ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
26話目です
辺りにもうもうと粉塵が舞い、地面には放射状のヒビが幾筋も刻まれている。激突した浮遊ブロックが大きなクレータを作っており、その上に胸部から漆黒の杭を生やした巨大なゴーレムが横たわっていた。そのミレディ・ゴーレムの上から一機の起動兵器が降りて来て、着地した後に前屈みになってその起動兵器から雷電がコックピットから出たのだった。
「やれやれ……ぶっつけ本番だったとはいえ、フォースの恩恵がなかったら今頃操縦は愚か、自爆しかねなかったぞ、ハジメ?」
「いや、自爆はねえだろ?そいつには自爆装置はつけてねえし……」
そんなこんなで他愛のない会話が成立し、俺たちは改めて七大迷宮の一つ、ライセン大迷宮を攻略することが出来たなと改めて実感した。その後にジェット・トルーパー達の安否を確認したが、全員死亡していることが判明し、俺はこの迷宮で戦ってくれたトルーパーに哀悼の意を表するためにこの部屋で共和国軍の敬礼をした。そしてシアは、無事に大迷宮を攻略できたことにホッとしたのか少しばかり腰が抜けてしまう。
「?……大丈夫か、シア」
「あ…あはは……マスター。さ、流石に今回は私でも疲れました。特に、あの巨石を静止させるのに。……ですが、何とか大迷宮を攻略できましたね!」
それもそのはず、今までは温厚で争いごとが苦手な兎人族であり、つい最近まで戦う術を持たなかったシアが一度も“帰りたい”などと弱音を吐かず、恐怖も不安も動揺も押しのけて大迷宮の深部までやって来て、無事に攻略出来たのだ。
「まぁ、
「ふぇ?な、なんだか……ハジメさんが凄く優しい目をしている気が……ゆ、夢?」
「お前な……いやまぁ、初対面の時の扱いを考えると仕方ないと言えば、仕方ない反応なんだが……」
「まぁ、初対面の時に俺からの頼みだったとはいえ、ハジメが俺ごと纏雷でやったからな……」
そんなこんなで俺は未だ頬を抓っているシアのもとへ歩み寄って行き、おもむろにシアの頭を撫でた。乱れた髪を直すように、ゆっくり丁寧に。
「え、えっと…マスター?」
「よくやったな、シア。よく心を乱さず、天井から落下してきた巨石をフォースで支えていたな。おかげでハジメたちは無事だった。本当によくやった」
その言葉にシアの緊張の糸が切れたのかポロポロと涙を流した。
「マスター……うぅ、あれ、何だろ?何だか泣けてぎまじだぁ、ふぇええ」
「泣いても良い。今は、この時は泣いても良い……」
「うわぁぁんっマスター!私…わたし…怖かったですぅ!何度も死んじゃうって思いましたぁ〜」
涙を流しながら俺にヒシッと抱きつき泣き出してしまった。やはり、初めての旅でいきなり七大迷宮というのは相当堪えていたのだろう。それを俺たちに着いて行くという決意と、俺の弟子であるというジェダイとしての覚悟で踏ん張ってきたのだ。褒められて、認められて、安堵のあまり涙腺がゆるゆるになってしまったようだ。
雷電に甘えるシア、抱きかかえる俺、それを何とも言えない表情で見つめるハジメとユエ。そんな四人に、突如と声が掛けられた。
「……あのぉ〜〜、いい雰囲気の所悪いんだけど、ちょっといいかな?」
物凄く聞き覚えのある声。ハジメ達がハッとしてミレディ・ゴーレムを見ると、消えたはずの眼の光がいつの間にか戻っていることに気がついた。咄嗟にミレディ・ゴーレムに飛び乗り、突き刺さっていたパイルバンカーの漆黒の杭を引き抜いて持つハジメとドリュッケンを構えるシアの姿があった。今まさにもう一度ミレディに止めを刺さんといわんばかりにだ。
「ちょっとちょっと!!待ってってば!少しだけ話させてよ!」
「シア、全力でやれよ」
「勿論です!」
「大丈夫だってぇ~!試練はクリア!あんたたちの勝ち!核の欠片に残った力で少しだけ話す時間をとっただけだよぉ~、もう数分も持たないから」
その言葉を証明するように、ミレディ・ゴーレムはピクリとも動かず、眼に宿った光は儚げに明滅を繰り返している。今にも消えてしまいそうだ。どうやら、数分しかもたないというのは本当らしい。
「ハジメ、ミレディの言う通りだ。ゴーレムの核が破壊された以上、もう喋る力しか持ち合わせていない」
「──ったく、分かったよ。それで、何の話だ?狂った神を倒してくれなんて話は聞かないぞ」
ハジメの機先を制するような言葉に、何となく苦笑いめいた雰囲気を出すミレディ・ゴーレム。
「…言わないよ。話したい…というより忠告だね。必ず私達“解放者”全員の神代魔法を手に入れること。君の望みを叶えるには必要なことだよ」
「…なら他の迷宮の場所を教えろ。殆どが記録に残ってねぇんだよ」
「あらら…わからなくなる程長い時が経ってたんだ…。きっと一度しか言えないから…よく聞いてね」
ミレディ・ゴーレムの声が少しづつ力を失い始める。どこか感傷的な響きすら含まれた声に、ユエやシアが神妙な表情をする。長い時を、使命、あるいは願いのために意志が宿る器を入れ替えてまで生きた者への敬意を瞳に宿した。ミレディは、ポツリポツリと残りの七大迷宮の所在を語っていく。中には驚くような場所にあるようだ。
次に俺たちが向かおうとした砂漠の中央にある大火山にある“忍耐の試練” “グリューエン大火山”
西の海の沖合周辺にある“狂気の試練” “メルジーナ海底遺跡”
教会総本山“意思の試練” “神山”
東の樹海にある大樹ウーア・アルト“絆の試練” “ハルツィナ樹海”
そして、魔国ガーランドの近郊にあるシュネー雪原に存在する洞窟“反面の試練” “氷雪洞窟”
オルクスとライセンを除く残りの大迷宮の場所を話したミレディは、既に限界が近かった。
「…以上だよ。…頑張って…ね…」
「…随分としおらしいな。あのウザったい口調はどうした?」
「あはは…ごめんね?
「おい、狂った神のことなんて関係無いと言っただろうが。……とはいえ、その狂った神が俺たちの前に立ち塞がるなら、俺たちの敵として殺すだけだ」
「うん……やっぱり君らしいね。君ならきっと…必ず…神殺しを成す。君は君の思った通りに生きればいい。君の選択が…きっとこの世界にとって……最良の選択だ…」
そうハジメに告げたその時、ミレディ・ゴーレムの体は燐光のような青白い光に包まれていた。その光が蛍火の如く、淡い小さな光となって天へと登っていく。死した魂が天へと召されていくようだ。とても、とても神秘的な光景である。
「さて…時間のようだね…。大丈夫、先には進めるようにしておくから…」
その時、おもむろにユエがミレディ・ゴーレムの傍へと寄って行った。既に、ほとんど光を失っている眼をジッと見つめる。
「何…かな…?」
囁くようなミレディの声。それに同じく、囁くようにユエが一言、消えゆく偉大な“解放者”に言葉を贈った。
「……お疲れ様。色々考えたけど、これ以上の言葉は見つからない」
「……っ」
それは労いの言葉。たった一人、深い闇の底で希望を待ち続けた偉大な存在への、今を生きる者からのささやかな贈り物。本来なら、遥かに年下の者からの言葉としては不適切かもしれない。だが、やはりこれ以外の言葉を、ユエは思いつかなかった。ミレディにとっても意外な言葉だったのだろう。言葉もなく呆然とした雰囲気を漂わせている。やがて、穏やかな声でミレディがポツリと呟く。
「……ふふっ。ありがとね」
「……ん」
その言葉を最後に、役目を終えた様にミレディ・ゴーレムの目から光りが消え、“解放者”の一人、ミレディは淡い光となって天へと消えていった。辺りを静寂が包み、余韻に浸るようにユエとシアが光の軌跡を追って天を見上げる。
「……最初は、性根が捻じ曲がった嫌な人だと思っていたけど、違ってたのかもしれませんね。ただ、一生懸命なだけだったんですね」
「ん……」
どこかしんみりとした雰囲気で言葉を交わすユエとシア。だが、ミレディに対して思うところが皆無の男、ハジメはうんざりした様子で二人に話しかけた。
「もういいだろ?さっさと先行くぞ」
「ハジメさん…空気読んでください…」
「(ハジメの奴、ミレディの性格を見抜いているようだな。空気を読めないのではなく、あえて空気を
そう俺が爆弾発言を発した時にユエ達が一瞬の内に固まった。それもそうだろう。ミレディがまだ生きているような口ぶりで言ったのだ。困惑するのも無理もない。
「えっ?知ってたんですか、ハジメさん、マスター?」
「知ってるも何も、
「まぁな。……それとミレディのことなんだが、彼女の性格上、あの口調といい、性根の悪さは恐らく素だろうな。となると、俺たちが戦ったゴーレムはアレも遠隔操作されたもので、本体はこの迷宮の深部の奥にいるだろうな」
そうユエ達に説明しながらも、いつの間にか壁の一角が光を放っていることに気がついた俺たちは、この迷宮の解放者の隠れ家と思われるその場所へと向かう。その道中に浮遊ブロックに飛び乗ると、足場の浮遊ブロックがスィーと動き出し、光る壁までハジメ達を運んでいく。
「わわっ、勝手に動いてますよ、これ。便利ですねぇ」
「……サービス?」
「神代魔法を授かる為にその場所まで誘導してくれているようだな。まぁ、そのおかげで手間が省けたけどな」
「……」
移動中でもハジメは何故か嫌そうな表情で無言のままだった。十秒もかからず光る壁の前まで進むと、その手前五メートル程の場所でピタリと動きを止めた。すると光る壁は、まるで見計らったようなタイミングで発光を薄れさせていき、スっと音も立てずに発光部分の壁だけが手前に抜き取られた。奥には光沢のある白い壁で出来た通路が続いている。
ハジメ達の乗る浮遊ブロックは、そのまま通路を滑るように移動していく。どうやら、ミレディ・ライセンの住処まで乗せて行ってくれるようだ。そうして進んだ先には、オルクス大迷宮にあったオスカーの住処へと続く扉に刻まれていた七つの文様と同じものが描かれた壁があった。ハジメ達が近づくと、やはりタイミングよく壁が横にスライドし奥へと誘う。浮遊ブロックは止まることなく壁の向こう側へと進んでいった。
くぐり抜けた壁の向こうには……
「やっほー、さっきぶり!ミレディちゃんだよー!」
戦った巨大ミレディ・ゴーレムと違って小さなミレディ・ゴーレムの姿があった。
雷電Side out
俺の考えてた通り、ミレディはまだ生きていた。ユエ達はこの部屋に来る前に雷電が予めミレディが未だ生きていることを知らされた為か、無言の状態だった。
「「……」」
「ほらみろ、こんなこったろうと思ったよ」
「あの巨大ゴーレムは飽くまで遠隔操作用の戦闘用ゴーレムで、こっちが本体か。もしも戦闘用ゴーレムがミレディの本体だったら完全にこの迷宮がもぬけの殻になってしまうからな。それに、あの浮遊ブロックはミレディが操作していたんだろ?だったらまだ生きていることに合点が付く」
雷電の言う通り、ちっこいミレディ・ゴーレムは巨体版と異なり人間らしいデザインだ。華奢なボディに乳白色の長いローブを身に纏い、白い仮面を付けている。ニコちゃんマークなところが微妙に腹立たしい。さしずめこのゴーレムはミニ・ミレディ・ゴーレムと言った所か。
「あっちゃー、バレてたか!流石は私の試練の攻略者だね!」
そうミレディは褒め称えるが、ユエ達は未だにミレディがまだ消滅していないことに若干驚きが内心残っていながらもユエとシアがミレディにぼそりと呟く様に質問をした。
「…ライデンから聞かされてたから分かっていたけど、あれは演技?」
「ん〜?あぁ、女の子たちは消えちゃったと思った?ないな~い!そんなことあるわけないよぉ~!」
「でも、光が昇って消えていきましたよね?」
「ふふふ、中々よかったでしょう?あの“演出”!!やだ、ミレディちゃん役者の才能まであるなんて!恐ろしい子!」
テンション上がりまくりのミニ・ミレディ。比例してウザさまでうなぎ上りだ。その時に雷電がミレディにある警告を伝えた。
「あー……ミレディ・ライセン?テンション上がっているところ悪いが、今はそれどころではないと思うが?」
「……えっ?」
雷電の言う通り、現在ユエ達は完全に怒っていた。ユエは絶対零度の表情を、シアは和やかでありながらも目が笑ってなかった。このことを察したミレディはやり過ぎたと自覚させられるのだった。
「あ…あの…?もしかしてちょっと…やり過ぎちゃった?」
「ちょっとじゃなくて完全にやり過ぎだ。今のうちに謝ることを推奨するよ」
「う…うん、そうする、絶対そうするよ!」
ミレディは雷電の言う通り、ユエ達に謝ろうとした。しかし、通常の謝り方では許してもらえない可能性を考えてなのか、ミレディはこのように謝った。
「……許してヒヤシンス☆」テへペロッ♪
……いや、何でミレディはそのネタを知っているんだよ。それ以前に、この様なふざけた謝り方にユエ達は……
「……
「フフフフッ……」
ユエ達の怒りを更に買ってしまい、ユエはシアに指示を出す様に指を動かし、シアはドリュッケンを構えた。ゆらゆら揺れながら迫ってくる。
「ま、待って!ちょっと待って!このボディは貧弱なのぉ!これ壊れたら本気でマズイからぁ!落ち着いてぇ!謝るからぁ!」
ミレディがユエ達に対して必死に謝罪するが、先ほどのふざけた謝り方が原因で許してもらえず、完全に殺る気満々だった。その時、それを制する様に雷電がシアのドリュッケンを掴む。
「落ち着け二人とも、ミレディは未だ生きていることはこの部屋に来る前に言っただろう?」
「……ライデンどいて、そいつ殺せない」
「マスター、退いて下さい。そいつは殺ります。今、ここで」
「(駄目だ彼女ら……全く話を聞く気がない。早く、何とかしなければ…)…とにかく落ち着け」
「えっマスター?…痛っ!?」
「ライデン?……っ!」
二人の言葉に雷電は呆れながらもその二人にデコピンをして、二人の暴走を止めて注意する。
「あのなぁ、怒りたい気持ちは俺でも分かる。しかしな、神代魔法を授かるというのにその授けてくれる人を殺ってしまっては元も子もないだろ?」
「そうだ、そうだ、本当に失礼しちゃうよ…アイタッ!?」
雷電に便乗する様にミレディも言うが、雷電はミレディに対しては拳骨をした。その結果、ミレディはゴーレムの筈が、頭にたん瘤が出来上がっていた。
「お前もだミレディ、いくらなんでも二人をからかい過ぎた。そんなんだから今になってユエ達に殺されかけたんだろうが……。少しは相手を煽るのも程々にしておけ」
「うぅ〜……だからってこんなひ弱な少女を拳骨で殴る?それに今の君の表情は完全に悪役だと気づいてッ「…そうか、もう一発ほしいか?なら、今度はゴーレムの頭が砕けるくらいの威力がいいか?」冗談であります!直ぐに辞めるであります!!だからストープ!!これ以上はホントに壊れちゃう!?」
何だ彼んだで雷電もミレディに対して少しだけキレていた様だ。雷電の脅しを最後に、俺たちは神代魔法を授かる為に、ミレディの指示通りにこの部屋にある魔法陣に乗った。
「…はい、みんな魔法陣の中に入ったね〜?それじゃ起動するよ?」
「……次ふざけたら破壊するから」
「はいっ!全力でやらせていただきます!」
ミレディの言葉を合図に魔法陣が起動し、オルクス大迷宮の時のような記憶を探るプロセスは無く、直接脳に神代魔法の知識や使用方法が刻まれていく。俺たちは経験済みなので無反応だったが、シアは初めての経験にビクンッと体を跳ねさせた。ものの数秒で刻み込みは終了し、あっさりと俺たちはミレディ・ライセンの神代魔法を手に入れる。
「…思ってた通りだな」
「ん…ライデンの言う通り、重力操作の魔法」
「金髪ちゃんは適性バッチリ!君たちは…ビックリする程適性ないね…」
「やかましい。錬成を使えればそれでいいんだよ」
「俺の場合はフォースがあるから別に気にしないから一部の点ではハジメと同意見だな」
「ウサギちゃんもできて体重を変えるぐらいかな?」
「うぇー……私、適正ないんですね…」
ミレディの言う通り、俺とハジメ、シアは重力操作の魔法の適性がない為ミレディの言ってた通り自身の体重を変える程度であった。ミレディから俺たちに攻略の証として“ミレディ・ライセンの指輪”を受け取った。
「攻略の証は、他の迷宮にとって必要不可欠なものだから、大切にとっておいてね」
「あぁ、分かっている。それとミレディ、ここで一つ、
「えっ……取引?」
指輪を受け取った後に雷電がミレディに取引を持ちかけて来た。何故ミレディに取引を持ちかけたかと言うと、雷電曰く、ミレディが所有する鉱石やアーティファクトがあると思って交換しようと話を持ちかけたのだ。その取引に興味を持ったのかミレディは雷電に何をくれるのか聞き出して来た。
「う〜ん……内容によるけど、そっちは何をくれるの?」
「その点はハジメからの了承がいるが、先ほどミレディ・ゴーレム戦に使ったあの人型起動兵器のダウングレード版の設計図を渡そうと考えているんだが……」
「なっ…!?……おい、雷電!お前、何考えてんだよ!?」
流石の俺でも雷電の提案に抗議した。何で俺がVSのハードボーラーの劣化版……いや、実際には劣化版はなく、別種のVSをミレディに提供することになるんだが……。確かにミレディがゴーレムを遠隔操作していた仕掛けを知りたかったし、他にも使えそうなアーティファクトが存在するかもしれない。しかし、幾ら何でも取引条件がめちゃくちゃだろ!?
「ハジメ、どの道ミレディが所有する鉱石やアーティファクトに興味があったんだろ?だったら攻略者の特権で全てを貰うんじゃなくて、それぞれ物々交換で話を進めようと思うんだ。俺たちがミレディからゴーレムに使われていた鉱石やアーティファクトを貰うのを条件にこっちもそれなりに見合う対価を払わないと筋が通らないだろ?」
「それは、そうだが……」
「ミレディからハジメにとって錬成に必要な鉱石+役に立ちそうなアーティファクトを貰う。俺たちがミレディにゴーレム以上に役に立つ起動兵器の設計図を渡す。これでお互いにWin-Winの関係になって損はないはずだ。それに、あの樹海での仕返しのことを忘れたわけじゃないからな。これでお相子だ」
「いや…どっちかって言えばオルクス大迷宮でお前が先に………はぁ、もういい。分かったよ、設計図をそいつに渡せばいいんだろ?」
流石の俺でもこれには心が折れ、雷電の提案を受け入れ、俺はVSの設計図であるGTF-11“ドライオ”の設計図を雷電に手渡した。……本当なら手渡したくないんだが、まぁ、予備の設計図があるからいいんだけどさ。マジで何の断りも無しにさくさくと話を進めるのはやめてくれ……
……という感じで、なんだかんだと話が進んで、ミレディからゴーレムを遠隔操作していた仕掛けでもある鉱石“感応石”を大量に受け取った。それといくつか役に立つアーティファクトもだ。そしてミレディはドライオの設計図を見て無事に再現できるのかと困っていたが、この時に俺は雷電が何か言う前にサンプルとして“宝物庫”から量産型のドライオを取り出し、それを提供した。これには雷電は俺に対して感心したようだ。……雷電、お前、俺のことなんだと思っていたんだ?まぁ…それはそうと、ミレディから貰った鉱石を使ってどんな武器を作ろうか楽しみで仕方ない。
「…ま、これだけ貰えりゃ十分だな。これだけの量だ。どんな武器を作るか、楽しみだ」
「楽しそうな声で凄いこと言っちゃってるよ…」
「まぁ……そこはハジメ・クオリティだからな」
二人は何かと意気投合している様だが、俺は気にせずに感応石とアーティファクトを“宝物庫”に全て収納する。収納し終えた後にミレディが俺たちにもうやることはないか確認して来た。
「じゃあ、もうやることは済んだかな?」
「?…まぁ、そうだな」
「俺はまだ少し……(うん?横から何かが来る?)」
俺は十分と答え、雷電は言いかけている途中で言葉を止めた。一体何を察したんだ?そんな事をミレディは目もくれず……
「オッケー☆それじゃ、とっとと出て行ってね♪」
ミレディは何処ぞのカラクリ屋敷の様に紐を掴み、グイっと下に引っ張った。
「「「?」」」
一瞬、何してんだ?という表情をする俺たち。その時に雷電は何かを感じ取ったのか咄嗟にDC-17を召喚した。
「…あーっこれは不味いな。…シア、掴まれ!」
「えっ…うぇっ!?ま、マスター?」
雷電がシアを抱きかかえ、そのままDC-17を天井に向ける。その時に銃口に付けられているグラップリング・フックが射出され、天井に突き刺さる。そしてそのまま上昇して何かから逃れように上に避難した。その時に俺は雷電の行動の意図に気付いたが、時既に遅かった。その耳に嫌というほど聞いてきたあの“ガコン!!”という音が再び聞こえた。
「「「!?」」」
「あーっ……やっぱりな」
そう、トラップの作動音だ。その音が響き渡った瞬間、轟音と共に四方の壁から途轍もない勢いで水が流れ込んできた。正面ではなく斜め方向へ鉄砲水の様に吹き出す大量の水は、瞬く間に部屋の中を激流で満たす。同時に、部屋の中央にある魔法陣を中心にアリジゴクのように床が沈み、中央にぽっかりと穴が空いた。激流はその穴に向かって一気に流れ込む。
「てめぇ!これはっ!」
「嫌なものは水に流すに限るね!それじゃあねぇ~、迷宮攻略頑張りなよぉ~」
「ミレディ……お前後でハジメたちにあったら厄介なことになるんだぞ?それと、すまないハジメ!多分そのルートは外へと通じるルートかもしれない。先に外で待っててくれ!俺はミレディに
「ごぽっ……てめぇ、雷電!そういうのは俺たちに早めに言え!それとミレディ!いつか絶対破壊してやるからなぁ!」
「ケホッ……許さない」
俺とユエはそう捨て台詞を吐きながら、なすすべなく激流に呑まれ穴へと吸い込まれていった。雷電とシアを残して……
ハジメSide out
ハジメたちが穴に流された後に残った俺たちは水が引いたことを確認し、俺はケーブルを切り離し、そのまま落下し、フォースで急減速させて無事に着地した。
「あの…マスター?ハジメさん達は大丈夫でしょうか?」
「多分大丈夫だろう。……でもまぁ、ハジメには申し訳ないことをしたが、まだミレディに聞きたいことがあるからな」
「私に聞きたいこと?もう大迷宮の場所やここにある鉱石やアーティファクトのことを話したよ?」
そうミレディは答えるが、俺が聞きたいのはそれではない。
「そうじゃない、ミレディ・ライセン。俺が聞きたいのは二つ。一つはミレディがいうアッシュくんについてだ。そのアッシュくんというのは、もしやアシュ=レイ・ザンガのことか?」
そう、ミレディと戦っていた時にミレディが俺が使っているライトセーバーを見た瞬間“それってアッシュくんの…?”と呟いたのだ。アッシュという名は聞いたことはないが、もしかしたらアシュ=レイのあだ名という意味だとしたら辻褄が合う。そしてその答えは当たりだった。
「アレ?アッシュくんの名前を知っているというと、君ってもしかしてアッシュくんの知り合い?」
「知り合いも何も、あいつはジェダイ騎士団にとって多少の問題児と言われた男だぞ?
「えっ?君ってアッシュくんが言うそのジェダイって奴なの?それ以前に、前世のってどういうこと?」
「まて、その辺はちゃんと話す。その代わり、聞きたいことの二つ目何だが……」
俺はミレディに前世の俺のことを順序に話し、説明し終えた後に俺は、アシュ=レイと解放者とはどんな関係なのか聞き出した。ミレディ曰く、解放者たちがまだ生きていた時代にアシュ=レイはシディアスのオーダー66によってジェダイキラーとなったクローン達から逃亡中、運良くニュー級アタック・シャトルを強奪し、命からがら彼はハイパースペースを使ってランダムジャンプを行い、この異世界トータスの星に辿り着いた様だ。
異世界トータスに迷い込んだアシュ=レイは、ある大峡谷(後のライセン大峡谷)に不時着する。彼はミレディ達こと解放者と接触する前は未知の惑星であろう異世界トータスを彷徨っていた様だ。そして彼は偶然にも解放者達と接触し、解放者達と共に狂神エヒトに立ち向かうことになった様だ。しかし、結果は惨敗。エヒトの方が一枚上手で世界を敵に回してしまった解放者達は、それぞれ大迷宮を作り、解放者達の意志を継ぐものが現れるまで迷宮の奥に身を潜めた様だ。
そしてアシュ=レイは、解放者であるオスカーとミレディにある物を渡した。オスカーにはアシュ=レイが使っていたライトセーバーと異世界トータスに存在するフォース感応者のリストだけを収めたジェダイ・ホロクロン。そしてオスカーの協力のもと、不時着し、大破したニュー級アサルト・シャトルの部品を使い一体のアストロメク・ドロイドこと“R2-D7”を製作してオスカーに託した。そしてミレディは他にアシュ=レイ以外のジェダイが来た時の為に別のジェダイ・ホロクロンを渡し、追われながらも身を潜めることはせず、この異世界トータスを放浪したそうだ。そしてそれ以降、ミレディはアシュ=レイの姿を見なくなった様だ。
「……あいつらしいと言えばあいつらしいな。あの好戦的な性格でありながら破天荒な奴だから……」
「あーっ……マスターも何かと前世で苦労したんですね…?」
「どうやらその様だね?……あっそうだった!アッシュくんが言ってた様にそのジェダイ・ホロクロン?って奴を渡さなきゃね!」
そう言ってミレディは懐からオルクス大迷宮で見つけたジェダイ・ホロクロンとは別のジェダイ・ホロクロンを俺に渡した。俺はフォースでそのホロクロンのセキュリティを解除してホロクロンを開くと、そこには共和国から他の星系までの地図やライトセーバーの型などのあらゆる情報が詰まっていた。
「わぁ……凄く綺麗です。これってなんですか、マスター?」
「これは……銀河系の地図だ。まさかこんな置き土産を残しておくなんてな。それに他にもこの世界の地理や様々な情報やライトセーバーの型等も入っている様だ。このホロクロンがあればシアがパダワンからナイトになった際、次の次世代のジェダイ達の訓練に使えるな。……んっ?これは……?」
その時に俺は、ホロクロンの中にメッセージと思われるものを見つける。
「メッセージ?アシュ=レイか?」
「えっ?アッシュくんのメッセージ!?」
ミレディは俺が見つけたアシュ=レイが残したメッセージに食いついて来た。俺はそのメッセージを開く。するとホログラム状のアシュ=レイがホロクロンから出て来た。
《よっ!またあったな!このメッセージを見ているってことは違う順序でミレディの大迷宮を攻略した様だな?》
相も変わらず元気が有り余っていた表情をしていた。それを見て俺は変わらないなと思った。
《これを見ているジェダイにある事を伝えておくぜ。俺がこの異世界トータスに来る前にジェダイ聖堂からあるジェダイ・マスターのメッセージをこのメッセージに組み込んでいる。と言っても、後数十秒後に俺と交代する形で入れ替わるだけだけどな。……おっと、時間か。じゃあ見せるぜ》
その言葉を皮切りに、アシュ=レイから別の人物へと入れ替わる様に姿を消した。そしてアシュ=レイが言うジェダイ・マスターがメッセージとして姿を現した。その時俺は、そのジェダイ・マスターの姿に見覚えがあった。
「!……マスター・ケノービ?」
そう、以外にもその人物は、ジェダイ評議会のメンバーの一人である“オビ=ワン・ケノービ”だったのだ。
《私はマスターオビ=ワン・ケノービ。まだ生き延びているジェダイ達に残念な報告だ。帝国の邪悪な暗闇に、我々ジェダイも共和国も飲み込まれてしまった。これは粛清を生き延びたジェダイへの警告と励ましだ。フォースを信じよ、聖堂に戻ってはいけない。時代は変わった。今未来は不確かな物となった、全員が試されている。我等の信念、信頼、そして友情…だが耐え抜かねばならない、耐えればいつか新しい希望が産まれる。フォースと共にあらん事を……》
マスター・ケノービのメッセージが終わり、彼と変わる様に今度はアシュ=レイが姿を現した。
《…まぁ、マスター・ケノービの言う通り、既に俺たちの知る共和国が帝国となっちまって、今じゃ、ジェダイは旧共和国の国家反逆者扱いになり懸賞金も掛けられ見つかれば即処刑だ。その事実だけはもう変わらねぇ。文字通り暗闇に飲み込まれて暗黒の時代に突入しちまった。……だが、諦めるんじゃねえぞ!マスター・ケノービが言ってた様に耐え抜くんだ!耐えれば、いつか新しい希望が産まれるってな!それじゃ、メッセージもここで区切るんでそろそろ閉めさせてもらうぜ!フォースと共にある事を祈ってるぜ!》
そうしてアシュ=レイのメッセージも終わって、アシュ=レイのホログラムは消えた。
「あいつ……相変わらず本当にとんでもない問題児だな。こんなメッセージを残して……」
「?……マスター。右目、もしかして……
そうシアに指摘された俺はヘルメットを外し、右の頬を触れると、僅かながら液体が右目から流れていた。どうやら俺は無意識の内に涙を流していた様だ。
「……不味いな、どうも俺は表情が脆く、感情的になりやすくなっているな。……とは言え、それも人間らしいけどな」
「マスター……」
「すまないシア、心配かけたな。もう大丈夫だ」
そう言って俺は涙を拭い、再びヘルメットを被っていつもの調子に戻る。そして俺はジェダイ・ホロクロンをしまい、ミレディから他に出口はないかと聞いてみたが……
「他の出口?あいにくだけど、さっき君の仲間が流されたその穴しかないよ?」
「……マジで?」
どうやら他の出口はなく、先ほどハジメが流された穴でしか出口が繋がってない様だ。つい間抜けな声を出し、それに呼応する様に……
「うんうん、マジで。…ということで、君も出て行ってね♪」
ミレディは再び紐を下に引っぱり、再び四方の壁から途轍もない勢いで水が流れ込んできた。中央の穴が開き、俺たちはその流れ込んで来た水に巻き込まれた。
「それじゃあねぇ☆向こうにいる君の仲間と一緒に迷宮攻略頑張ってね〜♪」
「プハッ!……結局こうなるのか!」
「ミレディめ、いつか絶対殺ってやるですぅ!ふがっ」
そうして俺たちはハジメたちと同じ目に合わされて、成す術なく激流に呑まれ穴へと吸い込まれていった。穴に落ちる寸前、仕返しとばかりに俺は
雷電Side out
雷電達が穴に流されると、流れ込んだときと同じくらいの速度であっという間に水が引き、床も戻って元の部屋の様相を取り戻した。
「ふぅ~、アッシュくんと同じ様に中々濃い連中だったねぇ~。それにしてもオーちゃんと同じ錬成師とアッシュくんと同じジェダイ、か。ふふ、何だか運命を感じるね。願いのために足掻き続けなよ……さてさて、迷宮やらゴーレムの修繕やらしばらく忙しくなりそうだね……ん?なんだろ、あれ」
汗などかくはずもないのに、額を拭う仕草をするとミニ・ミレディはそう独りごちる。そして、ふと視界の端に見慣れぬ物を発見した。突起が付いた丸い球体状の物体。何だろう?と近寄り、そのフォルムを確認してみたが全く見覚えがなかった。その球体から僅かに“ピッ…ピッ…ピッ…”と不吉な音が鳴っていた。その時に私は気がつく。
「へっ!?これって、まさかッ!?」
雷電が残していった置き土産である球体状の物体。それは、“クラスAサーマル・デトネーター”であった。始めて見たのにも関わらずミレディは、それが爆発物だと察し、焦りの表情を浮かべながら急いで退避しようとする。しかし、運悪く既に時遅し、ミレディが踵を返した瞬間、白い部屋がカッと一瞬の閃光に満たされ、ついで激しい衝撃に襲われた。
迷宮の最奥に、“ひにゃああー!!”という女の悲鳴が響き渡った。その後、修繕が更に大変になり泣きべそを掻く小さなゴーレムがいたとかいないとか……
シア以外にもヒロインを追加しようと思います。考えとしては八重樫と恵里を入れようと考えています。皆様は如何でしょうか?
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入れるべき
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そのままでいい