ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
32話目です。
愛子先生達と再会し、その護衛している騎士達と一悶着を起こしてから翌日、昨日ハジメに渡した処刑人の剣は完全に別物となって帰ってきた。剣は剣であるものの、架空の剣である蛇腹剣として渡されるなんて誰が予想できようか?しかも名前が名前だけに
「マスター、ハジメさん。こんな朝早くから捜索するんですか?」
「ああ。前にも言ったが、早ければ早い程生存率が上がるからな」
「そのウィルという人物が生きていればこちら側に取って大きな恩となるからな。出来るだけ早めに見つけてあげた方が良いに……む?」
ウィル捜索の為に北門から町を出ようとした矢先に十六名くらいの人数が北門で俺たちを待っていたかの様に待機していた。その北門で待っていた者の正体は愛子先生と生徒達、そして彼等の護衛を務めているハヴォックとクローン・トルーパー八名だった。何故此処にいるのかは俺とハジメは大体想像はつく為に敢えて聞かないことにした。
「待ってましたよ、南雲くんに藤原くん!南雲くんたちは仕事でここに来たんですよね?それなら人数は多い方がいいはずです。私達も一緒に同行します」
「……ハヴォック、先生を抑えられなかったのか?」
「申し訳ありません、フジワラ将軍。畑山教諭は教師としての責任が強かった為に、我々が連れて行くことを条件に将軍たちの手伝いをするということになりました」
「そうか。……出来ればここに残っていてほしいのが正直の本音なんだが、ここに来たのはそれだけのことじゃないんだろう?」
「あぁ、先生が言ってた様にクローン達が清水が行方不明だという話を愛ちゃん先生が聞いてしまったからな。清水の情報もこれ以上この町やクローン達じゃ得られない」
「
案の定、清水の情報は俺たちと共に行動した方が入手しやすい算段のようだ。しかし、そうことはうまくいくか分からないものだ。ハジメは最初から愛子先生たちを連れて行くつもりはなかった。
「お前達な……別に俺は清水が何処に行方をくらましたのか興味はない。お前たちの都合なんて──」
「お願いです南雲くん、藤原くん。私は先生として生徒を元の世界に帰す責任があります。これだけは絶対に譲れません」
しかし、愛子先生には譲れない思いと決意が瞳に宿していてハジメの気迫に対して少し弱々しいが、それでも立ち向かうような覚悟を秘めていた。愛子先生の思いと決意、そして覚悟にハジメは心折れるのだった。
「…わかった、同行を許す」
「……ハジメがそういうのなら俺も愛子先生たちの同行は許可するよ。ただし、ハヴォックやクローン達の指示は絶対に聞くことだ。それが俺たちと同行する条件だ」
ハジメが心折れたことに驚くユエとシア。ハジメが心折れるところを見たことなかった為かかなり新鮮だった様だ。
「ハジメ、ライデン、連れて行くの?」
「マスターは兎も角、ハジメさんが折れるなんて珍しいです……」
「この人の教師としての行動力はよく知っているんでな。放っておけば何がなんでも俺達を探そうとするはずだ。教会の力を使って指名手配されたらその方が面倒だ。そうと決まれば急ぐことに越したことはない」
そういってハジメは宝物庫から魔力駆動二輪シュタイフとは違う別の乗り物を取り出した。外見は俺達の世界の自動車“ハマーH2”を似せて作った魔力駆動四輪“ブリーゼ”である。ハジメ曰く、俺やユエ、デルタ分隊などを乗せて移動する為に作ったのだが、俺が銀河共和国の兵器を召喚することが出来ると判明した為にしばらくの間お蔵入りだったが、今回は愛子先生たちが同行するため、使用することになった。異世界に存在する筈のない自動車を見た愛子先生たちは、こればかりは驚きを隠せないでいた。
「これっ南雲が作ったのか…?」
「すげぇ…」
「お前たちに会わせたら時間が掛かる。雷電、そっちもスピーダー・バイクを出してくれ」
「分かっている。ハジメの車両は全員乗り込むのは無理だ。だからここで分ける、ハジメが運転する車両は女性陣が乗ってくれ。残りの男性陣はトルーパーが乗るスピーダーのサイドカーに乗り込め」
そういって俺は共和国軍兵器召喚でサイドカー付きのBARCスピーダーを十二台を召喚させた。生徒男性陣は本物のスピーダー・バイクを見て感動していた。…そういえば地球じゃスター・ウォーズはスペースオペラの作品であることをハジメは言っていたな。それを俺が本物を召喚したんじゃ、男の子としてそれは感動せざる終えないだろうな。そう考えながらも俺は今まで乗ってきたBARCスピーダーに乗って、全員が乗り込んだ後に出発し、北の山脈地帯に向かうのだった。
雷電Side out
俺が魔力駆動四輪ブリーゼを運転して北の山脈地帯に向かう最中、俺は愛子先生に質問をされた後に天之河達は今もオルクス大迷宮にいるのか聞いてみると案の定まだいるそうだ。愛子先生曰く、今のところ戦闘経験があるコルトを中心に天之河を含む数名の生徒が実戦訓練+対人訓練を続けているようだ。特に積極的に訓練を受けているのは意外にも白崎だった。どうやら俺とまた会えると信じて力を身につけているようだ。
天之河の様子を聞いたその後に、俺は愛子先生に俺達が奈落の底に落ちた原因は事故ではなく誰かに
「これは……弾丸の弾頭か?…にしてはこの弾頭、火薬による焦げ後がない?」
「この世界にも銃があるのか?あるとしたら些か面倒だが、燃焼石のような火薬の代わりを……いや、ましてや火薬を使わない銃なんていやぁ……」
俺は最悪のケースを考えながらも俺達は隊商の死体等を埋葬した後、ウィル捜索の為に再び北の山脈地帯に向かうのだった。
目的地である北の山脈地帯に到着した俺達は、痕跡を見つけるべく宝物庫から俺がミレディから物々交換で貰った鉱物を使い、“重力魔法”を“生成魔法”で鉱物に付与し、錬成して作った重力制御式無人偵察機“オルニス”を四機飛ばし、上空から痕跡を探すのだった。すると三番機のオルニスの目から送られてきた光景が義眼に届き、戦闘形跡の後を見つけるのだった。
「どうだ、ハジメ。何か発見したか?」
「…見たところ山頂付近に大きな破壊の後があるな。おそらく戦闘形跡のあとかもしれないな。およそ八合目と九合目の間だ、急ぐぞ」
そうして俺は全てのオルニスを戻し、俺達はその八合目と九合目の間に向かうのだった。こっから先、何かと嫌な予感がしやがるな。
ハジメSide out
俺たちはハジメが飛ばした無人偵察機が見つけた場所に辿り着いた。その場所はかなり激しい戦闘があったのか折れた剣や砕けた盾の残骸があった。…しかし、些か妙なことがある。折れた剣に砕けた盾の残骸があるなら何故死体がないのか?その応えは意外にも単純だった。その死体は灰燼に帰してしまったからだ。
「ここで激しい戦闘があったのは確かの様だな。幸いにも愛子先生たちに二度も死体を見せられずに済んだな」
「そうだな……また吐かれたらこっちも溜まったもんじゃない」
「おい…藤原、雷電…お前等…速すぎだって…」
遅れて到着した愛子先生達、護衛のクローン、ユエ達と行動していた為に俺とハジメを負い帰るのに苦労した様だ。そんな中、シアはこの戦いの跡地で
「ハジメさん、マスター、ここ見て下さい!」
シアが見つけた痕跡とは足跡のことだった。足跡の形からして魔物の類であることが判明し、足跡を見た感じでは身長二〜三メートル程の二足歩行と見て取れた。しかしだ、例えそうだとしてもこの様な破壊の仕方が出来るのかどうか怪しかった。強力なレーザー兵器で抉り飛ばしたのならまだその可能性があったが、生憎ここは異世界だ。そんなものは存在しないことは分かっていた。因みに愛子先生達は丁度川沿いの滝の近くで休憩していた。一応俺達もその滝に近づくと気配感知に反応があった。
「…!ハジメ、あの滝壺から何かがいるぞ」
「あぁ、俺も感じた。それを調べる為には……ユエ、頼めるか?」
「…ん」
ハジメがユエに頼んだ後、ユエは近場にある岩に飛び移りながらも滝近くの岩場に移動し終えると指を翳し、魔力をこめて“波城”と“風壁”を唱えると、滝がユエを中心に真っ二つに分かれたのだ。近くで見ていた愛子先生と生徒達はユエのとんでも能力に驚ろいていた。そして滝壺の奥にある洞窟をよく見てみると、そこには一人の横倒しになって気絶している青年がいた。俺達はその青年の元へ駆けつけ、容姿を確認して見ると依頼書に書かれていたウィル・クデタ本人であることが判明した。
「どうやら
そういってハジメはウィルに近づき、ウィルの顔面にギリギリと力を込めた義手デコピンでウィルの額にぶち当てた。
“バチコンッ!!”
「ぐわっ!!いっつぅ……!」
悲鳴を上げて目を覚まし、額を両手で抑えながらのたうつウィル。愛子達が、あまりに強力なデコピンと容赦のなさに戦慄の表情を浮かべた。ハジメは、そんな愛子達をスルーして、涙目になっているウィルに近づくと確認の為に名前を訪ねる。
「お前、ウィルか?クデタ伯爵家三男の」
「え…?あっ…はい!そうです、ウィル・クデタです!」
「俺は、南雲ハジメだ。フューレンのギルド支部長からの依頼で助けに来た」
名前と容姿が完全に一致して無事本人の生存を確認が取れた後、俺はクローン達にウィルの治療を頼み、ウィルから一体何があったのか事情聴取するのだった。
ウィルから聞かされた情報によると、ウィル達は五日前、俺達と同じ山道に入り五合目の少し上辺りで、突然、十体のブルタールと遭遇したらしい。流石に、その数のブルタールと遭遇戦は勘弁だと、ウィル達は撤退に移ったらしいのだが、襲い来るブルタールを捌いているうちに数がどんどん増えていき、気がつけば六合目の例の川にいた。そこで、ブルタールの群れに囲まれ、包囲網を脱出するために、盾役と軽戦士の二人が犠牲になったのだという。それから、追い立てられながら大きな川に出たところで、前方に絶望が現れた。その正体は突如と現れた漆黒の竜だったらしい。その黒竜は、ウィル達が川沿いに出てくるや否や、特大のブレスを吐き、その攻撃でウィルは吹き飛ばされ川に転落。流されながら見た限りでは、そのブレスで一人が跡形もなく消え去り、残り二人も後門のブルタール、前門の竜に挟撃されていたという。
ウィルは、流されるまま滝壺に落ち、偶然見つけた洞窟に進み空洞に身を隠していたらしい。……ここまで聞かされると、まるで奈落の底へ落とされた俺達と少し似ている感じがした。ウィルは、話している内に、感情が高ぶったようですすり泣きを始めた。無理を言って同行したのに、冒険者のノウハウを嫌な顔一つせず教えてくれた面倒見のいい先輩冒険者達、そんな彼等の安否を確認することもせず、恐怖に震えてただ助けが来るのを待つことしか出来なかった情けない自分、救助が来たことで仲間が死んだのに安堵している最低な自分、様々な思いが駆け巡り涙となって溢れ出す。
「私は最低だ!…みんな、死んでしまったのに……何の役にも立たない私だけ助かって、生き残って……何処かでホッとしていて、それを喜んでいる……っ!」
洞窟の中にウィルの慟哭が木霊する。誰も何も言えなかった。顔をぐしゃぐしゃにして、自分を責めるウィルに、どう声をかければいいのか見当がつかなかった。しかし、例外があった。それはハジメという存在だ。ハジメはツカツカとウィルに歩み寄ると、その胸倉を掴み上げ人外の膂力で宙吊りにした。
「南雲く「大丈夫だ、畑山教諭」…ハヴォックさん」
愛子先生がハジメを止めようしたがハヴォックがそれを静止させる。そしてハジメは、息がつまり苦しそうなウィルに意外なほど透き通った声で語りかけた。
「生き残ったことを喜んで何が悪い?その願いも感情も当然にして自然にして必然だ。お前は人間として、極めて正しい」
「だが……私は……」
「死んだ奴らのことが気になるなら……生き続けろ。これから先も、足掻いて足掻いて死ぬ気で生き続けろ」
「生き……続ける」
「そうすりゃ、いつかは今日生き残った意味があったって、そう思える日が来る……かもしれねえだろ」
涙を流しながらも、ハジメの言葉を呆然と繰り返すウィル。ハジメは、ウィルを乱暴に放り出し、自分に向けて“何やってんだ”とツッコミを入れる。…どうやら先程のウィルへの言葉は、半分以上自分への言葉だった様だ。要するに少し似た境遇に置かれたウィルが、自らの生を卑下したことが、まるで“お前が生き残ったのは間違いだ”と言われているような気がして、つい熱くなってしまった様だ。ハジメ自身半分以上八つ当たりであることを自覚している分、軽く自己嫌悪に陥る。そんなハジメのもとにトコトコと傍に寄って来たユエは、ギュッとハジメの手を握った。
「……大丈夫、ハジメは間違ってない」
「……ユエ」
「……全力で生きて。生き続けて。ずっと一緒に。ね?」
「……ははっ、ああ当然だ。何が何でも生き残ってやるさ……一人にはしないよ」
「……ん」
……と、そんな感じでハジメとユエは又もや二人だけの世界に入っていったのだ。この光景に愛子先生達やクローン達、そしてシアもこの二人のバカップルっぷりにはもうツッコム気力がなかった。特にデルタ分隊のスコーチは“ …なんかあの二人を見てると無償に苦い飲み物が欲しくなってくるな?”とそう呟くのだった。……今度スコーチに地球のコーヒーでも紹介しておこうかなと俺は思ったのは余談だ。
捜索対象であるウィル・クデタを無事に見つけ、治療し終えた後に下山しようとした時には既に夕暮れの時間帯になっていて、日没までの時間が少なかった。
「すっかり遅くなっちまったな……急いで帰ろう」
「だな。トルーパー、警戒を現に」
「はいっ将軍。お前達、周囲の警戒を怠るな!」
「「「サー、イエッサー!」」」
俺達は下山の際に魔物の襲撃を警戒しながら移動していると、途中で妙な音が聞こえた。なお、その音は全員に聞こえていた。
「な…何?今の音……」
(音……それも獣のような声、その声は上空から発したもの……となると距離は……)
そう考えていると気配感知に反応が引っかかった。その反応は上空からだ。
「ハジメ、12時60度だ!!」
「…っ!」
ハジメに正確な位置を知らせると同時に、俺達に突如と突風が襲いかかってきた。
「きゃああぁぁーーっ!」
「う…うわぁあっ!」
愛子先生達は突然の突風に驚き、体力がまだ戻っていないウィルなその突風に吹き飛ばされる。吹き飛ばされたウィルは上空を見上げると、一瞬で表情が青ざめた。
「!あぁ……あ、
ウィルが言うあいつとは、先ほど滝壺の洞窟で話していた漆黒の竜だった。その漆黒の竜はウィルに狙いを付けて突っ込んでいった。その時にハジメはウィルを回収し、その場から離れて黒竜の攻撃を躱す。ハジメはウィルを愛子先生達の方に置いた後にこっちに駆け戻り、改めて黒竜を目にした。
「ハジメ、どうやらウィルの言ってた黒竜はこいつの様だ。それと、その黒竜の上に
「…奴か」
ハジメがこっちに戻ってきた際に俺は黒竜を良く見てみると、黒竜の上に誰かが乗っていることが判明した。すると黒竜が地面に下りてきて、その黒竜に乗っていた者が黒竜から下りた。その者はクローン達の兵種の一つである“クローン・パラトルーパー”に似たアーマーを黒く塗り替えたものを着ており、ヘルメットはクローン・パラトルーパーの独特な“ビーハイヴ”(蜂の巣)型ヘルメットを黒く染め、バイザーは黒からワインレッドに変えていた。ハジメはあの様なトルーパーは見たことはなかった
「何だ、あのクローンは?雷電が召喚した……んじゃなさそうだな」
「あぁ、あのトルーパーは212攻撃大隊のクローン・パラトルーパーと同じ装備であることは確かだ。…デルタ、お前達は何か知っているか?」
「はいっ将軍。アレは“パージ・トルーパー”という銀河帝国軍の前大戦で生き残った旧共和国軍のクローン・トルーパーのみで編成された兵士です。しかし、些か気になるとしたら、何故黒竜と共にいるのか疑問です」
「それ以前に彼奴、本当にクローンか?なんか違うような気がするが……」
ハジメは目の前のパージ・トルーパーに何かしらの違和感を覚えていた。するとパージ・トルーパーが乗っていた黒竜に命令を下した。
「……殺れ」
その命令を合図に黒竜はおもむろに頭部を持ち上げ仰け反ると、鋭い牙の並ぶ顎門をガパッと開けてそこに魔力を集束しだした。
「…っ!不味い、ブレス来るぞ!」
「ッ!退避しろ!」
俺はブレス攻撃をしてくると全員に伝え、ハジメは全員に退避するように伝える。しかし、それに反応できたのはクローン達だけで愛子先生や生徒達、ウィルは突然の出来事に体が付いて来れず硬直してしてしまい、動けずにいた。それを見たハジメは若干悪態をつきながらも“念話”で俺とユエ、シアに指示を出しつつ、“縮地”で一気に元いた場所に戻り、愛子達と黒竜の間に割り込む。
「来いッ!」
そしてハジメは宝物庫から二メートル程の柩型の大盾のアーティファクトを虚空に取り出し、左腕を突き出して接続、魔力を流して大盾の下部から“ガシュン!”と杭を出現させ、それを勢いよく地面に突き刺した。直後、竜からレーザーの如き黒色のブレスが一直線に放たれた。音すら置き去りにして一瞬でハジメの大盾に到達したブレスは、轟音と共に衝撃と熱波を撒き散らし大盾の周囲の地面を融解させていく。それに対して大盾は紅く光り輝いていた。これはハジメの“金剛”が大盾に付与されている証拠だ。しかし、そう長くは保たない為に俺達は急遽、黒竜の攻撃の妨害に向かった。
「ぐぅ!おぉおおお!!」
「ハジメ、もう少し粘っててくれ!あの黒竜を黙らせる!」
「ハジメ…!待ってて…!」
「急いでくれよ、こいつは…ただの魔物じゃねえ!」
急ぎ黒竜の注意をこちらに引き寄せる為にその辺にあった木をライトセーバーで斬り倒し、その切り倒した木をフォースで浮かせて、そのまま黒竜へと狙いを定めて木をフォースで飛ばした。ブレスの攻撃中に横から飛んでくる木に気付かずに黒竜はもろに食らい、そして俺を睨みつけて今度はこっちにブレスを吐いてきた。俺はフォースの身体能力強化で攻撃を躱しながらもユエに攻撃指示を出す。
「ユエ、今だ!」
「…ん!“禍天”」
ユエがそう魔法名を宣言した瞬間、黒竜の頭上に直径四メートル程の黒く渦巻く球体が現れる。見ているだけで吸い込まれそうな深い闇色のそれは、直後、落下すると押し潰すように黒竜を地面に叩きつけた。“禍天”とはライセン大迷宮で得た重力の神代魔法をユエが練り出した重力魔法だ。渦巻く重力球を作り出し、消費魔力に比例した超重力を以て対象を押し潰す。重力方向を変更することにも使える便利な魔法だ。
重力魔法は、自らにかける場合はさほど消費の激しいものではない。しかし、物、空間、他人にかける場合や重力球自体を攻撃手段とする場合は、今のところ、ユエでも最低でも十秒の準備時間と多大な魔力が必要になる。ユエ自身、まだ完全にマスターしたわけではないので、鍛錬していくことで発動時間や魔力消費を効率よくしていくことが出来るだろう。
しかし、それでも空の王者を地面に叩き落すのには十分すぎた。地に這いつくばっている黒竜に対してシアは、好機と判断してドリュッケンで一気に決めようとした。
「トドメで「俺がいることを忘れるな、ジェダイ」…っ!?あわわ…!」
しかし…ここでパージ・トルーパーからクローン達の標準装備であるDC-15Aでシアを狙い撃つ。パージ・トルーパーの存在をすっかり忘れていた、シアは咄嗟にライトセーバーを起動させて光弾を弾き、一旦距離を取る。
「迂闊だぞ、シア。黒竜以外にも奴もいるんだぞ」
「す……すみません、マスター」
そうしている間にハジメは愛子先生達をハヴォック達に任せて戦いに復帰し、黒竜に対してドンナーとシュラークで応戦する。しかし、黒竜の鱗が固い為か貫通は出来ず、弾かれるだけだったが、ノックバックするくらいの威力はあった。
「チィッ…!やけに頑丈だな……」
「このままだと分が悪い、役割分担をしよう。ハジメとシア、デルタ分隊はあの黒竜の相手を頼む。ユエは万が一のことを考えて愛子先生達を守ってくれ。あの黒竜のブレスの前じゃあハヴォック達でも守りきれない」
「…で、お前はあのパージ・トルーパーの相手をするってことか。やれるのか?」
「あぁ。…むしろそれ以前に奴の正体が気になるからな。彼奴は生け捕りにする…!」
それぞれ役割を決めた時に生徒達が加勢しようとこっちにやって来た。
「俺達も黙って見ているわけにはいかない」
「加勢するよ!!」
「駄目だ!今のお前たちが
「で…でも」
「はっきり言う、お前たちじゃ俺達の戦いの邪魔になる!ハヴォック、頼んだぞ!」
「イエッサー!お前たち、将軍の言う通りここは下がるぞ」
ハヴォック達に愛子先生達を任せた後に俺はパージ・トルーパーと対峙し、ハジメたちは引き続き黒竜の相手をするのだった。この時に俺はあのパージ・トルーパーという奴の中身の正体はなんなのか、それを見極める為に俺はライトセーバーを構えるのだった。対するパージ・トルーパーもライトセーバーに対抗する為にエレクトロバトン二本を手に二刀流で俺と対峙する。…パージ・トルーパーの存在といい、黒竜といい、一体この世界で何が起ころうとしてるのか今の俺達には知る由もなかった。
天之河の末路が原作通りであるが、追加すべき案は如何に?
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その一 右腕を除いて左腕、両足切断
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その二 暗黒面に堕ちる