ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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最近、ネタに走らないと死んでしまうような癖が出ている気がする。


43話目です。


裏組織の壊滅、傭兵の正体

 

 

俺達は裏オークションが行われているであろう美術館の地下に通ずる入り口へと急いで向かいながらも、雷電との通信を入れながらも突入方法を聞いていた。

 

 

《突入方法はシンプルだ。ハジメは一旦俺と合流し、裏オークションへと繋がっている美術館から天井へと移り、そこから突入する。突入と同時に裏オークション入り口からショック・トルーパーが裏オークションに参加している貴族と裏組織の構成員を捕縛する》

 

「そして俺達は、引き続き裏オークションに潜入して残りの奴隷達の保護だったな?」

 

《あぁ。引き続きシャドウとボイル、ワックサーは俺達が突入した際に敵の注意を引きつけている間に奴隷達の保護を頼む》

 

 

清水が雷電の指示に“了解した”と返事を返した後に俺と別行動する様に清水が別れ際に“…また後でな”と言葉を残してこの場を後にした。……本当に変わったな、清水の奴。声はあんまし変わんないが、性格や台詞的にワイルドというか、シブいというか……。そう考えたが直ぐその考えを止め、俺は早急に雷電がいるであろう美術館の所に向かうのだった。

 

 

 

なんとか急いで雷電がいる美術館に到着し、美術館内で雷電とユエ達、ショック・トルーパー達と合流した。なお、美術館は雷電たちが裏オークションに突入を行う際に民間人や館長を外へと避難させていた為か、館内は雷電たちを除いて空き家の如く誰一人もいなかった。

 

 

「…ハジメ、待ってた」

 

「ハジメさん、待ってましたよ!」

 

「ご主人様、妾も準備は出来ておるぞ?」

 

「悪い、少し下水道でタフな奴に時間を食わされた。…だがそいつは俺と清水で片付けた」

 

「…そのタフな奴とは一体何なのか気になるが、今はそう言う場合じゃないな。トルーパー、爆破準備は?」

 

 

雷電はショック・トルーパーに爆破準備が完了しているかを聞いた。それを聞いた俺は、まさか…美術館ごと爆破するつもりか?と思ったが、そうではなかった。

 

 

「準備完了です。この美術館が倒壊しないレベルの爆薬を設置しました。これなら突入口を確保出来ます」

 

「よろしい、ここから作戦の最終段階に移るぞ。各位、気を引き締めて掛かれ!」

 

「「「イエッサー!」」」

 

 

ショック・トルーパー達もやる気と士気は既に満ちており、何時でも突入可能であった。俺は愛銃であるドンナーとシュラークを手に、何時でも突入できるよう待機した。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

ショック・トルーパーが裏オークション会場の天井へと通ずるポイントに爆弾の設置を確認した後、全員に突入準備するよう指示を出す。そして別ルートから侵入している別働隊のショック・トルーパーからの連絡が入った。その内容は、どうやら無事に敵に気付かれずに裏オークション入り口に配置が完了した様だ。その際にクローン・エンジニアが独自に作り上げたチューブ状のカメラを使い、扉の隙間からチューブ・カメラを通してヘルメットのバイザーに表示し、中の様子をモニタリングした。

 

 

「さぁ、本日の目玉の登場です!“海人族の少女”。当オークションでも滅多に現れない気商品です!」

 

 

既にオークションが開催され、水槽の中に入れられているミュウの競売が始まっていた。突入タイミングの為に俺は全員に“爆破と同時に突入”と指示を出し、爆破スイッチを手に押すタイミングを見計らっていた。ただ爆破しては裏組織のボスを逃がすだけになってしまう為、敵の親玉が誰なのかを見定める必要があった。貴族達が競売に夢中になっている最中、ミュウに近づく一人の男がいた。裏オークションを担当する司会者は何やら慌てている様子だった。

 

 

「ちょ…ボス!?幾ら価値観を見せる為だとはいえ商品に手を出すのは……」

 

「うるせぇっ!こっちは今機嫌が悪いんだ!!」

 

 

その男はどうやら裏組織のボスだった。そう判断した時にそのボスはミュウが入っている水槽に蹴りを入れる。

 

 

「おら泣け!喚け!それが出来ないなら芸の一つでもやって見せろ!俺の手を煩わせるんじゃねぇ…半端者の能無しごときが!!」

 

 

この光景を見た俺は、急がなければミュウが危険だと判断し、直ぐにスイッチを入れて爆破する。美術館と裏オークション会場へと通ずる穴を確保した後に俺はそのまま自由落下で突入し、他はケーブルを使って降下しながら突入を行った。

 

 

「なっ何だ、何事だ!?」

 

「その言葉、そのまま貴様に返すぞ。この外道が…!」

 

「なっ…てめえは……ゴォっ!?」

 

 

突入した後に俺はすぐさま敵のボスを殴り倒し、そのまま手錠で拘束した。突然の爆破に状況が混乱に陥った貴族達は我先にと通って来た裏オークション入り口に向かうも、その入り口からショック・トルーパー達が道を塞ぎ、逃げる貴族にブラスターを向けて“特殊部隊だ!全員動くなっ!!”と怒鳴りながらも貴族達の逃走を防ぐ。

 

 

 

他の構成員もブラスターなどで応戦するも、ブラスターを使った戦闘技術はクローン達の方が上である為、あっという間にこの場にいた敵の構成員達の半分は死亡、残りの半分はこれ以上の抵抗は無意味と悟り、ブラスターを捨てて降伏するのだった。突入してからこの間40秒弱で裏オークションにいる裏組織の壊滅とボスの確保、そして裏オークションに参加していた悪称貴族の確保を完了させるのだった。

 

 

雷電Side out

 

 

 

雷電が突入を開始したその頃、清水達は裏オークション会場の裏舞台にて少年少女の奴隷達の解放、保護を行っていた。その保護した奴隷の数は僅かに数人程度だった。

 

 

「……よし、ボイル、これで全員か?」

 

「あぁ、こっちで見た限りではこれで全員だ。シャドウ、そっちはどうだ?」

 

「いや、こっちはいなかったがまだ奥にいるのかもしれん。こっちは奥を捜索するからボイル達は保護した奴隷達を連れて雷電たちと合流してくれ」

 

「…分かった。だが急げよ?既に将軍等は裏組織のボスを確保したとのことだ。ここを爆破する為に爆薬を使うそうだ」

 

 

どうやら雷電はここで二度と裏オークションが出来ない様にと徹底的に破壊工作を行う様だ。そう理解した俺は分かっているとボイル達に伝え、俺は更に奥へと捜索を行った。

 

 

 

するとその奥で奴隷が収容されている一つの檻を見つける。その檻をよく見てみると、一人の少女が収容されていた。その少女の身体のいたるところには火傷の痕らしきものがいくつもあった。ここまで酷い火傷を負った少女までもが奴隷として売られていたことに痛感していると、檻の中にいた少女が俺に気付いた様だ。

 

 

「…誰……ですか?」

 

「…!……俺はシャドウ。君たち奴隷達を裏組織から解放、保護しに来た。ここに君以外の他の奴隷はいないのか?」

 

「いえ、いません……いるとするなら、毎日私に食事を持ってくる人だけでした」

 

「……つまり、ここに隔離されていたと?」

 

「はい。なんでも、病すら煩ってもいない私に“他の商品の傷物になる”との理由でここに……」

 

 

総称女は語るが、たったそれだけの理由でここに隔離されていたことに俺はその裏組織のボスに内心怒りを覚えていた。しかしそれは雷電たちが何とかしてくれるだろうと思い、俺は少女が収容されている檻の扉に付けられている錠前を手持ちのSCARの銃底で殴り壊し、檻の扉を開けて少女を解放する。突然の行動に少女は何がなんだか分からない状態であったが今はそんな事を気にしている場合じゃない。

 

 

「あの……何を………?」

 

「説明したいが今は時間がない。裏オークション会場で仲間と合流し、この場から脱出するぞ」

 

「仲間……?一体、何が……ひゃっ!?」

 

 

少女の問いに答える暇もなく、俺は少女を抱きかかえる。そしてそのまま雷電たちと合流する為にこの場を後にし、急ぎ裏オークション会場に向かうのだった。

 

 

清水Side out

 

 

 

裏オークションを制圧した後に雷電がオークション会場を爆破する為に爆薬を設置するとのことだ。因みに他の拠点はユエの魔法で一気に破壊するとのことだ。今現在、ショック・トルーパー達は悪称貴族が付けている仮面を剥がし、その素顔を晒すと同時に写真を撮ってその顔を記録していた。ギルドに悪称貴族が裏オークションに参加していた証拠として引き渡すつもりの様だ。悪称貴族の中には“私を誰だと思っている!!”と叫ぶ貴族もいたが、そんなこと知ったことじゃない感じでショック・トルーパーは任務をこなすのだった。そして俺達は水槽に入れられているミュウを解放する為に水槽を破壊し、ミュウに付けられていた枷を壊すのだった。

 

 

「よぉ、ミュウ。お前、会うたびにびしょ濡れだな?」

 

 

冗談めかしてそんな事を言う俺に、ミュウは、やはりジーと見つめたまま、ポツリと囁くように尋ねる。

 

 

「お兄ちゃん…?」

 

「お兄ちゃんかどうかは別として、お前に髪を引っ張られ、頬を引っ掻かれた挙句、眼帯を取られたハジメさんなら、確かに俺だ」

 

 

俺が苦笑いしながらそう返すと、ミュウはまん丸の瞳をジワッと潤ませる。そして……

 

 

「お兄ちゃん!!」

 

 

ハジメの首元にギュッウ~と抱きついてひっぐひっぐと嗚咽を漏らし始めた。その時俺は困った表情でミュウの背中をポンポンと叩く。そして、手早く毛布でくるんでやった。

 

 

 

そうしている間に別行動していた清水は()()()()()()()()()()()()()()俺達と合流した。

 

 

「清水、そいつは?」

 

「清水ではない、シャドウだ。この子はオークションの裏舞台の奥に隔離されていた様だ。特に伝染病でも煩っている訳でもないのにだ」

 

 

相思自ら聞かされた時、雷電は裏組織のリーダー格であるボスを汚物を見る様な目で見た。……おい、雷電。お前かなり情に流されていないか?そう考えている時に裏組織のボスが怒鳴りながら俺達に食い付いて来た。

 

 

「て…テメエ等、こんな事を仕出かして只で済むと思っているのか!!」

 

「その台詞はそっくりそのまま返すぞ?クソ野郎。こっちは奪われたもんを奪い返しに来ただけだ。あとは……唯の見せしめだな。俺達の連れに手を出すとこうなるっていうな」

 

「それと今後はお前次第とも言えるな。お前の組織はもはや壊滅したと言ってもいいくらいに此方で各拠点を潰し終えた。後はお前を保安局に引き渡すだけだ………っ!」

 

 

雷電が途中で言葉を止め、ライトセーバーを展開した。その時に俺は気配感知で俺達が開けた穴から知っている気配を感じた。

 

 

「ハジメ、どうやら敵が来る様だ…」

 

「あぁ、それも俺と清水が下水道で戦った奴と同じ奴だ」

 

「何っ?……となると奴か!」

 

 

清水は下水道で戦った奴がまだ生きていることと、此処に来ることを警戒してSCARを構える。俺もドンナーとシュラークを構え、他のショック・トルーパー達もそれぞれブラスターを構える。そして、その穴からジェット・パックを使用して降下してくる奴の姿が見えた。

 

 

「彼奴がそうか……だったら、これでも食らえ!!」

 

 

ジェックの言葉を皮切りに彼が持つZ-6ロータリー・ブラスター・キャノンの弾幕を張ると同時に俺達も弾幕を貼る。弾幕に阻まれたそいつは無理矢理にでも突破しようとするが、運悪くも弾幕の流れ弾がジェット・パックのノズル部分に直撃してそのまま奴は地面へと落下し、そのままジェット・パックが誘爆を起こす。それでも奴はその爆縁の中である物を俺達に向けて投げ込んだ。その投げ込んだ物の正体はデトネーターだった。清水がそれを見て青ざめた。

 

 

「なっ…やばっ!?」

 

「落ち着けよ、清水。こういう場合は焦ったら負けだってな!」

 

 

そう言って俺は奴が投げたであろう地面に転がるデトネーターを奴に返す様に蹴り返し、そして奴の元に帰った瞬間、デトネーターが爆発を起こし、奴の自爆に終わった。裏組織のボスは奴がやられた際に絶望に打ち付けられた様な顔をしていた。……しかし、この時に俺は奴の気配が消えていない事を察知して警戒を解かなかった。

 

 

「敵の沈黙を確認。もう大丈夫です」

 

「気を抜くなコマンダー。ハジメの情報が確かなら……」

 

「ん……相手はまだ生きている」

 

「あの野郎、生物として考えるのはあれだが……どんだけタフなんだ?」

 

 

警戒しながらもコマンダー・サイアは他のショック・トルーパーに確認を取らせようと指示を出す。そしてショック・トルーパー達はゆっくりと奴が自爆した爆煙に近づいたその時、ヒューマンタイプの右手のグローブを身につけた触手が近づいて来たショック・トルーパー達を払う様に振り飛ばした。そして奴が爆縁の中から出て姿を現した時には奴の鎧は爆発ではがれ落ちていて、その中身が露出していた。その中身が()()()()()()()()()()()()()()であったことを……

 

 

「な……なんだあの触手の化け物は!?ファーストなんたらが寄越した化け物がマジで化け物だったのかよ!?」

 

 

そう裏組織のボスが言っているが、やっぱりこいつはファースト・オーダーと繋がっていた様だな。ファースト・オーダーがこんな化け物を送ってくる辺り、B.O.W(バイオ・オーガニック・ウェポン)でも研究開発でもしているのか?………ぶっちゃけ、何処ぞの薬品を扱う傘が銘の会社だよそれは…。その際に雷電は、あの化け物を知っているのかの様にあまり驚いた様子がなかった。

 

 

「まさか……二千年も生きる賞金稼ぎがこの世界にお目にかかるとはな」

 

「雷電、アイツがなんなのか知っているのか?」

 

「あぁ……といっても、飽くまで前世の頃で噂を聞いた程度だがな。奴は“ジェンダイ”という特殊な種族でな?一説によると、そのジェンダイの寿命はかのマスター・ヨーダを超えるそうだ。そして今、俺達の目の前にいるのがそのジェンダイの賞金稼ぎ“ダージ”だ。クローン戦争中に奴はスカイウォーカーに敗北し、死亡したと聞いたんだが……」

 

 

そう雷電が説明している時に奴ことダージがより低く、曇った声で言葉を発した。

 

 

ジェ……ダイ………!

 

「…!こいつ喋るのか?」

 

「下水道のときもそうだったが、こいつ俺のレーザーソードを突き刺したのにも関わらず不気味に笑っていやがったんだ」

 

殺……す!ジェダイ……マンダロ……リアン……殺す!!

 

 

するとダージは左腕の触手を伸ばし雷電に掴み掛かろうとするが雷電はこれを避け、ライトセーバーで切り落とすも、全く効果がない様に直ぐに再生してダージの方へと引き戻した。そしてダージは雷電に飛び掛かり、素手で殴り掛かってくる。

 

 

「マスター!」

 

「心配ない、大振りの攻撃に当たる程衰えてはいない!」

 

 

雷電の言う通り、ダージの鎧が壊されたことで圧縮していた触手の様な身体が肥大化し、巨大になった為に殆どが大振りとなっていた。それのおかげか雷電は軽々と躱していた。そんな中サイアは、見ているだけには行かないと全ショック・トルーパーにある指示を出した。

 

 

「トルーパー、アセンション・ケーブルの用意を!奴の足を止めるぞ!!」

 

 

そういってサイアやリース、ジェックもアセンション・ケーブルを装着したブラスターを手にし、それをダージに向けて放つ。他のショック・トルーパーも同様にケーブルを装着したブラスターでダージに向けて放ち、撃ち付けられたケーブルがダージを拘束し、その動きを封じ込めた。

 

 

「サイア!?無茶だ!お前たちでは手に終えない相手だ!」

 

「それでも足止め程度にはなります!トルーパー、撃ちまくれ!」

 

 

動きを封じたダージにブラスターによる集中放火を浴びせるショック・トルーパー。しかし、ダージは集中砲火を浴びているのにも関わらず、痛覚すら感じていないかの様に突き刺さっているケーブルに抗っていた。そしてダージはうっとおしいであろうケーブルを無理矢理振り払い、拘束から脱する。そしてダージは標的である雷電を変えて、今度はシアを標的に襲いかかった。

 

 

「え…わ、私!?」

 

「…っ!シア!」

 

 

雷電はシアを突き飛ばしてダージと対峙するが、それがダージの狙いだった。奴は触手の身体を広げて雷電を取り込もうとした。

 

 

「何っ!?こいつ…うぉっ……!」

 

「ま……マスター!!」

 

 

雷電は振り払おうとしたが間に合わず、ライトセーバーを手放してしまいそのまま奴に取り込まれた。

 

 

「ハジメさん!マスターが……マスターが!?」

 

「落ち着けシア!彼奴は奴に取り込まれたがまだ死んではいないだろうが!」

 

「ではどうするんじゃ?流石の妾でもアレに取り込まれるのは勘弁なのじゃ」

 

「…どうするの、ハジメ?」

 

「問題ねえよ。…だが雷電には少し痺れてしまうがそうも言ってられねえ…!」

 

 

雷電を助ける為に俺は左腕の義手に仕込まれているワイヤーアンカーをダージのヘルメットに撃ち込み……

 

 

「ちょいっと痺れるから我慢しろよ雷電!……“纏雷”!」

 

 

技能の一つである“纏雷”でワイヤーアンカーを通してダージを感電させる。ダージもこの様なパターンを想定していなかったのか最初は効いてはいたが数秒で感電に耐性が付き、俺が放った“纏雷”をワイヤーアンカーを通して逆流させてきた。

 

 

「(こいつ…電撃を逆流させて!)……うぉっ!?」

 

 

逆流させてきた電撃に弾かれた俺は一瞬の隙を突かれ、ダージの接近を許してしまう。

 

 

「「「ハジメ(さん)(ご主人様)!」」」

 

「…ちぃっ!!」

 

 

ダージに取り込まれる前にドンナーで抵抗しようとしたその時、ダージに異変が起きる。ダージの身体が徐々に膨らみ、肥大化していく。そして身体が破裂する寸前まで肥大化したダージは苦しみの声を上げながらも何かを押さえ込んでいたが、それが限界に至り、最終的に内側からの力によって身体が破裂し、ダージの身体の一部の触手が飛び散り、ダージに取り込まれていた雷電が無事に脱出し、呼吸を荒くしながらも五体満足で立っていた。……どうやら雷電が取り込まれた際にフォースを使って内側から破裂させて脱出した様だ。

 

 

「…マスター、無事だったんですね!」

 

「将軍、お怪我は?」

 

「平気だ。……まぁ、それにしてもだ。随分と散らかしてしまった様だ」

 

「…そうジョークを言えるならお前はまだ正常なんだな」

 

 

“そうそう俺は死なないよ”と雷電は口にしながらもフォースでライトセーバーを回収し、ショック・トルーパー達に悪称貴族や降伏した構成員達を外へ連れて行く様に指示を出し、俺達もミュウと裏組織のボスを連れて外へと出るのだった。…俺としてはもうダージの様な奴は二度と相手したくないぞ。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

外に出た後に全員の避難が完了させたことを聞いた後に裏オークション会場を爆破しようとしたが此処で問題が起こった。このまま爆破すれば美術館にも被害異が及ぶことだ。それに対してハジメは“今更だろ?”とあっさりと答える始末……更に後で分かったことなのだが、どうやらあの美術館の館長も裏組織の構成員だったらしく、美術館は表向きのカモフラージュで裏組織の重要拠点だったそうだ。俺としては美術館を爆破するのはもったいないと思っていたが、裏組織の重要拠点であり、爆破せず放置するとまた第二、第三の裏組織が使うかもしれないと思い美術館ごと爆破することになった。

 

 

 

爆破する為に俺達は安全な場所ことフューレンを囲う外壁の上に移動した後、ハジメはミュウにあることを聞いた。

 

 

「ミュウ、少しばかしちょっと派手な花火が見れるぞ?」

 

「花火?」

 

「花火ってのは……爆発だ」

 

「爆発?」

 

 

ハジメはミュウに花火について説明をしたが碌な説明が出来ていないが故に、間違った方角へと教えられそうになった為、つかさず俺は修正を入れる。

 

 

「正確には夜空に飛ばす爆弾だ。それとハジメ、こいつは花火じゃなくて建築爆破じゃないか」

 

「言葉の洒落だっての。別に問題ねえだろ?」

 

「大アリだ馬鹿やろう。もしミュウが間違った知識を覚えたら其れこそ大問題だろうが!」

 

 

そう怒りながらも俺達が行おうとしている言葉の間違いを指摘していると、ミュウがこんな事を聞き出した。

 

 

「お兄ちゃん、けんちくばくはって?」

 

「建築爆破ってのは、使われなくなった建物を取り壊す方法の一つだ。周りの建物に被害が及ばない様に安全に爆破することを建築爆破っていうんだ」

 

「んで、その爆発を遠くで見るわけなんだが……」

 

 

ハジメそう言いながら美術館がある方角を見ていた。そんなこんなしているとデルタ分隊のスコーチから爆破準備が完了したとの報告を受ける。

 

 

《爆破準備完了!いつでもOKだぜ!》

 

「よし……起爆しろ!」

 

《了解、起爆!》

 

 

それを皮切りに美術館から煙が上がると美術館そのものが下へと沈んでいき、最終的に“ペチャッ”と潰れたかの様に煙の中へと消えていった。

 

 

「あ……建物、煙の中に消えちゃった」

 

「アレが建築爆破だ。さて……次は第二段階だ。ユエ、頼む」

 

「ん……任せて。……“雷龍”」

 

 

ユエにバトンを任せるとユエは魔法で裏組織の拠点にピンポイントで爆撃し、拠点を破壊するのだった。魔法から出た雷の龍にミュウは少し怖がっていた。

 

 

「アレが建築爆破以外での爆発だ。爆発物を取り扱う際には細心の注意を払わなければならないが、使い方を誤らなければ大丈夫だ」

 

「爆発コワイ…」

 

 

どうやらミュウは爆発に少しばかり恐怖を覚えてしまった様だ。流石にこれは失敗だったことを反省するのだった。一方の裏組織のボスはユエの魔法を見て改めて俺達に敵対したことを後悔していた。するとユエはミュウに近づき、至近距離でユエと見つめあった。

 

 

「ミュウ。一人で良く頑張った。とっても偉い」

 

 

ユエは、優しげに目元を和らげると、抱きしめたままミュウの頭をいい子いい子する。その優しい手つきと温かい雰囲気にミュウは自然と気が緩みホロホロと涙を流し始めた。そのまま、盛大にワッーと泣き始める。ハジメと再会した時は、まだ緊迫の中にあり、きちんと泣く事ができなかった。それが、今この瞬間、完全に気が緩んで今までの辛かった気持ちを全部吐き出したのだ。

 

 

 

ハジメは、流石ユエだなと苦笑いし、ミュウが泣き止むのを待つことにすると同時に俺は最後の仕上げに移るのだった。因みにその考えはハジメも同じだった。

 

 

「…さてっと。ハジメならもう分かっていると思うが……」

 

「奇遇だな、俺も同じことを考えていたぜ」

 

「よし……それじゃあ、後はこいつの後始末だけだな

 

 

それを聞いた裏組織のボスはそのまま保安局に引き渡されることはないと悟ってしまう。なんとか助かろうと必死で謝罪するしかなかった。

 

 

「お……おい、待ってくれ!いや……許してくれ!お前等が探してた海人族の少女を返しただろう!?更には他の奴隷達もお前たちが解放した筈だろう!?もうこれでチャラの筈だろう!?許してくれ!な…な…なぁ!?」

 

「前にも言ったが、俺の連れに手を出した時点でお前の末路がこうなったんだろうが。例え許しを斯うても俺の答えは一つだけだ。NO(ノー)!の一点張りだ」

 

「ひぃ〜!?」

 

「んで…一応殺さない前提の質問だが、右の拳で殴るか、左の拳で殴るか、当ててみろ」

 

 

そうハジメに質問された裏組織のボスは、殴られることを前提の質問にもはや諦めかけていたため、せめて一思いに右でやってもらおうと頼むのだった。

 

 

「せ……せめて右で、やってくれ」

 

「No!No!No!No!No!」

 

「ひ……左か?」

 

「No!No!No!No!No!」

 

「り……両方なのか!?」

 

「Yes!Yes!Yes!Yes!………Yes!

 

「もしかしてオラオラなのかぁ!?」

 

「Yes!Yes!Yes!…Oh my god……(俺もそうだが、何でこいつもこの様なネタを知っているんだ?)」

 

 

清水が何やら考えている様だが、そんな事は関係無しにハジメは裏組織のボスにオラオラはしないものの、ちょっとした怒りをぶつけるのだった。

 

 

「これはミュウの分!!これは爆破された保安署の職員達の分!!そしてこれは…せっかくミュウに買った服をはぎ取られた俺の分だーーーー!!!」

 

「ブギャー!!?」

 

 

……おい、ハジメ。最後の方は私怨じゃねえか!?自分の気持ちが一番大切とはいえ、そこは空気を呼んでおけよ……(汗)。そんなこんなでハジメの私怨を含めて裏組織のボスをぼこり、そのまま保安局に引き渡した後にミュウと共にギルドに向かうのだった。

 

 

雷電Side out

 

 

 

フューレンのとある場所でハジメに救出された後に別れた少年ことキャスパーは建築爆破によって崩落した美術館に立ち寄っていた。そこで瓶を取り出し、元美術館だった瓦礫から触手らしき物体を採取していた。

 

 

「やれやれ、お疲れ様でしたね?()()()()。彼等の戦闘データは十分に溜まったようですし、ここらで僕も表舞台から退散するとしますか。この後、世の中がどう転ぶかは彼等次第と言った感じですね?フフーン……フハハハハッ!ファースト・オーダーの連中、旧世代のクローン兵は使い物にならないと言っていたが、その当てが完全に大ハズレだ!」

 

 

そう笑いながらもこの場から移動しながら少年は語り続ける。

 

 

「…だがまぁ、責めはせん。流石の僕でも正直意表をつかれた。まさかジェダイの戦闘力がこれほどとは思いもしませんでしたよ。しかし、一つ解せんことがあるな。奴ら、彼等の戦力を知っているだろうに射撃経験のない裏組織に始末を任せるとは……舐めているのか?ファースト・オーダー…!でも、そんな事はどうでもいいことです。僕は僕で自分なりに商売するだけ、その後は、まぁ…何とかなるでしょう」

 

 

そう言って触手を入れた瓶をしまい、この場を離れるのだった。彼の言う商売が何なのか……

 

 

 

そこはあなた方のご想像にお任せします。

 

 

 

中村恵里が雷電たちの仲間入りする際にどのタイミングがよろしいか?

  • グリューエン大火山に向かう時
  • 王都編が終わる直前の時

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