ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
3話目です
まさかハジメが俺が前世の頃にいた世界のことを知っているのは予想外だった。何よりもハジメが言うにはスター・ウォーズという映画が存在していたことだ。俺自身はあまり映画はあまり見ないから知らなかったが、まさかそのスター・ウォーズが、俺たちが歩んできた歴史が地球では架空の物語であったことには気付きもしなかった。……いや、それは単なる言い訳だ。テレビのCMとかビルの大画面広告とか雑誌などで知る機会があったのにも関わらず、俺は前世で体験したあの悪夢を忘れようと見ぬ振りをしていたのかもしれない。俺が地球に生を得てからスター・ウォーズというものを何度も耳にしたが、聞かなかった事にしていた。前世の出来事という悪夢から逃げようとずっと見ぬ振りをし、聞かぬ振りをしていた。それが俺自身の心の闇にあの悪夢が付け入る隙となったのかもしれない。
話がそれてしまったがハジメの話を聞くとジェダイが粛清された原因でもあるクローン達がハジメがいう“オーダー66”という単語が出て来た。ハジメ曰く、オーダー66とはジェダイを銀河共和国の反逆者とみなし、共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーに彼らの処刑を命じる最高機密指令である。銀河共和国のクローン・トルーパーは脳内に行動抑制チップを埋め込まれており、それまで一緒に戦っていたジェダイ将軍の抹殺を命じられても疑問を持つことなく指令を遂行するようプログラムされていた。クローン・トルーパーを設計したカミーノアンの科学者たちは、この指令が反逆者のジェダイに対してのみ用いられる緊急用プロトコルだと考えていたが、実際はオーダー66はシスの暗黒卿ダース・シディアスこと銀河共和国最高評議会議長シーヴ・パルパティーンがジェダイ・オーダーを壊滅させるために仕組んだ陰謀だった。それ以前に俺たちが倒すべき敵であるシスがこうも身近に存在するとは思ってもいなかった。そして何よりも俺たちジェダイはずっとシスの暗黒卿の手のひらで踊らされていた事に苛立ちを覚えた。
「それじゃあ俺たちジェダイは議長……いや、シスの陰謀にまんまと乗せられたという事なのか?」
「うん。シスのやり方もそうだけど、平和の守護者であるジェダイも、クローン戦争が長く続いたことに影響したかもしれない。1000年以上も平和を守ってきたジェダイでも、腐敗した共和国を維持するのが限界だったかもしれないんだ。例えシスを全て倒したとしても。飽くまでも僕から見た場合の話だけど……」
ハジメの言う通り共和国はクローン戦争が始まる前から腐敗しており、ジェダイ・オーダーではその腐敗した共和国を維持するのも限界だった。しかし、そうなると何故スカイウォーカーが俺たちを裏切ったのか見当がつかなかった。その時もハジメが説明した。
「雷電、アナキンは……クローン戦争が始まった後にジェダイの掟に反してナブーのパドメ議員と秘密の結婚をしたんだ。そしてアナキンの師であるオビ=ワンがウータパウに向かった後にパルパティーン議長がアナキンに自身がシスの暗黒卿と名乗ったんだ。その時にアナキンはジェダイ・マスターのウィンドゥに報告したんだ」
そうハジメから聞かされて俺は驚きを隠せなかった。あのスカイウォーカーがジェダイの掟に反して結婚をしてたとは思わなかった。……とは言え、俺もある意味ではジェダイの掟に反する者の一人。スカイウォーカーと同様同じ穴の狢かもしれん。
「なるほど……まさかスカイウォーカーにそんなことが。…しかしだ、マスター・ウィンドゥに報告した後のスカイウォーカーはどうなったんだ?」
「ウィンドゥはアナキンにはまだ迷いがあるからジェダイ・テンプルに待機する様に言った後、三人のジェダイ・マスターを連れてシスの暗殺を行ったんだ」
「暗殺……だと!?」
ハジメの言葉から暗殺という言葉を聞いた時は頭を打った様な衝撃が走った。もはや驚きの連発である。いくらジェダイでも相手がシスの暗黒卿とはいえ元を正せば相手は元老院最高議長だ。確かに共和国の腐敗はもはや致命的だ。だが、それでも彼らは民意と選挙によって選ばれた者たちだ。そんな彼らを“シスの息が掛かった者たち”と言ってジェダイが断罪すればどうなるか俺でも分かる。そしてハジメは再び話を再開する。
「ショックを受けている所悪いけど、話の続きに戻るよ。シスの暗黒卿を暗殺しようとしたけどシスは予想以上に強く、ジェダイ・マスターのウィンドゥしか生き残らなかったんだ。でも、剣術的に上回っていたウィンドゥの方が一枚上手だったことでシスを追い詰めたんだ。でもそこにジェダイ・テンプルに待機していたアナキンがやって来たんだ。その時にアナキンからの視点だと無抵抗の議長をジェダイが殺そうとしている光景だったかもしれない」
「スカイウォーカーからすればそう見えるだろうな。それで、スカイウォーカーはやはり……」
「うん。アナキンはジェダイの掟もそうだったけど、一番は愛する者を守りたかったからウィンドゥから議長を守ろうとウィンドゥの手を切断したんだ。そしてシスの暗黒卿はフォース・ライトニングでウィンドゥに止めをさしたんだ」
「そして…議長ことシスの思惑通りスカイウォーカーは暗黒面に堕ちて、シスの暗黒卿がスカイウォーカーに命じて第501大隊を率いてジェダイ・テンプルを襲撃し、各銀河に展開している残りの全クローン兵に例のオーダー66を発令して俺たちジェダイを抹殺を図ったということか」
“そうなるね”とハジメは辛そうな感じで答えた。恐らくジェダイであった俺のことを気遣っているのだろう。だが、俺自身はもうジェダイではなくフォースを扱えるだけの只の人間となったのだ。ハジメには余り気にしなくて良いとそう伝える他なかった。そして俺たちは明日の訓練に備えて就寝するのであった。
翌日の朝にてメルド騎士団長の指導の下、訓練を行うことを兼ねて俺は過去と向き合う為のちょっとしたテストを行おうと思った。それは技能にあったクローン軍団召喚だ。本来ならクローンの事を憎んでいない訳でもないが、俺たちが元の世界に戻る為に多くの仲間が必要なのは確かだ。もしも召喚したクローンがまだオーダー66に縛られているというのなら自身の手でけじめをつけるしかない。そして俺はステータスプレートを取り出してこの技能はどういうものなのか確認してみた。
『技能:クローン軍団召喚とは、技能所有者から魔力を消費してクローン・トルーパーを召喚する技能。召喚時には“コール・
少し変わった技能ではあるが、魔力を消費するとは一体どんなものか見当もつかないが、俺は試しに召喚リストから三人のARCトルーパーを召喚する事にした。一応名のあるクローンの場合は種類による名無しのクローンの倍の高コストで召喚が可能である事が判明した。そして俺は名前付きの
「それじゃあ…始めるか。……コール・リパブリック“コルト”、“ハヴォック”、“ブリッツ”!」
そう詠唱すると俺の目の前で魔方陣が展開され、そこからARCトルーパーの三人が出てくる。俺が召喚したのはランコア大隊のアドバンス・レコン・コマンドー、通称ARCトルーパーのコマンダーである。すると召還に成功したのか、コルト、ハヴォック、ブリッツは俺の目の前で共和国軍式の敬礼をする。
「御初め御見えになります。自分はランコア大隊所属のコマンダー・コルト。自分の後ろにいるのは同じコマンダーのハヴォック、ブリッツです」
「あぁ、俺は藤原 雷電だ。長い付き合いになるが、宜しく頼む」
そうして俺はコルトと握手を交わした後に互いの持つ情報を交換し合い、今のクローン達はジェダイ抹殺をプログラムされたバイオ=チップが組み込まれているのかを確認をした。その結果、答えはNOだった。
「……では、召喚されるクローン達は行動抑制チップを取り除かれている状態で召喚されているのか?」
「はい。将軍のいうジェダイを銀河共和国の反逆者とみなし、粛清する緊急オーダーこと“クローン・プロトコル66”が発令することはありません。自分はカミーノ防衛戦で戦死してからあの世といえる場所?から見ていましたが、まさかファイブスが行動抑制チップの裏の仕組みを見抜いた時には、すでにその様な隠された仕掛けが我々の頭に組み込まれてたと知って衝撃を隠せませんでした。その後に自らチップを取り除き、スカイウォーカー将軍やキャプテン・レックスに最高議長や“オーダー66”の真実を伝えようとしていました」
そうコルトから聞かされて俺は隠された真実を見つけたような気持ちだった。まさかクローンの中でシスの陰謀に気付き、スカイウォーカーとレックスに伝えようとしていたとはな。
「そうか……クローンでも、特にARCトルーパーのファイブスが議長ことシスの陰謀に気が付いたのか。だがファイブスは、シスの手によって議長の命を狙う反逆者の濡れ衣を着せられ、シスの計画をスカイウォーカーやレックスにばれぬ様に謀殺された」
「えぇ。あの訓練生がまさかARCトルーパーになるとは思いもしませんでした。我々としては彼は優秀な兵士です。今もそうです」
“そうだな…”と話を区切らせ、俺はコルト達にここは俺たちが知る銀河系ではない事を伝えるがその事は既に熟知していたそうだ。それならば俺は話題を変えてコルト達にあることを頼む。それは友人であるハジメを鍛えることだった。ステータスはあまり当てに出来ないといった俺が言うのもなんだが、ハジメの場合はステータス状あまりにも低過ぎる為にコルト達から訓練を受けさせようと考えたのだ。この事にコルトは拒否する様子もなく、ファイヴスが訓練生だった頃に所属していたドミノ分隊と同じ様に彼の可能性を見極めようと思っていた。コルト達から承認してもらった後にハジメを呼び出してコルト達を紹介した時に彼は驚きを隠せずアーマーだったりブラスターだったりと色々とコルト達が着る後期型装甲服フェイズIIアーマーの実験モデルをよく観察するのであった。余談ではあるが再び訓練に戻る時にコルト達を連れていた事を忘れていたのかコルト達を何処の国の兵士なのかと勘違いされ、その場にいた騎士団員は戦闘態勢に入り危険な状況になった。その時に俺はメルド騎士団長やクラス全員にコルト達は俺が召喚した兵である事を説明した。様々な事があったが、俺たちはそれぞれの訓練を行うのであった。
訓練を始めてから10日間が経過した。コルトはハジメとマンツーマンで指導し、ハジメを戦う兵士兼錬成師として鍛え上げた。そしてハヴォックとブリッツは教官として訓練しているクラス全員を鍛え上げる。そして訓練の休憩時間の時にコルトとハジメの二人と会うのであった。
「コルトにハジメか。コルト、ハジメの方はどうだ?」
「将軍、お疲れ様です。彼は自分が考えていた通り見込みがあります。このまま指導すれば彼も優秀な戦士になれる筈です」
「そうか……ハジメはどうだ?ARCトルーパーのコマンダー・コルトの指導は?」
「正直死にかけたけど、何とか食いつけているよ。ステータスの方も、コマンダー・コルトの指導があっての事かこんな感じに……」
そう言ってハジメはステータスプレートを俺たちの方に見せた。そのステータスの数値が変化していた。
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南雲 ハジメ 17歳 男 レベル8
天職:錬成師
筋力:37
体力:32
耐性:51
敏捷:42
魔力:32
魔耐:41
技能:錬成・銀河共和国式近接格闘術・光学兵器知識・言語理解
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少しずつだが、ハジメは確実に成長していた。これはこれで俺自身も喜ばしい事だった。俺は引き続きコルトにハジメの指導を任せるのであった。なおハジメは前から気になっていた錬成についてこの世界の図書館で本を読んで魔物に関する知識を身につけようとしていたのは余談であり、訓練が再開した時に偶然八重樫と会って少し話し合いをした後に剣の稽古に付き合わされるのもまた余談である。
雷電Side out
彼が召喚したクローン・トルーパーの中で特殊部隊の類に入るARCトルーパーのコマンダー・コルトの指導の下、僕の能力値はそれなりに上がっていい感じになった。けど、たまに図書館で本を読んでいる時に檜山達がやってきて無理矢理僕を訓練所に連れて訓練とは名許りの虐めを受けていた。
「よぉ南雲。なにしてんの? お前剣持っても意味ねえだろうが。マジ無能なんだしよぉ」
「ちょ、檜山言い過ぎ! いくら本当だからってさ~、ギャハハハ!」
「つかなんで毎回訓練に出てくるわけ? 俺なら恥ずかしくて無理だわ! ヒヒヒ!」
「なぁ大介。こいつさぁ、なんかもう哀れだから俺らで稽古つけてやんねえ?」
「あぁ? おいおい信治、お前マジ優し過ぎじゃね?まぁ俺も優しいし?稽古つけてやってもいいけどさぁ~」
「おお、いいじゃん。俺ら超優しいじゃん。無能のために時間使ってやるとかさ~。南雲、感謝しろよ?」
結局はまた同じで殴る蹴るの暴行にいつも通りの魔法攻撃。檜山達のすることはワンパターンだった。もっとも僕自身防御力が上がっているので前ほど痛みは感じないが、それでも痛いことに変わりはない。でもこの時に檜山達は知らない。檜山達の背後からコマンダー達が近づいてくる事を。
「ちょ、マジ弱すぎ~。南雲さぁ、お前マジやる気あんの?」
「ほぉ…?ではお前は真面目にやる気はないとみるが?」
「あぁ?……てっお前は“ぐほぉっ!?”…なっ!?」
檜山は後ろを振り返るとそこにはコルトが檜山の取り巻きである斎藤を殴り飛ばし、ハヴォックとブリッツは近藤と中野を銀河共和国式近接格闘術で無力化する。そしてコルトは僕に対して指示を出す。
「ハジメ!せっかくの訓練相手だ、今お前が持つ
「!…はい!」
「ハッ!いくら頑張って訓練した所でお前が無能なのは変わりねえっての!!」
そう言って檜山は僕の顔面を殴ろうとした。けど、コマンダー・コルトの指導の下で訓練していた為か檜山の拳の動きが読みやすかった。檜山が突き出した右腕を僕の左腕で掴む。今までの鈍臭さとは全く違う素早さだった。
「なっ!?」
その後に檜山の顔面に裏拳をかまし、そのまま流れるように一本背負い投げで一気に檜山を地面に叩きつけた。銀河共和国式格闘術はバトル・ドロイドでも多少は通用するが、本来なら対人用の格闘術であるため今の檜山には効果的だった。今まで散々ARCトルーパーのコマンダー・コルトからマンツーマンで技術や格闘術などを叩き込まれ、体で習得してきた技の前には、素人に毛が生えた程度の戦術しか持たない檜山は手も足も出なかった。
「見事な立ち回りだ。訓練の成果が出ている様だな。もういいぞ」
「…分かりました」
コルトの指示で僕は檜山から離れる。この時の檜山達は驚きのあまり目を見開いて何も言えずにいた。ちょっと前まで何しても反撃してこなかった南雲ハジメが、いじめられっ子という立場に甘んじていたあの南雲 ハジメが、何もできず役立たずの無能だと蔑まれていたあの南雲ハジメが、たった一瞬でリーダー格である檜山を組み伏せて見せたのだ。檜山達が戦慄を覚え、冷や汗を掻いていると、そこにある女子の怒声が飛んだ。
「何やってるの!?」
ぎょっとして檜山達はその方向を向く。ハジメもそちらを見た。そこにいたのは白崎さんと八重樫さん、天之河君と坂上君、そして雷電の5人だった。この状況、傍から見ればいじめっ子が反撃を受けた構図にも見えるだろう。
「な、南雲君。これはどういうこと?」
「え、あ、違うんだこれは………」
いくらコマンダー・コルトの訓練を受けていたとはいえ、こういう場合の弁明の訓練は受けていない。そこを天之河君が見逃すはずもなかった。
「南雲、何してるんだ! 檜山を放せ!」
「いやっ…お前が先ず待て」
天之河くんは僕に掴みかかろうとしたが、その時に雷電が横から割って入った。雷電は僕よりも滑らかで手慣れた動きで天之河くんを壁に押し付け拘束する。
「ぐぅっ!?雷電、離すんだ!俺は南雲に…」
「お前じゃ余計に状況が分からなくなるだろうが!少しは大局を見極めろと言っただろうが!……コマンダー・コルト、状況報告」
「はっ。…檜山を含む4人組はハジメに対して訓練とは名許りの虐めを行っていました。その際にハジメを含め、我々がこの4人を無力化しました」
「そうか…ご苦労だった」
彼はコルトから状況を聞き出して理解した瞬間、怒りを表しているのか拳を力強く握っていた。その拳には多少の血が出ていることを気がつかないくらいに。すると彼は檜山達に警告する。
「檜山達、これを期にハジメに対する虐めは止める事だ。もしまた同じ事をやらかしてみろ、“次はない”と思え」
そう彼が言った後に檜山を除く三人は直ぐにその場から離れる。そして檜山は無言のまま僕を睨みつけてその場を去った。多分逆恨みのつもりなのだろうかもしれないけど、明らかに自業自得だった。その時に天之河君がコマンダー・コルト達の行動に対して反発した。
「……確かに檜山達の行いも悪いのは事実かもしれない。けれど、今まで南雲達がやった事はいくらなんでもやり過ぎだったぞ?」
「…つまり、何が言いたい?」
コマンダー・コルトは天之河くんの言葉に何か癇に触ったのかヘルメット越しでも少し怒りを感じ取れた。
「南雲はコルトさんと付きっきりで指導してもらって強くなったのは良いが、ハヴォックさんやブリッツさんからは俺たちに教えたのはみんなが死なない様に護身術を教えた程度だ。それだとまるで南雲が1人だけ力を身につけて抜け駆けしようとしているみたいじゃないか」
雷電が言う様に天之河君には『基本的に人間はそう悪いことはしない。そう見える何かをしたのなら相応の理由があるはず。もしかしたら相手の方に原因があるのかもしれない!』と言う解釈がある。彼の“ご都合解釈”がそう成り立ってしまっているのかも知れない。その時に雷電は天之河君の気づいていない無関心な心に苛立ちを隠せないでいた。するとコマンダー・コルトが呆れた様子を見せながら天之河くんに言う。
「本当にそう思っているというのなら、その無関心さを少しは自覚する事だ」
「俺は人として当たり前の事を言っているだけだ。何も間違った事は言っていない」
「間違いだらけだ。お前の言っている事は自分の勝手なご都合解釈を言っているだけだ」
「…何だと!」
コルトと天之河君との対立が増していきながらもコルトは僕たちの前に立ち、あることを告げる。
「これは俺たち兄弟に言った言葉ではあるが、あえて言わせてもらおう。これだけは覚えておけ!前線では団結が最優先だ!お前達、時に対立しても心は常に一つであれ。ルールその1、“共に団結して戦え”。これはお前達にも共通するものだ。先ほどの檜山達の行いに対しては全く以て酷いものだ。協調性のなさ、虐め、煽り、そして下手をすれば味方殺しに繋がる場合がある。この世界の住人から見ればハジメでは話にならないかもしれんが、俺からすれば檜山達の方が勇者と名乗るのが痴がましい程まるで話にならんな。虐める事でしか自分の存在価値を見出せない、口だけが達者な素人以下だ。だが…ハジメは違う、彼には檜山よりもちゃんとした才能がある。奴がハジメのことを無能と言っていたが、他人の才能を理解せず馬鹿にする奴の方が真の無能だ。それを見ぬ振りをして無自覚にハジメを追い詰めたお前達も極々控えめに言ってもあれだな。お前達のくだらない嫉妬心でハジメを追い詰めている暇があるのならちゃんと真面目に団結しろ。でなければ、死ぬだけだ。そもそもだ、お前達の目的は何だ?この世界を救う事か?それは飽くまで第2目的であって第1の目的は元の世界への帰還だろう?ならばくだらない嫉妬心や嫌悪感を捨ててハジメを含めて一致団結することを心がけろ。良いな?……俺からは以上だ」
コルトはクラス全員にぶっきらぼうにそう伝えた後にその場から離れるのであった。この時にクラス全員はコルトの言葉に一部心当たりがあったのか誰もコルトに対して言い返せずただ黙るしかなかった。なお天之川君はコルトの言葉には納得いかなかった。これがコルトや他のクローン達と天之河君との間に大きな溝が出来ることを今の僕達には知る由もなかった。