ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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若干スランプになりかけましたが、何とか投稿しました。


22話目です。


大樹の秘密、町での下準備

 

 

シア達ハウリア族の戦闘訓練を始めてから既に十日が経過して、それぞれの訓練を終えるのだった。シアにいたっては、俺とユエ曰く、魔法適性はハジメや俺と変わらないが、身体強化に特化しており、今のシアが最大値に強化したとして俺とハジメで比べるなら、強化していないハジメの六割くらいで、俺の場合はフォースの恩恵で身体強化をつけて二割くらいだ。

 

 

 

しかし、シアがフォースの修行により、フォースを感じる様になってからその戦闘力が飛躍的に向上した。フォースの身体強化を足して俺たちと比べると本気のハジメの三割くらいで俺のは六割だった。しかも鍛錬次第ではまだ上がる様だ。正直にいえば化け物レベルの成長速度だった。素直に彼女の成長を喜ぶべきだろうが、これはこれで複雑な感じだった。

 

 

 

そんなこんなで俺たちは、丁度霧が晴れる日にカム達ハウリア族に大樹の道案内のもと、大樹に向かっていた。そしてある程度歩いていると、カムが目的が見えて来たことを報告して来た。

 

 

「将軍、コマンダー、大樹が見えてきました!」

 

「よし、でかした!最後まで気を抜くなよ?」

 

 

そうして俺たちは目的である大樹ウーア・アルトに到着した。俺たちはその大樹を見た時にこの様な反応だった。

 

 

「「……何だこりゃ(これ)?」」

 

 

という驚き半分、疑問半分といった感じのものだった。ユエも、予想が外れたのか微妙な表情だ。俺やハジメ、ユエは恐らく同じこと考えていたのだろう。大樹についてフェアベルゲンで見た木々のスケールが大きいバージョンを想像していたのである。しかし、実際の大樹は見事に枯れていたのだ。

 

 

 

大きさに関しては想像通り途轍もない。直径は目算では測りづらいほど大きいが直径五十メートルはあるのではないだろうか。明らかに周囲の木々とは異なる異様だ。周りの木々が青々とした葉を盛大に広げているのにもかかわらず、大樹だけが枯れ木となっているのである。

 

 

「フェアベルゲン建国前から枯れているらしいのですが、朽ちることはないらしいです。周囲の霧の性質と大樹の枯れながらも朽ちないという点からいつしか神聖視されるようになりました。…とはいえ、それだけなので、言ってみれば観光名所みたいなものですが……」

 

 

俺たちの疑問顔にカムが解説を入れる。それを聞きながらハジメは大樹の根元まで歩み寄った。そこには、アルフレリックが言っていた通り石板が建てられていた。

 

 

「ハジメ…これ…」

 

「あぁ、オスカーの紋章と同じだ」

 

 

ハジメ達の言う通り、その石盤にはオスカーの紋章や他の解放者の紋章が描かれていた。

 

 

「ここがもし大迷宮の入り口と言うのなら、何かしらの仕掛けがあるはずだが……」

 

 

そう言って俺は石盤の裏側を調べて見ると、表の七つの文様に対応する様に小さな窪みが開いていた。その小さな窪みは、オルクスの指輪が入るくらいのサイズだった。

 

 

「ハジメ、オルクスの指輪を出してくれ」

 

「雷電、何かあったのか?」

 

「恐らく、入り口を出現させる仕掛けらしきものを発見した。もしかしたら…」

 

 

そうしてハジメからオルクスの指輪を受け取り、オルクスの指輪を表のオルクスの文様に対応している窪みに嵌めてみる。

 

 

 

すると……石板が淡く輝きだした。

 

 

 

何事かと、周囲を見張っていたハウリア族も集まってきた。しばらく、輝く石板を見ていると、次第に光が収まり、代わりに何やら文字が浮き出始める。そこにはこう書かれていた。

 

 

“四つの証”

 

“再生の力”

 

“紡がれた絆の道標”

 

“全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう”

 

 

「……どういう意味だ?」

 

「“四つの証”は…他の迷宮の証…?」

 

「…かも知れないな。オルクスの指輪がそうであるなら、他の迷宮にも同様の証があるはずだ」

 

「“紡がれた絆の道標”は亜人の案内人ってことじゃないですか?」

 

 

それぞれの意見をまとめて整理してみたが、どうにも引っかかるのは“再生の力”だった。

 

 

「“再生の力”はユエの再生能力か?」

 

「私の再生能力とは違うみたい。…ということは、再生に関する神代魔法…?」

 

「再生…か。…となると、この枯れ果てた大樹と石盤に書かれていた再生の力、何かしらの共通点でもあるのか?」

 

「かも知れねえな。まあ、今すぐ攻略は無理ってことか……面倒だが仕方ない、他の迷宮からあたるか。先に三つの証を手に入れよう」

 

「んっ…!」

 

「…だな」

 

 

こうして俺たちの新たな目的として、残りの三つの大迷宮を攻略することになった。ハジメはハウリア族に集合をかけた。

 

 

「というわけで、俺たちは他の大迷宮を目指すことにする。大樹のもとへ案内するまで守る約束も、これで完了だ」

 

「今のお前たちでも、フェアベルゲンの庇護がなくても生きていけるだろう。俺たちとはここで別れることになる。しかし、お前たちには別の任務を与える」

 

「別の任務……ですか?」

 

「お前たちには、俺が設置した前線基地に所属してもらう形で基地を守ってもらう。その基地にいるクローン達の鍛錬の相手をしてやってくれ」

 

「イエッサー。将軍、コマンダー、どうか娘のことよろしく頼みます」

 

 

カムはシアのことを俺たちに託して、俺からの任務を受諾するのだった。その時にシアがあることを俺に伝えようとした。

 

 

「あ…あの!ハジメさん、マスター…改めてお願いがあります!わ…私を「旅の支度するぞ、シア」…えっ?まだ何も言ってませんけど…」

 

「お前が言いたいことは分かっている。どの道、お前を連れて行くことは雷電が決めていたことだ。俺がどうこう言うつもりはねえよ」

 

「まぁ、そう言うことだ。修行を終えたとはいえ、お前はまだパダワンだ。だからこそだ、シア。俺たちの旅はお前が想像している以上に過酷なものだ。それを覚悟の上か?」

 

 

そう俺が問い出すと、シアは何やらもじもじとしながらも答えようとした。

 

 

「その事は覚悟の上です。ですが、本当はもう一つの理由があります」

 

「もう一つの理由?」

 

「そ、それはですねぇ、それは、そのぉ……」

 

 

シアがもじもじしてしまっている所為か、上手く言葉を伝えることが出来ずにいた。上手く言えない自分にしびれを切らしたのか、シアが“女は度胸!”と言わんばかりに声を張り上げた。思いの丈を乗せて。

 

 

「あぁ、もう!この際師弟子の関係を抜きにして言います!私は、ライデンさんの傍に居たいからですぅ!しゅきなのでぇ!」

 

「……えっ?」

 

 

シアが途中で噛んでしまったが、俺には理解できた。大胆で、予想外な告白に俺の思考が一時的に止まってしまった。俺が好き?友としてではなく、異性として?ますます判らなくなってしまった俺は、しばらくして漸く冷静さを取り戻した。

 

 

「シア、自分が何を言っているのか分かっているのか?そもそもジェダイは「別にいいじゃねえか、今更…」…おま、ハジメ!?」

 

 

まさかのハジメから、シアの告白を後ろから後押しするかのようにフォローを入れて来たのだ。

 

 

「雷電、お前の言いたいことは分かるが、飽くまでそれは前世の頃ジェダイの(ルール)の話だろ?だが、この世界にジェダイの掟は存在しないし、別にいいじゃないのか?同じ掟に縛られなくても?」

 

「……しかしだな、ハジメ。俺はこれでもジェダイの騎士だ。掟は守らなければ「アナキンだって掟を破ってまででも、パドメと秘密の結婚をしていたんだ。それこそ今更だろ?」ぬぅ…」

 

「まぁ……もう一つ付け足すなら、オルクス大迷宮の奈落での仕返しだな。雷電、お前もそこのウサギに食われちまえ」

 

「ハジメ……お前な、少しばかり根に持ち過ぎだろ!?」

 

 

どうやらハジメはオルクス大迷宮の六十階層のアルラウネ擬き戦後、セーフティー・ルームで俺がユエの吸血を許可して、その血を沢山吸われたことを根に持っていた様だ。その意図返しとしてハジメは俺とシアをくっつけようとしたのだった。正直に言えば前世もそうだったし、俺たちジェダイは感情を自制することを掟により義務付けられているのだ。

 

 

 

だからこそ、シアの気持ちを分からなくはない。しかし…シアの場合は何時からなのかは分からないが、シア()()()好意は理解しているものの、俺自身()()()好意は理解せぬまま告白して来たのだ。俗にいう一目惚れというものだろう。だが、ジェダイの掟がある為にシアの思いを裏切ることになることだと分かっていても、シアの思いを裏切りたくないと思う俺がいる。これが何なのか俺自身にも分からなかった。色々なことがあったものの、俺の中の何かは後で考えることにしてシアの告白はしばらく待ってもらうことにしてもらった。

 

 

 

そんなこんなで俺たちは、樹海の境界でカム達の見送りを受けた俺たちは、再び魔力駆動二輪とスピーダー・バイクに乗り込んで平原を疾走していた。なお、シアは俺が乗っているスピーダーのサイドカーに乗っている。今後の方針として、現在確認されている七大迷宮は、“ハルツィナ樹海”を除けば、“グリューエン大砂漠の大火山”と“シュネー雪原の氷雪洞窟”である。シュネー雪原は魔人国の領土だから面倒な事になるのは確定であるため、グリューエン大砂漠の大火山に向かうべきなのだろうが、偶然にもライセン大峡谷にも大迷宮があるのでついでとしてライセン大峡谷にある“ライセン大迷宮”に向かうことを決めた。そうと決めた俺たちは先ず、資金や食糧を確保する為に地図に書かれてある“ブルックの町”に向かうのであった。

 

 

雷電Side out

 

 

 

町が見えて来たのと同時に町の方から俺たちを視認されない様に俺たちは乗り物から降り、宝物庫で乗り物を収納した後に徒歩に切り替え、そのまま町の方に向かった。……流石にバイクや雷電のスピーダーで乗り付けては大騒ぎになるだろう。この時に雷電が俺に大事な話があると言ってきた。

 

 

「ハジメ、この町に入る時にステータスプレートが必要になるはずだ」

 

「何だよ今更?そういうのはメルド団長から聞いたから問題ないだろ?」

 

「……すまない、少し言葉が足りなかった。そのステータスプレートなんだが、自身の能力値を示す様になっているだろ?」

 

「あぁ、確かにそうだが。一体、何が言いた……あっ」

 

 

この時に俺は気付いた。俺たちのステータスの数値は軽く一万超えなのだ。これは普通の人間の数値ではない。

 

 

「……じゃあどうすんだ?無難にステータスプレートが壊れたと言って誤摩化すか?」

 

「それしかないな。それとシアだが、フェアベルゲンの族長が言っていた様にこの世界は亜人族にとって優しくないからな。一応彼女は表向きには奴隷兼剣術の弟子として振る舞ってもらうつもりだ」

 

「そっか。……んで、デルタ分隊はどうすんだ?」

 

「彼らについては正直に話すしかないだろうな。この世界では人の形をした使い魔は、ある意味で異例かもしれないが……」

 

 

そんな形で町に入る前の誤魔化す為の言い分を考えた後、雷電がシアやデルタ分隊に町に入る為の事情を説明した後に俺たちは再び町に向かうのだった。

 

 

 

町に向かって歩き始めてから数十分、遂に町の門までたどり着いた。案の定、門の脇の小屋は門番の詰所だったらしく、武装した男が出てきた。格好は、革鎧に長剣を腰に身につけているだけで、兵士というより冒険者に見える。その冒険者風の男が俺たちを呼び止めた。

 

 

「止まってくれ。ステータスプレートを。あと、町に来た目的は?」

 

「食糧の補給がメインだ。後、素材の換金をしたい」

 

「ああ、それなら冒険者ギルドに行くといい。町の簡単な地図をくれるから役立つはずだ」

 

「それは親切にどうも。……あぁそれと、さっき渡したステータスプレートなんだが……些か面倒なことになってな」

 

「ステータスプレートに?いったいどういう……ん?なんだこのステータスプレート…」

 

 

門番は俺たちのステータスプレートを見てギョッとなっていた。……雷電の言う通り、俺たちのステータス値が異常なために引き気味になってしまうのもこの世界の住人に取っては無理もない。

 

 

「全ステータス値が一万超え…?技能もいったい幾つあるんだこれ……」

 

「そう……それなんだ。俺たちは宿場町ホルアドにあるオルクス大迷宮で修行をしていたんだが、その時に魔物に不意をつかれて、壊れてしまったんだ」

 

「…理屈的には分かるが、そんな壊れ方は聞いたことないが…」

 

「もし壊れていなければステータス値の表示が正しく表示されるはずだ。一万超えの人間だったら、もはや俺たちが化け物の類いみたいじゃないか」

 

「…そうだよな。こんなんじゃ指一本で町が滅ぼされちまう。…で、そっちの六人のプレートは?」

 

 

案の定、門番はユエたちにプレートのことについて聞き出そうとした俺と雷電は手筈通りにユエとシア、デルタ分隊のことを話した。

 

 

「連れはその…さっき雷電が言っていた魔物の襲撃で無くしちまってな」

 

「そしてこっちの兎人族はステータスプレートを持っていない。一応この兎人族なんだが、俺の剣術においての一番弟子なんだ。そんな弟子の安全策としては皮肉かもしれないが……理由は分かると思うが……」

 

「…なるほど。確かに皮肉ではあるが、それが安全であることには変わりないな。それにしても、上手いこと綺麗どころを手に入れたな」

 

「茶化さないでくれ。…それと残りの彼らなんだが、彼らは俺の技能にある“クローン軍団召喚”で召喚した兵士だ。もとよりステータスプレートは存在しないんだ」

 

 

その事を聞かれた門番は、更にギョッとしてデルタ分隊の方を見た。クローンと言う言葉は聞き覚えがない為か、かなり困惑していた。その時にデルタ分隊のボスが雷電に声をかける。

 

 

「将軍、我々はここで待機いたしましょうか?我々の装備やアーマーは他の者たちにとって異質だ」

 

「駄目だ。ここで野宿させるわけにはいかない。そうなってはこの門番や町にも迷惑がかかる。それだけは避けたい」

 

「しかし将軍…「…はぁ、分かった」…ん?」

 

 

雷電とボスが話し合っている時に門番が何かと考えるの止めたのか、俺たちに告げた。

 

 

「とりあえず町に通っていいが、出来るだけ騒ぎを起こすなよ?こっちも面倒ごとは勘弁だからな」

 

「…感謝する」

 

「まぁ、本当に騒ぎを起こさないでくれよ?それとギルドに向かうなら、中央の道を真っ直ぐ行けば冒険者ギルドがある。そんで改めて……ようこそ“ブルック”へ」

 

 

門番から町に入る許可を得た俺たちは、門をくぐり町へと入っていく。町中は、それなりに活気があった。かつて見たオルクス近郊の町ホルアドほどではないが露店も結構出ており、呼び込みの声や、白熱した値切り交渉の喧騒が聞こえてくる。

 

 

 

こういう騒がしさは訳もなく気分を高揚させるものだ。俺だけでなく、ユエや雷電も楽しげに目元を和らげている。しかし、シアだけは先程からぷるぷると震えて、涙目で雷電を睨んでいた。

 

 

「うぅ…マスター、幾ら何でもこれはあんまりです〜」

 

「……シア、町に向かう時に言っただろう?奴隷でもない亜人が普通に町を歩けるはずがない。兎人族の女であり、容姿とスタイルは抜群。それを狙ってお前を狙う輩が少なからずいるんだ。それを防止する為に皮肉ではあるが、奴隷という立場を利用したんだ。奴隷と示してなかったら恐らく何回も人攫いに合うはずだ。そうなっては本当に面倒な…って、どうしたんだ?そんなにデレて」

 

「も…もう、こんな公衆の面前で何を言い出すんですかぁ、マスターは。世界一可愛くて魅力的だなんて…」

 

 

シアは本当の意味で残念ウサギになっていて俺やユエはただ呆れる他無かった。雷電にいたっては複雑そうにこう思っていたかもしれない。“駄目だこいつ、早く…何とかしないと…”ってな。そんなこんなでメインストリートを歩いていき、一本の大剣が描かれた看板を発見する。かつてホルアドの町でも見た冒険者ギルドの看板だ。規模は、ホルアドに比べて二回りほど小さい。俺たちは看板を確認すると重厚そうな扉を開き中に踏み込んだ。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

ギルド内はかなり清潔さが保たれた場所だった。入口正面にカウンターがあり、左手は飲食店になっているようだ。何人かの冒険者らしい者達が食事を取ったり雑談したりしている。誰ひとり酒を注文していないことからすると、元々酒は置いていないのかもしれない。酔っ払いたいなら酒場に行けということだろう。そして案の定、他の冒険者からの視線を感じた。中にはユエやシアに興味を持った視線もだ。デルタ分隊に関してはこの世界に取って珍しい鎧ことカターン級コマンドー・アーマーに興味を持つ者もいた。

 

 

 

そんな視線を無視しながらもカウンターに向かうとそこには中々元気で恰幅の良い中年女性の姿があった。

 

 

「冒険者ギルドブルック支部にようこそ!ご用件はなんだい?見たところ2:2って感じだけど、そっちのは別かい?」

 

 

この中年女性こと受付嬢は俺たちの関係性を一発で見抜いたことに俺やハジメ、デルタ分隊も内心驚いていた。ハジメは頬を引き攣らせながら何とか返答する。

 

 

「まぁ…彼らの場合は特殊というか何ていうか…」

 

「彼らは俺の部下だ。少し訳ありなんだが、聞かないでくれると何かとこちらも助かる」

 

「分かった、そういうことにしておくよ。…それはそうと、改めてご用件はなんだい?」

 

「ああ、素材の買取をお願いしたい」

 

「はいよ、買取だね!じゃあ先ず、ステータスプレートを出してくれるかい?」

 

「ん?買取にステータスプレートの提示が必要なのか?」

 

 

ハジメの疑問に“おや?”という表情をする中年受付嬢。

 

 

「必要じゃないけど冒険者と確認できれば一割増で売れるよ。さっきの反応からして、アンタたち新人?」

 

「…まぁ、そんなところだな」

 

「ならうちで冒険者として登録できるよ。買取りと一緒にやっとくかい?」

 

「せっかくだ、お願いしよう。そんで、買取りはここでやってくれるのか?」

 

「あぁ、そこに出してちょうだい」

 

 

そういってハジメは樹海で倒した魔物の素材を中年受付嬢の前に出した。すると中年受付嬢はハジメが出した素材に驚いていた。

 

 

「なっ…!…これは樹海の魔物の素材じゃないかい…!?」

 

「此処……というより、世間的に珍しいのですか?」

 

「そりゃあねぇ、樹海なんて並の冒険者じゃ命がいくらあっても足りないよ。しかし、此処での買取りでいいかい?もっと大きい町ならもう少し高く売れそうだけどね」

 

「いや、気遣いはありがたいがここで構わない」

 

 

他の大きな町ならば少しばかり高く買い取ることができたが、今の俺たちに必要な物は食糧と資金だ。…一応この世界のお金こと“ルタ”は、この世界トータスの北大陸共通の通貨だ。ザガルタ鉱石という特殊な鉱石に他の鉱物を混ぜることで異なった色の鉱石ができ、それに特殊な方法で刻印したものが使われている。青、赤、黄、紫、緑、白、黒、銀、金の種類があり、左から一、五、十、五十、百、五百、千、五千、一万ルタとなっている。この貨幣価値は俺たちが元いた地球の日本と同じだったことに内心驚いた。

 

 

 

そう考えているうちに中年受付嬢が全ての素材の鑑定を終えたのか、金額を提示した。買取額は四十八万七千ルタ。結構な額だ。

 

 

「冒険者登録もしておいたからね。後、この町の簡素な地図もサービスで付けとくよ」

 

「あぁ、色々と助かるよ」

 

「おすすめの宿や店も書いてあるから参考にでもしなさいな」

 

 

そう中年受付嬢から地図を受け取った俺たちはその地図を見てみた。その地図はより正確に書かれており、立派なガイドマップとして使えるくらいだった。

 

 

「ここまで正確に……これは簡素ではなく、完璧の間違いではないのか?このマップでも十分売り物として使えると思えるが?」

 

「構わないよ。あたしが趣味で書いているだけなんだから。それよりもいい宿に泊まりなよ!その二人を見て暴走する男連中がでそうだからね!」

 

「忠告、感謝します。……ハジメ、資金を無事に確保出来た訳だし、あの人の言う通りいい宿を探そう」

 

「…だな。先ずは宿探しから始めるか」

 

 

資金を無事に確保した俺たちは、中年受付嬢の言った様にこの町のいい宿を探す為に宿を探しに歩き回る。……それにしてもあの中年受付嬢は他ならぬ何かを感じたが、あれは恐らく長年で職務を全うし、それで得た経験者の何かかもしれない。そう思いながらもハジメ達と宿を探すのだった。

 

 

シア以外にもヒロインを追加しようと思います。考えとしては八重樫と恵里を入れようと考えています。皆様は如何でしょうか?

  • 入れるべき
  • そのままでいい
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