ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
17話目です。
兎人族の少女ことシア・ハウリアを助け出した俺達は、何をしにこの大峡谷に来たのか?シアに何故俺達を待っていたのかを問い出した。シア達ハウリア一族は、亜人国“フェアベルゲン”にある樹海の奥で集落で暮らしていたが、シアという存在の所為で国から追われることになったそうだ。シアには本来亜人族が持つ筈が無い魔力を持ち、直接操作が出来る他、彼女の固有魔法である“未来視”……仮定した先の未来を視る力を有しているとのことだ。…未来視と聞くと、何処かフォースの未来予知に似たようなものだと思った。それ以前に俺達以外にも魔力操作を扱える亜人がいるとは思わなかった。
彼女の一族はシアを殺すことは出来ずに一族諸共、シアと共に亜人国から逃げる様にフェアベルゲンから離れたのだ。彼らが亜人国の追手から逃れる為に北の山脈に向かったのは良いが、道中で“ヘルシャー帝国”の帝国兵に見つかってしまう。ハウリア一族は争いを苦手とする一族であり、半数以上は帝国に捕まってしまったのだ。全滅を避ける為に魔法が使えないライセン大峡谷に逃げ込んだのは良いが、逆に大峡谷のモンスターに襲われてしまう。そこでシアは未来視で俺達が此処に現れることを視て、俺達に助けを求めたそうだ。
「……お願いです!私たちを、私の
「…だそうだが。ハジメ、お前は如何「断る!!」…いやっ即答かい!?」
「ちょ…ちょっと!?ちょっと待ってください、今の流れからして“安心してくれ、俺達がなんとかする”…って流れじゃないですか!!何、いきなり美少女との出会いをフイにしているのですか!?」
シアはハジメが拒否されることを想定していなかったのかかなり慌てふためいている。……今更かもしれないが、自分で美少女と名乗ってる時点で既に残念性がもろ丸出しなのだが?一応俺は何故ハジメは彼女の助けるのを拒否したのか考えているとハジメが口を開いた。
「あのなぁ…仮にお前等を助けて、俺達に何のメリットがあるんだよ」
「メ、メリット?」
「帝国から追われているわ、樹海から追放されているわで、お前さんは厄介のタネだわ。デメリットしかねぇじゃねぇか。仮に峡谷から脱出出来たとして、その後どうすんだよ?また帝国に捕まるのが関の山だろうが」
「うっ…そ、それは…!?」
「ハジメ……」
「…雷電。お前の考えていることは分かるが、俺達は元の世界に帰る為にこの旅を始めたんだ。お前が多少お人好しなのは理解してはいるが、そいつを助けたところで俺達に何のメリットがあるんだ?」
どうやらハジメは俺達の旅にとってメリットにならない厄介事は出来るだけ避けたい様だ。だが…ハジメがどう言おうとも、俺は引き下がらなかった。
「ハジメ、お前の言いたいことは分かる。しかし、何もメリットが無い訳じゃない。これには二つのメリットがある」
「二つのメリット?」
「あぁ……一つ目のメリットは、彼女の一族は元樹海の住人だからその道まで案内してもらえる筈だ。そして二つ目のメリットだが……これは彼女自身気付いてはいない様だが、彼女のフォースは強い」
「何っ?……確かか?」
ハジメはメリット以前に、彼女が無意識であるがフォースに目覚めていることに食いついた。あのティラノモドキを吹き飛ばしたのは、俺がフォースを使ったのだと思い込んでいた様だ。…だが、実際は違う。彼女は無意識の内でフォースを使い、フォース・プッシュでティラノモドキを吹き飛ばしたのだ。
「あぁ…そもそもフォースはジェダイやシスだけにしか使えないんじゃない、誰にでもフォースは宿っているんだ。ハジメやユエ、お前達にもな」
「私や、ハジメも……?」
「あぁ。樹海には案内人が必要不可欠だし……そして何よりも、彼女のフォースの素質は俺達にとっても大きなメリットだ。それに、ジェダイが
「確かにそれもそうだが、だがなぁ……」
ハジメは俺の言い分に理解しているが、それでもデメリットだけは抱えたくはなかった様だ。その時にユエはハジメにとって予想外な答えを出した。
「ハジメ、私もライデンと同じ考え。連れて行こう」
「ユエ…?」
「大丈夫。それに、ハジメは言った。私たちは最強」
「……まぁ、お前がそう言うなら」
ユエが俺の意見に賛同してくれたおかげか、ハジメはユエの頼みには断れなく、呆れながらも俺の意見に賛成してくれた。結果として、俺達はシアと他の兎人族を助けることになった。その時にシアは一族を助けてくれる嬉しさにまた俺に抱きつこうとしたが、二度同じ手は乗らないが如く、俺は最小限の動きでシアの抱きつきから回避したが、何故か逆にシアに怒られることになったのは余談である。
俺はティラノモドキにぶつけたスピーダーの様子を確認してみたが案の定大破しており、使い物にならなくなっていた。そこで俺は新たにサイドカー付きのスピーダーを召喚し、シアを乗せてそのまま兎人族がいる場所まで急行するのだった。その時にシアが俺達にどうしてそこまで強いのか聞いてきたので、俺は簡略に説明した。それを聞いたシアは自分以外にも居たのだと泣きながら改めて認識したのだった。
雷電Side out
俺達……というよりは雷電が兎人族のシアの一族を救い、案内役を確保するのが前提でハウリア一族の所に向かうのだった。……もっとも、雷電の場合はシアのフォースの素質に光らせていた様だが。そんなこんなで俺達はハウリア一族がいる場所にたどり着いたのは良いが、案の定、ここに生息する魔物の群れに襲われていた。シア曰く、あのワイバーン擬きの魔物は“ハイベリア”というがそんなのは関係ねえ。とりあえず俺はドンナーを取り出し、雷電に伝える。
「雷電、俺は下から援護するからお前は彼奴らを」
「分かった。ハジメ、援護を頼む。シア、お前は出来るだけサイドカーにいてくれ……揺れるぞ」
「え?それはどう言う意味ですか?」
シアの問いに答える暇もなく、雷電はスピーダーのブレーキをかけた後にフォースで身体能力を強化し、そのまま空高く飛び上がった。
「え?…うぇえええっ!?」
雷電の異常過ぎる身体能力を目にしたシアは驚くも、俺や雷電は気にせずあのワイバーン擬きことハイベリアを殺すことに集中するのであった。俺はドンナーでハイベリアの眉間を撃ち抜き、雷電は空力で宙を蹴りながらもライトセーバーでハイベリアの首を刎ねる。そして残りのハイベリアも同じ様に片付けて行く。その一部始終を見ていたハウリア一族は俺達のハイベリアを殺す手際の良さに戸惑っていた。
「な…何だ…?彼らは一体…?」
「みんな~、助けを呼んできましたよ~!」
「「「っ!シア!!」」」
シアがハイベリアが一掃された後にハウリア一族に向かって手を振っていた。ハウリア一族はシアの声を聞いて、無事に彼女が戻ってきてくれたことに安堵した様だ。
ハイベリアを全て撃破した後にデルタ分隊や雷電は怪我をしたハウリア一族の治療の為にバクタ溶液が入った容器を使い、彼らの怪我を直していた。その時にハウリア一族の族長ことシアの父親である“カム・ハウリア”がお礼を言いに来た。
「ハジメ殿にライデン殿で宜しいか?私は、カム。シアの父にしてハウリアの族長をしております。この度はシアのみならず我が一族の窮地をお助け頂き、何とお礼を言えばいいか。しかも、脱出まで助力くださるとか……父として、族長として深く感謝致します」
「まぁ、礼は受け取っておく。だが、樹海の案内と引き換えなんだ。それは忘れるなよ?それより、随分あっさり信用するんだな?亜人は人間族にはいい感情を持っていないだろうに……」
「シアが信頼する相手です。ならば我らも信頼しなくてどうします。我らは家族なのですから……」
「…俺が言うのもなんだが、色々とお人好し過ぎる一族だな?…っと、今はそんなことを言っている場合じゃないな。此処はまだ安全じゃない、グズグズしているとまたハイベリアの様な魔物がやって来てもおかしくはない。ひとまず彼らの怪我を直し次第、
雷電の言う通り、怪我したハウリア一族が完治した後に俺達はすぐに峡谷から移動し始めた。その時に俺は、あのカムというハウリアの族長の腰に筒の様な物を懸架していることに気付いた。その筒の様な物の形状は外見は違うが、雷電が持っているライトセーバーと同じ構造をしている物であることを。この時に俺は何故ハウリア一族の族長が、ライトセーバーと似た何かを持っているのか分からず、謎が深まるだけだった。因みに雷電にこのことを伝えたが、俺と同じ様に分からない感じだった。
峡谷から出られる場所を探し始めて小一時間も時が経過した。道中に峡谷を根城とする数多の魔物が絶好の獲物だとこぞって襲ってくるのだが、ただの一匹もそれが成功したものはいなかった。例外なく、兎人族に触れることすら叶わず、接近した時点で俺がドンナーで頭部を狙い撃ち、又は雷電がライトセーバーで斬り裂くか、デルタ分隊がブラスターで迎撃するからである。様々な障害を打ち破った俺達は、ようやくライセン大峡谷を抜けれる場所に着いた。何故か学校にあるような階を挟む事に反対にむくような階段があったのは驚きだったのは秘密だ。
俺達は階段を上るにつれ、雷電は何かを感じたのか先に先行し、その先にいる何かに気付かれないよう僅かに頭を出して、雷電は技能の一つである“千里眼”を使って偵察をした。そしてある程度見終えた後に雷電が戻ってきた。
「どうだった、雷電?」
「あぁ、最悪なことに帝国兵がいた。数はざっと三十だ。下手をすれば交戦する可能性があるが、俺に良い案がある」
「良い案?……あぁ、そう言えば雷電にはフォースで
俺が言うアレとはフォースを使った技の一つである“フォース・マインド”の事だ。雷電はフォース・マインドが使えることを俺は思い出した時にシアが何かとおどおどした感じで話しかけてきた。
「あ、あの…ハジメさんにライデンさん。…まさか戦うんですか?」
「ん?あぁ……いきなりは戦わないよ。それは飽くまで最終手段だけどな。出来るだけ交戦は避ける様に交渉してみるよ。無論、ハウリア一族を引き渡さず俺達を通してもらう様にな」
「まっ…相手が交渉する意志がなかったら俺達の敵ってことで認識して、殺すだけだ。それと残念ウサギ、お前はこうなることを未来視で見えていたんじゃないのか?」
「はい、見ました。帝国兵と相対するお二方を…で、ですが…帝国兵から私達を守るということは、人間族と敵対することと言っても過言じゃありません。同族と敵対しても本当にいいのかと……」
どうやらシアは俺達は同じ人間を殺せるかどうか確認したかった様だ。雷電だったら出来るだけ不殺を心がけるだろうが、相手が殺しに掛かって来ている場合は“その限りではない”と割り切って殺すだろう。だが、俺の場合は別だ。
「……何か勘違いしている様だから言っておくがな、お前らを守るのは樹海の案内が終わるまでだ。自分のためにな。それを邪魔するヤツは魔物だろうが人間だろうが関係ない。道を阻むものは敵、敵は殺す。それだけだ。…雷電、行くぞ」
「あぁ。…一応言っておくが、先に俺が交渉するから下手に相手を挑発する発言は控えてくれ。…ユエ、デルタ分隊、万が一のことを考えてシア達を頼む」
「んっ…分かった」
「了解だ、将軍。成功を祈る」
そうして俺と雷電は階段を上りきり、ライセン大峡谷からの脱出を果たすと同時に帝国兵に見つかるのだった。ユエ達はシア達を守る様に前に立つのだった。
「…おいおいマジかよ。兎人族の連中、生き残ってやがったのか」
雷電の言う通り三十人の帝国兵がたむろしてた。他にあるとすれば大型の馬車数台と、野営跡が残っている。全員がカーキ色の軍服らしき衣服を纏っており、剣や槍、盾を携えており、俺達を見るなり驚いた表情を見せた。
「何だ…あのガキ共?兎人どもと一緒にいるってことは……」
「小隊長ぅ、ありゃもしかしたら奴隷商人かもしれませんぜ?それによく見て下せぇ、小隊長好みの白髪の兎人もいますよ!」
「なるほどな……だとしたら辻褄が合うな。…よし、お前等は此処で待ってな。俺が直接あの奴隷商人から兎人の若いやつだけを買い取ってやるよ。白髪の兎人以外だったら好きにしても構わん」
「ひゃっほ~、流石小隊長!話がわかる!」
その様子は、どことなく檜山達に似ているような感覚がした。……今更かもしれないが、オルクス大迷宮の奈落に落ちた原因は檜山であることをこの時に思い出したのは余談だ。俺は非常に吐き気がする、クソ野郎共だと一瞬で悟ると俺はそいつらをゴミを見るような視線を向けた。そうしている間に雷電はその帝国兵との交渉を行う。
「峡谷から態々ご苦労なこった。そいつら全員、帝国で引き取るから置いていけ」
「…誠にすまないが、彼らは俺達がハルツィナ樹海の案内には必要不可欠でね。彼らを渡せないんだ」
「……よく聞こえなかったな。俺の聞き間違いじゃなければ、渡せないと言ったか?」
「あぁ。それと一つ訂正することがある。俺達は奴隷商人ではないし、彼らは奴隷ではない。あと、君たちに一つお願いしたいことがある」
そう言って雷電はそいつの前に手を翳して言葉を交わす。
「…
「……あぁっ?」
「もう一度言う、
「……
フォース・マインドの術中に嵌まった帝国兵は、まるでマリオネットになったかの様に雷電の言った言葉を鸚鵡返しで返し、俺たちの道を開けた。
「…本当便利だよな、フォースってのは」
「出来るならばこの様な事態にフォースを使いたくなかったけど、状況が状況だからな」
俺達はシア達の元に向かおうとしたがそれは叶わず、その一部始終を見ていた他の帝国兵は俺達に話しかけて来た奴の異常性に気付いた。
「なっ…小隊長!?」
「あのガキ、何か魔法でも詠唱したのか!?小隊長、しっかりしてくれ!」
「あーっ……流石に人が多い時にフォース・マインドは不味かったな」
「おい…結局失敗じゃねえか」
雷電はフォース・マインドの使い時を見誤った様だ。その結果、他の帝国兵の相手をする羽目になった。それとフォース・マインドに掛かっていた帝国兵がようやく目を覚ました。
「…はっ!?お……俺は、一体何を言っているんだ?」
「小隊長!そのガキ共、何かしらの魔法で操っていたようです!」
「何っ!?……この、ガキ共がぁ!!」
その帝国兵の小隊長は雷電のフォースを魔法と勘違いしているが、そんなことはどうでもいいかと言わんばかりに怒りを抱いた様だ。だが、そんなこと俺には関係ない。こいつ等は完全に俺達に敵意を向けた。ならば、そいつらは俺達にとって敵だ。邪魔する奴は殺すだけだ。
「完全に交渉決裂だな。腹を括れよ、雷電」
「あぁ、分かっている。…出来れば穏便に行きたかったが、止む終えない」
俺はドンナーとシュラークを取り出し、雷電はライトセーバーを引き出し、スイッチを入れて起動させ、戦闘態勢に入る。すると帝国兵の小隊長が剣を抜いて雷電に斬り掛かろうとする。
「あぁ!?まだ状況が理解できてねぇのか!てめぇは、震えながら許しをこッ!?」
その瞬間、雷電は相手よりも早くライトセーバーで帝国兵の小隊長が持つ剣を熱したバターナイフでバターを斬る様に破壊し、帝国兵の小隊長が今起こったことを理解する前にその首を刎ねた。そして、頭がなくなった帝国兵の小隊長の身体は動かぬ死体となって“ゴトリッ”と倒れるのであった。
「な…何だ!?何が起きた!?」
「わ…分からん!とにかく、俺達前衛は前へ!後衛は詠唱を!」
小隊長の頭部が弾け飛ぶという異常事態に兵士達が半ばパニックになりながらも、武器をハジメ達に向ける。過程はわからなくても原因はわかっているが故の、中々に迅速な行動だ。人格面は褒められたものではないが、流石は帝国兵。実力は本物らしい。
早速、帝国兵の前衛が飛び出し、後衛が詠唱を開始する。だが、その時に帝国兵にとって聞きなれない音が聞こえた。何の音だ?と詠唱を中断せずに注視する後衛達だったが、次の瞬間には物言わぬ骸と化した。
後衛が聞いた音は雷電がライトセーバーをブーメランの様に投げた音だった。
雷電はライトセーバーで後衛の帝国兵達に目掛けて投げて、フォースで投げたライトセーバーをコントロールしてそのまま後衛達を切り裂いたのだ。そして俺は前衛である残りの帝国兵達をドンナーとシュラークで確実に頭部を狙い撃ち、その数を減らしていった。シア達ハウリア一族はこの一方的な暴力……いや、最早虐殺と言っても過言ではない光景に身を引いていた。そして、最後の一人となった帝国兵はこの一方的な虐殺に心を砕かれたのか、力を失ったようにその場にへたり込む。無理もない。ほんの一瞬で、俺達二人によって仲間が殲滅されたのである。彼等は決して弱い部隊ではない。むしろ、上位に勘定しても文句が出ないくらいには精鋭だ。それ故に、その兵士は悪い夢でも見ているのでは?と呆然としながら視線を彷徨わせた。そんな彼の耳に、これだけの惨劇を作り出した者が発するとは思えないほど飄々とした声が聞こえた。
「うん、やっぱり、人間相手だったら“纏雷”はいらないな。通常弾と炸薬だけで十分だ。燃焼石ってホント便利だわ」
「…だからと言ってこればかりはやり過ぎだと思うが?とは言え、俺も人のことを言えないか」
兵士がビクッと体を震わせて怯えをたっぷり含んだ瞳をハジメに向けた。俺はドンナーで肩をトントンと叩きながら、雷電はライトセーバーのスイッチを切って腰に懸架して、ゆっくりと兵士に歩み寄る。黒いコートを靡かせて死を振り撒き歩み寄る者と、その隣には茶色のフードを靡かせ、見たことのない純白の防具を纏い、光の剣で切り裂きし者。その姿はさながら、愚かな愚者に神罰を与える黒と白の死神だ。少なくとも生き残りの帝国兵には、そうとしか見えなかった。
「ひぃ、く、来るなぁ!い、嫌だ。し、死にたくない。だ、誰か!助けてくれ!」
帝国兵は命乞いをしながら這いずるように後退る。その顔は恐怖に歪み、股間からは液体が漏れてしまっている。
「おい…勝手に逃げんじゃねぇ、お前に一つ聞きたいことがある。既に捕まえていた兎人族はどうした。この辺りにいるのか?」
「え…?は……話せば、助けてくれるのか?」
「はぁ?お前、自分が条件を付けられる立場にあると思ってんのか?別に、どうしても欲しい情報じゃあないんだ。今すぐ逝くか?」
「ま…待ってくれ!話す!話すから!お…俺達が捕まえた兎人族は、既に帝国に移送済みだ。人数は絞ったから…もうどうしようもない…」
“人数を絞った”それは、つまり老人など売れそうにない兎人族は殺したということだろう。兵士の言葉に、悲痛な表情を浮かべる兎人族達。そして雷電はヘルメットを被っている所為か、表情は分からないが上手く平常心を保たせているのだろう。内側に怒りと殺意を抱きながらもだ。俺は、その様子をチラッとだけ見やる。直ぐに視線を兵士に戻すともう用はないと瞳に殺意を宿した……その時だった。
「「……!」」
俺と雷電は帝国兵以外の殺意を感じ取り、その場から離れる。すると俺達がいた場所に赤い閃光が二、三発着弾する。この世界の住人にとっては聞きなれない音だったが、俺達はこの音を知っている。今の音は、ブラスターから放たれたエネルギー弾の音だ。俺達はその音がした方に向けると、そこには、フェーズⅠクローン・トルーパー・アーマーのヘルメットのモデルとなった銀色のT字型バイザーのヘルメットにポールドロン、リスト・ガントレット、分割型のアーマー・プレートを装着した一人の戦士がいた。だが、問題はそこではない。俺達はその戦士を知っていた。
「嘘…だろ?おい…」
「アレは…マンダロリアン・アーマー…!それに、あのアーマーの色……まさか!」
するとそのマンダロリアン・アーマーを着ている戦士は、今でもへたり込んでおり、今すぐにでも逃げたかった帝国兵に近づいた。その時にその戦士から言葉を発する。
「…やれやれ、他の奴等は既にあの二人に殺られたか。残っているは…お前だけの様だな?」
「な…何だ、アンタは…?お…俺を、た…助けてくれるのか?」
「…助ける?それは俺を雇うってことか?」
「た…助けてくれるのか!?だ…だったら雇うぞ!い…いくらだ?いくら欲し「500万」…へ?」
帝国兵は戦士が言う500万という意味はどう言うことなのか、理解出来ずに思考が止まってしまう。戦士は相手がどうなっていようが関係無く続け様に言葉を放つ。
「俺を雇うのなら前金として500万ルタ。それでこいつ等を始末したら1500万ルタ。それらを合わせて計2000万ルタを支払うって言うんなら考えるが?」
「そ…そんな大金、払えるわけ内だろう!?それに、2000万って……アンタ、一体何なんだ!」
「俺か?……決まっているだろう」
帝国兵の問いに答えるや否や、戦士はホルスターに収納しているブラスターを引き抜き……
“ビォンッ!”
「…ただの賞金稼ぎさ」
無慈悲に一発のエネルギー弾を放ち、帝国兵の命を刈り取った。そして、次の標的を定める様にブラスターを俺達に向ける。俺達もその戦士に対して警戒態勢を取った。俺はドンナーとシュラークを。雷電はライトセーバーを。その時に戦士は雷電のライトセーバーを見て、思わず
「ライトセーバー?…まさか
「!…お前、雷電のことを……いや、ジェダイのことを知っているのか?」
「ハジメ、どうやらそれ以前の問題だ。…どうしてお前がこの世界にいるのか分からんが、これも何かの因果か?こんな所で会うとは思わなかったぞ。クローンのホストにして、クローン・トルーパーのオリジナル。銀河一の賞金稼ぎ、“ジャンゴ・フェット”…!」
俺達はクローン・トルーパー達のオリジナルであり、ジオノーシスでジェダイ・マスターである“メイス・ウィンドゥ”に敗れ、死んだ筈の銀河一の賞金稼ぎ、ジャンゴ・フェットが何故この異世界トータスにいるのか逆に謎が深まるだけだった。