ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
魔物の軍勢を率いる特殊部隊所属の魔人族こと“レイス”はウルの町に侵攻したのはいいものの、ウルの町の変わりように思わず口を開いていた。主な原因はウルの町の外周に四メートルの外壁の存在と、謎の白い鎧を纏った軍団が我々を待ち構えていた。
「バカな……たった一日だぞ?たった一日でもう人間共はこちらの侵攻に気付き、あまつさえ防衛陣地を構築しただと…!?それに、何だあの船は?いや……アレは船と呼べる代物なのか…!?」
自分が想定したことより遥かに予想の斜め上を行き、万全な防衛陣地で待ち受けられるとは予想もしなかった。更にはこの世界では存在しない筈の空飛ぶ船の存在により一層混乱に陥る。その時にレイスはゴーレム軍団のヒュケリオン将軍の言葉が頭によぎった。
“この先は我々の知らない未知の何かが待ち受けているということだ。我々とて出来る限りこちらの被害は最小限で済ませたいという意味では同じではないのかね?”
奴が言っていた知らない未知の何かとはこのことだったのか。だが、既にレイスは大見得きって先に進軍し、六万という数の暴力差でウルの町を攻め落とすことしか考えてなかった。
「……しかし、だからといっておめおめと引き下がる訳にはいかん。ここで引き下がっては私は魔国ガーランドにとって鼻つまみ者になる。…幸いにも愚かな勇者が集めた魔物の数がある。物量に任せれば何れ突破口ができるだろう」
そうしてレイスは魔物の軍勢に進軍する様に命令し、ウルの町への攻撃を開始した。その先が敗北という二文字しか無いことをしらないまま……。
レイスSide out
外壁の上で魔物の軍勢を目視で確認した俺達は、それぞれ武器を構える。ハジメはライセン大迷宮攻略の際に使用した電磁加速式ガトリング砲“メツェライ”とメツェライに仕様する専用弾薬BOXを宝物庫から取り出し、専用弾薬BOXと接続した給弾ベルトにセットし、いつでも撃てる様にする。ユエは魔法を、俺はライトセーバーでシアはドリュッケンの砲撃モードで構える。
「さーてと、お前たち準備は?」
「とっくに出来ているよ。後は……」
「この町を、守るだけ…!」
「みなぎってきたー!」
それぞれ準備万端だった。その時にハジメは清水の存在に気付いたのか清水がいないことに疑問を抱いた。
「…そういや雷電、清水の野郎はどうした?」
「清水は俺が別任務を与えたから今はいない。…だが任務を終え次第、こっちに戻ってくるぞ」
時間は一時間前に遡る……俺は清水に魔物の軍勢の後方にいるであろうゴーレム軍団に対して威力偵察に向かわせたのだ。危険な任務ではあるが、今の清水の腕前なら大丈夫と判断してこの任務を任せたため問題は無い。
清水のことで考えているとティオはハジメから何か貰ったのか嬉しそうな感じだった。よく見たら指輪型の魔力タンクのアーティファクトであることが判明した。
「神結晶を加工した魔力タンクと言っておったが……素直じゃないの〜?まさか戦いの前にプロポーズとはのぉ?」
「おい、それは貸しただけだからな?絶対返せよ」
ハジメはそう言うがティオは満更ではなさそうな感じで“いやじゃ、いや〜じゃ〜”と言葉を返す。色々とツッコミたかったハジメだが、敢えてスルーすることにした。
「……精々タンクが空になるまで、竜の力を見せてくれ」
「任せておくのじゃ、ご主人様!」
「フッ………一気に畳み掛けるぞ!!」
「あぁ!トルーパー、迫撃砲用意!地上部隊、及び外壁の援護部隊は迫撃砲の弾着後に一斉射!」
俺は外壁にいるクローン達に迫撃砲こと“モーター・ランチャー”を用意し、攻撃するよう指示を出す。地上や外壁の部隊がそれぞれブラスター・ライフルやカービン、固定式ブラスター・キャノンで射撃出来る様に待機する。
「迫撃砲、全てそろいました!」
「よし、迫撃砲……放て!!」
俺の合図で迫撃砲は発射されて砲弾が魔物の軍勢の方へと飛んでいく。
「5…4…3…弾着、今!」
迫撃砲を撃ったクローンの合図で砲弾が着弾し、魔物の軍勢の数百を削れたと同時にクローン達に一斉射の指示を出す。
「全トルーパー、攻撃!!」
「撃てぇ!!」
ハヴォックが俺の言葉に便乗する様に全クローンに撃つ様に命じる。そして地上と外壁からの一斉射撃が始まった。迫撃チームのクローン達も迫撃砲で引き続き援護を行う。各ブラスターから放たれる無数の光弾と迫撃砲から放たれる砲弾が六万の魔物の軍勢に襲いかかる。ブラスターや砲弾を防ぐ術を持たない魔物達は次々とブラスターの光弾の餌食となる。追い討ちをかける様にハジメが持つメツェライによる掃射で魔物達をミンチにし、シアの砲撃モードのドリュッケンによる砲撃で次々と魔物の数を減らす。そしてユエの重力魔法とティオの紫炎の魔法の二つにより更に魔物の数を減らす。最早戦争ではなく一方的な暴力といった感じで魔物の数を徐々に減らしていった。地上から攻め入るのが困難な魔物の軍勢だったが、空中の魔物は我先にと外壁へと向かってきた。
「トルーパー!敵が上空からくるぞ、対空防御!」
ハヴォックの指示で外壁上のクローン達は固定式ブラスター・キャノンで対空迎撃を行う。そしてハジメもメツェライの弾薬が残っているうちに上空にいる魔物に向けて対空迎撃する様に掃射する。空中の魔物が為す術も無く掃討された時には密集した大群のせいで隠れていた北の地平が見え始めたと同時に遂にティオが倒れた。
「むぅ、妾はここまでのようじゃ……」
そうティオが言った瞬間、ハジメから貰った魔力タンクこと魔晶石の指輪が魔力の底が尽き、役目を終えたかの様に砕け散る。
「あぁ!?
「変態にしてはやるじゃねえか。後は任せて寝てろ」
「…ご主人様が優しい……罵ってくれるかと思ったのじゃが……いや、でもアメの後にはムチが……期待しても?」
「そのまま死ね」
血の気の引いた死人のような顔色で、ハジメの言葉にゾクゾクと身を震わせるティオ。とても満足げな表情をしている。ハジメは、その様子に嫌なものを見たと舌打ちしながら、引き続き地上の魔物を掃討する。戦闘を開始してから既に10分が経過し、魔物の軍勢は当初六万だった筈が今では一万を割り八千から九千まで数を減らされた。その時にハジメのメツェライは既に弾切れだった。
「俺の残弾は無し……ユエ、魔力の残りは?」
「…ん、残りが魔晶石二個分くらい……重力魔法の消費が予想以上。要練習」
「十分だ。残りはピンポイントでやる」
「……ん、後でご褒美」
そう言ってハジメは宝物庫からシュタイフを取り出し、乗り込んで俺やシアに続く様に言ってきた。
「行くぞ雷電、シア!!」
「はいです!」
「ああ!地上のトルーパー、今が好機だ続け!」
「はいっ将軍!よしっ野郎共、将軍達に続け!!」
そう先導するクローンにつられる様に他のクローン達も“前進、突撃!”と発して、塹壕から出て突撃を行った。ハジメの我流ガン=カタとシアのライトセーバーとドリュッケンを駆使した戦闘、更に雷電のライトセーバーの剣術にクローン達の攻撃で次々と魔物を倒していく。このままいけば全ての魔物を一掃することができるな。なお、愛子先生の所にいた生徒達男性陣は戦う相手がバトル・ドロイドではなく魔物と違う相手ではあるが、最早クローン戦争に近い何かと感じ取っていたのは余談だ。
雷電Side out
一方、後方で待機を命じられたゴーレム騎士団“アテネス”は魔物の軍勢を率いるレイスが魔物の軍勢より十分の一位少ない兵力に圧倒されていたことを偵察のゴーレム兵から聞かされる。そして新たな戦局情報が入ってきた。
「レイスが率いる魔物の軍勢、兵力が既に五千を下回りました!もはや壊滅状態です!」
「やはりこうなることは必然か……」
「それともう一つ報告が、我が方の偵察員三名が
偵察のゴーレム兵からの報告はまさに予想外な報告だった。しかし、彼ことヒュケリオンにとってはそのことも想定内だったのかかなり冷静だった。
「そうか……して、被害は?」
「はっ…三人の内二名は我々の急所とも言える核が撃ち抜かれていました。それともう一人は敵は我々の急所の核を探っていたのか身体中に無数の穴がありました。ただ、やられた三人の共通の死因は同じ熱量を持った何かに核を撃ち抜かれたことです」
ヒュケリオンは恐らく前線で戦っている魔物の軍勢が相手をしている白い兵士達の武器のことを考えた。あの武器は我々の使う武器とは違った技術の産物だ。我々ゴーレム騎士団にしか支給されていない武器、それは“プレスガン”。魔力によって感応石を加工した特殊靭帯を収縮させピストンを作動、それによって生じた圧縮空気により弾丸を射出する、いわば一種の空気銃だ。そのプレスガンより勝る武器が向こうに存在していたとはな。あのウルの町のウルディア湖上空で動かずにいる箱船の存在が気になったと同時にヒュケリオンは、内心で思わぬ掘り出し物を見つけた様に心を躍らせていた。
そう考えていた時に一人のゴーレムとゴーレム騎士団と似た鎧を着た二人の魔人族がヒュケリオンの元にやって来た。
「将軍、もう魔物の軍勢の方は既に壊滅状態。前線を維持することすらままならないでしょう。ここは今が引き際かと……」
そう報告してきたのは私の補佐官の“ベルセボネ・ウリヤノフスク”。彼は私の忠実な将軍補佐であり、ゴーレムの中で重量級でありながらそうとは思わせない動きを見せることが出来るゴーレムだ。
「全く…あのレイスって人、散々大口を叩いたくせに少ない敵軍勢に打ち破られるんだから。もっと粘って欲しかったけどね?」
「ニケ、あまりそう言ってやるな。相手が相手だ、彼等にとっても想定外過ぎたんだろう」
“は〜いっ大佐!”と返事をするのは魔人族の女性ニケこと“ニーナ・ケルト”。そして彼女の保護者に近い魔人族の男性“イオ・ケルティス”。二人は生まれ育ち魔国ガーランドの魔人族でありながら、人間達と同じ肌色を持ち、“人間擬き”と迫害された者達でもあった。そんな彼等を私が引き取り、家族当然の様にゴーレム騎士団に迎え入れた。その際にイオは、自分たちを拾ってくれた恩を返そうと私に忠誠を誓い、信頼を勝ち得たのだ。そんな二人に私は、ゴーレムの装甲ともいえるシュタル鉱石を魔国の錬成師に製作させ、鎧を与えた。イオには“トロイア”を、ニケには“ギラトス”を。それぞれ二人の特性を見極めて造らせた鎧でもある。
「あの者達のことも気になるが、被害がこれ以上広がる前に撤退した方が良さそうだな…。全軍、これよりこの戦域を離脱する。尋問官が送った後方の増援部隊と合流し、態勢を立て直す」
そう告げて我々は、戦っている魔物の敗残部隊を置いてゴーレム騎士団全員に撤退命令を下す。そして退き間際に私は魔物の軍勢を打ち破る三人の姿を目視で確認する。一人は銃を二つ持ち、もう一人は光る謎の剣を持ち、最後の一人は戦鎚と二人目と同じ光る謎の剣を駆使して次々と蹴散らしていった。
「我々の戦い方とは違う者達……か。いずれにせよ、二回目の攻撃で戦うことになる筈だ。その時に戦ってみたいものだな?」
私自身でも自覚している戦闘狂を抑えながらも、ゴーレム騎士団を率いてこの場から撤退する。……本当に思わぬ掘り出し物を見つけたものだ。
ヒュケリオンSide out
ウルの町防衛戦開始から既に15分が経過し、魔物の数は千を割り残り五百から六百までしかいない状況で、もはや俺達の勝ちが確定していた。そして交戦中の魔物達に変化が起きた。
「おいっ見ろ、奴ら退却し始めたぞ!」
一人のクローンが言った通り、他の魔物達が退却を始めたのだ。退却する頃合いとしては完全に遅過ぎるのだが、魔物達を率いる魔人族を逃がす為の囮なのかもしれない。
「…どうやらあらかた片付いたようだな」
「はぅ〜……疲れました」
「いや、まだ終わってない。今は魔物の軍勢という名の第1波を凌いだが、あのゴーレム軍団は前線に出ていなかった。戦力を温存して撤退したようだ。これはこれで一筋縄じゃいかないようだ。それとトルーパー、こちらの被害はどうだ?」
「幸いにも死者は出ませんでしたが、負傷者が出ました。一部の獣の魔物に噛みつかれて負傷した者が多いようです」
どうやらクローン達に死者は出なかったものの、負傷者が出たようだ。俺はすぐに負傷者の治療と搬送を指示した後に俺たちは外壁の方へと戻っていった。すると突然、コムリンク通信機から通信が届いた。俺はすぐに通信を開くと通信相手が清水からだった。
《聞こえるか、雷電》
「あぁ、聞こえているぞシャドウ。どうした?」
《ゴーレム軍団に対して威力偵察してみたところ、奴らの装甲の材質はシュタル鉱石であることが判明した。それともう一つ、奴らには銃らしき物を所持している》
清水からの報告からゴーレム軍団の装甲の材質がシュタル鉱石を使用していることと、銃らしき物を所持していることが判明した。まさかゴーレム軍団が銃を所持しているとはな…。清水からゴーレム軍団が所持する銃の詳細を聞き出したところ、一種の空気銃であると同時にウィルを探しにいった時に偶然見つけた壊滅した隊商の死体のことを思い出した。彼等の死因は銃痕擬きによる穴だ。清水にその銃の銃口はどのような形をしているのか聞き出すと円形ではなく四角形の銃口だった。この情報で壊滅した隊商の死体の死因がより明確に判明された。どうやら彼等は運悪くゴーレム軍団と接触して口封じ、或いは物資を略奪されたのだろう。すると清水から無茶な賭けに出ることを告げる。
《ゴーレム軍団の中に指揮官らしきゴーレムもいる筈だ。可能なら暗殺してくる》
「なにっ!?幾ら何でも危険だ!それにお前の任務は飽くまで威力偵察だ、すぐ戻ってこい!」
《どの道、奴を生かしておいてはそっちにも支障が来す筈だ。なら、後顧の憂いを断っておく必要がある。それと問題ない、無理と判断したら直ぐに撤退する》
「そうじゃない!シャドウ、もし連中が罠を張っていたらどうする!?今すぐ撤退し、こちらと合流しろ!これは命令だ、シャドウ!!」
《(
「清水!命令を聞け!」
そう清水に告げるも途中で清水が通信を切り、こちらとの連絡を断った。清水はああ言ったら絶対にやると思った俺は嫌な予感を感じ、直ぐに俺はアクラメイター級にいるクローンに通信を入れる。
《フジワラ将軍?何か問題でも…?》
「緊急事態だ、至急ガンシップを用意してくれ!人員はこちらで用意する!」
《は…はいっ将軍!直ちに!》
クローンとの通信を終えた後、ハジメ達も俺の異常性に気付いた様だ。
「おい雷電、清水がどうかしたのか?」
「なにか慌ただしい感じでしたけど?」
「ハジメ、シア。面倒なことが起きた。清水が独断でゴーレム軍団の将軍を暗殺を行おうとしている」
「えぇっ!?」
「マジか……つーか、その様子だと救援部隊を送るつもりか?」
「そのつもりだ。清水の救援にARCトルーパーを二個分隊派遣させる」
ハジメ達に簡易的に説明した後、俺はARCトルーパー二個分隊を召喚し、指揮官のキャプテンクラスのARCキャプテンに状況と作戦を説明した後にアクラメイター級から送られてきたガンシップがやって来て、ARCトルーパー達がガンシップに乗り込み、そのまま清水の救援に向かうのだった。しかし……それでも嫌な予感が拭えないでいた。
「……嫌な予感がする」
そう呟きながらも俺はARCトルーパー達が清水を無事に連れ戻って来ることを祈った。
雷電Side out
一方、ヒュケリオン率いるゴーレム騎士団は尋問官が送った増援部隊と合流する為に岩山のルートを通って撤退していた。その際に魔物の軍勢を指揮していたレイスと合流したものの、レイスは先の戦いの敗北に苛立ちを覚えていた。
「おのれ…!あのような軍団や想定外の三人さえいなければ、この様な無様をさらすことにならなかったものを……!」
「はいはい、たとえあの白い兵隊達がいなくてもあの三人だけでも敗走確定だったもんねぇ?」
彼等がいう三人とはハジメとシア、雷電のことであり、白い兵隊はクローン・トルーパー達のことをさしていた。レイスが雷電達に敗北し、屈辱を覚える中、ニケはレイスに小馬鹿にする様に煽る。その際にベルセボネがニケに注意し、レイスにフォローを入れる。
「ニケ、あまりそう言ってはなりません。彼とて私達の同志でもあります。それに、これは飽くまで戦略的撤退です。すこし後方で増援部隊と合流するだけです」
「あっそれ使い勝手のいい言葉ですよね、“戦略的撤退”。本当はあの白い兵隊達やあの三人組に徹底的にやられただけだけど」
ニケの毒舌に流石のベルセボネも何も言えなかった。ヒュケリオンにいたっては“まだ若いな”と思う程度だった。イオの場合は少しばかりニケの言葉使いに困る感じであった。
「斥候さん、もっと先行って」
「はッ!」
そうニケは斥候のゴーレムに指示を出した後に斥候のゴーレムの後に続こうとした時、イオは何かを感じ取ったのかニケに止まる様に告げる。
「……ニケ、止まれ」
「えっ?……っ!」
ニケはイオの言葉に従って止まり、先導していた斥候のゴーレムを見た瞬間斥候のゴーレムが何かに狙撃され、核を撃ち抜かれてそのまま倒れ込み、動かなくなった。この異常性を見た全てのゴーレムは近くにある岩場に身を隠し、敵の狙撃を警戒した。
(一撃……射角……首元の薄い装甲……距離……)
ヒュケリオンは敵狙撃手がいる所を計算し、上を見上げるとそこには白い兵士とは真逆の黒い兵士がいた。ヒュケリオンはその黒い兵士に見覚えがあった。あの黒い兵士は尋問官の隣にいた兵士である。しかし、その黒い兵士が何故こちらを襲うのかと思ったが、その際に尋問官が増援部隊を送る際にこう言っていたのだ。“裏切り者のパージ・トルーパーには気を付けなさい”と。そう辻褄が噛み合った瞬間、敵であると発覚した。
ゴーレム騎士団Side out
俺ことシャドウはゴーレム軍団よりも先に岩山のルートで待ち伏せをしていた。待ち伏せをする数十分前、雷電たちが魔物の軍勢と交戦している間に俺は威力偵察で斥候のゴーレムを三つ倒し、倒したゴーレムの装甲の調査と、ゴーレムが所持していた武器を回収してみたところ、何かしらの方法で空気を圧縮して弾丸を飛ばす空気銃らしきものと、ゴーレムの左肩に懸架していたロングソード、そしてシールドの三つだった。そして極めつけはゴーレムの装甲がシュタル鉱石であったことだ。ハジメの研究材料用に俺は空気銃を回収し、ロングソードとシールドは何かの役に立つと思い回収する。そして俺は雷電に通信を入れ、倒したゴーレムの装甲の材質や空気銃の存在を知らせる。その時にゴーレム軍団がこの岩山に通ってくる可能性があると判断し、このままゴーレム軍団の指揮官を狙うことにした。雷電が戻ってこいと命令するが、このまま奴らを放置したら面倒なことになるのは目に見えている。俺は雷電の命令を無視して通信を切り、独断でゴーレム軍団の指揮官暗殺を行うことにした。
そして今現在、俺は岩山の真上で待機してゴーレム軍団がやって来るのを待った。そして斥候らしきゴーレムを肉眼で捕捉出来た後に斥候の後ろからついて来る他のゴーレムの動きを止めると同時に警告を兼ねてDC-15Aで斥候のゴーレムに対して狙撃し、他のゴーレムに威嚇する。その際に白い布で被さった黒いゴーレムが俺の存在に気付いたのか上を見上げてきた。その際に俺はそのゴーレムがゴーレム軍団の指揮官であると断定し、ここで仕掛ける事にした。
「……仕掛けるなら、今しかないか」
DC-15Aを懸架し、背中に装備しているジェット・パックを起動させ、敵ゴーレムから奪ったロングソードとシールドを持ってそのままゴーレム軍団の先導にいる水色のゴーレムの鎧を着た魔人族に向けて降下した。
「ニケ、11時80度だ!」
黒のゴーレムが魔人族にそう告げ、その魔人族は両手に持つ複合兵装らしき武器で対空迎撃を行った。複合兵装裸子き武器から放たれる弾丸はどうやら空気銃と同じ代物らしく圧縮した空気で弾丸を飛ばしている様だ。そう理解しながらもジェット・パックのスラスターの調整でバレルロール回避しならがら背面に回り込み、ロングソードを使って落下の速度と重さを利用してそのまま魔人族の右腕を切り落とそうとする。しかし、その魔人族は脊髄反射で右手に持つ複合兵装を離し、複合兵装が破壊されることで右腕の切断を逃れる。
「黒い兵士……!」
「ニケ!離れろ!!」
「ッ!クッソ、がーー!!」
魔人族は残った左腕が持つ複合兵装で俺を薙ぎ払う様に振るう。その時に俺は奪ったシールドでその攻撃を受け流し、攻撃後の隙を見て、俺はその魔人族を殺さず足で魔人族の左腕を押さえつけながらロングソードを捨て、魔人族を盾にしながらDC-15Aで射撃する。
「くっ…!ニケ!!」
「ニケど…ぐがあッ!?」
殆どが岩場に身を隠しているため当たらなかったが、射撃の際に数発の内一発が後方のゴーレムに直撃して倒れた。
「ニケは殺さず盾に……これでは動けん!」
味方が盾にされて反撃するのが困難であることに敵の動きが止まり、こちらが弾切れを起こすまで待っていた。しかし俺は無駄弾を撃たない様に射撃を止め、敵の動きをよく見ていた。
「(反撃が無いところ、
すると黒いゴーレムは俺が倒したゴーレムから空気銃を回収し、それをなんと盾にしている魔人族に向けて撃った。
「すまんがニケ、少し痛いぞ」
「将軍!?」
黒いゴーレムが狙ったのは盾にされている魔人族の足だった。どうやら盾にされている魔人族が立てなければ盾になる価値が無くなると見て撃ったのだろう。
「ぐぅっ!?大佐!!」
「…チッ!思ったより頭が回る様だ!」
案の定足を撃たれた魔人族は倒れ込み、盾としての利用価値が無くなり、俺はすぐにジェット・パックを起動させて後方へと飛翔しながらDC-15Aで指揮官である黒いゴーレムを狙うも、黒いゴーレムはこちらが弱点を狙っていることに気付いていたのか空気銃を盾にして直撃を免れた。
「飽くまで正確無比。……手強いぞ、狩られるなよ!」
そう黒いゴレームが言った時に何かが滑る音が聞こえた。俺はその音が聞こえる方へ向けると、そこには何時の間に回り込んだのか両手持ちの戦斧を構えながら滑って来るゴーレムの姿があった。
「…何っ!?」
「粉砕せよっ!虫けらっ!!」
反応が遅れて回避が間に合わないと思った次の瞬間、何処からともなくブラスターの弾幕が俺に向けて戦斧を振るおうとしたゴーレムに降り注ぎ、身体をズタズタに引き裂かれる様に砕け散った。俺はブラスターの弾幕の発生源らしき場所を見てみると、そこには雷電が寄越したと思われる精鋭部隊のARCトルーパー達の姿があった。
天之河の末路が原作通りであるが、追加すべき案は如何に?
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その一 右腕を除いて左腕、両足切断
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その二 暗黒面に堕ちる