ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
4話目です。
檜山達が起こした虐めの一件以降、檜山達はハジメを虐める様子はなく大人しくしていた。そして天之河とクローン達の間で大きな溝が出来ていた。無論、悪い意味でだ。コルトと天之河は檜山達の一件以来、衝突が絶えなくなった。天之河曰く、他の皆を自分が必ず守り抜くと断言しているのにも関わらず、コルトは
そんなことを考えながらも俺は自身の武器こと、ライトセーバーの変わりになる武器の開発をクローン、そしてハジメと共に行っていた。武器開発の際、特に注目したのはホロワン・メカニカルズ社が製造した棒状の接近戦武器である“エレクトロスタッフ”である。これは独立星系連合の“IG-100 マグナガード”が標準装備として造られた武装で唯一ライトセーバーに対抗出来る武器でもある。しかし、そのエレクトロスタッフを作るのに欠かせない合金がこの世界には存在しないことにおれたちは頭を抱えていた。その合金とはフリク合金である。何とかフリク合金の代わりとなる合金をこの世界で最高の硬度と靭性の鉱石で作るしかなかった。
「さて…問題は、このエレクトロスタッフをどうやって長バトンとして作るかだ。色々と問題視する所もあるが、最優先事項は二つ。一つはスタッフをバトンにすることと、もう一つはバトンの先端部分の電磁モジュールの長さだ。83.5cmが理想だな」
俺が理想とするのはライトセーバーのプラズマの刃の長さを持ったエレクトロバトンだ。あの長さならライトセーバーの代わりにもなり、電磁モジュールの威力を調整すれば非殺傷武器にもなる。そして何よりも、ライトセーバーのプラズマ刃に対して唯一対抗出来る武器であると同時に使い方によってはブラスターから放たれるエネルギー弾を弾く事が出来る。
「それはジェダイが使っているライトセーバーとしての感覚ですか?」
「まあな。ただ……問題点を挙げるなら電磁モジュールのエネルギーだ。只でさえ電磁モジュールを伸ばすとなると消費するエネルギーが倍増になる。となるとバトンにケーブル付きのパワーパックを付ける事を考えなければならないな」
そう、先端部分である電磁モジュールをライトセーバーのプラズマ刃と同じ長さにするとエネルギーが余計に必要になる。となると古代ジェダイが使っていたと言われるプロトセーバーをベースに作るしかないと思われた。しかしここでハジメがある提案を俺たちに言う。
「……だったらこの世界の鉱石である“シュタル鉱石”なんかはどうかな?」
「シュタル鉱石?初めて聞く鉱石だが、それはどんな鉱石なんだ?」
「訓練の合間に僕は図書館でこの世界の鉱石について調べていたんだ。色々な鉱石があったけど、特にシュタル鉱石と呼ばれる物は魔力との親和性が高く、魔力を込めた分だけ硬度を増す特殊な鉱石だって書いてあったんだ。つまり、このシュタル鉱石の特性である魔力を込める分だけ硬度を増す性質を利用すれば……」
「なるほど、俺の場合は魔力が異常な位に多いからな。それに、魔力の方でも雷の魔力を込めれば硬度を増すと同時に電磁モジュールに送るエネルギー代わりにもなる」
そして何よりも、態々ケーブル付きパワーパックでなくても良いという事だ。ケーブル付きだと取り回しが悪くなる原因にもなるし、ケーブルが切断されてパワー不足で起動しなくなるという不慮の事故を避けられる。しかし、問題は魔力となると自身から魔力を供給する量に気をつけなければならない。下手をすれば魔力切れで倒れ込んでしまう場合がある。さらに付け加えるならそのシュタル鉱石だ。もしかしたらフリク合金の代用品として使えるかもしれないが、そのシュタル鉱石が市場に出回っているかどうかだ。だが、これでもハジメの案は最善の方だと俺は思う。何せフリク合金の代わりをどうするか考えていた所にハジメが良い所で案を出してくれた事で代用品の鉱石となる物が判明したのだから。もしシュタル鉱石が市場に出てなければメルド騎士団長に頼んでみる他にないな。
「ハジメ、ありがとな。おかげでエレクトロバトンの開発が楽になりそうだ」
「そ……そう言われると何か恥ずかしいな……」
「あまり自身を蔑ろにするな。お前のアイデアや知識のお陰で助かっているんだ。素直に喜んでも罰は当たらんさ」
そうクローンがハジメに対して言い、ハジメはハジメで何かと照れくさかった様だった。そんな事もありながらもエレクトロスタッフの派生、最新化された“エレクトロ・ロングバトン”の開発ルートが決まるのであった。
訓練を始めてから約三週間が経過した。エレクトロ・ロングバトンの開発は素材などの調達が困難な事があって一週間を要したが、ハジメの協力があって試行錯誤を繰り返してようやくエレクトロ・ロングバトン試作1号の開発に成功したのであった。試しに俺はエレクトロ・ロングバトンに雷の魔力を込めると電磁モジュールに魔力というエネルギーが伝導し、蔓状のエネルギーを発生させた。
「……よし、いい感じだ。出力も申し分ないし、重さも丁度良い。使いやすい」
「では、課題点であるブラスターを弾けるかどうかですね?」
「あぁ。トルーパー、実証テストの為にブラスターを低出力で撃ってくれ」
「はい、将軍。では……」
一人のクローン兵がブラスターの出力を調整した後にブラスターを俺に向けて撃った。俺はエレクトロ・ロングバトンをライトセーバーと同じ様にブラスターを弾いてみようとする。エネルギーを纏った電磁モジュールにブラスターのエネルギー弾が直撃するや否や、ブラスターのエネルギー弾が明後日の方角に弾かれる。そう、テストは成功したのだ。
「どうやら性能の方も申し分ないな。……ただ問題点を挙げるならこれの製造コストが高めであって、斬撃武器ではなく打撃武器だ。少しばかり慣れが必要だが、戦いで使いこなすしかない様だ」
「そのようですね。…それと将軍、メルド騎士団長からそろそろ移動をするとの事です」
「分かった。俺たちもそろそろ向かうとしよう」
クローン兵から“イエッサー”と言葉を皮切りにエレクトロ・ロングバトンを持ってクローン達と共にその場を後にした。そして俺たちはメルド騎士団長が率いる騎士団員複数名に連れられ、馬車で移動をしていた。その向かっていた場所とは宿場町ホルアドであり、明日からいよいよ向かうであろう
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藤原 雷電 17歳 男 レベル10
天職:■■■■■■■■
筋力:180
体力:190
耐性:130
敏捷:170
魔力:720
魔耐:150
技能:フォース感知者・フォース光明面・フォース暗黒面・剣術・ライトセーバーの型[シャイ=チョー][ソレス][ニマン][ジャーカイ]・クローン軍団召喚・言語理解
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相も変わらず天職の方は伏せ字によって隠されているが余り気にする事はないだろう。ただ、明日の迷宮攻略戦では何かと嫌な予感がする。フォースの方も何かとざわついている。明日から起こる未来が見通せない中、俺はここしばらくの間動きを見せなかった檜山達……もとい、檜山が何を仕出かすのか不安が隠せなかった。万が一の事を考えて俺はコルトに階級が高いクローン・キャプテンやコマンダー、ARCトルーパーが携帯するDC-17をハジメに渡す様に頼み、不安要素を減らそうと試みた。だが、その不安が現実のものになる事をこの時の俺は思いもしなかった。
雷電Side out
雷電の武器開発に手伝った僕は宿屋で雷電と会い、彼から例のエレクトロ・ロングバトンが完成したのを聞いて嬉しく思った。そして明日に備えて僕は宿屋の部屋でベットに寝転んでいた。その時に僕は今の自分はどうなったのか確認する為に自分のステータスプレートを見ていた。
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南雲 ハジメ 17歳 男 レベル12
天職:錬成師
筋力:43
体力:40
耐性:59
敏捷:54
魔力:42
魔耐:45
技能:錬成[+精密錬成][+電子機器錬成][+電子機器組立て錬成][+複製錬成]・銀河共和国式近接格闘術・光学兵器知識・言語理解
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雷電の武器開発に関わって以来錬成する機会が多かったため何度も錬成しては失敗を繰り返して新たなる技能を得た。それが“精密錬成”と“電子機器錬成”と“電子機器組立て錬成”、そして“複製錬成”である。精密錬成はその名の通り何回も錬成をしたことでより精密な錬成が出来る様になった能力だ。電子機器錬成と電子機器組み立て錬成はエレクトロバトンの部品を錬成を行っているうちに技能として会得した物だ。最後に複製錬成は電磁モジュールの部品の仕組みをクローンから教わりながらも錬成しては失敗を繰り返したが、何度も錬成する事で錬成スキルが上がって来たことで新たにこの複製錬成を得たのだ。一度錬成した物を完全に複製して錬成する事が出来るものだった。それによりエレクトロバトンの部品を複製錬成し、万が一失敗してもまた組み立て直す時に素材不足に悩まされる事がなくなったのであった。……正直思えば彼との出会いがなかったら今頃僕は檜山達の様な者達に虐められる者として過ごしていたかもしれない。そう考えていると、ドアからノックする音が聞こえた。…こんな時間に誰だ?と思った時に意外な人物の声が聞こえた。
「…南雲くん起きてる?白崎です、ちょっと…いいかな?」
「白崎さん?い…今開けるよ」
僕はドアの方に向かい、鍵を外してドアを開けるとそこには純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの白崎さんの姿があった。流石に僕でも今の白崎さんの姿には恥じらいを覚えるのであった。それでも僕は白崎さんから何しに来たのか聞き出してみた。
「えっと……何か連絡事項でもあるの?」
「え…えっとね……その…なんていうか…少し南雲くんと話したくて……やっぱり迷惑だったかな?」
「い…いや、そんな事はないよ。…と、とにかく廊下だと寒いし、中で話そう」
正直に言って“なんだこの展開!?”って思える程僕は緊張していた。とりあえず僕は彼女の身体が冷えるといけないのであったかい紅茶をだして一息ついた。そして一息ついた後に僕は白崎さんから何の話なのか聞いてみた。
「そ…それで、話って何かな?」
「うん…明日行われるオルクス大迷宮での実戦訓練の事なんだけど……南雲くんにはこの町で待っててほしいの」
「え…?ど、どうしてそんな事を?」
白崎さんから言われたのは僕はこの町で待ってて欲しいとのお願いであった。最初にそう言われた時はまさかの戦力外通告だと僕は少し思ってしまったが、それは違った。
「私さっき少し眠ったんだけど……夢を見てね」
「夢?」
「とても嫌な夢……その夢の中で南雲くんと藤原くんが居たんだけど、何度も声を掛けても全然気がついてくれなくて…どんどん遠くに行っちゃって、走っても走っても全然追いつけなくて……そして最後は二人が消えてしまうの」
夢か……確かに白崎さんにとって恐ろしく不吉な夢なのかもしれない。でも飽くまでも夢は夢。雷電や天之河くんの様な訳ではない。それ故に彼女は不安を隠せないでいるのであろう。
「そ……そっか」
「だから怖くなって、明日の特訓で何か起こるんじゃないかって」
「ハハ…夢は夢だよ白崎さん。今回はメルド団長が率いるベテラン騎士がついてるし、天之河君みたいな強い奴も沢山いる。そして雷電が召喚し、率いるクローン軍団もこの世界の軍隊ですら引けを取らないくらい最強だし、敵が可哀想なくらいだよ」
実際は雷電が召喚したクローン達が使うブラスターはこの世界の技術力じゃ到底作れない代物だ。事実上彼の軍隊を超える人間族の国家は存在せず、…もっとも唯一対抗出来るのは多分魔人族くらいかな?そう思っていると白崎さんから急に中学の頃の話を持ちかけて来た。
「…ねぇ南雲くん。中学の時の事を覚えてる?南雲くんが道の真ん中で土下座してたの」
「え…土下座!?……って、あー……あの時か。そんな事もありましたねぇ…」
そう、あの時に雷電とであったのはその時期であったのだ。下校中の時に偶然子供とその子供のおばあさんがガラの悪い男に謝罪しているのを見かけたのが始まりだったな。子供が誤ってガラの悪い男の高級スーツを汚してしまい、おばあさんが怯えながらクリーニング代を渡してたんだった。その場にいた当時の僕はスルーするつもりだったんだけど、ガラの悪い男が子供に手を上げようとするのを見て身体が勝手に動いたんだ。……と言っても相手がドン引きするぐらい土下座とおばあさんが渡した倍のクリーニング代を渡したんだけど…ガラの悪い男は僕の言葉を聞かずに子供の代わりに僕に殴り掛かろうとした時に偶然彼こと雷電がその男を止めて何とか説得してくれた。これが僕と雷電の最初の出会いだった。だが、ガラの悪い男の怒りがエスカレートしていく一方だった。その時の雷電は何かを諦めた様子をしながらも手を翳して“余り怒らない方が言い”と何かしらの暗示を呟くとそのガラの悪い男も雷電の言葉を同じ様に返す様に怒りを鎮めた。そして彼はガラの悪い男に“クリーニング代を彼らに返して、自分でクリーニングに行くべきだ”と言い、男も雷電の言った言葉を復唱し、僕やおばあさんにクリーニング代を返してその男はこの場から離れたのであった。……よくよく思えば彼はフォースを使い、フォース・マインドでガラの悪い男を引かせただっけ?。…と言うか、あの場に雷電以外にも白崎さんがいたんだ。
「まさか白崎さんに見られていたんだ……いやぁお見苦しいところを」
「ううん、見苦しくなんてないよ。あの時の南雲くんと藤原くんは凄くかっこ良かった。強い人は暴力で解決するのが簡単だよね。光輝くんとかよくトラブルに飛び込んでいって相手の人を倒しているし。…でも弱くてもそういうことに立ち向かえる人はそんなにいないと思うよ。実際あの時も私は怖くて…自分は強くないから誰か助けてあげてって思うだけだった。周りの大人もみんな見て見ぬフリだった。でも、その時に藤原くんが来て殴られそうになった南雲くんを助けて、話だけ解決した。だから高校で南雲くんたちを見つけたときは嬉しかった。南雲くん、話しかけてもすぐ寝ちゃうし、藤原くんもいつも昼休みの時は屋上で瞑想したりして話しかけても聞いてもくれなかったけど、あの日からね…南雲くんと藤原くんは私の中で一番強い人なんだ」
まさか白崎さんが僕たちの事をそんな風に思われていたなんて思いもしなかった。学校で気にかけてくれているのはそれが理由か。…でも、僕なんかよりも白崎さんは雷電のほうがいいと思う。……と雷電に言ってもその気はないと言うかもしれない。何せ彼は前世ではジェダイとして禁欲的な生活をしていたから(と言っても地球に転生した後はジェダイの掟である禁欲から解放されたから普通の人と大差変わらないけど…)恋愛感情に対して薄いかもしれない。
「ありがとう白崎さん…でも、僕は…白崎さんが思うほど強い人間じゃないよ」
「え…!?」
「僕はただ面倒事を避けているだけさ。自分が弱いのを嫌というほど知っているから。一応コマンダー・コルトからの指導があるからマシといえばマシになったけど………」
確かに雷電がクローンの中で精鋭部隊とも言えるARCトルーパーのコマンダー・コルトを召喚して僕の訓練教官になってくれた事で僕は檜山達の虐めから対処出来たのだけど、それでも他のみんなより僕のステータスの能力値の成長が低い分嫉妬や劣等感が溜まっていく感じだった。
「コマンダー・コルトって、もしかしてコルトさんの事?」
「うん。まぁ…指導してくれているのだけれどもやっぱり嫉妬や劣等感とか嫌な気持ちでいつもいっぱいで…この世界に来てからもそうだよ」
「そうか?俺はそんなつもりでお前を指導したつもりはないが?」
白崎さんと話している最中に突如とコマンダー・コルトがやって来たのだ。
「こ……コルトさん!?」
「コマンダー・コルト!?あっ……いや、僕はその……決して疾しいことは」
「何を言っているんだ?俺はまだ何も言っていないぞ?それとだハジメ、お前鍵を閉め忘れていたぞ」
そうコルトが答えると僕は一旦落ち着いて冷静さを取り戻した。コルトが言っていた様にどうやらあの時白崎さんが僕に訪ねて来た時にテンパってドアを閉めたのは良いが鍵を閉め忘れてしまった事に気がつかなかった。
「訓練の時にも言ったが、あまり自分を蔑ろにするな。お前が積んで来た経験は決して無駄にはならない。現にお前はちゃんと成長をしているし、将軍が言っていたがステータスが全てではない。戦場ではそれは単なる飾りでしかならない」
「将軍?……それってもしかして藤原くんのこと?」
「あぁ、その認識であっているぞ白崎。俺たちクローンは将軍と共に戦う為に存在するからな。それとだハジメ、将軍に言われてお前に渡すよういわれた物がある」
そうコルトが言い、ホルスターからDC-17ハンド・ブラスター引き抜いた後に僕にそれを手渡した。
「これって…DC-17ハンド・ブラスター!?で……でもこれって特に階級が高いクローン・キャプテンやコマンダー、ARCトルーパーが携帯する筈じゃ……」
「心配するな、そいつは俺の訓練によく耐えてきたお前への褒美だ。もっとも危機的状況にこいつがあった方が良いと将軍が言っていたからな。誰かに取られない様に大事に持っておけよ?そいつの容量は最大で50発だ。おっと、もう一つ渡す物があった。ほらっ、そいつ専用のパワー・セルのカートリッジだ。そいつがエネルギー切れになったらこのカートリッジで補充するんだ。俺からは以上だ。明日は早いからな、早めに寝ろよ?」
そう言ってコルトは僕にハンド・ブラスターを渡した後に部屋から出て行った。正直なところまさか本物のブラスターを手にする日が来るとは思ってもいなかった。コルトが出て行った後、白崎さんと話の続きをして、最終的に僕が強くなる度に傷つく事があるので白崎さんの天職である治癒師の力で僕を守って欲しいと約束するのであった。