ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
20話目です。
「…というわけで、これから大樹へ向かうまでの十日間、お前たちには戦闘訓練を受けてもらう」
俺たちはフェアベルゲンから出た(というよりは追い出された方が正しいが…)後、大樹の近くに俺の技能の一つである“基地プラント生成”で前線基地を設置し、基地の機能を稼働させる為に一個分隊のクローン・トルーパーを召喚して樹海の魔物に対処できるようにオート・ターレットや夜間用照明スポットライトを基地近くに設置し、安全性を確保した後にシア達ハウリア族に告げるのだった。
「……え…えっと…何故その様な事を?」
シア達は突然告げられた戦闘訓練の事に余り理解が追いついていなかった。その事を説明する為にハジメが俺の変わりに話した。
「俺たちがお前たちを守るのは大樹への案内が終わるまでだ。その後のことは考えているのか?」
「それはまだ…」
「お前たちは弱い。悪意に対して逃げることしかできない。そんな中、
「そうならない為に、俺たちとデルタ分隊がこの十日間でお前たちを強くさせる。お前たちやシアも何もできないまま殺されたくない筈だ。違うか?」
俺の問いにシア達ハウリア族は一時沈黙になったが、その沈黙を破ったのはシアだった。
「──…そんなの…いいわけありません…!」
「そうだ!俺たち、弱いままは嫌だ!」
「ハジメ殿、ライデン殿、どうか私たちに戦い方を教えて下さい。よろしく頼みます!」
どうやらハウリア族は強くなりたい決意はある様だ。もとより彼らを強くさせるつもりだ。
「もとよりそのつもりだ。…早速だが、一時間後に訓練を行う。それぞれコンディションを整える様に…」
そう告げた後、俺は訓練に必要なブラスターなどの武器を召喚する為に基地に入るのだった。シア達ハウリア族も、訓練に備えて基地に入って一時身体を休めるのだった。
一時間後……訓練開始。
訓練の時間となり、ハウリア族の身体能力を見極める為に俺とハジメ、デルタ分隊で教官することになった。一方のシアはユエによる魔法訓練がある為この場にはいない。
「これよりお前たちの能力を見極める為に訓練を行う。それぞれに武器を支給するから全員受け取るように」
そう言って俺はクローン・トルーパーの標準装備であるDC-15Aブラスターを、ハジメは錬成で作った小太刀をカム達に支給した。
「それぞれ武器を受け取ったな?……どうした?」
武器を支給させたのは良いものの、カムたちハウリア族が何やらハジメから支給した小太刀……その刃の部分に脅えていた。
「その…もっと安全な武器はないですかな?」
「はぁ!?」
「第一声がそれか……かなり重傷の様だな」
ハジメ、その反応は分かる。それとボス、そう呆れた顔をしないでくれ。だからこそ俺たちは、彼らを強くさせる為に心を鬼にして、彼らを強くさせなければならないのだ。
「無い。…それ以前にだ、武器というのは戦う為に作られたものだ。確かに非殺傷の武器はあるにはあるが、それでは訓練にはならない。先ず、お前たちの身体能力を見極めると同時におのれの中にある心・技・体を鍛える。精神力、技術、体力を鍛え上げれば、お前たちは強くなる」
「雷電の言う通り、飽くまで
「そういうことだ。今度は死に物狂いなるんだ。分かったな?」
「「「は、はい!」」」
とりあえずハウリア族に喝を入れ、そのまま軽く対人、対魔物戦闘訓練を行った。皆自分の危機的状況から色々駆使して生き延びていたか、そこらへんは呑み込みが早かった。これなら順調にいくかと思ったが、肝心の実戦訓練で思わぬ壁に当たってしまい、俺は呆れ、ハジメはイライラの絶頂に達していた。その一つとしては、カムや他のハウリア族が一体の魔物を突き刺して倒すたびに…
「ああ…どうか罪深い私を許してくれぇ~」
「族長!罪深いのは皆一緒です!いつか裁かれる時が来るとしても、今は立ってください!!」
「そうだな…。ネズミっぽい彼の死を乗り越えて、私達は立ち止まらずに前へ進もう!」
この時に俺はかなり酷いと同時に重症だと察して、理解した。彼らは甘過ぎるのだ。別に情は捨てろとは言わない……だが、これはこれで酷すぎるものだ。
「予想以上に酷いな……。強くなる以前の問題だ」
「分隊長、これはかなり骨が折れそうだ……」
「彼らの情が逆にブレーキになっていて成長しにくいようだ」
「…こいつはハジメと同様にイライラするな」
デルタ分隊の辛辣なコメントに俺も同意せざるおえなかった。訓練を続けている最中、カムが突然転んだ。
「どうした、怪我でもしたか?」
「いえいえ…大丈夫です、ハジメ殿。ここに虫の行列があったので危うく踏んでしまいそうになりましてつい…」
このカムの言葉にハジメの堪忍袋の緒が切れてしまう。無論、デルタ分隊の07ことセヴも同様だった。俺はすぐさま、ドンナーを構えるハジメの怒りを収まらせる為に止む無くフォース・マインドで強制的に怒りを鎮めさせるのだった。
「落ち着けハジメ。お前が怒りたい気持ちは分かる」
「ならどけ、雷電。流石の俺でも我慢の限界だ」
「駄目だ、お前だと何かとんでもない方向に行きそうだ。だからさ、ハジメ。
「
とりあえずハジメを一時的に退場させて、デルタ分隊に教官を任せるのだった。
「デルタ、すまないが…後は任せる」
「了解だ、将軍。デルタ、彼らの教官としての務めを果たすぞ」
そんな感じでデルタ分隊にハウリア族を任せるのだった。この時に俺はハジメに対してなんて言い訳しようかと考えていた。
雷電Side out
……ん?俺は確か、ハウリア族の連中の甘さの酷さにブチギレて非殺傷のゴム弾を装填したドンナーを撃ち込もうとした時に……っ!?そう気付いた時には、俺は基地近くに来ていた。雷電のフォース・マインドによって。
「…おい、雷電!どうして止めたんだ!」
「いや…確かに彼らの甘さには酷過ぎると言うことは俺もハジメと同じ考えだ」
「…だったら「だからと言って何処ぞの軍曹の真似をして間違った方角にやってしまうと彼らも俺たちが戦った帝国兵と何の変わりはない」…!」
「いいかハジメ、彼らに教えるべきは殺しの楽しさなどではない、飽くまで家族や一族、自身の身を守るために戦い方を教えるんだ。そう、彼らが無事に俺たち無しでも生き残れる様、強くなる為に訓練をさせるんだ。それを間違えるな」
そう雷電が言ってこの場を後にしようとした時、デルタ分隊やハウリア族がいるところからセヴの怒号とハウリア達の悲鳴が飛び交った。
よく聞け、残念駄ウサギ共!死にたくなければ、死に物狂いで魔物を殺せ!死ぬか…殺すかだ!さぁ行け!
はっはい〜!!?
…向こうではかなり大変なことになっていた。というか、今の怒号はセヴだよな?
「……なぁ、雷電?」
「…知らん。俺は……もう知らんぞ」
「…って、おい!最後投げやりかよ!?」
流石の雷電もこのことは想定していなかった様だ。今の様に最早考えるだけでも頭が痛いような顔をしていた。そうして俺は再び彼らハウリア達の訓練を再開するのだった。そして雷電は、シアのフォースの訓練を行う為に基地に戻るのだった。一応俺はセヴのストッパーとして面倒を見るのだった。
ハジメSide out
シア達ハウリア族の戦闘訓練を始めてから三日が経過した。俺はシアにフォースの修行を、ユエは魔力操作の訓練をしていた。現在何をしているかというと、シアが俺に当たるまでの訓練をしていた。無論こちらが回避、反撃を想定しての訓練だ。その時にシアは、ハウリア族同様に気配を殺しながら俺の背後を取ろうとした。
「隙ありです〜!」
「…あまい!」
俺はフォースの未来予知でシアの動きを読み取っていた。そして攻撃してくるシアにフォース・プッシュで吹き飛ばす。
「あ〜〜れ〜〜!?」
シアはまさかのカウンターを喰らうことを想定していなかったのか成す術もなく吹き飛ばされる。しかし、シアはめげずに必死にくらいつく。仕舞いには丸太をこちらに投げつけて来たのだ。
「でぇやぁああ!!」
「…!マジかよ!?」
俺はフォースでは間に合わないと判断し、ライトセーバーを引き抜いてスイッチを入れ、プラズマ刃を展開して向かってくる丸太を切り裂く。しかし……
「まだです!」
「?…何っ!?」
切り裂いた丸太に続いてもう一本の丸太が既に投げられていたのだ。対処できないと判断した俺は咄嗟にバックステップで丸太の直撃を避ける。直後、隕石のごとく天より丸太が落下し、轟音を響かせながら大地に突き刺さった。
しかし、そこへ高速で霧から飛び出してきた影が、大地に突き刺さったままの丸太に強烈な飛び蹴りをかました。一体どれほどの威力が込められていたのか、蹴りを受けた丸太は爆発したように砕け散り、その破片を散弾に変えて目標を襲った。
「くっ…!」
飛来した即席の散弾は、フォースで横に薙ぎ払って目でシアを探した。すると……
「もらいましたぁ!」
既にシアは背後に回り込んでいた。即席の散弾を放った後、見事な気配断ちにより再び霧に紛れ奇襲を仕掛けたのだ。大きく振りかぶられたその手には超重量級の大槌が握られており、刹那、豪風を伴って振り下ろされた。
「…フッ!既にそのパターンは呼んでいた!」
俺はシアにフォース・スロウで動きを停めて、追撃と言わんばかりにフォース・プッシュをシアに向けて放つ。
「ふぇ!?ちょっ、まっ!あ〜〜れ〜〜!?」
最終的にシアは吹き飛ばされ、今日の修行はここまでにした。
「よしっ……今日の修行はここまでにしよう」
「うぅ〜、今日もライデンさんに一本も取れなかったです〜…」
「……シア、俺のことは
「うぅ、すみません、ライデ……いえ、マスター」
訓練の二日目以降から、シアとは本格的にジェダイの弟子……本来なら幼い内にジェダイ・イニシエイトとして修行をさせるのだが、今回は特例という形で彼女はジェダイ・パダワンとして修行を行っていたのだ。そのため、シアは師弟子の呼び合いにはなれていなかったのだ。
「まだなれないかもしれないが、フォースの訓練を始めた時から師弟子の関係になっているだ。お前の内に宿るフォースは既に目覚めいる分、まだ未成熟で危ういんだ。精進を怠らず、気を抜かない様にな」
「うぅ〜…はい、マスター…」
今日の修行のことでまだ引きずっているのか未だにナイーブな気分になっていた。
「…だが、二段構えの丸太の時は胆を冷やされた。それに…」
そう言いながらも俺はヘルメットを取り外し、シアの前に自身の首筋のところ見せた。その首筋部分をよく確認して見ると、掠り傷ができていた。先ほどの訓練の時に二本目の丸太をシアが蹴り砕き、無数の破片をフォースで防いだものの、全ては防ぎきれず、一部の破片がヘルメットとアーマーの隙間である首筋部分に掠めたのだ。
「今回の修行は合格だ。ようやく次のステップに移ることができる」
「あっ……ほ…本当です!私の攻撃当たってますよ!あはは~、やりましたぁ!私の勝ちですぅ!」
「余り調子に乗るな。そう言う調子じゃ、いつか何処かで転ぶぞ。……それはそうと、次の修行に移るぞ」
「えっ?今からですか?」
「当たり前だ、まだお前はフォースを感じ取ることができていないんだ。先ずはフォースを感じるのが先だ。その為に先ず、瞑想するんだ。感覚を鋭敏に、精神を研ぎすませるんだ」
「は、はいです、マスター!」
そうして俺はそのままシアのフォースの修行を続行するのだった。
…時が流れて、訓練開始から七日目。
シアが本格的にフォースを感じ取る様になり、この修行において最終段階であるライトセーバーを見つけるという修行だ。本来ならゼロから自身で作るのだが、ハウリア族の家宝がライトセーバーだった為、一部を省略し、シアにはカイバー・クリスタルを組み込んだライトセーバーをフォースの導きで見つけ出すというものだ。
「シア、お前には俺たちジェダイの半身とも言える
「…?ジェダイの半身……ですか?」
「あぁ……本来ならその半身を作るのが正しいのだが、今回は特例だ。お前にはそのある物……基、自身の半身の回収が、お前の最後の修行だ。前の座学でカイバー・クリスタルのことは覚えているな?」
「はいです!確かカイバー・クリスタルはエネルギーを収束し、フォースと共振する性質を持っているんでしたよね?」
「あぁ、そのクリスタルはお前の半身ともいえる物に組み込んだ。クリスタルはお前のフォースによって共鳴するはずだ。ジェダイがクリスタルを選ぶんじゃなく、クリスタルが俺たちジェダイを選ぶんだ。フォースとクリスタルの導きによってお前が進むべき道を示してくれるはずだ。フォースと共にあれ…シア」
「はいです!いってきます、マスター!」
そうしてシアは自身の半身ともいえるライトセーバーを探しにこの樹海内を探索するのだった。フォースの導かれるがままに……
雷電Side out
私はライデンさんが言われた通りジェダイの半身とも呼べる物を探していた。しかし、フォースを感じられる様になったとは言え、未だに未熟な私に上手く見つかるかどうか不安だった。その結果、未だにある物を見つけいられずにいました。
「うぅ〜、最初は張り切っていたのですが、全く見つかる気がしません〜…」
そのある物を探し始めてから二日が経過して、既に訓練開始から九日目になりました。若干諦めかけたその時に、フォースを通じて何かが呼んでいる気がしました。
「…何かが、呼んでいる?感じるです……」
フォースに導かれるがまま、私はその呼ばれている方角に向かうのでした。生い茂る木々の中を抜けて、呼ばれていたと思われる場所に辿り着く。そこには何もなく、無数の木々が生い茂っていた。
「ここじゃ…ない?……違う。未だに呼んでいる感じがある。……かなり近い?」
よりフォースを研ぎすませ、呼ばれている場所へさらに奥へと進む。その時にシアはある物を見つける。
「これは……何かを埋めた後?…それにしてはまだ新しいです」
巧妙に埋め隠されていた後を見つけた私は、フォースを研ぎすますと、その埋められた場所から私を呼ぶ気配を感じた。
「ここに…マスターが言っていた私の半身が?」
その場所を掘り起こしてみると、そこには一つの木箱がありました。作られてまだ新しかったです。その箱の中身を確認するため、そっと開けて見ると、そこには私たち一族の家宝がありました。
「これは……私たちの家宝?どうしてマスターは私たちの家宝を?」
そう考えている時に私は、ライデンさんが持っていた光の剣のことライトセーバーを思い出す。そのライトセーバーと比べて見ると、一部の素材や部品、形が違うものの、ライデンさんが使うライトセーバーと似ている気がしました。私はその家宝を剣と同じ様に構え、スイッチを入れると、緑色の棒状の光が出てきました。
「これって……マスターと同じ?」
「…どうやら無事に見つけた様だな」
「!…マスター!」
私がここに来るのを待っていたのか、ライデンさんが突如と現れました。どうしてライデンさんがここに?私の脳裏に疑問が浮かぶばかりです。
シアSide out
シアは無事にハウリア族の家宝ことライトセーバーを見つけ出せて、俺は内心安堵した。シアは何故俺がこんな所にいるのか疑問に思っているはず。俺はシアに何故ここにいるのかを説明した。
「……つまりマスターは、私がここに来るまで待っていたのですか?」
「そうだな、それを実行したのは今日だったってことだ」
「そうですか。…それはそうと、マスターはどうして私たちの家宝がマスターと同じライトセーバーだって分かったんですか?」
「あぁ、それか。…それは《ppp…》…ん、通信?少し待ってくれ」
俺は突然の通信が来た為シアには待ってもらい、俺はその通信に出た。
《…将軍、フジワラ将軍!》
「あぁ、デルタ38。どうした?」
《些か面倒なことになった。すぐにこっちに来てくれないか?》
「面倒なこと?そっちはハウリア族の訓練を担当していたはずじゃあ…?」
《そのハウリア族の訓練に問題が生じた。出来るだけ早く来てくれ》
「……分かった。すぐに向かう」
そう言って俺は通信を切り、シアに今起こっていることを話した。
「シア、どうやらお前たちの家族に何かしら問題が起きた様だ」
「え!…父様達が!?」
「とにかく安否を確認するためにもすぐに向かうぞ。いいな?」
「はい、マスター!」
そうして俺たちは急ぎデルタ分隊のところに向かい、デルタ分隊のところに向かう道中ユエと合流し、ユエとシアを連れてデルタ分隊のところに急行するのだった。
デルタ分隊がいる場所に着いた俺たちは、デルタ分隊やハジメと合流するのだった。
「デルタ、一体何が起きた?」
「父様は……他の家族はどうしたのですか?」
「将軍にユエ、シアか。待っていたぞ」
「それはそうとボス、ハウリア族の訓練で一体何があった?」
俺は一刻も早く現状を知るべくボスに問い質した。その時にハジメは気まずそうな顔をしていた
「あぁ…実はな、彼らの教育に失敗した」
「失敗?……どう言うことだ、ハジメ」
「将軍やコマンダーの言われた通り彼らを訓練をさせたのは良いのですが、訓練初日からセヴが彼らの甘過ぎることにキレてしまい、その結果…「ボスー!戻りました!」…彼らは何か違う方向になってしまったようだ…」
論より証拠と言わんばかりに、前に見た時によりもよく鍛え抜かれたカム率いるハウリア族達が茂みの中から出て来た。彼らが持っていたのはハイベリアの尻尾だった。それも無数にだ。するとカムが俺を見た瞬間……
「おぉ、
「……ん?ちょっと待て、カム族長。今、俺のことを将軍と言ったか?」
「それなんだよ雷電。セヴが初日に共和国軍クローン・コマンドー式のスパルタ教育の影響か、こいつら全員、完全に兵士になっちまったんだよ」
「うぇぇ!?と、父様?何だか口調が……というか雰囲気が……」
「それはそうとボス。お題の魔物、ちゃんと狩ってきました」
カムは混乱するシアを無視し、俺たちの前に無数のハイベリアの尻尾をみせた。どうやら訓練のお題としてハイベリア一体の討伐を彼らにやらせたのだろう。だが、この数は幾ら何でも多すぎだろ?
「俺は一体でいいと言ったはずだが……」
「ええ、最初はそうなんですが、狩っている最中、仲間の群れがわらわらとやって来てこれ以上増えられると面倒だったので纏めて排除しました。その結果がこれです」
そうは言っているものの、先ほどまで温情だったハウリア族とは打って変わってより統一された軍人そのものになっていた。仕舞いには俺が労いの言葉を送れば、彼らは共和国軍式の敬礼で返してくるのだ。その豹変ぶりに呆然と見ていたシアは一言……
「……誰?」
もはやお人好しで温厚だったハウリア族は過去の物になり、今ここにいるのは、多少温厚は残っているものの、スイッチが変わればクローン・トルーパーと同じ兵士と化すハウリア族の兵士だった。
その後の後始末は大変な物だった。シアはハジメやセヴに怒りながらも、“どうしてこうなったのか?”と、樹海にシアの焦燥に満ちた怒声が響いていた。俺はカムたちの様子を見て最早手遅れだと察してしまう。
「…もう手遅れの類だな、これは……」
「将軍、本当に申し訳ない」
「…過ぎたことに悔やんだところで、何も戻っては来ない。それに、明日には霧が晴れるそうだ。大迷宮攻略のため、彼らと共に大樹のところに向かわなければならない」
そうして明日の予定を決めた時に一人のハウリアの少年がスタスタと俺の前まで歩み寄ると、ビシッと惚れ惚れするような敬礼をしてみせた。
「将軍、報告があります!課題の魔物を追跡中、完全武装した熊人族の集団を発見しました。場所は、大樹へのルート。おそらく我々に対する待ち伏せかと愚考します!」
ハウリアの少年から齎された情報は、俺たちに取って厄介な情報だった。あのフェアベルゲンの一件で、報復する一族が現れてもおかしくはなかったのだ。それが今日になって現れたのだ。
「……いずれこうなるとは予想はしていたが、よりによって熊人族の族長の仇討ちと同時に目的を目の前にして叩き潰そうという魂胆か」
「はっ!宜しければ、奴らの相手は我らハウリアにお任せ願えませんでしょうか!」
「まぁ待て。……カム族長、彼らはこう言っているが、いけるか?」
俺はカムに意見を聞いてみたが、彼もまたハウリア族同様に賛成だった。
「お任せ頂けるのなら是非。我らの力、奴らに何処まで通じるか……試してみたく思います。なればこそ、我らにご命令を、将軍」
もはや彼らは戦いに飢えていた。その分危うさがある為に余計に質が悪かった。そこで俺はカムに
「……分かった。やれると言う意気込みは理解した。ただし、その熊人族はブラスターのスタン・モードで無力化しろ。絶対に殺すな」
「サー、イエッサー!聞いたな野郎ども!行くぞ!!」
「「「サー、イエッサー!」」」
カムの言葉を皮切りに、ハウリア族は俺が
「うわぁ~ん、やっぱり私の家族はみんな死んでしまったですぅ~」
「もはや、原型がないくらいにな。……それはそうとハジメ。あのハウリア族が装備していた黒いバトル・アーマーとヘルメット、アレは俺でも初めて見るものだ。アレはお前が錬成で作ったんだろ?その辺はどうなんだ、ハジメ?」
ハジメは俺の問いに“ギクッ”と図星を突かれたのか、額から冷汗が流れ落ちる。シアもそんなハジメに対してジト目で見るのだった。そしてしびれを切らしたのか、ハジメは降参し、俺たちに話すのだった。
「…分かった、降参だからそんな目で見るな。雷電の言う通り、カムたちが着ていたアーマーとヘルメットは、俺たちの故郷にあるゲームの特殊部隊の兵士が装着していた物を俺なりに再現した物だ」
「……因みに、その装備の名は?」
「“ヘルジャンパー”。…意味は地獄に飛び込む者だ。彼奴らは俺やデルタ分隊の過酷で地獄のような訓練を受けたことに因んで、俺はあのアーマーやヘルメットを錬成で作ったんだ」
「……何か色々とアウトな発言が出て来たが、それは置いとくとしよう。今はカム族長の後を追いかけよう。その他の突っ込み、諸々は後だ」
そう言って俺たちは熊人族の方に向かって行ったハウリア族を追う為に、デルタ分隊と共に向かうのだった。……何かと嫌な予感がする。
シア以外にもヒロインを追加しようと思います。考えとしては八重樫と恵里を入れようと考えています。皆様は如何でしょうか?
-
入れるべき
-
そのままでいい