ」

 

「……んっ」

 

 

すると二人はようやく実感が湧いたのか、太陽から視線を逸らすとお互い見つめ合い、そして思いっきり抱きしめ合った。

 

 

「…ぃよっしゃぁああーー!!戻ってきたぞ、この野郎ぉおー!」

 

「んーーっ!!」

 

 

周りの事なんか気にせず、ハジメ達はしばらくの間、人々が地獄と呼ぶ場所には似つかわしくない笑い声が響き渡っていた。途中、地面の出っ張りに躓つまずき転到するも、そんな失敗でさえ無性に可笑しく、二人してケラケラ、クスクスと笑い合う。

 

 

「あはは……地上に戻れて相当嬉しかったんだな?」

 

「おいおい、ハジメとユエの奴。あれじゃ何処かに居るバカップルみたいな感じだぞ?」

 

「62、口は災いの元という諺をお前は知っているか?」

 

「デルタの言う通りだな。……ハジメ、ユエ。お取り込み中すまないが、敵が来たぞ」

 

 

ハジメ達が外に出られた喜びに歓喜しているうちに大峡谷にいる魔物達が俺達を包囲していた。

 

 

「全く…無粋なヤツらだ。もう少し余韻に浸らしてくれよ…」

 

「いや、十分過ぎるでしょ……」

 

「……でもまぁ、地上の敵と殺り合う良い機会だ。雷電、ARCトルーパー達の指揮は任せろ」

 

 

そう言ってハジメは、ドンナーとシュラークを取り出して構える。どうやらハジメはやる気の様だ。

 

 

「そうか?それじゃあ、ARCトルーパー達の指揮をお願いするよ。俺はデルタ分隊を…」

 

 

そして俺もライトセーバーを手にし、起動させてプラズマ刃を二つ生成させる。今の俺の構えはダブル=ブレード・ライトセーバーや二刀流で戦う二マーンの派生の型、“ジャーカイ”である。

 

 

「よし、デルタ分隊は俺と一緒に前方の敵を叩く。ハジメとユエ、ARCトルーパー達は後方の敵を頼む」

 

「任せておけ」

 

「んっ…」

 

 

それぞれ役割分担を決めた後に、俺はダブル=ブレード・ライトセーバーで魔物達を切り捨て、ハジメは二丁拳銃によるガン=カタで無双し、トルーパー達は俺達の援護するのだった。

 

 

 

全ての魔物を一掃したのを確認した後、俺はライトセーバーのスイッチを切り、ハジメはドンナーとシュラークを宝物庫に収納するのであった。この時にハジメはある違和感を覚えた。

 

 

「……どうしたハジメ?」

 

「いや、あっという間に終わった事に何かな……ライセン大峡谷の魔物といやぁ相当凶悪って話だったから、もしや別の場所かと思って」

 

「ハジメ……俺達は魔物の肉を喰ったことで、異常な力を手に入れた事を忘れたか?奈落の底での戦闘もそうだったし」

 

「あーっ…そう言えばそうだったな。奈落の魔物が強すぎて地上の敵が弱く見えるのもそれか…」

 

 

それほどまでに俺達は強くなり過ぎた事をハジメは改めて実感した後、俺は共和国軍兵器召喚で低空強襲トランスポート、通称ガンシップ、又はLAAT/i(ラーティ)を召喚させる。何故ガンシップを召喚したのかというと、王都にいるコルト達やクラスの為にクローン達の増員と、補給物資を送る為である。今回送るのは今いるARCトルーパー全員だ。デルタ分隊は、引き続き俺たちと共に旅をする事に決定した。ARCトルーパー達はガンシップに搭乗した後、ガンシップはそのまま王都へと進路を取り、俺たちと別れたのであった。

 

 

雷電Side out

 

 

 

雷電達が久々の地上に出られたその同時刻、大渓谷に一つの人影があった。水色の長髪にスタイル抜群な体でありながら、露出度の高い服を着た人影。しかし、その人影は頭に兎の耳、お尻には兎の尻尾があった。まるで亜人のような風貌でいた。

 

 

 

その亜人の名前は、“シア・ハウリア”。亜人・兎人族の一部族であるハウリアの族長の一人娘。シア・ハウリアはこの危険地帯であるライセン大渓谷で誰かを待っていた。

 

 

「ふぇ~もう待ちくたびれましたよ~。何時になった会えるんですかぁ~?……それと、余り関係無いのですが、何かと此処から離れなきゃいけないという感じがするです〜」

 

 

私ことシアは固有魔法である“未来視”で、私たち一族を救ってくれる人たちがこの大峡谷にいる事が分かったのは良いものの……それが何時、何処でなのかは全く分からなかったです。それと、この大峡谷に来てから私は魔力以外の何かを感じ取れる様になりました。その何かが私に危険を知らせてくれているのは確かでした。一体何なのか分からないまま私たち一族を救ってくれる人たちを待っていると……

 

 

 

「「グゥルァアアアア!!」」

 

 

 

私の背後からダイヘドアが現れました。……泣きたいです。そしてダイヘドアが私を狙って襲って来ました。

 

 

「ィイヤァァ〜〜!!?早く現れてください〜!?」

 

 

私はまだ見ぬ待ち人に早く現れてくれるのを願いながら、ダイヘドアから逃げるのでした。

 

 

シアSide out

 

 

 

ARCトルーパー達を乗せたガンシップを見送った後に俺は共和国軍兵器召喚で地上用スピーダー・バイクである“BARCスピーダー”を三台も召喚したのだ。三台の内二台は、オプションでサイドカーが取り付けられていた。サイドカー付きのBARCスピーダーにはデルタ分隊が乗り込む。そして俺は、残りのスピーダーに乗り込むのであった。一方のハジメは錬成や生成魔法で作った魔力駆動式のバイク、“シュタイフ”を宝物庫から取り出した後に乗り込み、ユエはハジメにしがみつく様に乗り込んだ。その時に俺はハジメに何処に向かうか聞いた。

 

 

「さてと……ハジメ。此処からどっちに向かう?」

 

「そう…だな。ライセン大峡谷と言えば、七大迷宮があると考えられている場所だ。せっかくだし、樹海側に向けて探索でもしながら進むか?」

 

「樹海側か……となると、目的は町か?」

 

「あぁ……樹海側なら、町にも近そうだしな。峡谷抜けて、いきなり砂漠横断とか流石にお前も嫌だろ?」

 

 

暑さには慣れているが、流石に何も準備ができていない状態で砂漠側に行くのは俺達でも簡便だった。こうして俺達は樹海側に進路を取り、スピーダーとシュタイフで移動を始めるのであった。

 

 

 

移動し始めてから俺はフォースに何かしらのざわつきを感じていた。まるで地下で感じた地上のフォースの使い手が、徐々に近づいてくる感じだった。

 

 

「……やはりな。進めば進む程にフォースが強く感じる…この先に何かがあるのか?「だずげでぐだざ~い!」んっ…何だ?」

 

 

この先に何かがあるのかと考えている時に、誰かが助けを求める声が聞こえた。言うまででもないが、その声はハジメ達にも聞こえていた。その声が聞こえた方角は前方であった。そこで俺達の目に映ったのは、かつて見たティラノモドキに似ているが頭が二つある。双頭のティラノサウルスモドキに追われて、ぴょんぴょんと跳ね回りながら半泣きで逃げ惑うウサミミを生やした少女の姿だった。

 

 

「……何だあれ?」

 

「……兎人族?」

 

「なんでこんな所に?兎人族って谷底が住処なのか?」

 

「……聞いたことない」

 

「じゃあ、あれか?犯罪者として落とされたとか?処刑の方法としてあったよな?」

 

「……悪ウサギ?」

 

 

魔力駆動二輪を止めて、ハジメ達は今こちらに向かってきている兎人族に対して、疑問を抱いていた。いくら面倒事には関わりたくはないからとは言え、放っておくのはどうかと思うが……。そう考えながらも俺は、向かってくるであろう兎人族の少女を助けるべく、スピーダーを加速させ、そのまま双頭のティラノモドキに突っ込む。その時に兎人族の少女はこのタイミングで自棄糞になったのか、双頭のティラノモドキに向けて両手を突き出す。

 

 

「…もう、どうにでもなれです〜!!」

 

 

その瞬間、双頭のティラノモドキが謎の見えない力に押し負けたのか、後方へと吹き飛ばされたのだ。彼女が見せた技は魔法の類ではなかった。何故なら、彼女から魔力が放出された形跡が無かったのだ。だが、問題はそこではない。その兎人族の少女は無意識の内に()()()()()()の一部分を使っているのだ。

 

 

「あ…あれっ?ダイヘドアが勝手に吹っ飛んだです?」

 

「……まさか、今のを無意識で?…地下で感じたフォースが兎人族の少女だったとはな。道理で強いフォースを感じる訳だ!」

 

 

そう、オスカーの屋敷にいた頃に地上から強いフォースを感じたのだ。そのフォースの持ち主が兎人族の少女からだ。本人は全く気付いていないが、彼女はフォースと共にある様だ。そうと分かった時に俺の行動は早かった。スピーダーを双頭のティラノモドキにぶつける為に加速し、突っ込ませる。そしてティラノモドキにぶつかる直前に空力で上空に飛んで脱出し、ライトセーバーを起動させてそのまま双頭のティラノモドキの首を刎ねる。敵を倒した事を確認した後に、俺は兎人族に無事かどうか問い質した。

 

 

「死んでる…ダイヘドアを一撃で倒すなんて…」

 

「大丈夫か、兎人族よ?一応追われていたから助けたが、怪我は無いか?「た……」……た?」

 

「助けていただきありがとうございますぅ!!」

 

「うぉっ!?ちょ…急に抱きつくな!?」

 

 

質問に答えるや否や、兎人族の少女は助けてくれた恩人()に礼を言いながらも抱きついてきたのだった。これはこれで悪い気がしないが、これでは彼女の話が聞けないので俺はハジメにある事を頼む。

 

 

「ハジメ、俺共々構わんから纏雷を頼む」

 

「纏雷って……雷電、お前は大丈夫なのか?」

 

 

ハジメの言う通り、俺は彼女に抱きつかれたままで離そうにも中々彼女が離れてくれないのだ。

 

 

「彼女と正面に話し合う為だ。それと、分かっていると思うがこの大峡谷じゃあ魔法は力押ししないと勝手に魔力分解されるからな」

 

「……分かった。ただし、恨むなよ?」

 

 

そう言ってハジメは俺と兎人族の少女諸共、十倍の威力の纏雷を放つ。

 

 

「「アババババババ!?」」

 

 

俺と彼女はハジメの纏雷を受け、兎人族の少女はハジメの纏雷に痺れたのか、ようやく俺から離れるのであった。

 

 

「あーっ……死ぬかと思った」

 

「うぅ〜…こんな場面、未来視で見えてなかったのに…。それと貴方!さっきは何をするんですか!!私のような美少女によくこんなことができますね!!」

 

「自分で言うか…それ?」

 

 

こうして俺達はこの地上で初の接触者であり、後の仲間になる兎人族“シア・ハウリア”の出会いでもあった。

 

 

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