ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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今回の話で闇の一部が動き出します。


21話目です。


一つの貸し、動き出す闇

 

 

俺たちはカム族長たちを追って大樹へのルートを進んで行くと、DC-15Aブラスターのスタン・モード特有の音が樹海で響く。戦闘はかなり近いと判断した俺たちは急ぎ現場に向かった。そして到着した時には……

 

 

「ちくしょう!なんなんだこいつら!!」

 

「こんなの兎人族じゃないだろ!」

 

「うわぁああ!来るなっ!来るなぁあ!」

 

 

奇襲を仕掛けようとした相手に逆に奇襲されたこと、亜人族の中でも格下のはずの兎人族の有り得ない強さ、どこからともなく飛来する正確無比なブラスターの非殺傷弾、高度な連携、そして何よりも、ウサ耳が飛び出ている黒いフルフェイスヘルメットで表情が疑えず、冷酷無比を思わせるくらいに無口。それが恐怖へとつながっていた。その全てが激しい動揺を生み、スペックで上回っているはずの熊人族に窮地を与えていた。……フルフェイスヘルメットから出ているウサ耳が逆に凄くシュールと思えたのは余談である。

 

 

「うわぁ……これじゃあ一方的なワンサイドゲームだな……」

 

「……怖い」

 

「デルタ分隊、特にセヴ、これを機に反省する様に」

 

「……正直、すまなかった」

 

 

実際、単純に一対一で戦ったのなら兎人族が熊人族に敵うことはまずないだろう。だが、この十日間、ハウリア族は、地獄というのも生ぬるい共和国軍クローン・コマンドー式の特訓のおかげでその先天的な差を埋めることに成功していた。

 

 

 

元々、兎人族は他の亜人族に比べて低スペックだ。しかし、争いを避けつつ生き残るために磨かれた危機察知能力と隠密能力は群を抜いている。何せ、それだけで生き延びてきたのだから。そして、敵の存在をいち早く察知し、気づかれないよう奇襲できるという点で、彼等は実に暗殺者向きの能力をもった種族であると言えるのだ。ただ、生来の性分が、これらの利点を全て潰していた。

 

 

 

そこでセヴが取った行動は、クローン・コマンドー式の特殊訓練を彼らに施したのだ。最初は肉体的にも、精神的にも徹底的に追い詰め、彼らの認識を改めさせた後に、そこから本格的にデルタ分隊やクローン達が受けた軍事訓練を取り組んだ。無論、慈愛や慈悲深さ、温厚を残せるように戦闘態勢になった時には気持ちのスイッチが切り替われる様に感情のコントロールも覚えたのだ。

 

 

 

その結果彼らハウリア族は、日常においてはいつもと変わらない温厚(ただし、口調だけは未だに治らなかった)な一族として振る舞うが、例外が起きた場合はその限りではなくなるのだ。例えると戦闘になった場合、家族や身内に危険が迫るなどが起きれば、彼らの温厚さは消え失せ、より命令に忠実な最強の兵士として、敵対した者は容赦なく排除するのだった。

 

 

 

そんなわけで、パニック状態に陥っている熊人族では今のハウリア族に抗することなど出来る訳もなく、瞬く間にその数を減らし、既に当初の半分近くまで気絶と言う名の無力化されていた。

 

 

「レギン殿!このままではっ!」

 

「一度撤退を!」

 

「ここは私が殿を務めっぐあッ!?」

 

「トントォ!?」

 

 

一時撤退を進言してくる部下に、ジンを再起不能にされたばかりか部下までやられて腸が煮えくり返っていることから逡巡するレギン。その判断の遅さをハウリア達は逃さない。殿を申し出て再度撤退を進言しようとしたトントと呼ばれた部下はブラスターのスタン・モードを受けて気絶してしまう。それに動揺して陣形が乱れるレギン達。それを好機と見てカム達が一斉にDC-15Aブラスターを構えながら熊人族を包囲する。完全に取り囲まれたレギン達。兎人族と思えないくらいに無口且つ、統率された動きと連携で、レギンや他の熊人族は混乱から立ち直れないでいた。中には既に心が折られたのか頭を抱えてプルプルと震えている者もいる。大柄で毛むくじゃらの男が“もうイジメないで?”と涙目で訴える姿は……物凄くシュールだ。

 

 

 

すると赤いラインが入ったヘルジャンパー・アーマーを着たカムが、ブラスターを向けながらそっとレギンの方へ近づいた。その時にレギンは赤いラインが入ったヘルジャンパーがリーダー格であることを理解し、ある事を頼んだ。

 

 

「……聞こえているのかどうかは分からんが、これだけは聞いて欲しい。俺はどうなってもいい。煮るなり焼くなり好きにしろ。だが、部下は俺が無理やり連れてきたのだ。見逃して欲しい」

 

「なっ、レギン殿!?」

 

「レギン殿! それはっ……」

 

「だまれっ!……頭に血が登り目を曇らせた私の責任だ。兎人……いや、ハウリア族の長殿。勝手は重々承知。だが、どうか、この者達の命だけは助けて欲しい!この通りだ…!」

 

 

 

武器を手放し跪いて頭を下げるレギン。部下達は、レギンの武に対する誇り高さを知っているため敵に頭を下げることがどれだけ覚悟のいることか嫌でもわかってしまう。だからこそ言葉を詰まらせ立ち尽くすことしかできなかった。

 

 

 

頭を下げ続けるレギンに対するカム達ハウリア族の返答は……

 

 

「………………」

 

 

やはり無言のままだった。しかし…ちがうとすれば、近くにいた他のハウリア族にハンドサインで指示を出していた。デルタ分隊のボスはそのハンドサインを理解していた。

 

 

「……どうやら問題ごとは起きなさそうだ、将軍」

 

「ボス、それは確かか?」

 

「あぁ……あのハンドサインは“警戒しつつ、見張れ”だ」

 

 

ボスの言う通り、ハウリア族はブラスターを向けながらも一定の距離を保ちながら警戒し、熊人族の動きを見張っていた。そして、赤いラインが入ったヘルジャンパー・アーマーこと、カムと思わしき人物がレギン達に背を向け、そのまま俺たちがいる方角に目を向けて通信を入れて来た。

 

 

《将軍、ターゲットの無力化が完了しました》

 

「了解だ。……それはそうと、気付いていたのか?」

 

《えぇ。とはいっても、彼らを包囲した時に気付きましたが…》

 

「そうか、こっちもすぐに向かうから待機しててくれ」

 

 

そう言って俺はハジメ達と共にカム達のところに向かうのだった。

 

 

 

どうにか事が大きくならず、両者共々負傷者は出ず(と言っても熊人族が一方的にやられていたが…)穏便?に済んだのだった。そんな感じで俺はカム達に任務を完遂させたことに褒め称えるのだった。

 

 

「ご苦労だった、よく誰も殺さずに無力化した様だな」

 

「えぇ、将軍の命令なら必ず遂行する所存です。ただ……」

 

「ん?ただ…どうした?」

 

「我々は彼らと交戦し始めた時に、徐々にですが、内心で戦い……いや、殺しを楽しんでいた様に感じました。兵士とは、殺しを楽しむのではなく、義務と使命を果たす者だと。そう内心言い聞かせて、何とか殺しを楽しむ衝動を押し止めていました」

 

 

どうやらカム達は初めての対人戦闘において心のタガが外れない様に押し止めて、何とか熊人族を無力化に成功した様だ。……初めての実戦においてこれは良い成長だと感心したのはちょっとした余談だ。

 

 

「……どうやら嫌な予感は杞憂に終わった様だな」

 

「その様だな。……さてっと、後は()()()()の処遇だよな?」

 

 

ハジメは熊人族の方を見ると、助かったのかと疑問視しながらも迂闊には動けない状態でいた。この時に俺は、ある事を思いつき、ハジメに話した。

 

 

「ハジメ。彼らの件だが、ここは敢えて見逃そうと考えていたんだが……ハジメはどうだ?」

 

「奇遇だな、俺もこいつらを見逃そうと考えていたところだ」

 

 

どうやら本当に奇遇でハジメとの意見と一致した様だ。そうして俺たちは熊人族のリーダー格に近づき、告げるのだった。

 

 

「一つ聞きたい。お前がこの部隊のリーダーか?」

 

「あ…あぁ……俺は熊人族の族長ジンの右腕、レギン・バントンだ。この部隊の隊長を務めている」

 

「そうか。……なら、これだけは告げよう。俺たちはお前たちを見逃すことにした」

 

「何っ!?俺たちを見逃す……だと?」

 

 

熊人族の隊長ことレギンは、俺が言った言葉に疑問に思った。何故我々をあえて見逃すのかを。その時にハジメは見逃すかわりに条件を付け加える。

 

 

「その代わりと言ってはなんだ。見逃す条件として、フェアベルゲンの長老共にこう伝えろ。“貸し一つ”──てな」

 

 

“貸し一つ”という言葉は、今回の不予の騒動を見逃す変わりに次はないという意味であったことを理解したレギンは当然逆らうことなく、従うしかなかった。

 

 

「──っ、わ…分かった…」

 

「伝言はしっかりとな。もし取り立てに行った時、惚けでもしたら…」

 

 

 

「その日がフェアベルゲンの最後だと思え、いいな?」

 

 

 

「……!!」

 

 

このような会話を見ていた俺は、もはやハジメは一種の借金取り立てのヤクザかテロリストの類にしか見えなかった。完全に悪役的な感じだった。ハウリア族により心を折られ、レギンの決死の命乞いも聞いていた部下の熊人族も反抗する気力もないようで、悄然と項垂れて帰路についた。若者が中心だったことも素直に敗北を受け入れた原因だろう。レギンも、もうフェアベルゲンで幅を利かせることはできないだろう。一生日陰者扱いの可能性が高い。だが、理不尽に命を狙ったのだから、むしろ軽い罰である。

 

 

 

霧の向こうへ熊人族達が消えていったのを見届けた俺たちは、一旦前線基地に戻ってデブリーフィングを行った。

 

 

「さて、今回の訓練九日目でお前たちが強くなったのは分かった。しかし、こちら側にも不備があったことに謝罪しなければならない」

 

「いえ、もし将軍達が我々に戦闘訓練をしてくれていなければ、今頃我々はどうなっていたことか……」

 

「そう言ってくれるだけでも幸いだ。それと、教官担当をしていたデルタ分隊のセヴからお前たちに言いたいことがあるそうだ」

 

 

そう言って俺は席を外し、変わりにセヴがハウリア族の前に立った。

 

 

「……あ〜まぁ、なんだ?今回は俺が悪かった。お前たちを短期間で仕上げるためとはいえやりすぎた。そこは俺のミスだ。すまなかった」

 

 

ポカンと口を開けて目を点にするカム達。まさかコマンドーのセヴが素直に謝罪の言葉を口にするとは予想外にも程があった。

 

 

「きょ…教官が謝った!?」

 

「メディーック! メディーーク! 重傷者一名!」

 

「教官!しっかりして下さい!」

 

 

故にこういう反応になる。青筋を浮かべ、口元をヒクヒクさせるハジメ。仕舞いにはドンナーに非殺傷弾のゴム弾を装填し、容赦なく引き金を引いて無理矢理黙らせた。その結果、ハジメの怒りを鎮めさせる為に基地内のクローン達でハジメを押さえ込んだのであった。……ハジメ、いくら何でもブチギレてドンナーでぶっ放すのはどうかと思うが……

 

 

雷電Side out

 

 

 

一方のハイリヒ王国ではここ数日間、色々なことがあった。ハイリヒ王国に謎の飛行物体が襲来して来て、王国内ではパニックになっていたが、清水が謎の飛行物体こと、将軍が俺たちの為に増員や補給物資などを積んだ低空強襲トランスポートことガンシップが、ここにやって来たことを理解した。因みにその増員というのはARCトルーパーのことだった。

 

 

 

事実上、将軍の生存は確定したものの、未だにハジメの死亡は変わらなかった。ハジメは未だに生存しているのにも関わらずにだ。しかしARCトルーパーのキャプテン・フォードー曰く、今はまだハジメのことは語るべきではないとのことだった。

 

 

 

それと、迷宮を攻略をしつつも生徒達は確実に強くなっていた。ある日を境に迷宮攻略を一時中止して王宮で休むことになった。もっとも、休養だけなら宿場町ホルアドでもよかった。王宮まで戻る必要があったのは、迎えが来たからである。何でも、ヘルシャー帝国から勇者一行に会いに使者が来るのだという。

 

 

 

何故、このタイミングなのか気になったが、俺は余り深く考えないことにした。その後どうなったのかというと、割愛を入れて説明するとこうだ。

 

 

1.帝国の使者達がベヒモスを倒したと言われる勇者の実力を測ろうとして天之河に模擬戦を所望し、天之河はこれを受けた。……実際は清水がベヒモスを倒したのだが、明らかに面倒ごとが起きると想定していたが、帝国の使者は清水には眼中になかった様だ。少しばかり複雑ではあったが、何とか面倒ごとは避けられてほっとした清水の姿があったのは余談だ。

 

2.模擬戦を行った結果、天之河は未だに対人戦闘になれていない為かものの見事に惨敗。しかも、その使者の正体がヘルシャー帝国現皇帝ガハルド・D・ヘルシャーその人であった。

 

3.その後に俺たちクローン・トルーパーの存在に気になったのか、ガハルドが今度は俺たちに手合わせを所望した。その時に天之河が反対したが、ガハルド曰く、ただの子供に興味はないと天之河の意見を無視した。俺たちは厄介な皇帝に目をつけられたことに面倒くさがった。なお、次のも義戦においてキャプテン・フォードーがガハルドの相手をすることになった。

 

4.模擬戦でガハルドと戦うことになったキャプテン・フォードーはDC-17ハンド・ブラスターをスタン・モードに設定した後、模擬戦が開始された数秒後、キャプテン・フォードーはハンド・ブラスターでガハルドを気絶させた。圧倒的な文明の差により、キャプテン・フォードーの圧勝だった。

 

5.あの後、皇帝ガハルドは俺たちクローンの存在を気に入り、皇帝直々の配下にならないかと誘われるが俺たちは否定した。既に俺たちは共和国に忠誠を誓っている為に鞍替えなどは有り得なかった。しかし、それでもガハルドは諦めきれず“いつでも待つ”と一旦引き下がって俺たちが帝国に来るのを待ったそうだ。

 

6.因みに、模擬戦の後にガハルドとその部下達は王宮で泊まり、早朝訓練をしている雫を見て気に入った皇帝が愛人にどうだと割かし本気で誘ったというハプニングがあった。雫は丁寧に断り、皇帝陛下も“まぁ、焦らんさ”と不敵に笑いながら引き下がったので特に大事になったわけではなかったが、その時、光輝を見て鼻で笑ったことで光輝はこの男とは絶対に馬が合わないと感じ、しばらく不機嫌だった。雫の溜息が増えたことは言うまでもない。

 

 

……以上が、この数日間で起きた出来事である。

 

 

 

帝国の使者こと皇帝の来訪から数日後、俺たちクローンは新たに増員されたARCトルーパーの再編成と同時に、迷宮攻略から降りるものがいるかどうか生徒たちに聞いてみたところ、意外なことに清水が名乗り出たのだった。清水曰く、“俺がベヒモスを倒したのがバレると色々と面倒だから”だそうだ。そうして清水は増員と補給物資を運んで来たガンシップに乗り込むのであった。向こう側にいる兄弟達の増員として。

 

 

「それじゃあ、気をつけろよな。向こうにいる兄弟達に“よろしく”と言っておいてくれ」

 

「分かってるよ。…ところで今更なんだけど、君の名前……というより、ニックネームとかはないの?」

 

「悪いな、生憎と番号が俺の名前なんだ。今まで考えてことはなかったもんでな、思いつこうにも中々思いつかない」

 

 

殆どは“トルーパー”か、“お前”としか言われなかったから余り気にはしなかったが、どうやら清水は気になる様だ。

 

 

「そっか。……じゃあ、その番号って?」

 

「あぁ、CT-1373だ。それが、俺の番号だ」

 

 

その番号を聞いた清水は、数十秒間考え、そしてあるニックネームを思いつく。

 

 

「…あっそうだ!1373の番号に因んで、イザナミ(1373)ってのはどうかな?」

 

「イザナミか……少し変わった名前だが、悪くはないな」

 

「そろそろ出発する。離陸を開始するから離れてくれ」

 

 

すると出発の時間になったのかクローン・トルーパー・パイロットが俺に退避する様に呼びかける。俺は少し下がった後に清水にニックネームのことをくれたことに感謝するのだった。

 

 

「清水、ニックネームをありがとな。気をつけてな」

 

「あぁ。……この場合こう言うんだっけ?フォースと共にあれ、イザナミ」

 

「お前もな、清水」

 

 

そうして清水が乗るガンシップは離陸し、そのまま畑山教頭がいる場所に向かうのであった。そして俺は、再び任務に戻るのだった。

 

 

CT-1373改め、イザナミSide out

 

 

 

俺は友であるイザナミと別れた後、俺が乗っているガンシップは愛子先生がいる場所に向かっていた。…何故俺が迷宮攻略から降りたのかというと、他の皆やクローン達に話してはいないのだが、実は俺にある勧誘を受けていた。その勧誘というのは、()()()からの魔人族側の勇者としての勧誘だった。無論、俺はその勧誘を断った。しかし、何かと嫌な予感がしたため、俺は逃げる形で愛子先生のところで一時的に身を隠すことにしたのだ。

 

 

「……とはいえ、何か気まずいなぁ〜」

 

 

そう呟く以外に他はなかった。今のところ快適な空の旅を送っているが、その安全の旅が危険な旅に早く変わったのは、一つの警報だった。

 

 

「うわぁっ!?な…何だ!?」

 

「敵襲だッ!清水、吊り手に掴まれ!かなり揺れるぞ!」

 

「はっはい!!」

 

 

俺は言われた通り、吊り手に捕まって衝撃で姿勢が崩れない様にした。すると、ガンシップ内で強い揺れが襲った。この時に俺はある疑問を抱いた。低空2000mで敵の攻撃を受けいるのかと。ガンシップの大気圏内の最大速度は620kph。この異世界のドラゴンを撒けるくらいの速度を誇るはずのガンシップは、今現在、正体不明の敵に襲われているのだった。すると一人のクローン・トルーパーがパイロットに敵は何者なのか問い出した。

 

 

「パイロット!敵はなんだ!?一体何に襲われている!?」

 

「ちょっと待ってくれ!今調べて…!?……嘘だろ、おい?」

 

「おい、どうした!敵は何なんだ!」

 

()()()()だ!それも、ヴァルチャー級スターファイターに追われている!!」

 

 

パイロットから告げられた言葉に俺は固まった。ドロイド……それもパイロットが言うにヴァルチャー級スターファイターだった。ヴァルチャー級スターファイターいえば、彼らクローン達が対立している独立星系連合の主力スターファイターのドロイドだ。…何故、独立星系連合のドロイドがこの世界にあるんだ?そう考えている時に、前より強い衝撃がガンシップ内に伝わった。

 

 

「撃たれた!…高度を維持できない、不時着を試みる!!」

 

「クソッタレ!…清水ッ!これから不時着するぞ!」

 

「……おいおい、嘘だろっおい!?」

 

 

余りにも急過ぎる展開に、俺は状況の整理が追いつかなかった。しかし、分かっていると言えばこのガンシップは間もなく不時着することだった。俺は吊り手を話さない様にしっかりと掴んで、助かる様に祈るしかなかった。

 

 

「不時着する!総員、衝撃に備えろ!!」

 

 

そう告げられた後、ガンシップは地面についた瞬間、左ウイングが地面の衝突の影響で折れてしまい、そのまま船体斜めって傾いた形で不時着するのだった。

 

 

 

俺が目を覚ました時にはガンシップが不時着して、ガンシップ内のクローン達の姿がなかった。残っていたのは精々DC-15Aブラスターくらいだった。奇跡的に生き残った俺は一体どれくらいの時間が経ったのか考えたが、分からなかった。このままこの場にいては行けないと判断した後、行動は早かった。不時着し、大破したガンシップからブラスターと少なからずのカートリッジと食糧をクローン達のバックパックに詰め込んだ後、ガンシップから出て、この場から離れようとした。その時に、目の前にこの異世界じゃ見られないはずの黒いアーマースーツと変わったフルフェイスヘルメットを装着した人物がいた。

 

 

『驚いたね。中々思いがけない人物と会えるとはね?エヒトに召喚された勇者の一人じゃないか…』

 

「嘘…だろ……!?」

 

 

俺はこの声の主こと、この人物を知っていた。スター・ウォーズの世界、惑星マラコアで元シス卿のダース・モールによって殺されたはずの七番目の尋問官。

 

 

「帝国尋問官……セブンス…シスター…!」

 

『おやおや、私や他の尋問官のことを知っている様ね、坊や?』

 

 

この時に俺は危機感を覚えたのか、無意識の内にブラスターを向けて、その引き金を引いていた。しかし、セブンス・シスターは“ダブル=ブレード回転式ライトセーバー”を取り出してプラズマ刃を展開し、ブレード放出口を回転させてブラスターから放たれたエネルギー弾を弾く。

 

 

『悪いけど余り遊んでいられないのよ、坊や』

 

「何?…うぉぁっ!?ガァッ!!」

 

 

俺はセブンス・シスターのフォースによってガンシップに叩き付けられた。セブンス・シスターはフォースで俺のことを拘束しつつも独特のフルフェイスヘルメットのバイザー部分が開く様に展開し、その素顔を俺の前に晒した。

 

 

「フッフッフッ……私たちの存在を知っておいてなお、武器を向けるなんてね?だが、丁度いい()が見つかって、こちらとしても都合がいいね…」

 

「ぐっ……何…を……!」

 

「フフッ……坊やが気にする必要はないわ。()()()()()()()()()()()()()()

 

 

ガンシップに叩き付けられた影響もあってか、俺の意識は朦朧としていた。そして何よりも、セブンス・シスターの言葉に従わなければならない衝動が走った。俺は抵抗しようにも、フォースに抗う術を持っていないため……

 

 

「俺は…尋問官……の為…に…尽くす……」

 

 

その言葉を皮切りに、俺は意識を手放してしまう。この先に俺はどうなるのか分からないまま……

 

 

シア以外にもヒロインを追加しようと思います。考えとしては八重樫と恵里を入れようと考えています。皆様は如何でしょうか?

  • 入れるべき
  • そのままでいい
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