ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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戦闘シーンを書くつもりでしたが、書けませんでした。すみません…(´;ω;`)


34話目です。


戦闘準備と女神君臨?

 

 

町に戻る際に俺は無人偵察機であるオルニスを飛ばしながらも魔力駆動四輪ブリーゼを運転し、町へと向かっていた。運転している最中に無人偵察機を通してとある場所に集合する魔物の大群を発見した。

 

 

「おい、お前が清水に操られていた際、最後に魔物の数をどれ位率いていたか覚えている?」

 

「わ…妾が見た時は三千匹ほどじゃったな〜」

 

 

俺の問いにティオはそう答える。因みにティオは何処で返事をしているのかというと、ブリーゼの屋根の上で返事しているのだった。ブリーゼに乗せようにも定員オーバーだったため、清水はブリーゼの荷台に、ティオはブリーゼの屋根の上に縛り上げ、落ちない様に固定した。何故そうなったのかと言うと、俺が黒竜時のティオにブッ刺した杭が原因で完全にティオは完全にMに目覚めてしまった。その結果色々と扱いが面倒くさかったので今に至る訳だ。……話が反れたが、ティオが言っていた情報とは全くもって異なっていた。

 

 

「いや、今はそんな数ってレベルじゃないぞ。桁が一つ追加されるレベルだ。まだ動き始めていないが、今ここで動き始めたらウルの町までおよそ二日って言ったところ……ん?」

 

 

その時に無人偵察機がある集団を発見した。それは清水が言っていた謎のゴーレム軍団だった。その姿はライセン大迷宮で戦った騎士のゴーレムとは違って、より()()()()騎士のゴーレムだった。そのゴーレムの中には白いフードコートを被っている連中がいた。恐らく、あのゴレーム軍団の指揮官だと思われる。すると、そのゴーレムの中で一際と大きい奴が魔人族の男と話していた。どうやらあのゴーレム……いや、他のゴーレムも同様に喋れるのかもしれない。俺は無人偵察機の中に集音声マイクを組み込んである奴を相手に気付かれない様に近づき、奴らの会話を聞き取ろうとした。因みにその集音声マイクは雷電が用意したものだ。…んで、そのゴーレムと魔人族の会話はこうだった。

 

 

《…三日後だと?》

 

《そうだ。敵がこちらの進軍に気づいていると向こう(尋問官)からの通達だ。より万全の状態で攻める為に援軍と物資の提供と配給に丸一日と魔物達と並列しての行軍速度から考えて約二日、それらを合わせて三日後になるな》

 

《……仮にそれが本当だとして、こちらは向こうから送られた愚かな勇者が集めた六万の魔物と、そちらのゴーレム騎士団“アテネス”の兵力は五千。それを束ねて約七万近くの兵力の差がある。一体どこが万全ではないというのだ?ゴーレム騎士団団長こと“ヒュケリオン”将軍よ》

 

《なに…奴らの考えることはこちらも判らん。だが、これまで奴らの言う予感が外れた事は一度もない。つまり、この先は我々の知らない未知の何かが待ち受けているということだ。我々とて出来る限りこちらの被害は最小限で済ませたいという意味では同じではないのかね?》

 

《…それは建前で、本当はその未知の敵と戦ってみたいからではないのか?戦闘狂めが。……どの道、奴らの力を借りる必要はない。それでも奴らの力を借りるというのなら、お前たち騎士団は後方で待機してろ。私は魔物共を引き連れてそのまま進軍する。精々我々魔人族の足を引っ張らないようにすることだな、戦闘狂のゴーレム風情が》

 

 

魔人族の男はヒュケリオンと名乗るゴーレムに見下す視線を送った後、その場から去る。一人となったヒュケリオンは魔人族の態度に対して怒りではなく、呆れていた。

 

 

《そうやって敵や人間を舐め腐るから相手の実力を見誤り、最終的に己自身の首を締め上げるはめになる。あの魔人族は一度死なない限り認識を改めない様だな。……そう思うだろう?()()()()()()?》

 

 

そう言った瞬間、そのゴーレムは無人偵察機の存在に気付いたのか空を見上げ、無人偵察機の目とあった。流石にこれは不味いと判断し、即座に全ての無人偵察機を撤退させた。その後に向こうからの追撃は無かった。まるで見逃されたかの様に……いやっ敢えて見逃したのかもしれない。何れにしろ、あのゴーレムはただのゴーレムじゃないのは確かだ。そう考えている間にウルの町に到着した後、この情報を早急に雷電やクローン達に伝えた。あのゴーレムは勝てなくはないが、どうも嫌な予感がするな……

 

 

ハジメSide out

 

 

 

ウルの町に到着した時には既に夜の時間帯になっていた。ウルの町の町長に魔物の軍勢がこの町に向かっていることを伝えた後にハジメから無人偵察機から入手した情報を聞かされた。清水が言っていた謎のゴーレムが魔物の軍勢約六万と合流した様だが、ゴーレムを率いる一体のゴーレムの将軍が魔物の軍勢を率いる魔人族の男と意見争いしていたそうだ。ハジメ曰く、どうやらゴーレム軍団はミレディと同じ様に神代魔法で元の肉体をゴーレムに移し替えた様だ。もしかしたら他のゴーレム軍団もその可能性が高いそうだ。そのゴーレムの将軍ことヒュケリオンは魔人族から後方へ待機してろと見下す様な態度で魔物の軍勢を率いて先に攻撃を行う様だ。その会話の中で“尋問官”と言う単語が出てきたが、どうやらあの尋問官はゴーレム軍団や魔人族と何かしらの繋がりがある様だ。

 

 

 

どの道、この町での戦闘は避けられない。尋問官が送った援軍も少し気になるが、今はこの町の住人を避難させることを優先した。俺は月付近の医療ステーションで待機しているアクラメイター級を出動命令を下しながらガンシップを三機召喚させ、アクラメイター級の到着を待った。一方のハジメは魔力駆動二輪シュタイフを運転しながら天職である“錬成師”の錬成で四メートルの外壁を町の外周で錬成しつつも二つの外壁を作る。さらにゴーレム軍団との戦闘を想定し、クローン達は町の男衆と協力し、対ゴーレム戦に備えて戦闘を有利にすべく塹壕を作り、防衛陣地を構築する。外壁の方は四メートルと城壁には届かない高さではあるが、それでも小型種や中型種の魔物にとって登り難い壁ではあるが、大型の魔物なら、よじ登ることは容易だろう。ハジメ曰く、一応、万一に備えてないよりはマシだろう程度の気持ちで作成したので問題はないとのことだ。そもそも、壁に取り付かせるつもりなどハジメや俺達にはないのだから。さらに一方の愛子先生は町の住民に避難するよう呼びかけながら避難誘導を生徒達と護衛騎士団と共に行っていた。そしてハヴォック率いるクローン達も住民を避難させる様に女子供をガンシップ執着地点まで誘導するのだった。なお、今回デルタ分隊は万が一のことを考え避難した住民の護衛の為に配備させた。一応飽くまで万が一のことではあるが、念には念をと抑えといて問題は無いだろう。

 

 

 

避難作業とウルの町防衛陣地構築を始めてから既に二時間が経過した。空では月付近の医療ステーションから出動したアクラメイター級一隻がウルの町にあるウルディア湖上空で駐留していた。余談ではあるが、この世界の住人はアクラメイター級のことを空飛ぶ箱船と表情を表すぐらいに驚いていて、生徒男性陣は本物の宇宙船ことアクラメイター級を見て感動していたのはまた余談だ。住民の避難を優先する為にガンシップに乗せた住民をアクラメイター級に一時収容し、アクラメイター級に搭乗していた一個旅団(六千)のクローンを町へと降ろし、それぞれ敵の襲撃に備えてブラスター・キャノンやブラスター・ライフル、ブラスター・ピストルなどの武器、弾薬をアクラメイター級から運び出し、戦闘準備を進めるのだった。

 

 

「レッド小隊、急げ!第二分隊は外壁の上に土嚢やブラスター・キャノンの設置を行え。ゴーレム軍団が攻めて来た時に上からの援護射撃で地上部隊を援護するのに必要だ」

 

「イエッサー!直ちに…」

 

 

住民の避難を終えたハヴォックが新たに来たクローン達に指示を出し、何れ来る魔物の軍勢やゴーレム軍団に対抗する為、クローン達の配置を急がせるのだった。この時、当時の俺はハジメと共に第二の外壁の上にいた。

 

 

「…それにしてもハジメ、よく俺の意見を受けてくれたな?お前のことだから、仕事を優先して町の人を避難させたら後はお役御免とウィルや俺たちを連れてこの場から離れるかと思ったぞ」

 

「…確かにな。よくよく考えればもしお前と出会わなければ、今頃俺はお前のお人好しに伝染せず、ウィルをフューレンに連れ戻すだけだったかもしれねえな」

 

 

おい、ハジメ。お前俺のことをそんな風に見ていたのかと内心ツッコンでいると、梯子を通して園部が登ってきた。

 

 

「…ん、園部か?」

 

「園部…?一体どうした、そっちで何か問題が?」

 

「あっいや、ちょっと南雲と話があるの。藤原は出来ればちょっと……」

 

「…なるほど、分かった。しばらく俺は物資の確認をしてくるよ」

 

 

そう言って俺は外壁から飛び降りて物資の確認しに向かった。……まあ久しぶりの再会と会話だから多分話が長くなるだろうな。

 

 

雷電Side out

 

 

 

雷電が物資の確認に行った後に園部が俺に何かを伝えようとしていた。一体何を伝えようしているのか俺には理解できなかった。

 

 

「…あのさ、南雲」

 

「どうした、園部?」

 

「あのぉ……ありがとね、あの時は」

 

 

いきなり園部からお礼を言われて俺が一体何をしたんだと疑問を浮かべる。

 

 

「何のことだ?」

 

「ぁ……お、覚えてないかもしれないけど、大迷宮で助けてくれたよね?だから…ちゃんとお礼を言いたかったんだ」

 

「助けた?……あぁ、あの時か」

 

 

園部が言う大迷宮とはおそらく俺と雷電がオルクス大迷宮の奈落に落ちる前、65階層のベヒモス戦の時だろうな。俺が無能だった頃、雷電たちのところに向かおうとしたところ園部がトラウムソルジャーに襲われかけたんだったか?その時に俺はDC-17ハンド・ブラスターで倒し、園崎を助けた後に雷電たちのところに向かった。多分その時のことを園部が言ってるんだろう。

 

 

「あの時は偶然だ。お前も運が良かったってことだ」

 

「…それでもね、無駄にしない。助けもらったこと、絶対に無駄にしないから!」

 

「そうか……」

 

 

その後、園部は言いたいことを伝え終えた後に“ …じゃあ、行くね”と行ってここを去ろうとした時に俺は園部にあることを伝える。

 

 

「園部、お前は死なねえよ。根性があるからな……ま、多分だけどな」

 

「……ありがとう、南雲」

 

 

そう礼を行った後に園部は外壁に下りて愛子先生達の所へ戻るのだった。その後で俺は木に隠れて気配をバリバリに漂わせている奴に威嚇する。

 

 

「……んで、気配をバリバリに漂わせて何をしている?」

 

 

するとその人物はバレていないと思っていたのか、不意に“ …フェっ!?”と間抜けな声を出した。そしてその人物は木から姿を現した。

 

 

「で…出そびれてしまったのじゃ。で、よいかな?お主に頼みがあるのじゃが、聞いてもらえるかの?」

 

 

その正体は竜人族のティオだった。こいつと話し合うと思いっきし疲れるので適当にあしらう感じで話すのだった。

 

 

「……あぁ、ティオか」

 

「な…なんじゃ今の間は!?まさか妾の存在を忘れておったとは…」ハァ……ハァ……

 

「なんで嬉しそうに少し興奮してんだよ…」

 

 

元を正せば俺の所為なんだが、まさかこいつがドが付くくらいのMに目覚めるなんて誰が予想できただろうか?そう考えている間にティオは話を続ける。

 

 

「お主達はこの戦いが終わったらまた旅に出るのじゃろ?」

 

「ああ、そうだ」

 

「それでな、その旅に妾も同行させて「断る」……よ…予想通りの即答…!……もちろんタダでとは言わん!これよりお主を“ご主人様”と呼び妾の全てを捧げよう、身も心も全てじゃ!」

 

 

より面倒くせぇ方向になっていき、余計に同行させたくなかった。

 

 

「どうじゃ?悪い話では“バンッ!”…ぶへっ♡」

 

「巣に帰れ、いやっむしろ土に帰れ!」

 

 

もうティオを喋らせると更に面倒くさくなるのは明確だったので俺はドンナー(非殺傷ゴム弾)でティオを無理矢理黙らせるのだった。しかし、ドMになったティオにはむしろ逆効果でご褒美みたいなものだった。

 

 

「そんな…酷いのじゃ…。妾の初めてを奪っておいて、いきなりお尻で…しかもあんなに激しく…」

 

「もうそれ以上喋んじゃねぇ!つーか、お前と喋っているとこっちも色々面倒くせぇんだよ!!」

 

 

そう言って俺はドンナー(非殺傷ゴム弾)でティオのケツに何発も打ち込むのだった。

 

 

「あひィン!!それじゃ、それがイイのじゃああ〜〜♡」

 

 

ティオはもう完全に俺ですら手に終えないくらいにドMになっちまっている為、この行為すら無意味だった。一方のこの様子を見ていたユエやシア、クローン達は今の竜人族ティアのドMっぷりを見ていた。

 

 

「あのさお前等、ユエが言うには竜人族って高潔な種族じゃなかったのか?あの様なドMっぷりは流石の俺でも引くんだが……」

 

「判るものかよ。ジェダイと同じ様に竜人族の考えることは深過ぎる」

 

「深過ぎると言うか……メチャクチャです……」

 

「…でも、戦力にはなる」

 

 

……ユエは兎も角、お前たちこっちを見てる暇があったらこいつを何とかしてくれと頼みたかったが、雷電だったら“自分で巻いた種は自分でなんとかしろ”って言われるのが目に見えていた為、何も癒えなかった。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

一方、物資の確認と表して俺はハルツィナ樹海に設置した前線基地に連絡を取っていた。それは、少数の兎人族ハウリアの人員派遣だった。通信には族長のカムが応じ、男女二人ずつ其方に派遣させることになった。ガンシップを経由しての移動や人員と物資の積み込み、往復を考えるとざっと三時間は掛かるとのことだ。それを了承した俺は派遣されるハウリア達が来るまでハジメ達の所に向かう。俺が着いた時にはティオは何やら満足そうな表情をして身体を震わせていた。何があったのか俺は敢えて聞かないことにし、ハジメには()()()を頼もうとした。

 

 

「ハジメ、少し頼みたいことがあるのだがいいか?」

 

「ん?何だよ急に……」

 

「ライセン大迷宮攻略の際に使用したあの兵器を三機分作れないか?」

 

「あの兵器?…あー、ハードボーラー(PTX-140R)か。作れなくはないが、アレ作るのにかなりのコストが掛かるんだよな。…でもまぁ、お前のことだ。その点は問題ないよな?」

 

 

俺の頼み事とは、ライセン大迷宮攻略の際にハジメが秘密兵器として投入した人型起動兵器の量産だ。あの機体はハジメが作った魔力駆動の乗り物と同じで己の魔力で動かす兵器だ。しかし、魔力駆動式の物には欠点がある。ハジメ曰く、魔力量が少ないと動かせないのが唯一の欠点だそうだ。誰かを乗せる前提なら機体に外部プロペラントタンクを取り付け、活動時間の延長を図った方が効果的だ。その為には機体を製造する為の材料(コスト)が大量に必要となるが、ハジメの言う通り、その点は問題なかった。

 

 

「問題ない。材料についてはこっちが用意する合金や鉱石があるし、専用の設備もある。後はハジメの錬成で機体を作り上げれば問題ない」

 

 

専用の設備というのはアクラメイター級の船内にある格納庫のことだ。あそこならばハジメがあの機体を作るのに最適な場所だ。そう言う形でハジメは俺の頼みを了承し、アクラメイター級へと向かうのだった。

 

 

 

それから翌朝……

 

 

 

ハジメが錬成した外壁の上ではクローン達が設置したブラスター・キャノンに配備し、地上では塹壕の中でクローン達はブラスター・ライフルやカービンなどで敵を待ち受ける態勢に入っていた。なお、クローン達の中にはハジメが設計した試作型標準新型ブラスター・ライフルを持っていた。何故それらをクローンが持っているのかと言うと、ハジメがハードボーラーを作る際についでで新型ブラスターを開発した様だ。…改めて思うが、こうも簡単に俺達の予想を遥かに上回るハジメの開発能力は異常だ。ハジメから聞いても“そんな事は無い”と謙虚そうに言うが、俺はそうとは思えない。しかもハジメは、これ等を作った兵器は全てゲームやアニメにある兵器を錬成で再現させただけだと言っている。それはそれで恐ろしい再現力だなと俺は若干ハジメの能力の異常さに引くのだった。そしてそのハジメは、複製錬成でハードボーラーの機体そのものを複製錬成させ一気に三機を複製させ、最後の仕上げとしてハードボーラーの改造に取りかかっているため後三時間は必要だそうだ。ハジメが戻ってくるまで待っている時に俺が新たに少数に召喚し、偵察に向かわせた“クローン・スカウト・トルーパー”達から連絡が入った。

 

 

《こちらスカウト。現在魔物の軍勢を確認。コマンダー・ナグモの言う通り、敵の数は約六万。我々の十倍の戦力です》

 

「そうか。…それで、接敵まで後どれくらいだ?」

 

《敵の行軍速度からして約二時間半です。これより我々はこの領域から離脱します》

 

「分かった、敵に見つかるなよ。無事を祈る、交信終了………二時間半か……」

 

 

敵との接敵まで二時間半……ハジメが作業を終えるのに後三十分足りない。すぐさまに俺はハジメに連絡を取った。ハジメの報告によると今のペースならば二時間で三機分の改造が完了するが、残りの一機は間に合わないそうだ。俺はそれでも構わないと伝え、三機の改造が完了次第直ぐに戻って来てほしいと頼み、通信を切った。さて……やれることはやった。後はこの先どうなるかは出たとこ勝負だ。

 

 

 

それから二時間が経ち、既に午後昼の時間帯になった。ハジメは量産したハードボーラー三機の改造が完了し、こちらに戻ってきた。そして俺は改めて今この場にある戦力の確認を行った。現在の兵力は六千、一個旅団並の数で敵軍の十分の一だ。第一、第二外壁は既にクローン達が配備されており、防衛陣地を構築されている。この世界の住人からしたら鉄壁の防御陣だと思われるが、俺はそうとは思えない。あくまでこの世界の魔物と戦うことを想定した防衛陣地だ。後からくるであろゴーレム軍団と尋問官が送ってくる敵の増援。それらがこちらに来たらとても面倒だ。…だが、今は目の前の敵に集中することにした。でないと、最終的にハジメ達諸共共倒れになるからだ。そう考えならも俺達は敵が来るまで己が武器の点検しながら戦闘準備を行うのだった。その時に愛子先生や生徒達がやって来た。その愛子先生達の後ろには剣やら鍬など武器になりそうな物を持ったウルの町の住民の男衆と自警団がいた。

 

 

「南雲!藤原!」

 

「園部か。……どうしたんだ、町の住民達は?」

 

「ごめん、私は止めたんだけど…」

 

「私達も戦わせてくれ!町中の戦える者を集めてきた。私達にも自分の町を守らせてほしい。私達の生活は観光業で成り立っている。生き延びても町が破壊されては駄目なんだ」

 

 

どうやら町の住民は俺達に守ってばかりでいられないと自ら武器を持ち、共に戦うと集まった様だ。…彼等の言い分も最もだが、その町で住む彼等が死んでしまっては意味が無い。だが、引き下がる気配すらない。どうするか考えているとハジメが声を掛けてきた。

 

 

「おい雷電。俺にいいアイデアがある」

 

「いいアイデア?彼らを死なせない方法でもあるのか?」

 

「いやっ寧ろ、()()()()()()()()()さ。……それとお前もうまく便乗しろよ?

 

 

利用する?それに便乗するって“一体何を?”って聞きたいくらいだ。するとハジメはウルの町の住民に告げる。

 

 

「聞け!ウルの町の勇敢なる者達よ!!この戦いは既に勝利が確定している、我々は女神の加護のもとにあるのだ!!」

 

 

突如と演説を始めるハジメ。町の住民はハジメの言う女神とは何なのか分からなかった一部ではエヒト神ではないのでは?と思う者もいた。しかし、この時に俺は察してしまった。ハジメが言っていた便乗の意味を。

 

 

「その女神の名は、“豊穣の女神”愛子様だ!」

 

「えっ?…え?」

 

「我々の側に愛子様がいる限り敗北はありえない!!愛子様こそ人類の……いや、今の時代に虐げられる弱者達の味方!!私は彼女の剣にして盾!!」

 

 

そう言ってハジメはユエに念話で演出の為に雷龍を放つ様に頼む。ユエもそれに了承し、バレない様に小さく詠唱し、雷の龍を生み出す。

 

 

「これが!!愛子様より教え導かれた……女神の剣の力である!!

 

 

その言葉を合図にユエは塹壕にいるクローン達に被害が及ばない様に塹壕から四百メートル離れた場所に雷龍を落とす。そして落とした地点に(いかづち)の柱が立ち、力を見せつけるインパクトとしては町の住民達には十分過ぎた。そしてハジメは俺にバトンを任せる様に言葉を続けた。

 

 

「女神の剣の力は今見せた通りだ!そして私の友であり、女神愛子様の使徒の軍勢の将軍であるジェダイの騎士“藤原雷電”の御言葉だ!!」

 

 

そうして俺の出番が来た。…ハジメよ、即興とは言え幾らなんでも急過ぎるだろ?そう考えながらも俺は冷静に住民達に対して演説を始める。

 

 

「ハジメの言う通り、私はジェダイ騎士の雷電だ。そして、君たちはもう既に会っているであろう女神愛子様を守りし兵士達、その名も“クローン・トルーパー”。彼等は私が生み出した使徒の兵士であり、女神愛子様をお守りする忠実な兵士である」

 

 

町の住民はクローン達のことを使徒の兵士だということに疑うどころか逆に信じられていた。特に極めつけはアクラメイター級の存在だ。町の住民は天から空飛ぶ箱船(アクラメイター級)が下りてきて、町の住民を救う為に使徒の兵士を送り込んだ。更には女子供をより安全な場所へと運ぶ為に箱船に乗せてもらっているのだ。町の住民を助ける為にここまでやってくれたクローン達を豊穣の女神愛子先生の使徒の軍勢の将軍である雷電はまさに、牙なき人々の牙となる人物だと町の住民はそう思えた。一方のクローン達は、戦う為に造られた存在でありながらこの異世界で使徒の軍勢として崇められるのは些か複雑な気分であった。そして俺は最後の締めくくりとしてクローン達や町の住民に最後の言葉をかける。

 

 

「ここに集まったウルの町の勇敢なる者達、そしてクローン・トルーパー達に告げる!今回の戦いでは第一波と第二派がある!!長期戦になることは明確である。しかし、恐れることはない!ウルの町の勇敢なる者達よ、我々には豊穣の女神こと、現人神の愛子様がおられる!我が友ハジメの言う通り、我々の側に愛子様がいる限り敗北はありえない!!そしてトルーパー達よ、これよりお前たちはこの町を守る為に諸君等の命を賭けてもらうことになる!それが激戦となろうとも我々は戦い抜き、この町を守り抜く!!だから、敢えて言おう……愛子様の為に死に急ぐな、生き残れ!そして為すべきことはただ一つ、愛子様のため!そして愛子様の故郷である共和国(日本)の為に!!」

 

 

 

「「「共和国の為に!!」」」

 

 

 

「愛子様に栄光あれ!!愛子様、万歳!!」

 

 

 

「「「ウオオォォォッ!!愛子様、バンザーイ!!」」」

 

 

 

……本当は愛子先生や俺達の故郷である日本は共和国ではなく中立国なのだが、クローン達やウルの町の人々の指揮を向上させるには丁度良い起爆剤だった。そして愛子先生はハジメや俺が女神として祭り上げた結果、かなり動揺していた。

 

 

「ど…どどどっど……どういうことですか!?」

 

「すまない、愛子先生。皆の指揮を上げるにはハジメの暗に便乗するしかなかった」

 

「せっかく“豊穣の女神”と呼ばれてるんだ。本物の女神になるくらいいいだろ?」

 

「いいわけありません!!「じゃあ後は任せた」…え!?」

 

 

愛子先生は最終的に町の住民に胴上げし、愛子先生を祝福するように祝っていた。一応俺はハジメになんで演説じみたことしたのかを聞きだした。ハジメ曰く、人々の支持を得れば愛子先生の意見が教会や国に通りやすくなる分、下手に愛子先生や生徒達に手出しが出来なくなるからだそうだ。それ即ち、生徒である俺達も適用されることで今後の俺達が旅をする上でメリットになるそうだ。……確かにメリットになることは確かだが、愛子先生にとって余計に負担になるのでは?と思ったのは余談だ。すると第二外壁の塹壕にいるクローンから連絡が入った。

 

 

《フジワラ将軍!敵の軍勢が見えました!!距離、千メートル付近で確認!約五分後で敵と接触します!!》

 

 

クローンの報告で俺はエレクトロバイノキュラーで確認をすると、報告通り魔物の軍勢六万がこちらに向かっていた。後に、異世界トータスの住民の歴史家達によってこの戦いは“第一次ウルの町防衛戦”として次の世代に語り継がれる事になることを今の俺達は知ることはなかった。

 

 

 

天之河の末路が原作通りであるが、追加すべき案は如何に?

  • その一 右腕を除いて左腕、両足切断
  • その二 暗黒面に堕ちる
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