ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強 作:コレクトマン
後編は少し時間が掛かります。
47話目です。
時間は少し遡る……
雷電がクローン・コマンドーことクローン・フォース99、別名“不良分隊”と呼ばれる部隊を召喚した後に案内役の遠藤とARCトルーパーのキャプテン・フォードーを連れて全員でオルクス大迷宮に最深部を目指していた。ショートカットとして二十階層にある転移魔法が掛けられているトラップのグランツ鉱石を利用して一気に六十五階層に到達し、そこでベヒモスと戦闘するのだがハジメが先制でドンナーでヘッドショットを決め、一撃でベヒモスを倒すのだった。それでもスピードを緩めず、そのまま天之河達のところを目指して進む。
「ここから先は私達が先導します。将軍等にとってここからは所見の筈です」
「ああ、頼む」
「遠藤、フォードーと共に先に立て。俺達もこっから先は所見だ」
「お…応!(ベヒモス一撃かよ…!?)」
そうして下へと続く階段を目指して進むハジメ達一行。その時にシアが付近に近道が無いのかと呟いた。
「近道とか無いんですかねぇ?」
「少しでも早く助けに行かないとのぉ…」
ティアもそう呟いていると、クローン・フォース99の隊長である“ハンター”が人間離れした感覚で天之河達を感じたのか雷電に報告する。
「将軍、この下から例の救出対象がいる。それも危険な状況だ」
「……確かの様だな。ハジメ、近道を作るために
「アレ?……あぁ、なるほどな。止まれ遠藤、フォードー」
ハジメは雷電の意図を理解して遠藤達を呼び止める。
「っ!……どうした!」
「雷電が近道を見つけたぞ。今からその近道を作る」
「へっ?」
そういってハジメは宝物庫からパイルバンカーを取り出し、地面に突き刺す。遠藤や召喚されたばかりの不良分隊も初めてハジメが作ったパイルバンカーに目が釘付けだった。
「ナニコレ?」
「こいつは……なかなかデカい代物だな」
「おいおい、何だよコイツは!かなり面白そうじゃねえか!」
「“パイルバンカー”だ。電磁加速と炸薬による爆発力を利用した杭撃ち機さ。そんで杭は鉱石を圧縮錬成して世界最高の強度を持つ、“アザンチウム鉱石”でコーティングしてある」
そういいながらもパイルバンカーに魔力を流し、電磁加速させて一定量の加速域に到達した瞬間、杭が射出され、地面を砕いて迷宮に穴をあけるのだった。土煙が上がる中、雷電はハジメに先に行く事を伝える。
「ハジメ、俺が先に行く。後から続いてくれ」
「応。それと、安全確保を忘れるなよ?」
「分かっているさ。……行くぞ!」
そう言って雷電はパイルバンカーによってあけられた穴に飛び込みそのまま落下する。その光景を遠藤は驚きの声を上げるのだった。そうしてハジメ達も雷電の後に続いて穴に飛び込むのだった。
そして現在に至る……
雷電とハジメが崩壊した天井から登場した事に八重樫は未だに驚きを隠せないでいた。生きている事は知っているのにも拘らずだ。
「えっ……南雲君なの?それに、藤原君もクローン達と同じ装備って……なっ何?どういうこと?えっ?ホントに?ホントに南雲君に藤原君なの?えっ なに?ホントどういうこと?」
「いや、落ち着けよ八重樫。お前の売りは冷静沈着さだろ?」
「八重樫、あまりの出来事に追いつけてない分キャラが崩壊しているぞ。ハジメが言った様に冷静沈着さがお前の売りなんだろ?」
そうハジメと雷電が八重樫に指摘した時にユエも崩落した天井から降下してくる。着地の際にハジメに抱っこで受け止めてもらいながらもユエは重力魔法で後から降下してくるシア達を着地しやすいよう重力を操作する。シア達の次にクローン・コマンドーのデルタ分隊に不良分隊が降下し、最後に遠藤とフォードーも降下する。
「おわっとと、ぁ痛てっ!?た……助けを呼んで来たぞ…!」
「「「遠藤!!」」」
着地に失敗しながらも遠藤は天之河達に助けを呼んで来たことを告げる。そしてフォードーは改めて現在の状況を見て確認する。
「トルーパー、ここで指揮しているのは誰だ?」
「…ハッ!CT-1373のイザナミです!」
「イザナミか。……ところで、コマンダー・コルトはどうした?」
「…亡くなりました。自分たちを脱出させる為に二個小隊を率いて自ら殿を務め、彼等に敗北しました」
“そうか…”と言葉を残し、次に残りのクローン達の数を確認した。兵士と衛生兵を含めて計十五名も生き残っていた。たったこれだけの数で持ちこたえられたことに賞賛に与えするところだが、今は魔人族と魔物達を先に片付けてからにすることにした。その時にハジメが……
「雷電、お前はあいつ等の治療に向かってくれ。こいつらは俺が相手する」
「ハジメ……一応聞くが、また何かやらかすつもりなのか?」
「何で俺が何かを仕出かす前提なんだよ……ただ普通に目の前の魔人族に警告と確認を取るだけさ。ユエ、悪いがあそこで固まっている奴等の守りを頼む。」
「ん……任せて」
「やれやれ……シア、お前は向こうで倒れている騎士甲冑の男の容態を見てやってくれ。フォードーは残存する兵力の指揮を取ってクラスメイト達を守ってくれ」
「了解ですぅ!」
「イエッサー!」
ユエとシア、フォードーはそれぞれの役割果たす為に行動する。そして雷電は引き続き残っているメンバーに指示を出すのだった。
「デルタ分隊にシャドウはクラスメイトの護衛に付いてくれ。ティオはミュウを守りながらデルタ分隊と同様護衛に当たってくれ」
「了解」
「分かった」
「任せるのじゃ」
「のじゃ!」
デルタ達に指示を伝えた後、最後に残った不良分隊にはハジメのサポートに回るよう指示を出す。
「最後になったが、クローン・フォース99はハジメのサポートに回りながらも敵の殲滅だ。一応ハジメが敵に警告を出すが、敵がそれを無視したらいつも通りに行動……要はお前たちのスタイルで援護してくれ」
「了解です、将軍。よし…不良分隊、戦闘準備だ。“プラン82”」
そうして全てに指示を出した後に雷電はクラスメイトのところに行くと、そこには負傷者が多数いてバクタ液が全く足りない状況だった。特に状態が酷かったのは雷電たちが奈落に落ちる前、少しばかり危険視していた中村であった。クローン・トルーパー・メディックが持っているバクタ液が中村を除いて全て使い果たしてしまったのだ。そんな中村を死なせないよう傷口を抑えている谷口が死んだ筈の雷電を見て驚いていた。
「ライライ……?本当にライライなんだね?」
「谷口か。久しぶり……といいたいが、再会は後回しだ。中村の腹の傷はどうしたんだ?」
「あっ……エ、エリリンが私やシズシズを庇って……それで……」
「なるほど……大体分かった。どいてくれ、今から治す」
谷口を中村から離れるよう言い、雷電は懐から瓶を取り出す。その瓶の中身は回復アイテムの神水が入った物だった。それを中村に飲ませようとする。…すると中村は呼吸が苦しい中、死にかけながら虚ろな目をして雷電の方を見た。
「藤原……くん?」
「中村、無理に喋るな、傷に触る。それはそうと、回復薬だ。飲めるか?」
中村に神水をゆっくり飲ませる様にそっと口に入れる。しかし、呼吸が苦しかった為か上手くの見込むことが出来ずに咽せてしまう。
「……マズいな、既に飲み込む力が残ってないのか」
「嫌…だよ……私…は、僕……は………死にたく……ない……」
中村は嘗てない程に弱気になっており、自然と素が出て来た様子だが、そんな事はどうでもいい。このままでは中村が多量出血で死んでしまう。そう判断したら雷電は
「中村……死ぬなよ。絶対に助け出す」
そういって雷電は自分の口に神水を含み恵里に口移しで飲ませた。そのお陰で中村の傷が瞬時に消える。谷口達もそうだが、今まで痛覚によって喋りづらかった本人である中村も一番驚いていた。
「…っ!エリリンの傷が…!」
「嘘……!?」
「どうやら、無事に回復した様だな。谷口、中村のことを頼む。いくら傷が治ったとはいえ、体力はまだ回復していない」
「あ……あの、藤原…くん?そ、その……」
「中村、傷のことは谷口から聞いた。この絶望的な状況でよく生きててくれた。それも友達を助ける為に自らを身を投げ出す覚悟は賞賛に与えするが、お前が死ねば悲しむ奴はいることを忘れるな。後は俺たちに任せてゆっくり休め」
回復したばかりの中村は朧気ながら雷電の事を呼ぶが、雷電は優しい声で恵里に労いと休む様に言った後に戦ってるハジメと不良分隊の元に向かうのだった。
雷電Side out
雷電が向こうに行っている間、俺とクローン・フォース99の部隊は目の前にいる魔人族の女と対峙する。白崎は俺のこと心配して俺の名を呼ぶが、俺は“問題ない”と伝えるのだった。
「新たなクローンにそれを率いる人間か…。フッ…地獄に自ら足を踏み込むとはねえ?」
「……一応警告しておく。死にたくなければさっさと消えろ」
「なに?」
「今なら見逃してやるって言ってんだ。二度も言わせんな」
「人間風情が……己の愚かさに後悔しながら死ぬがいい!」
魔人族の女はそう告げると同時に“殺れ”とハジメを指差し魔物に命令を下した。
この時、あまりに突然の事態────特に虎の子のアハトドが正体不明の攻撃により一撃死したことで流石に冷静さを欠いていた魔人族の女は、致命的な間違いを犯してしまった。
ハジメの物言いもあったのだろうが、敬愛する上司から賜ったアハトドは失いたくない魔物であり、それを現在進行形で踏みつけにしているハジメに怒りを抱いていたことが原因だろう。あとは、単純に迷宮の天井を崩落させて階下に降りてくるという、ありえない事態に混乱していたというのもある。とにかく、普段の彼女ならもう少し慎重な判断が出来たはずだった。しかし、既にサイは投げられてしまった。
「なるほど……“敵”って事でいいんだな?」
ハジメがそう呟いたのとキメラが襲いかかったのは同時だった。ハジメの背後から“ハジメくん!”“南雲君!”と焦燥に満ちた警告を発する声が聞こえる。しかし、ハジメは左側から襲いかかってきたキメラを意にも介さず左手の義手で鷲掴みにすると苦もなく宙に持ち上げた。
キメラが、驚愕しながらも拘束を逃れようと暴れているようで空間が激しく揺らめく。それを見て、ハジメが侮蔑するような眼差しになった。
「おいおい、何だ?この半端な固有魔法は。大道芸か?」
気配や姿を消す固有魔法だろうに動いたら空間が揺らめいてしまうなど意味がないにも程があると、ハジメは、思わずツッコミを入れる。奈落の魔物にも、気配や姿を消せる魔物はいたが、どいつもこいつも厄介極まりない隠蔽能力だったのだ。それらに比べれば、動くだけで崩れる隠蔽など、ハジメからすれば余りに稚拙だった。
数百キロはある巨体を片手で持ち上げ、キメラ自身も空中で身を捻り大暴れしているというのに微動だにしないハジメに、魔人族の女や香織達が唖然とした表情をする。
ハジメは、そんな彼等を尻目に、観察する価値もないと言わんばかりに“豪腕”を以てキメラを地面に叩きつけた。
ズバンッ!!
ドグシャ!
そんな生々しい音を立てて、地面にクレーターを作りながらキメラの頭部が粉砕される。その同時に雷電が向こうの用事を終わらせたのか、ライトセーバーを起動させ、俺の周りの何もない空間にライトセーバーを一回転させる様に振るう。
すると、空間が一瞬揺ぎ、そこから首を斬られたキメラとブルタール擬きが現れ、僅かな停滞のあと、先に首からぐらりと地面に落ち、それに続いて身体も崩れ落ちた。
「っ!?な……何で分かったのさ!?」
「おいおいっハジメ、お前、最初から分かってて俺に任せたのか?」
「…どのみちお前も参加するつもりだったんだろ?だったら好都合じゃねえか?」
あまりにあっさり殺られた魔物を見て唖然とする魔人族の女や、この世界にあるはずのない
それは、ウルの町に攻め込んで来たゴーレム騎士団の連中だった。
「雷電、あのゴーレム達はウルの町防衛戦で見かけた……」
「あぁ……あのヒュケリオンというゴーレム将軍の側近とその精鋭部隊ってところか」
「ヒュケリオン将軍の命で攻略に行ったカトレア殿の援軍として来てみたら、まさかこんな所で出会うとは思いませんでしたよ、ジェダイ。そして黒の錬成師。こんな所で一戦交えようと思うと、楽しみが減って少々残念ではありますが…」
そう将軍の側近ゴーレムが言っている最中、魔人族の女ことカトレアが苦虫を噛んだような表情をしていた。
「ちっ……あのゴーレム将軍の差し金かい。よりによってこんな時に来るなんてね……!」
「そう邪険にしないでいただきたい、カトレア殿。我々とあなた方魔人族は同じ同志である事をお忘れなきように……」
「……まぁいいさ。で、援軍という割には少な過ぎじゃないか?そいつ等は使えるのかい?」
「その点は心配要りませんよ。彼等は本来ジェダイや黒の錬成師達の為に、将軍から授かった精鋭部隊なんですよ」
そうゴーレムが説明する中、俺は雷電に“念話”でゴーレムの連中の相手をどうするか話し合っていた。
(ハジメ、魔物とゴーレムの内どっちを相手にする?もしゴーレムを相手にするんだったら魔物の相手は俺と不良分隊が引き受ける)
(そうか?…んじゃ、魔物の方は雷電に任せる。俺はゴーレムの方を相手をするさ)
そう役割分担を決めた俺達。その同時にゴーレムの指揮官が他のゴーレム達に掛け声を上げる。
「…では“スペルタ部隊”の皆さん、獣になりましょう!!」
その掛け声と同時に指揮官ゴーレム以外のゴーレム達が一斉に動き出した。その数はあの指揮官ゴーレムを含めて六体。俺はドンナーとシュラークを手にそのゴーレムの精鋭部隊である“スペルタ部隊”の相手をするのだった。
ハジメSide out
ハジメが敵の増援として新たにやって来たゴーレム騎士団の精鋭部隊を相手にしている間、俺と不良分隊は多数の魔物の軍団を相手にするのだった。
「よしっ……ハンター軍曹。この世界においての初戦闘だ。気を引き締めておけ」
「もちろんです、将軍。さぁて、始めるとしよう…」
「オッシャー!腕がなるってもんだ、任せな!!」
「了解…」
「了解、何時でも行けます!」
そう言って雷電たちは魔物達と戦闘を開始する。巨体のクローンこと“レッカー”が専用シールドを取り出して前に出る。そして狙撃兵の“クロスヘア”と技術兵の“テック”、不良分隊のリーダー“ハンター”がレッカーの背後の横に展開し、そのまま魔物の群れに突っ込む。その際にレッカーがシールドを前に出し、ハンター達がそれぞれの
そして俺はハンター達の背後を守る様にライトセーバーで向かってくる魔物を切り捨てながらもハンター達を援護する。ハンター達がある場所に止まり、テックが周りにいる魔物の位置を確認し、報告する。
「…45、マーク151」
「45、マーク151」
それを復唱する様にハンターがデトネーターをその魔物の群れに投げ込む。そしてクロスヘアが投げられたデトネーターがある程度の距離に到達したと同時にスナイパー・ライフルでデトネーターを狙撃する。狙撃されたデトネーターは爆発し、周りにいた魔物達は、その爆風に巻き込まれて絶命する。
それを繰り返す様に再びテックが別の魔物の群れの位置を確認し、報告する。
「…75、マーク357」
「75、マーク357」
ハンターが再びデトネーターを魔物達の方に投げる。その投げたデトネーターをブルタール擬きが掴み、何なのか確認した。デトネーターを確認しているブルタール擬きの手に持つデトネーターをクロスヘアが狙撃し、ブルタール擬きごと他の魔物達も巻き込んで爆殺させる。
「こいつら……他のクローンの連中とは違うってことかい!」
カトレアは戦って、殉職したコルト達とは違うことに気付いたのか、優先的に狙うよう魔物達に指示を出す。その指示を見逃すハンター達ではなかった。
「例のクリーチャー共が動き出した様だ、散れ」
ハンターの指示で不良分隊は各自で各個撃破に移る。そして俺もライトセーバーで他の魔物達を次々と斬り捨てる。
ハンターはDC-17で魔物を倒しつつも専用ナイフで他の魔物達を突き刺したり、テックはDC-17を二梃持ちで他の魔物達を応戦。クロスヘアは近距離でスナイパー・ライフルを使いながらも魔物を倒す。そしてレッカーはシールドを鈍器代わりにして魔物を殴り倒す。
すると亀擬きの魔物が口からブレスを吐こうとしていた。しかし、ブレスを吐かれる前に俺がその亀擬きの魔物の首を切断し、絶命させる。
「(こいつら……想像以上に強すぎる!?)…くっ!回復を“バシュッ”…っ!?こ…これは!?」
カトレアは肩に止まっていた白鴉の魔物に回復を指示しようとした瞬間、クロスヘアによって狙撃され、回復役の魔物を一瞬で絶命させたのだ。
「フッ……」
「あのクローン…!」
カトレアは“あと、数センチずれていたら……”とそんな事を考えて自然と体が身震いする。そして気付く頃には雷電とハンター達は殆どの魔物を殲滅していた。その際にレッカーは挑発的に煽る。
「どうした、もう終いか?もっと来いよ!!」
完全に向こう側のペースに陥ってしまい、カトレアはかなりの危機感を抱いていた。戦士たる強靭な精神をもっていると自負しているカトレアだが、あり得べからざる化け物の存在に体の震えが止まらない。あれは何だ?なぜあんなものが存在している? どうすればあの化け物から生き残ることができる!?カトレアの頭の中では、そんな思いがぐるぐると渦巻いていた。
雷電Side out
その頃、単独でゴーレム共の相手をする俺はスナイパー役のゴーレムに威嚇を兼ねてドンナーで牽制射を行った。その同時にスナイパーのゴーレムもプレスライフルで撃って来たが互いに当たることはなかった。そして俺はスナイパーのゴーレムをほっといて直ぐに移動する。
「…っ!(ポイントを捨てる見極めが早い……もう一発で倒せたのに?)」
俺が移動していると、正面横から二梃拳銃のゴーレムが出て来てプレスガンを乱射してくる。俺は“天歩”の最終派生技能の[+瞬光]で弾丸の軌道を見切り、跳躍で回避する。するとそれを読んでいたのか跳躍中の無防備なところに撃ってくるが、俺はその弾丸をドンナーとシュラークで全て撃ち落とす。
「っ!跳躍中に発砲しただと!?…こちらのプレスガンの弾丸を全て撃ち落としたでもいうのか!?」
「悪いが、こっちはプレスガンより強力な奴なんでな…!」
そう言いながらも着地したと同時に俺は右側の方にドンナーをぶっ放す。するとそこには盾で何とか防ぎきった派手なゴーレムがいた。
「ほぉ?死角を取った筈だが……」
「もろバレだっつうの。俺達にとってはの話だがな?素人が…」
「フンッ!たかが人間風情が、調子に乗るなよ!」
そういって派手なゴーレムは盾に内蔵されている固定式の銃を向け、自慢げにベラベラと話す。
「この俺のゴーレムことアキレウスは魔人国ガーランドの資財から投げ打ち、最高素材のシュタル鉱石で作られた至高のゴ…ッ!?」
そのアキレウスが喋っている途中で言葉が途切れてしまう。その原因はハジメがドンナーでアキレウスの核を正確に撃ち抜き、破壊したのだった。……要するに、長々と喋っているうちにハジメに殺されたのだった。
「長々と説明してんじゃねえよ。そういうのは死亡フラグだっての」
「あの銃はプレスガンよりも貫通性が高いのか!?」
「くっ…!アキレウス殿が…!」
そんな時に残りのゴーレム二体はアキレウスがやられたのに対してまだ余裕そうな感じを残していた。
「ダフネス隊長!どうやらアキレウスが殺られた様だ!」
「フン、コネでこの隊に入った奴だ。もとより隊員と認めていない!行くぞ、テルトン!!」
「了解!」
その二体のゴーレムの内一体が牽制射を行い、ハジメの動きを止める。その間にもう一体のゴーレムが戦鎌で振るってくる。それを躱して距離を置いた瞬間、左腕の義手に何かが当たる様な感覚があった。その正体は、先ほど戦鎌を振るうゴーレムが戦鎌に内蔵されている隠し武器である何かしらの射出機だった。
「チッ…面倒な仕組みだな!」
俺はドンナーで応戦するも、そのゴーレムは俺にドンナーを撃たせる前に直ぐに移動する。そして他のゴーレム達も集まってくる。
「テルトン、離れろーッ!」
「了解っ!」
そう言って俺と戦っていたゴーレムは距離を置こうとする。その時に俺は瞬時に周りを見て、スナイパーのゴーレムが射撃ポジションに付いたことを理解した。
「なるほどな。…ま、やらせる程俺は甘くない!」
そう言いながらも俺は距離をとったゴーレムに付かず離れずの距離で近寄り、離れない様にする。その時に他のゴーレムが何か言っている様だが、そんな事はどうでもいい様にシュラークで迫ってくる二梃拳銃持ちのゴーレムの左肩を撃ち抜き、左腕を使えなくする。そしてドンナーで戦鎌持ちのゴーレムの左腕を撃ち、破壊する。
「黒の錬成師!付かず離れずで、テルトンを人質にしたか!テルトン、覚悟を決めろぉ!」
「うっ!…了解!殺すがいい!!」
そして、そのゴーレムは戦鎌を持ったまま無抵抗に倒れ込む。その時に俺は直ぐに理解した。
「捨て身の無抵抗って……大道芸的に古いんだよ。しかも捨て身の無抵抗なら、身体を無防備にしておけっての!」
この時に俺はそのスナイパーのゴーレムの所にドンナーを撃ち込む。その同時にスナイパーのゴーレムも撃ち込むものの、放たれた弾丸はドンナーの電磁加速した弾丸に砕かれ、そのままスナイパーのゴーレムの頭を撃ち抜く。
「がぁあっ!なんて奴……!」
幸い運がいいことにゴーレムの核が破壊されない限りまだ動けるが、目の役割をしていた頭部を失ったスナイパーのゴーレムは事実上、戦闘不能になったのだった。しかし、それでもスペルタ部隊の目的は飽くまでドンナーかシュラークのどちらかを手放せる、或いは破壊することにある。
この時にダフネスと呼ばれたゴーレムが銃剣付きのプレスガンでハジメが持つシュラークを弾き飛ばす。これを好機と思ったのか捨て身の無抵抗(笑)をしていたゴーレムが器用に起き上がり、戦鎌を構える。
「テメェ……」
「ぬ…?…ヌォッ!?」
お返しと言わんばかりに俺はシュラークを弾いたゴーレムに“威圧”を当てる。威圧に怖じけ付いたのかそのゴーレムは一旦俺から距離をとった。その時に高みの見物を決め込んでいた指揮官ゴーレムが俺に降伏するよう勧告する。
「黒の錬成師。片方の銃を失った貴方に、何が出来るというのです?降伏しなさい…」
指揮官ゴーレムが勝ち誇った様子で俺に降伏勧告を告げる。しかし、俺の答えは決まっていた。敵対する奴が何であれ、敵ならば殺すだけだ。そうして俺は 残ったドンナーで指揮官ゴーレムの持つランスとプレスガンが合体した複合兵装の持ち手を狙い撃つ。しかし、それを狙っていることを分かっていたのか撃たれる前に直ぐに手放す。
「フッ…!」
「そうこなくっちゃなぁ!」
それを合図に俺を囲んでいたゴーレム達が一斉に動き出した。そして指揮官ゴーレムは手放した武器を回収すると同時に俺に対して告げる。
「お聞きなさい!私は“アテネス騎士団”主席将軍補佐!」
なんか言っている様だが無視しながらも最初に襲ってくる戦鎌のゴーレムの攻撃を躱し、近接武器であるレーザーソード型アーティファクト“アストルム”を取り出し、そのままゴーレムの首を刎ね、核を貫く。
「貴方の武勇を、ここで失うのは……大陸の歴史にとって大きな損失!」
指揮官ゴーレムがまだなんか言っている様だが気にせずアストルムをしまい、左腕を失ったゴーレムにノールックでドンナーを撃ち、そのゴーレムの核を正確に撃ち抜く。そして銃剣付きプレスガンを持つゴーレムにもドンナーを撃ち込む。その時ゴーレムはなんとか躱すものの、プレスガンを破壊される。破壊されたプレスガンを捨て、近接武器であるナイフを取り出し、俺に接近する。
「アテネスに来なさい!」
ゴーレムがナイフで俺に突き刺そうとする。俺は右に躱し、ドンナーをそのゴーレムに向ける。しかし、そのゴーレムは左手に持つ盾でドンナーの銃口を逸らすと同時に僅かな隙を突いてナイフで突き刺そうとする。
「フン…!……ヌォッア!?」
だが、それがいけなかった。ドンナーを一時的に封じた隙を突いたのはいい。しかし、まさか義手の左腕で突き刺して来ようとは思いもよらなかったのだがら。
「…是が非でも、あなた方を迎え入れたい!」
どうやら指揮官ゴーレムはハジメや雷電を勧誘するつもりで言っていたのだろう。しかし、その頃にはハジメはゴーレムを義手の左腕で核ごと貫いて破壊していたのだから。
「さっきからごちゃごちゃ言っている様だが、生憎とこっちからは願い下げだ」
俺の言葉を皮切りに指揮官ゴーレムは目の前の状況を見て呆然とした。
「っ!?何…ですか?」
精鋭であった三体のゴーレムがハジメ一人によって瞬殺されていたのだ。呆然としてしまうのも無理もない。
「この義手は特別製だからな。こういうことも出来るんだよ」
そう言いながらも俺は貫いたゴーレムから義手の左腕を退き抜く。そして、核ごと貫かれたゴーレムは糸がキレた人形の様に倒れていった。そして俺は指揮官ゴーレムに少しばかり煽りを入れる。
「ここで出会った不幸を呪うこったな。俺は敵として認識した奴は容赦はしない。どの道テメェも俺の抹殺対象だ」
「ぐぬぬ……!」
その煽りに刺激されたのか、指揮官ゴーレムは複合兵装のプレスガン部分でハジメを撃とうとする。しかし、それよりも早くハジメがドンナーを撃ち、指揮官ゴーレムの複合兵装のプレスガン部分を破壊する。そしてハジメは一気に距離を積め、そのまま指揮官ゴーレムの両腕をドンナーで破壊する。
「っ!?これ程とは……!」
「お前等ゴーレムごときに遅れを取る程、俺達は弱くねぇんだよ」
完全に積んでしまった指揮官ゴーレムは敗北を悟り、生き残っているスナイパーのゴーレムに離脱するよう呼びかける。
「レト!貴方はここから離脱し、ヒュケリオン将軍に連絡を!」
「…了解!」
頭部を失いながらも転移魔法で離脱するゴーレム。この時にハジメは会えて見逃し、目の前にいる指揮官ゴーレムを先に始末することを優先した。
「……一応聞きますが、何故彼女を見逃したのです?」
「どうもしねえよ。ただ単に無駄弾の消費を抑えたいだけだ」
「フッ…!やはりあなた方は冒険者やハイリヒ王国などに属すべきではありません!私を殺した後でいい、アテネスに来なさい!いずれ来る大陸を分断する最終決戦にこそ、あなた方の力はふさわしい!」
「別に俺はこの世界がどうなろうが俺の知ったことじゃねえ。俺達は元の世界に帰る為に行動している。それを邪魔する奴はゴーレムだろうと、魔人族だろうと、人間だろうと容赦はしない。…ただそれだけだ」
そう言って俺はドンナーで指揮官ゴーレムの核を破壊し、逃げたゴーレムを除いて精鋭部隊のゴーレム達を俺一人で片付けたのだった。そして弾き飛ばされたシュラークを回収し、魔物達と戦っている雷電たちと合流するのだった。
中村恵里が雷電たちの仲間入りする際にどのタイミングがよろしいか?
-
グリューエン大火山に向かう時
-
王都編が終わる直前の時