ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
23話目です
ギルドのオバチャンから簡素な地図……というよりもガイドブックと称すべきそれを貰ってから俺たちは、ガイドマップに書かれてある“マサカの宿”を目を通した。紹介文によれば、料理が美味く防犯もしっかりしており、何より風呂に入れるという。最後が決め手だ。その分少し割高だが、金はあるので問題ない。若干、何が“まさか”なのか気になったというのもあるが……
雷電たちと相談し、その結果俺たちはマサカの宿に向かうことになった。そして宿に到着し、中に入るとその宿の中は一階が食堂になっているようで複数の人間が食事をとっていた。ハジメ達が入ると、お約束のようにユエとシアに視線が集まる。それらを無視して、カウンターらしき場所に行くと、十五歳くらい女の子が元気よく挨拶しながら現れた。
「いらっしゃいませー!ようこそ“マサカの宿”へ!本日はお泊りですか?それともお食事だけですか?」
「宿泊だ。このガイドブック見て来たんだが、記載されている通りでいいか?」
俺が見せたオバチャン特製地図を見て合点がいったように頷く女の子。
「ああ、キャサリンさんの紹介ですね。はい、書いてある通りですよ。何泊のご予定ですか?」
「…一泊で頼む。(つーか、今更かもしれねえが、あのオバチャンはキャサリンって名前だったのか?)」
「……どうした、ハジメ?」
雷電は俺が何処か遠い目をしていることに気付いた様だった。その時に雷電は俺に声を掛けたが、俺は“何でもない”と答えるのだった。すると女の子が俺たちにあることを告げる。
「え、え〜と…その…お部屋なんですが…。その大人数だと二人部屋と三人部屋が空いていまして…」
「あぁ…部屋割りか。デルタを含めて計八人いるとしてだ、デルタ、お前たちは?」
「そのことなんだが、一つの三人部屋にはスコーチ、フィクサー、セヴの三人だ。将軍は?」
ボスがそう言った後に雷電は残りの部屋割りについて話した。
「その事なんだが、俺とハジメ、ボスは三人部屋にしようと考えている。ハジメは?」
「俺はそれで構わないが……」
「……ダメ。二人部屋三つで」
「わ…私も同じですぅ!」
何やらユエとシアは雷電の部屋割りに不服だった。ユエからして案の定、俺と色々とするつもりだったらしい。シアはシアでマスター云々より恋人でありたいと強く願ってのことだった。…となると一人置いてけぼりであるボスは二人部屋で一人ということになるだろう。ボスは余り気にしてはいない様だが……
「お前らな……ここは普通男女に分かれるはずなんだが?」
「とはいってもハジメ、どうやら二人は何が何でも二人きりの方がいいらしい。こういうのは諦めも肝心だ。ボス、お前は一人になるかもしれないが、いいか?」
「はい、俺は余り気にしていませんので」
そんなこんなで部屋割りとしては二人部屋には俺とユエ、雷電とシア、そしてボスという形で決まった。その時に女の子は何かにトリップしていたのか“我、ここにあらず”な状態だった。それを見かねた女将さんらしき人がズルズルと女の子を奥に引きずっていく。代わりに父親らしき男性が手早く宿泊手続きを行った。部屋の鍵を渡しながら“うちの娘がすみませんね”と謝罪するが、その眼には“男だもんね?わかってるよ?”という嬉しくない理解の色が宿っている。絶対、翌朝になればスコーチと同様に“昨晩はお楽しみでしたね?”とか言うタイプだ。何を言っても誤解が深まりそうなので、急な展開に呆然としている客達を尻目に俺たちはそれぞれの部屋に向かうのであった。
それぞれの部屋に着いた俺たちは、一部の荷物を部屋に置いて、次はどうするかをスコーチたちの部屋で話し合うのであった。
「──さて、今日の予定なんだが、俺はこれからとあるものを作る作業に入る」
「作るものってなんですか?」
「それは出来てからのお楽しみだ。構想は出来ているし、数時間もあれば出来るはずだ。…まぁ、少し予定がずれたこと変わりはないが……」
するとユエとシアは何か自覚があるのかサッと視線をそらした。それを察したのか雷電は二人にフォローに回るのだった。
「そういってやるな、ハジメ。彼女たちにも悪気はなかったんだ。……それよりもだ、せっかくの町だからここで衣服や食糧などを調達してくるよ」
「あ……そ、そういえば私、冒険用の服を探そうと思ってたんでした」
「…そういえば私も見てみたい露店があった…」
雷電のフォローに便乗するかの様にユエとシアも同意だった。
「いいですね!そしたら買い物しながら何か一緒に食べましょう!」
「ん…いい考え…」
「ということでハジメさん、マスター、行ってきますー!」
シアは行ってくる言葉を残してこの場から去った。調達の提案を出したマスターを置き去りにして……
「…お前ら、実は結構仲良いだろ…」
「…だな、あのお二人さんは。…とりあえず俺は、二人の後を追うよ」
そんな俺たちの呟きも虚しくスルーされ、雷電は買い物を兼ねて二人の後を追うのだった。そして残された俺やデルタ分隊はそれぞれで自身のなすべきことをするのであった。俺はとある物の製作を、デルタ分隊は武器の点検をするのだった。
ハジメSide out
俺は何とかシアとユエに追いつき、目標である食料品関係とシアの衣服、それと薬関係の調達であった。先ずはシアの衣服から手を付けるべく、中年受付嬢ことキャサリンから受け取った地図に書かれている普段着と冒険者向きの衣服を取り扱う店に向かった。そしてその店に入った時に出迎えたのは……
「あら~ん、いらっしゃい♥可愛い子達とお兄さんのようねぇん。来てくれて、おねぇさん嬉しいぃわぁ~、た~ぷりサービスしちゃうわよぉ~ん♥」
やけに女性口調の化け物──変わった店長が出迎えたのであった。身長二メートル強、全身に筋肉という天然の鎧を纏い、劇画かと思うほど濃ゆい顔、禿頭の天辺にはチョコンと一房の長い髪が生えており三つ編みに結われて先端をピンクのリボンで纏めている。動く度に全身の筋肉がピクピクと動きギシミシと音を立て、両手を頬の隣で組み、くねくねと動いている。服装は……いや、言うべきではないだろう。少なくとも、ゴン太の腕と足、そして腹筋が丸見えの服装とだけ言っておこう。その時にユエとシアは硬直する。シアは既に意識が飛びかけていて、ユエは奈落の魔物以上に思える化物の出現に覚悟を決めた目をしている。……ユエにシア、流石に初対面の相手に失礼だと思うが?確かにインパクトが強過ぎるということには否定できないが……
「あらあらぁ~ん?どうしちゃったの二人共?可愛い子がそんな顔してちゃだめよぉ~ん。ほら、笑って笑って?」
どうかしているのはお前の方だ、笑えないのはお前のせいだ!と盛大にツッコミたいところだったが、ユエとシアは何とか堪える。人類最高レベルのポテンシャルを持つ二人だが、この化物には勝てる気がしなかった。しかし、何というか物凄い笑顔で体をくねらせながら接近してくる化物に、つい堪えきれずユエは呟いてしまう。
「……人「ユエ、それ以上言わない」…ライデン?」
「あらあらぁ~ん?今その可愛い子が何かしらよからぬことをいわなかったかしらぁ〜ん?」
「…すまない、どうやら彼女たちはあなたの姿を見て少しばかり驚いただけで悪気は無いんだ。」
「あらぁ~ん、そうなの〜?…でもまぁ、あなたみたいなお兄さんに免じて、そういうことにしておくわぁ〜ん♥」
この時に何とかユエがこの変わった店長を人間なのかどうか疑う様な発言を見逃してもらえた。何とか騒ぎを起こさずに済んだ矢先、店に入ってくる冒険者二人の姿があった。
「いた!マサカの宿にいた美少女と兎人族!」
「ウワォ、俺好みだわ!…ところで、確かユエちゃんとシアちゃんで名前合ってるよね?」
「?……合ってる」
俺がいるのにも関わらず話を進める冒険者たち。この男達、実はハジメ達がキャサリンと話しているとき冒険者ギルドにいた男だ。ユエの返答を聞くとその男は、もう一人の男に頷くと覚悟を決めた目でユエを見つめた。そして……
「ユエちゃん、俺と付き合ってください!!」
「シアちゃん! 俺の奴隷になれ!!」
会っていきなり早々こいつ何言ってんだ?という状況だった。こんな状況でも楽しむのは変わった店長だけであった。
「あらららぁ〜ん、中々大胆に告白するのねぇ〜?きらいじゃないわぁ〜ん♥」
変わった店長の声を聞いたのか冒険者二人はその店主に目線を向けると瞬時に表情が青ざめ、本来の目的よりも道の何かに遭遇した様な感じになった。
「な…なんだ!?この
その言葉を皮切りに店長が人が変わったの様に怒りの咆哮を上げた。
「だぁ~れが、伝説級の魔物すら裸足で逃げ出す、見ただけで正気度がゼロを通り越してマイナスに突入するような化物だゴラァァアア!!」
「「ひいぃ〜〜〜!?す…すみませんでした〜〜〜!!」」
怒れ狂う店長にビビってしまった冒険者二人はそのままこの店から出て、脱兎の如く逃げていった。どうやらあの冒険者はまだ新人でこの店の特徴を理解していなかった様だ。一方のユエとシアは怒れ狂った店長に対して脅えていた。ユエがふるふると震え涙目になりながら後退る。シアは俺に抱きついて今はこうさせて欲しいと言わんばかりに涙目で震えていた。この時に俺はユエたちにこれを教訓として忘れない様に伝えるのだった。
「ユエ、シア。これを教訓に人を見かけで判断しないようにな。あの店長は少しばかり変わっているが、ただそれだけだ」
「ん……絶対にあの人は怒らせない……」
「わ……私も同意ですぅ〜……」
「ごめんなさいねぇ〜?ちょっとばかり騒がさせてぇ。それでぇ?今日は、どんな商品をお求めかしらぁ~ん?」
なんとか本題に戻ったところで俺たちは本来の目的を果たす為にユエたち女性陣はシアの衣服を選び、俺は食糧を買いにそれぞれ分担するのだった。因みに、無事に買い物を終えた後に他の冒険者たちがユエたちに告白するもユエたちはそれを問答無用で断った。振られてもなお自分の物にしようと暴走する男がいたが、そこはシアがフォースで動きを封じた後にユエの風の礫で男の股間に連続で叩き込んでその男を
…余談ではあるが、漢女された男は変わった店主ことクリスタベルに拾われ、後のマリアベルちゃんが生まれた。彼は、クリスタベル店長の下で修行を積み、二号店の店長を任され、その確かな見立てで名を上げるのだが……それはまた別のお話で、ユエに“股間スマッシャー”という二つ名が付き、後に冒険者ギルドを通して王都にまで名が轟き、男性冒険者を震え上がらせるのだが、それもまた別の話だ。
ユエとシアは、畏怖の視線を向けてくる男達の視線をさらっと無視して買い物の続きに向かった。道中、女の子達が“ユエお姉様……”とか呟いて熱い視線を向けていた気がするがそれも無視して買い物に向かった。……正直に言って、目立ち過ぎたなと思った今日この頃である。
雷電Side out
雷電たちが買い物に行っている間、俺はとある物の製作を終えた。作ったのは二つ。一つはシア用に作った戦槌型アーティファクト“ドリュッケン”だ。シアの身体能力強化を活かすことが出来る武器として作ったが、シアにはライトセーバーがある為に多分使わないと思うが、これは飽くまでライトセーバーが使えないときに変わりの武器とも言っても過言ではない。そしてもう一つは、余った人工カイバー・クリスタルを使った俺用のレーザーソード型アーティファクト。名前は“アストルム”。ラテン語で“星”を意味する言葉だが、俺個人で言えば星は何かしらと縁起がいいからだ。ただし死兆星、テメェは駄目だ。外見からすれば某アニメのレーザートーチである。外見上トーチ先端部は伸縮式となっており、緊急時にはビームの焦点距離を延ばし戦闘用兵装として機能する仕組みだ。
「……まぁ、よっぽどのことが無ければ使うことは無いと思うがな」
そう言いつつもレーザーソードを腰側に懸架するのだった。その時に買い物に行っていた雷電たちが戻って来たのだった。
「ハジメ、買い物から戻ったぞ」
「応、お疲れさん。何か町中が騒がしそうだったが、何かあったか?」
「……問題ない」
「あ~…うん、そうですね。問題ないですよ」
「…そうだな、問題らしきことは起こしていないから事実上問題ないはずだ……多分」
いや、雷電。何だ今の間は?余計に何かあったと思うじゃねえか……。そんな考えを後回しにして俺はシアの衣装を見た。前から着ていたジェダイ用の衣服から最初に合ったときと同じ少し露出高めの物だった。それも冒険用のである。
「それにしてもだ。冒険用の服なのに初めて会った時の服と同様に露出がほぼ変わってないんだが…」
「他の服だと窮屈で、動きが鈍るんですよ」
「まぁ、露出云々は置いとくとして、こっちは既に目的は達した。ハジメの方はどうだ、完成したか?」
「まぁな。一つは俺用で、もう一つはシア用だ。シア、こいつをお前に渡しておく」
そう言って俺は完成した戦槌ことドリュッケンをシアに渡すのだった。しかし、身体能力強化をしていないシアに取っては重かった様だ。
「うわっ!すごく重たいんですけど…」
「そいつはライトセーバーが使えない状況になった時のお前用の戦槌だ」
「へっ、これが……ですか?」
シアの疑問はもっともだ。円柱部分は、槌に見えなくもないが、それにしては取っ手が短すぎる。何ともアンバランスだ。
「ああ、その状態は待機状態だ。取り敢えず魔力流してみろ」
「えっと、こうですか?…!わわっ!」
言われた通り、槌モドキに魔力を流すと、カシュン!カシュン!という機械音を響かせながら取っ手が伸長し、槌として振るうのに丁度いい長さになった。
「なるほど、戦槌型のアーティファクトか。確かにシアの身体能力強化と相性が良い武器だ」
「あぁ、戦槌型アーティファクト“ドリュッケン”だ。そいつには多数のギミックを搭載させてある。お前の力を最大限に活かせるようになっているはずだ。頑張って使いこなしてくれよ?仲間になった以上、勝手に死んだらあいつが大変だからな?」
「ハジメさん、言ってることがめちゃくちゃですよぉ…」
「おい、ハジメ。なんでそこで俺を出すんだ…」
雷電も俺がいうあいつの言葉に思い当たったのか今の様な反応を返すのだった。そんなこんなでそれぞれの目的を果たした後に宿のチェックアウトを済ませる。未だ、宿の女の子が俺たちを見ると頬を染めるが無視だ。そうして俺たちの一日を終えるのだった。
ハジメSide out
翌日、宿で一泊した俺たちはそのままライセン大峡谷に向かい、大峡谷にあるライセン大迷宮を探すのだった。その時にハイベリアの群れがやって来たが、シアはハジメから貰った戦槌型アーティファクトであるドリュッケンを試すべく相手するのだった。
「一・撃・必・殺!ですぅ!!」
自身の技能とフォースを掛け合わせた身体能力強化でハイベリアに文字通り一撃必殺を繰り出してハイベリア一匹粉砕するのだった。そして他のハイベリア達が敵討ちと言わんばかりにシアに襲いかかろうとした。しかし、シアの方が行動が早く、ドリュッケンのギミックの一つを使うのだった。
「ドリュッケン“砲撃モード”!!これでも喰らえです!」
ドリュッケン放たれるミサイルがハイベリア達に襲いかかる。ハイベリア達はミサイルが何なのか判るはずも無く気にせずシアに向かう。しかし、そのミサイルがハイベリア達に直撃した瞬間、爆発し、ハイベリア達の肉片が飛び散るのであった。
「相変わらずハジメの作った物はえげつない位に強力だな?」
「まぁな。シアはシアでもう使いこなせている様だな」
「えへへ、マスターの言葉を借りるとすれば“これもフォースの導き”です!」
ハイベリアの群れを一掃した後、俺たちは休憩しつつも地図を見直していた。
「…迷宮の入り口がライセンの何処かにあるってだけじゃあ、やっぱり大雑把だな」
「確かにな……この大峡谷の長さだ。いったい何処にあるのか判らないぞ」
「探すの前提に此処らでキャンプでも張るか」
そんな形で役割分担でハジメやユエ、デルタ分隊は大迷宮の入り口を探す為に魔力駆動二輪とスピーダーで探すのであった。そして俺は技能の共和国軍兵器召喚で“ニュー級アタック・シャトル”を召喚した後、シアと共に宇宙に出た。シアは初めて宇宙を見て他では体験できない感動を感じていた。
「うわぁ〜…!とっても綺麗ですぅ!」
「あぁ、確かにな。だが、俺たちの目的は綺麗な星を見る為じゃないからな?」
俺の目的はこの星の衛星軌道にある月付近に宇宙ステーションである“ヘイヴン級医療ステーション”を召喚することだった。月の軌道上に辿り着いた俺は、ヘイヴン級医療ステーションを召喚し、更にクローン・トルーパー四個師団を召喚するのだった。一応この医療ステーションは約60,000名以上を収容することが可能である。そして召喚したクローン達にこのステーションを拠点にいざという時の切り札としての軍団として待機するよう指示を出した。更には“アクラメイター級汎銀河軍事用アサルト・シップ”を召喚し、何時でも出撃できるように万全な態勢をとった。この時に俺は色々と魔力を大量に消費してかなり疲労をためてしまった。そんな下準備を終えた俺とシアは大峡谷にあるテントのところに戻り、張ったテントの中で休むのだった。
時は既に日が暮れる時間になり、何とか一時的に疲労を回復した俺は既に帰っていたハジメ達に状況はどうだったと聞くと迷宮の入り口らしきものが発見できなかったそうだ。今日の迷宮探しはここまでにして俺たちは一日終えようとした。その時にシアが何かモジモジした様子だった。
「ん……どうした、具合でも悪いのか?」
「そ…その…ちょっとお花を摘みたくて……」
「谷底に花はないぞ?」
「ハ・ジ・メ・さ~ん!
ハジメ、流石にそれはデリカシーが無いぞ?
「…まぁでも、グリューエンの大火山に行くついでだし、見つかったら見つかったで儲け物ぐらいでいいか」
「あぁ……あったらあったでの話だけどな?」
そうハジメと話し合っている時にシアが突如と何かを発見した様子で魔物を呼び寄せる可能性も忘れたかのように大声を上げた。何事かと、ハジメとユエ、デルタ分隊は顔を見合わせ同時にテントを飛び出す。シアの声がした方へ行くと、そこには、巨大な一枚岩が谷の壁面にもたれ掛かるように倒れおり、壁面と一枚岩との間に隙間が空いている場所があった。シアは、その隙間の前で、ブンブンと腕を振っている。その表情は、信じられないものを見た!というように興奮に彩られていた。
「こっち、こっちですぅ!見つけたんですよぉ!」
「あんまり大声出すな!夜行性の魔物が動き出すかもしれないだろ!」
なんだかんだでシアが発見した何かを確認すると、そこには壁を直接削って作ったのであろう見事な装飾の長方形型の看板があり、それに反して妙に女の子らしい丸っこい字でこう掘られていた。
“ヤッホー、おいでませー!ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮にようこそー♪”
この看板を見た瞬間、俺とハジメ、デルタ分隊はこのような言葉しか出なかった。
「「「……なんだコレ…」」」
他にどのような言葉を出せば良いのか判らなかった俺たちであった。
おまけ
ライセン大迷宮の入り口を探すも見つからなかった俺たちは、明日でまた探すことにして一旦夕食を取るのだった。なお、今日の当番は俺とシアだった。
「おーいハジメ、ユエ、デルタ、食事が出来たぞ」
俺はハジメやユエ、デルタ分隊を呼んで一緒に食事を取ることにした。一応召喚されたクローンは食事は可能ではあるが、普段は食事を必要とせず、俺の魔力で現界維持しているのであった。デルタは遠慮していたが、シアの押しに心を折れたのか一緒に食べることになった。デルタ分隊の顔はジャンゴ・フェットの顔でありながらも遺伝子の突然変異で一部の形状が違っていたのだった。あまり俺たちは気にせず、俺たちが用意した料理を食すのだった。因みに今日の料理はシアが取って来たクルルー鳥の肉やブルックの町で調達した野菜を使ったシチューだ。それぞれスプーンを使って一口頬張る。
「うわっうま!」
「…負けた…」
「悪くない味だ。俺たちの好みの味だな」
「あぁ、確かシチューだったか?けっこうコクがあって美味いじゃねえか」
「確かに……この味を知るとまた食べたくなるな」
「……悪くないな、この味は」
それぞれの感想を聞いた後に俺はシアの方を見た。シアは片手に包丁を、もう片方の手はまたもう一匹捕まえたであろうクルルー鳥を掴んでいた。
「しかしシアが家事全般が得意なんてな」
「はいっ!私、家事全般得意なんで!」
そう言いながらもシアは包丁でクルルー鳥を生きたまま捌いていた。捌かれる瞬間、クルルー鳥は断末魔を上げながらもシアに捌かれて鶏肉となったのだった。この光景を見ていた俺やハジメ達は一瞬だけぞっとした。そんな様子を知らずかシアはのほほんとした表情だった。
「あっ…さっき捕まえたクルルー鳥も食べましょうね。こっちは唐揚げを作りますので!」
この時に俺たちはシアに対しての一言が心の中で一致した。
“温厚な一族とは、一体……”
因みに余談だが、クルルー鳥の断末魔を聞いてから少しばかり休み難かったりそうでなかったりしたのは別の話である。
シア以外にもヒロインを追加しようと思います。考えとしては八重樫と恵里を入れようと考えています。皆様は如何でしょうか?
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入れるべき
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そのままでいい