ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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なんとか今月中に次話を投稿することが出来ました。ペース的に少し遅れますので気長にお待ちください。


30話目です。


依頼と再会

 

 

ギルド職員達と少しいざこざを起こしてしまったが、雷電が懐からオバチャンが書いた手紙をギルド職員に渡し、手紙の内容を確認してもらった結果がこれだ。厄介ごとを起こした俺たちを客人として迎い入れられた。……何かと事がトントン拍子に運んでいって若干恐怖を覚えたのは内緒だ。ギルド支部の応接の間に待たされてから数分後、この町のギルド支部長らしき人物がやって来た。

 

 

「冒険者ギルドフューレン支部へようこそ。私は支部長のイルワ・チャングだ」

 

「…冒険者の藤原雷電だ。こちらが俺の仲間のハジメとユエ、そして俺の弟子の兎人族、シア・ハウリア。最後に俺の部下のデルタ分隊だ」

 

「38だ。デルタ分隊のリーダーだ。分隊員からボスと呼ばれている」

 

「62、又はスコーチだ。爆破のエキスパートだ」

 

「40です。皆からはフィクサーと呼ばれています」

 

「07……セヴだ。狙撃を得意としている」

 

 

雷電が俺たちの代わりに簡易的に自己紹介をしたと同時に支部長のイルワと握手を交わした。その後に俺たちはイルワが用意した長椅子に座り、テーブルに置かれた紅茶をいただきながらも雷電が渡した手紙の内容に着いて話し合うのだった。

 

 

「手紙は読ませてもらったよ。有望だけどトラブル体質…出来れば目をかけてほしいとあった。あの人らしいな」

 

「あの人らしい……か。イルワ支部長はブルックのギルド支部長とは知り合いなのか?」

 

「おや、聞いてないのかい?」

 

「興味が無かったからな。あんまし気にした事は無かった」

 

 

俺達は飽くまで元の世界に帰る為に迷宮の方に向いていた為にあんましあのオバチャンが何者であるかを詮索しなかった。その時にシアがイルワにオバチャンについて聞き出そうとした。

 

 

「あの〜…キャサリンさんって何者なのでしょう?」

 

「……彼女は素晴らしい人だよ」

 

 

イルワ曰く、オバチャンことキャサリンは嘗ては王都のギルド本部ギルドマスターの秘書長だったそうだ。秘書長を辞めた後もギルド運営に関する教育係になり、それから時が経ってイルワも含め、今現在のギルド支部長の大半がキャサリンの教え子だそうだ。……つーか、何気に雷電が言ってたことはあながち間違いじゃなかったようだな?俗にいう時間の流れってやつか…。そう考えながらも俺はイルワに俺たちが起こしたいざこざの件について聞き出そうと思った。

 

 

「…それはそうと、さっきの件は大丈夫なのか?問題ないならもう行きたいんだが……」

 

「あぁ、彼女の紹介なら身分証明は問題ない。「なら…」その前に一つ良いかい?ドット君、アレを…」

 

 

イルワの指示で俺たちが街中でいざこざを起こした際にやって来て、雷電がオバチャンが書いた手紙を見せた後にこの応接室まで案内したギルド職員ことドット秘書長がテーブルの上に()()()()を俺たちの前に見せる。その書類は依頼書の紙だった。

 

 

「…依頼書か?」

 

「ああ。君たちの腕を見込んでの依頼だ」

 

 

どうやらイルワは俺たちにまた厄介ごとを依頼しようとしていた。この時に俺はキッパリと断ろうとしたが……

 

 

「断…「…分かった。この依頼の詳しい情報は無いか?」!?おい雷電!」

 

 

雷電は俺とは真逆に依頼を受けようとしていた。こっちに何のメリットも無いのに。すると雷電は俺に何で依頼を受ける事にしたのか説明した。

 

 

「そう睨めつめるなよハジメ、イルワさんは俺たちが起こした今回の件はこの依頼を受けることで不問にしてくれると言ってくれてるんだ」

 

「あ?たった今イルワが問題ないって言っただろ」

 

「それは身分証明についてだよ。まだ街中で起こした件は許されていないんだ。もしこのまま依頼を受けなかったらさっきのドット秘書長から言ってた様に双方の言い分を聞くことになっている。向こうの男爵の回復を考えるといつ頃話せる様になるのか分からない故に、更に面倒ごとが起きるのは確定的に明らかだ」

 

 

どうやら雷電はイルワが考えていた事を完全に理解した上でこの依頼を受けようとした様だ。……何でジェダイってのはフォースの恩恵でこういうのには敏感なんだろうかと思ったのは余談だ。雷電の言う通り、これ以上更なる厄介ごとは勘弁して欲しいという意味で、俺も止む無く依頼を受ける前提でイルワの話を聞く事にした。

 

 

「…分かったよ、こっちも聞くよ。流石大都市のギルド長……いい性格してるな」

 

 

“君たちも大概だと思うけどね”と言い返された後、イルワは依頼書の内容を説明した。

 

 

「……さて、依頼内容だが行方不明の捜索だ。ある冒険者一行が予定を過ぎても“北の山脈地帯”から戻って来ない。捜索対象は冒険者の一人、ウィル・クデタ。クデタ伯爵家の三男だ」

 

「伯爵家の?その伯爵家の三男は何故冒険者に?」

 

「彼の両親によるとウィルは冒険者になると両親達の反対を押し切り、家出当然にそのまま家を出て以来彼は些か強引に冒険者パーティーに同行を申し込み、紆余曲折あって最終的に臨時パーティーを組むことになった。本来ならあの場所へ逝ける程の実力は持っていない。“北の山脈地帯”は一つの山を超えるとほぼ未開の地だ、強力な魔物も出没している。並の冒険者じゃ二次被害になる」

 

「そこでランク“黒”を瞬殺した()()()にこの依頼を任せようとした……ということか。逆に考えれば俺たち今後の行動の為にランクを上げるの一つの手だが、俺たちには後ろ盾が必要だ」

 

 

そう雷電は言うが、俺自身ランクなんて如何でも良かったんだが、何かしらの後ろ盾は必要だ。そういう意味では俺も雷電の意見に同意だ。

 

 

「分かった、その件についてはこちらで手を打とう。なに、ギルド全体でも相当の影響力があると自負しているよ」

 

「そうか……一つだけ聞いていいか?先ほど言っていたクデタ伯爵家とはどういう関係何だ?」

 

「伯爵とは個人的に仲が良くてね。同行パーティーに話を通したのは私なんだ。確かな実力のあるパーティーなのだから問題ないと思った……」

 

「なるほど、ウィル・クデタを臨時パーティーとして組ませる事で冒険者としての厳しさを伝えようとしたが、それが裏目に出て逆に行方不明という事態に陥ってしまった。……という訳か」

 

「あぁ……まさかこんなことになるなんて……」

 

 

そう言ってイルワは自分が誤った判断でこうなってしまった事に罪悪感を抱いていた。……もし雷電が居なければこういう時に俺は他人事だと切り捨てていたかもしれない。ある意味で俺も雷電のお人好しが移ったかもしれないな。そこで俺はイルワに二つの条件を出す事にした。

 

 

「……だったらその依頼を受ける際に二つ条件がある」

 

「…ハジメ?」

 

「条件?……その二つの条件は?」

 

「一つはユエとシア、二人のステータスプレートの作成。その表記は他言無用を確約すること。二つ目はギルド関連を含む全てのコネクションを用い俺と雷電の要求に応えることだ」

 

「なっ…!何を…言っているんだ…君は…」

 

 

一つ目の条件はまだマシの方だが、二つ目の条件はこればかり俺自身、無茶難題を要求していることは自覚している。しかし今後のことを考えるのならこれぐらいは必要だと考えている。教会の連中と敵対する前提で後ろ盾が必要だ。だから雷電、相手を威圧するような無言の表情をピンポイントで俺に向けないでくれ……(汗)。するとイルワは二つ目の条件について聞いてきた。

 

 

「…何を要求する気かな……?」

 

「大したことじゃない。俺たちが教会から指名手配された時、便宜を図ってくれればいい」

 

 

そう説明した際にイルワは一瞬だけ表情を引きつり、ドット秘書長は青ざめた表情を見せた。

 

 

「教会からの指名手配…?」

 

「あぁ。いつかほぼ確実にされる」

 

「ハジメの言っていることは本当だ。特に、俺の様な誰も知らない職業である“ジェダイの騎士”や兵士を召喚することが出来る技能“クローン軍団召喚”は教会にとって何かしらと都合が悪い分、俺たちを利用する為に何かしらの方法で指名手配される可能性がある」

 

「ば…馬鹿な。教会に敵対するなんて無謀な…」

 

「…わかった、キャサリン先生が認めた人間が言うことだ。きっと何か理由があるのだろう」

 

 

そう言う感じでイルワは二つの条件を呑み、俺たちは後ろ盾を確保することができた。なお、二つ目の条件に関してイルワからは犯罪に加担する要望には応えられないとのことだ。そもそも犯罪を起こすつもりはねぇし、厄介事は避けたいからな。そうして俺たちはイルワからウィル・クデタの捜索の依頼を受け、ウィルが向かった北の山脈地帯の近くの町である“湖畔の町 ウル”に向かうのだった。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

あの若き冒険者ことハジメとライデン、ユエとシアにウィル・クデタの捜索の依頼を頼み、彼等が応接室から去った後に一時的に気を緩めるのだった。ドット秘書長はハジメたちに関して気を緩めず、彼等の秘密について気になっていた。

 

 

「支部長…あんな条件を受けて良かったのですか?」

 

「ウィルの命がかかっていた…仕方ないよ」

 

「しかし…例えそうだとして、彼等の秘密も気になりますね。ステータスプレートに表示されたくない不都合とは一体……それに、あのライデンという冒険者が言っていた事が本当なら、彼等の側近であるデルタ分隊という人物ら…彼等はライデンによって召喚されたことには頷けますが…」

 

 

ドットは未だにハジメたちに対して疑心を隠せないでいた。そこで私はある事をドットに話した。

 

 

「…ドット君、知っているかい?ハイリヒ王国が召喚した勇者たちは皆、とんでもないステータスらしい」

 

「…まさか、支部長は彼等が“神の使徒”の一人であると?しかし彼等は教会と敵対するような口ぶりでした」

 

「──およそ四ヶ月前、その内の二人がオルクス大迷宮で事故が起きたらしい。一人は行方不明で一人は亡くなったらしい。その二人は魔物と一緒に奈落の底に落ちたってね」

 

「…まさかその者達が生きていたと?しかし四ヶ月前と言えば彼等も未熟だったはず……生き残れる筈がありません」

 

 

ドットの言う通り、四ヶ月前に召喚された彼等はまだ未熟と言わんばかりにオルクス大迷宮の奈落の底に落ちてしまえば生き残れる可能性は無い。

 

 

「…そうだね。でも、もし彼等がそうだとすれば何故仲間と合流せずに旅をしているのか?恐らく彼等は奈落の底で()()を見ている」

 

「何かを…ですか…」

 

「──もしかすると彼等は、教会……いや、世界と敵対する覚悟があるのかもしれない」

 

「支部長、どうか引き際は見誤らないでくださいよ」

 

「もちろんだとも──……」

 

 

そう言いながらも私は窓越しに彼等がギルドから出て北の山脈地帯に向かう所を見届けていた。

 

 

イルワSide out

 

 

 

イルワさんから依頼を受諾した後に俺たちは北の山脈地帯の探索の下準備の為に湖畔の町“ウル”に向かっていた。

 

 

「町によらずにこのペースで考えるなら北の山脈地帯まであと半日ってところか?」

 

「今の時間帯だと着く頃には日が沈んでいるからな。近くの町で一泊して早朝から捜索を始めた方がいいな」

 

 

“そうだな”とハジメが俺の問いに答えるとユエは俺たちがウィルの捜索に積極的であることに意外さを感じていた。一方のシアは長距離の移動で疲れていたのか眠りこんでいた。

 

 

「ハジメにライデン…積極的?」

 

「ああ、生きてるに越したことはないからな。せっかくギルドが後ろ盾になってくれるんだ、生きてた方が感じる恩はでかいだろ?」

 

「なるほど……」

 

 

そんなこんなで他愛のない会話をしながらも湖畔の町ウルに到着するのだった。湖畔の町の名だけあって夕日の光りがウルディア湖に反射してより幻想的な美しさがあり、この町の利点は稲作を営んでおり、米が食べられることだ。ある意味では俺とハジメにとって故郷の味をこの町で食べられるという可能性があるという事だ。

 

 

 

ハジメたちが飲食店と宿を探している間に俺はウルディア湖に訪れていた。夕日に照らされた光りがウルディア湖に当たり、キラキラと反射してその幻想的な美しさを表現していた。その時に俺は前世の頃のある惑星のことを思い出していた。

 

 

「…それにしても、本当に綺麗な所だな。ウルディア湖は……ナブーの事を思い出させるよ」

 

「そうか?ナブーって確か、自然が豊かで綺麗な惑星だったか?」

 

 

その時にハジメが俺を捜しにやって来た。どうやらこの様子だと飲食店と宿の目処が立ったようだ。そしてハジメの問いに俺は答えた。

 

 

「あぁ。前世のジェダイだった頃の俺にとってナブーは、精神と心が安らぐ場所でもあったんだ」

 

「…そりゃあこんなに綺麗な場所があったら誰でもそう思うだろうよ」

 

「それもそうか……ん?アレは……ハヴォックとブリッツか?」

 

 

そう話し込んでいると、ふと見覚えのある色違いのアーマーを来た人物等が居た。その人物等は俺が最初に召喚したランコア大隊のARCトルーパーのコマンダー、ハヴォックとブリッツだった。するとコマンダー達も俺たちの存在に気付いたのかこっちに駆け寄って来た。

 

 

「フジワラ将軍!?それに南雲ハジメも……将軍等の生存は迷宮攻略組にいるコマンダー・コルトから聞かされていたのですが、将軍等は何故この町に?」

 

「あぁ、その事なんだが……俺たちはギルドからある人物の捜索を依頼されていてな。この町によったのは目的地に近い町はここしか無かったからだ。だからこうして会えたのは偶然だ」

 

 

ここでハヴォック達と再会できたのは本当に偶然だった。これもフォースの導きなのだろうか?そう考えながらも俺とハジメはユエ達と合流し、全員でハジメ達が見つけてくれたお勧めの飲食店に向かっていた。飲食店に向かいながらも俺はハヴォック達と今現在の状況はどうなっているのかを話し合っていた。

 

 

「しかし、本当に無事で何よりです。将軍等が奈落に落ちてからこっちはこっちで大変でした」

 

「その様だな。…となると、迷宮攻略組は天之河が相変わらずか?」

 

「はいっ…コマンダー・コルトによると天之河は我々クローンに対して反感的でコマンダー・コルトやキャプテン・フォードーも将軍の言う彼のご都合解釈に手を焼かされているようです」

 

「相変わらずか……天之河め、そのくだらないご都合解釈は何れ己の首を自らの手で閉める事になるんだぞ。クローン達だけに反感的になっても意味ないだろうが……」

 

「まっ…天之河が何を考えているのかは俺が知った事じゃないけどな。俺は雷電とユエ達と一緒に元の世界に戻ることが出来れば他の奴は如何だっていい。その為にも他の大迷宮を攻略し、神代魔法を手に入れないとな」

 

 

天之河の件について話し合っている中、ハジメが話に割り込んで来た。確かに、俺も元の世界に帰りたいのは同じだ。しかし、クラスの皆や愛子先生を置いて帰るほど俺はそこまで薄情になったつもりは無い。

 

 

「お前な……確かに俺もあいつは嫌いだけど、クラスの皆や愛子先生を置いて帰るなど俺は…」

 

「分かってるよ。そこまで薄情者になったつもりは無いんだろ?お前のお人好し過ぎることは十分理解しているつもりだ」

 

 

そう言いながらも喋っている間に飲食店に辿り、ハジメはその店のドアを開けて入ろうとした。

 

 

「……とりあえずだ、その件は全ての神代魔法を手に入れてからだな。そうすれば………」

 

 

その時ハジメは扉を開いた先で何を見たのか、何も見なかったかの様に扉を閉め、俺の所に駆け寄って…

 

 

「雷電、一旦シアを貸してくれ」

 

「えっ…シアを?それ以前にハジメ、お前は扉の先で何を見たんだ?」

 

 

俺の問いに答えることなくシアに事情を軽く説明し、その後にシアもノリ気で了承してハジメはシアの背後に回った。そしてシアのウサ耳を使って何かをしようしていた。この時に俺はハジメは一体何がしたいのか分からなかった。フォースで感じる限りでは何かに焦っていることだけだった。その時にハヴォックがある事を思い出した。

 

 

「…そう言えば報告し忘れていたのですが、この町には畑山教諭と迷宮攻略から外れたクラスがおります」

 

「何っ…?それじゃあこの飲食店にか?」

 

「はい、将軍等と再会してすっかり抜けていました。申し訳ございません」

 

 

ハヴォックの言葉で俺は漸くハジメは何に対して焦っているのか理解した。そして飲食店の扉から愛子先生が出て来た。こうして教師と再会するのは俺たちがオルクス大迷宮の奈落に落ちてから約三、四ヶ月ぶりだった。

 

 

雷電Side out

 

 

 

私こと愛子は南雲くんと藤原くんがオルクス大迷宮の奈落に落ちてから既に約四ヶ月近くが経ち、南雲くんたちの死がトラウマとなって戦えなくなった一部の生徒達と共に各地を回りながらも私の天職である“作農師”でいろんな村や町の農作物の栽培と収穫のお手伝いを生徒達と共に行っていました。その際に教会から神殿騎士所属の一部の騎士達を私達の護衛隊して送ってきました。そして今は亡き藤原くんが召喚してくれた兵士、ハヴォックさんとブリッツさんを含むクローンさん達40人が教会から派遣された神殿騎士同様に護衛部隊として同行することになりました。

 

 

 

そして、今現在の私達は湖畔の町ウルで稲作の栽培と収穫のお手伝いを終えてとある飲食店で生徒達や騎士達、クローンさん達と一緒にニルシッシルと呼ばれる香辛料を使った料理を食べるところでした。

 

 

「皆さん、今日もお疲れ様でした!お腹いっぱい食べて、明日も頑張りましょう!」

 

「「「は〜いっ」」」

 

 

そういって生徒達は食事を楽しみました。騎士達は食事は私を含め生徒達が食事を終えるまでお店の通路でお客さんに迷惑をかけない様に端っこに立っていて、クローンさん達も同様に端っこで立っていました。この様子だと一件何も無いかもしれません。……ですが、正直言って不安ばかりです。護衛騎士の隊長のデビットさんを含む騎士達の皆さんとハヴォックさんとブリッツさんが率いるクローンさん達、双方とも仲が悪く、よっぽどのことが無ければ言い争いまで発展しないのですが、何かとデビットさんはハヴォックさん達が嫌いのようです。そんな感じで騎士達とクローンさん達との間でギスギスした関係になってしまい、私は何時言い争いになってしまうのか不安が絶えない分ため息がつくばかりです。

 

 

「はぁ〜っ……」

 

「愛ちゃん先生?ま〜たデビットさんやクローンさん達のことを考えてたの?」

 

 

ため息をつく私に気にかけてくれるのは生徒の園部優花さんでした。周りには他にも、毎度お馴染みに騎士達と生徒達、クローンさん達がいて彼等も口々に私を気遣うような言葉をかけてくれました。因みにハヴォックさんとブリッツさんは町の周囲の確認すべくパトロールに行っていてここにはいません。

 

 

「愛ちゃん先生は気にし過ぎですよ。きっと彼等なら大丈夫ですよ」

 

「そのうち、いつの間にか仲直りするだろう」

 

 

流石に生徒達に心配をかけていたら教師としての面子が立たないと思い。私は気持ちを切り替えることにしました。

 

 

「そうですよね!悩んでばかりいても解決しませんね!…すこし、外の空気を吸ってきますね」

 

 

そういって私は席を外して外に出ようと扉に向かおうとしました。その時に扉から誰かが入って来る人と対面した瞬間、私はもう会うことが出来ない筈の人物を目撃しました。それはオルクス大迷宮の奈落の底に落ちてしまった()()くんと瓜二つ……いえ、本人そのもののようでした。少し違いを入れるとなると髪が白髪で背が高身長、そして何よりも右目に眼帯を付けていました。その時の私は一瞬思考が回らなくなってしまい、唖然としていました。

 

 

 

すると南雲くんらしき人は何も見なかったかのように扉を閉めてこの店から離れようとしました。その時に私の思考は再度回りはじめてすぐさま南雲くんらしき人に南雲くんであるのかどうか聞く為に急いで扉を開け、南雲くんらしき人に駆け寄りました。

 

 

「南雲くん…!!南雲ハジメくんですよね!?」

 

「いえ人違いです。私は鳥人間コンテストに参加しにきた一般人で…」

 

「この異世界に鳥人間コンテストはありませんよ南雲くん!!」

 

 

私達の世界でしか知らない競技を知っている時点でその人は南雲くんで間違いありませんでした。南雲くんはウサ耳の女の人のウサ耳を使ってバルバルと振って誤摩化してました。

 

 

「もしこの異世界にも鳥人間コンテストがあったらディスタンス部門での出場とでもいったところか?」

 

「え?…えっ……えええぇぇ〜〜!?藤原くんも!?」

 

 

そう南雲くんの誤魔化しにツッコミを入れたのは、南雲くんと共にオルクス大迷宮の奈落の底へ落ちてしまい、亡くなったはずの藤原くんの姿がありました。藤原くんはクローンさん達と同じヘルメットとアーマーを着ており、素顔が分からなかったのですが声だけで藤原くん本人であることが分かりました。

 

 

「…あはは、お久しぶりです愛子先生。あれから約三、四ヶ月ぶりの再会でしょうか?」

 

 

藤原くんはいつもと変わらない感じで私に接してきた。この時に私は二人が生きていたことに喜びと安堵が湧いてきました。本当に二人が生きてて良かったです……

 

 

天之河の末路が原作通りであるが、追加すべき案は如何に?

  • その一 右腕を除いて左腕、両足切断
  • その二 暗黒面に堕ちる
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