ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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ちょっと色々なネタをぶっ込み過ぎた。


52話目です。


嫉妬と彼女の告白

 

 

雷電が恵里を止める為に自ら自傷し、気を失ってから次に目を覚ましたのは夜中の部屋であった。

 

 

「……知らない天井…何て言える時点でまだ生きている事は確かな様だな」

 

「その通りだ、このアホ。全く……」

 

 

そう雷電に罵倒したのはハジメだった。どうやら俺は治療を施された後、ハジメによって看病されていた様だ。

 

 

 

一応ハジメから俺が気絶した後にどうなったのか聞き出したところ、恵里はハジメ達に俺が死にかけであることを説明した。そうなった経緯も含めて。その時に天之河は相も変わらずご都合解釈をフル稼働させて俺が恵里を襲ったと思った様だが、そんな時に恵里にドきつい言葉を貰ってから撃沈した様だ。

 

 

 

そして俺は香織に魔法で治療され、安静になったところで部屋に運んでもらって、そこでハジメが俺が起きるまで看病してもらった様だ。

 

 

 

「…ハジメ、俺はどれくらい眠っていた?」

 

「大体、三時間といったところだな。お前が眠っている間、シアやミュウが心配していたぞ。特にクローン達なんかはかなり乱心していたぞ?後でシア達に謝っておけよ?」

 

「……すまない」

 

 

雷電がそうハジメに謝った後に、ドアからシアが出て来た。どうやら雷電のフォースを感じ取った様で直ぐに来たご様子だった。

 

 

「マスター……?」

 

「あぁ…シアか。すまないな、心配をかけ「マスタ〜ッ!!」…って、ちょっとまっ…ウボォッ!?」

 

 

シアに謝罪を掛けるや否や、急にシアが雷電に向かって飛びついたのだった。香織の治癒魔法のお陰で回復したものの、まだ病み上がりであった。

 

 

「マズタ〜〜ッ!私、じんぱいじましたよ〜〜!!」

 

「シ…シア。ギブ……あっいつつ…!」

 

「何でもかんでも背負うとしたお前の悪い癖だ。そのツケが今日回って来たと思って今日一日シアを構ってやりな」

 

 

そうハジメに指摘されてしばらくの間、俺はシアに構ってやる他になかった。それと、傷の方は感知してはいるものの、失った血はどうしようもなかったために輸血で血を補充するのだった。一応出発は明日の早朝に出発するとのことだ。

 

 

雷電Side out

 

 

 

雷電の事はシアに任せるとして、俺はバルコニーで夜風に当たっていた。そういや、今日は色々と厄介な事が多かったな。特にクラスメイト達のことで……

 

 

 

白崎の方は雷電が中村の方に向かった後、白崎がミュウの事で色々と質問攻めして来たからな。その時に八重樫に止められたのだが……そのお陰でこっちは面倒ごとを回避できた。

 

 

 

んで、その後が雷電が自傷したという事件が起きたんだよな。そうなった発端である中村からも説明があったが、天之河が相変わらずのご都合解釈で雷電が中村を襲ったとか何とか勝手な事をほざいていたら、中村からきつい一言で轟沈したんだよな?

 

 

 

そんで、少し落ち着いたところで清水がクラスメイト達の前で素顔を晒したんだよな?そん時のクラスメイト達の反応は少し面白かったのは内緒だ。そんで、コルトが亡くなった代わりに部隊を指揮していたイザナミっていうクローンは清水が名付けたクローンだったらしく、再開できてよかったとイザナミ本人も喜んでいたな。その後に清水は留守番していたシルヴィを迎えに行ったな。

 

 

 

……つーか、今日はガチで色々とあり過ぎたな?マジで。そう思っていると後ろから八重樫があの時、自分の獲物が壊れた際に俺が渡した黒刀を持ってやって来た。

 

 

「南雲君……これ、助かったわ」

 

 

そう言って黒刀を俺に返そうとした。……まぁ、俺がいない間、白崎を支えてくれた礼もあるからな。

 

 

「それはやるよ。お前にはこれまで世話になった」

 

「……ありがとう」

 

「世界一硬い鉱石を圧縮して作ったから頑丈さは折り紙付きだし、切れ味は素人が適当に振っても鋼鉄を切り裂けるレベルだ。扱いは……八重樫にいうことじゃないだろうが、気を付けてくれ」

 

「……こんなすごいもの……流石、錬成師というわけね。ありがとう。遠慮なく受け取っておくわ」

 

 

一振り二振りし、全体のバランスと風すら切り裂きそうな手応えに感嘆して、笑みを浮かべながら素直に礼をいう八重樫。正直、八重樫の扱う八重樫流の剣術は当然日本刀を前提とするものなので、前の剣ではどうしても技を放つときに違和感があった。なので、刀が手に入ったのは素直に嬉しく、自然笑みも可憐なものになる。

 

 

「むぅ……あれは、ラスボス?」

 

「えっ……雫ちゃん?」

 

「えっ?なに?香織にユエさんまで?」

 

「ただの礼だ!?」

 

「どうしてそんな目で見るの?何なのよ一体っ!?」

 

 

そんなこんなありながらも俺達は明日の早朝の為に部屋に戻るのだった。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

南雲君から改めて黒刀を貰った後に南雲君達が部屋へと戻るのを見送った。その時に光輝が何時から見ていたのか、部屋へと向かう香織を引き止めようとする。

 

 

「香織!……おわっ!?」

 

そんな光輝を私は物理的に引き止める。今また南雲君達と喧嘩になったらそれこそ本末転倒だ。

 

 

「……何も言わないのか?」

 

「何か言ってほしいの?」

 

「……」

 

 

何も答えない……いや、答えられない光輝。頭に浮かぶのは香織が想いを告げたときの光景。不安と歓喜を心の内に、祈りを捧げるように告げられた想いは、その表情と相まって嘘偽りではないのだと、病気レベルで鈍感な光輝を以てして確信させるものだった。

 

 

 

光輝は香織とは十年来の付き合いがあるが、未だかつて、あれほど可憐で力強く、それでいて見ているこちらが切なくなる、そんな香織の表情は見たことがなかった。まさに、青天の霹靂とはこのことだった。

 

 

 

その表情を思い出す度に、光輝の胸中に言い知れぬ感情が湧き上がってくる。それは暗く重い、酷くドロドロした感情だ。無条件に何の根拠もなく、されど当たり前のように信じていたこと。香織という幼馴染はいつだって自分の傍にいて、それはこれからも変わらないという想い。もっと言えば、香織は自分のものだったのにという想い。つまりは、嫉妬だ。

 

 

 

その嫉妬が、恋情から来ているのか、それともただの独占欲から来ているのか、光輝自身にもよく分かっていなかったが、とにかく“奪われた”という思いが激しく胸中に渦巻いているのだった。

 

 

 

しかし、“奪った”張本人であるハジメ(本人は断固否定するだろうが)と共に行くと決めたのは香織自身であり、またハジメという存在そのものと有り得ないと思っていた現実を否定したかったが、より現実に叩き付けて来たのが雷電だった。雷電は一年前からとは言え、友として思っていた(本人は逆にそうは思わず、寧ろ嫌っていた)が、ハジメと同じ狢であったと思い込み、彼との仲がこじれてしまう。

 

 

斯くして光輝が挑んだ決闘では適当にあしらわれるどころか、一方的に雷電に思う様にやられるだけで、あろうことか危うく殺されるという事態まで陥ったのだ。自分の惨めさとか、ハジメや雷電への憤りとか、香織の気持ちへの疑いとか、色々な思いが混じり合い、光輝の頭の中はぶちまけたゴミ箱の中身のようにぐちゃぐちゃだった。

 

 

 

だから、いつの間にか隣にいて何も言わずに佇んでいるもう一人の幼馴染の女の子に向けてみたのだが……返答は、実に素っ気無いものだった。続く言葉が見つからず、黙り込む光輝。

 

 

 

雫は、そんな光輝をチラリと横目に見ると、眉を八の字に曲げて“仕方ない”といった雰囲気を醸し出しながら口を開いた。

 

 

「……今、光輝が感じているそれは筋違いというものよ」

 

「……筋違い?」

 

 

雫から、思いがけず返ってきた言葉に、オウム返しをする光輝。雫は、月から視線を転じて光輝を見やりながら言葉を続けた。

 

 

「そう。香織はね、最初からあんたのものじゃないのよ?」

 

「……それは……じゃあ、南雲のものだったとでも言うのか?」

 

 

ズバリ、内心を言い当てられ瞳を揺らす光輝は、苦し紛れに、ほとんど悪態ともいうべき反論をした。それに対して雫は、強烈なデコピンでもって応えた。“いづっ!?”と思わず額を抑える光輝を尻目に、雫は冷ややかな声音で叱責する。

 

 

「お馬鹿。香織は香織自身のものに決まっているでしょ。何を選ぼうと、何処へ行こうと、それを決めるのは香織自身よ。当然、誰のものになりたいか……それを決めるのもね」

 

「……いつからだ? 雫は知っていたんだろ?」

 

 

“何を”とは問わない。雫は、頷く。

 

 

「中学の時ね……香織が南雲君と出会ったのは……まぁ、彼の方は忘れていた…というより出会ったこと自体を知らなかったみたいだけど」

 

「……何だよ、それ。どういうことだ?」

 

「それは、いつか香織自身から聞いて。私が、勝手に話していいことではないし」

 

「じゃあ、本当に、教室で香織が何度も南雲に話しかけていたのは……その……好きだったから……なのか?」

 

「ええ、そうよ」

 

「……」

 

 

聞きたくない事実を至極あっさり告げる雫に、光輝は恨めしそうな視線を向けたが、この時に雷電が言っていた言葉を思い出した。

 

 

“そんなわけないだろうが。幼馴染だからといって、ずっと一緒にいるという理由にはならないだろうが。そんな事すら分からないのか?天之河……”

 

 

そう、ただ答えは単純だった。幼馴染だからと言ってずっと一緒ではない。光輝は薄々それを認めたくなかっただけなのかもしれない。そして、雷電が大切にしているであろう弟子である兎人族の少女を奴隷と勘違いした事で、光輝は雷電の逆鱗に触れてしまったのだ。そして逆鱗状態の雷電のあの言葉が、今でも頭から離れなかった。

 

 

“この際だからはっきり言っておく。俺はお前の事が嫌いだ。そのくだらないご都合解釈で勝手に俺のことを友と認識し、挙げ句の果てに俺の弟子であるシアのことを奴隷として見ていた。堪忍袋の尾が切れるくらいにこっちはいい迷惑なんだ”

 

 

ハジメや雷電がいう光輝の短所である“ご都合解釈”。それがこの様な事態を招いてしまった事を。

 

 

 

それだけではない。あの魔人族の女を殺せなかったときもクローン達から罵声を浴びせられた。対人戦闘訓練の時、クローン達の指揮官でもあり、教官でもあったコルトの言葉を今でも覚えていた。

 

 

“甘ったれるな!その様な綺麗事だけで事が上手く運ぶと思い上がるな!!”

 

 

事実上、まさにその通りだった。綺麗事だけ並べて、クラスメイト達に迷惑をかけてしまい、信頼関係すら失いかけてしまった。光輝からすれば何も言えない状況だった。

 

 

「知らなかった……」

 

 

“でしょうね”と雫が言葉を返す。

 

 

「光輝の、真っ直ぐなところや正義感の強いところは嫌いじゃないわ」

 

「……雫」

 

「でもね。もうそろそろ、自分の正しさを疑えるようになってもいいと思うのよ」

 

「正しさを疑う?」

 

「ええ。確かに、強い思いは、物事を成し遂げるのに必要なものよ。でも、それを常に疑わず盲信して走り続ければ何処かで歪みが生まれる。だからその時、その場所で関係するあらゆることを受け止めて、自分の想いは果たして貫くことが正しいのか、あるいは間違っていると分かった上で、“それでも”とやるべきなのか……それを、考え続けなければならないんじゃないかしら? ……本当に、正しく生きるというのは至難よね。この世界に来て、魔物とはいえ命を切り裂いて……そう思うようになったわ」

 

 

雫が、魔物を殺すたびにそんな事を考えていたとは露知らず、光輝は驚きで目を丸くした。

 

 

「光輝。常にあんたが正しいわけではないし、例え正しくても、その正しさが凶器になることもあるってことを知ってちょうだい。まぁ、今回のご都合解釈は、あんたの思い込みから生じる“正しさ”が原因ではなくて、唯の嫉妬心みたいだけど」

 

「い、いや、俺は嫉妬なんて……いや、していたかもしれないな」

 

「そこで誤魔化しやら言い訳やらするのは、格好悪いわよ?それに、そこはちゃんと素直に言わなきゃね?」

 

「……」

 

 

再び俯いて、夜空の月を眺め始めた光輝。ただ、先程のような暗い雰囲気は薄れ、何かを深く考えているようだった。取り敢えず、負のスパイラルに突入して暴走という事態は避けられそうだと、幼馴染の暴走癖を知る雫はホッと息を吐いた。

 

 

 

そして、今は一人になる時間が必要だろうともたれていた欄干から体を起こし、そっとその場を離れようとした。そんな踵を返した雫の背に光輝の声がポツリとかかる。

 

 

「雫は……何処にも行かないよな?」

 

「……いきなりなによ?」

 

「……いや、今のは忘れてくれ、雫」

 

「……」

 

 

どこか懇願するような響きを持った光輝の言葉。光輝に惚れている日本の生徒達や王国の令嬢達が聞けばキャーキャー言いそうなセリフだったが、生憎、雫が見せた表情は“呆れ”だった。香織がいなくなった喪失感に弱っているのかもしれないが……雫はチラリと肩越しに揺らめく月を見やった。先程から、光輝がずっと眺めていた夜空の月だ。

 

 

「少なくとも私はその“月”ではないけれど……縋ってくるような男はお断りよ」

 

 

それだけ言い残し、雫は、その場を後にした。残された光輝は、雫が消えた路地をしばらく見つめたあと、再び、夜空の月に視線を移す。

 

 

「……俺は……無力だな……」

 

 

光輝はそう呟きながらも、月を眺めながらも天手を伸ばせば、無条件に届くと信じて疑わなかった“それ”が、やけに遠く感じる。光輝は、深い溜息を吐きながら、厳しくとも優しい幼馴染の言葉をじっくり考え始めた。

 

 

 

変わるのか、変わらないのか……それは光輝次第だ。

 

 

 

雫Side out

 

 

 

あれから翌日……

 

 

 

早朝よりも早く起きた俺はホルアドの近くに技能で基地を作り出し、そこで檜山を連行、監禁し、シルヴィと共に留守番をさせる為に召喚したクローン達に檜山の監視を命じ、その後にハジメ達と合流し、新たに仲間に加わった香織と共にこの町から出るのだった。その時に谷口達が香織を見送りに来ていた。

 

 

「雫ちゃん……」

 

「うん……」

 

「カオリン、元気でね!鈴はいつでも味方だよ!」

 

「気を付けてね」

 

「…ありがとう鈴ちゃん、恵里ちゃん」

 

「行きなさい、南雲くんの所へ」

 

「雫ちゃん……」

 

 

そうして別れの言葉を告げた後に香織はハジメ達の所に向かうのだった。そして清水もイザナミに一時的な別れを告げる。

 

 

「今度はガンシップではないとはいえ、また行方不明になるなよ?」

 

「そう簡単になってたまるか。……また会おうな、イザナミ」

 

「無論だ……フォースと共にあれ、シャドウ。お前が清水として戻ってくるまで、待ってるからな」

 

「あぁ……俺もだ、イザナミ」

 

 

清水も別れを告げ終え、スピーダー・バイクに向かうのだった。そうして全員が出発準備を終えた後、俺はハジメに先に行っててほしいと頼む。

 

 

「ハジメ、少し先に行っててくれないか?俺は少し野暮用を終えてから合流する」

 

「野暮用?……まぁ、それは構わないが、必ず追いついて来いよ?」

 

 

“すまないな”とハジメに謝った後、ハジメは“宝物庫”からブリーゼとシュタイフを取り出し、ハジメはブリーゼを、シアはシュタイフに乗り込み、全員がそれぞれの乗り物に乗った後にシアが“マスター、早く野暮用を済ませてこっちに合流してくださいね?”といって先にハジメ達がこの町から出るのだった。

 

 

 

ハジメ達がこの町から出たのを見送った後、野暮用を済ませる為に行動する。俺が言う野暮用というのは……

 

 

「さて……お前はどうするんだ?」

 

 

俺は谷口達の方に向けて言う。この時に谷口が自分が呼ばれたのかと勘違いする。

 

 

「えっ……私?」

 

「違う違う……谷口じゃなくて、恵里だよ」

 

「え……エリリン?」

 

「わ……私?」

 

 

恵里は雷電に指名されたことに驚いていた。俺のいう野暮用とは恵里をこの旅に同行するかどうかの確認だった。

 

 

「恵里、お前には二つの選択肢がある。一つは、彼等と共に残り、俺達が帰ってくるまで待つか。そしてもう一つは、俺達と共に旅に出て、この世界の()()()()()を知るかだ」

 

「本当の…真実……」

 

 

そう雷電に告げられた恵里は最初こそは困惑したものの、この時に恵里は雷電に自分の思いを答えるのは今がその時ではないのかと考える。香織はハジメの想いは負けておらず、例えそれがユエがと一緒にいたとしても負けるつもりは無く、たった一つの“特別の座”を奪って見せるという決意表明を示したのだ。

 

 

 

そして恵里もシアという弟子の兎人族であろうとも、香織と同じくたった一つの“特別の座”を奪って見せるという決意するのだった。

 

 

「うん!私も……いや、僕も行くよ!」

 

「エリリン(恵里)!?」

 

「そうか……ならば待ってくれ」

 

 

恵里の承諾を得た俺はサイド・カー付きのスピーダー・バイク一台を召喚する。そして恵里はクラスメイトの皆に謝る。

 

 

「ごめんね、これが本当の僕の素なんだ。それと、この際だから今僕が想っている人に告白しようと思うの」

 

「えっ…こ……告白!?エリリン、一体告白の相手は誰なの!?」

 

 

スピーダー・バイクを召喚し終えた後、俺は今起きているこの状況は一体どうゆう事なのか理解し難かった。

 

 

「これは一体どういう状況だ?」

 

「……ちょっと藤原君、こっちに来て!」

 

「八重樫?一体どうし……うぉっ!?」

 

 

突如と八重樫に引っ張られ、恵里の変わりようについて詳しく説明するよう求めた。

 

 

「ちょっと、どういう事なの!?恵里の性格がまるで別人の様に変わったのよ!昨日恵里にいったい何を言ったの!?」

 

「ちょ……ちょっと待て、八重樫。俺は飽くまで恵里に謝っただけだ…ぞぉ!?」

 

 

そう八重樫に伝える時に今度は恵里に引っ張られ、恵里は俺に何かを伝えようとする。

 

 

「え……恵里?」

 

「雷電くん、あなたにはシアがいるのは分かっている。でも、これだけは言わせて」

 

「言うって、何を……っ!?」

 

 

恵里がいう言葉が何なのか問い質してみようとしたその時に、恵里が俺の唇を奪うかの様に抱きつき、そのままキスをして来たのだ。恵里のまさかの行動に俺の思考が停止しかけた。それはクラスメイト達も同様だった。

 

 

「んっ!?」

 

「んっ……」

 

 

そしてキスを終えた後に俺は戸惑いながらも恵里に問いつめた。

 

 

「え…恵里?今のって……?」

 

「多分雷電くんは初めてじゃないと思うけど、これは僕の初めてキスであって僕の本当の想い。僕は、僕はね……」

 

 

 

「雷電くんの事が……だぁぁぁぃーーーー好きーーーーー!!」

 

 

 

突然の恵里からの告白に雷電は更にこんがらがった。そしてクラスメイト達も唖然としていた。中には“恵里が雷電に惚れていた?”とか、“え…エリリンが……ライライに……?”などと戸惑いを隠せないでいた。なお、先に行ったであろうシアは何かしらの電波を受信したのか“ハッ!?今、マスターが何か大切な物を奪われた様な……!?”と呟いたのは別の話だ。

 

 

 

普段冷静を装っていた雷電でもこれは大きすぎる衝撃だった故に動揺するには十分すぎた。

 

 

「え…あっ……えぇ!?え……恵里?」

 

「い……言っちゃった。僕、言っちゃった……!」

 

 

恵里も恵里で雷電や他のクラスメイト達の前で大胆に告白したことに顔を赤めていた。その時に他の視線を感じ取ったのか、ハジメ達が行った方角に目を向けると、そこには何時戻って来たのか清水の姿があった。しかも、清水の手には何かしらのカメラを持っていた。

 

 

「おい……シャドウ。お前、何時からいた?」

 

「お前が八重樫に説明を求められた時からな」

 

「それで、そのカメラは何だ?」

 

「少しばかし面白い事になるかと思ってカメラに収めとこうと思ったが、逆に予想外な展開を収めたけどな」

 

 

つまり、清水は恵里が雷電にキスをし、大胆に告白した所をカメラに収めていたということになる。そう理解した瞬間、雷電と恵里の顔が真っ赤になり、羞恥プレイでもさせられてる気分だった。

 

 

「なぁシャドウ……警告しておく。今すぐそのカメラを俺達に渡せ、というか直ぐに寄越せ」

 

「ねぇ清水くん?流石の僕でも見過ごせないな?だからそれを渡しなさい」

 

 

俺と恵里の意見はこの時に一致した。早めに清水からカメラを取り上げ、メモリーチップを破壊しようと。そうしないと、恥ずかしい記録を使ってからかってくるのは明確だった。しかし、それを簡単に渡す様な清水ではなかった。

 

 

「そうしたいのは山々なんだが、お前の弟子であるシアに“未来予知”で眼鏡っ子とつながる可能性があるとのことで俺にカメラでその証拠を収めてくれって頼まれた」

 

「ファッ!?シアからか!?」

 

 

清水を動かした黒幕が、まさかの弟子であるシアであったことに俺は驚きを隠せないでいた。なお、この時の雷電はあまりの同様にフォースで嘘をついているのかどうかの判断ができなかった。そして、それが清水を逃がす好機を与えてしまう事になる。

 

 

「ま、そういう事だ。後、ハジメからも早く来いと言ってたからな。早く来いよ?」

 

 

そういって清水は自分が乗っていたスピーダー・バイクに乗り込んで直ぐに急発進して逃走した。

 

 

「なっ!?あの野郎…!恵里、直ぐに追いかけるぞ!!」

 

「うん!流石の僕でも頭にきたよ!!」

 

 

こうして俺は恵里を連れて清水を追いかけるという形になってしまったが、恵里も旅の仲間として同行するのだった。その時に天之河が何か言っている様だが無視してスピーダー・バイクに乗り込み、恵里がサイドカーに乗り込んだ後に清水を追う為にスピーダーを加速させるのだった。

 

 

 

この様な茶番を見ていた雫や他のクラスメイト達は、急すぎる展開にしばらくの間唖然としていて何も言えなかった。

 

 

雷電Side out

 

 

 

その頃ハジメ達はブリーゼを運転し、グリューエン大砂漠へと進路を取っていた。その時に後部座席に座っていた香織は席順に不満を抱いていた。

 

 

「あの…ハジメくん、どうしてこの席順なのかな?」

 

 

香織が言うにはハジメが運転席でその助手席にはユエとミュウが座り、後部座席には香織とシルヴィ、ティオという位置で座っているのだ。ユエは勝ち誇った様子で香織を見るのだった。シルヴィはこれが普通なのでは?と言うのだった。そして香織はティオにもこれでいいのかと聞き出すのだった。

 

 

「ティオさんはこれで納得できるんですか?」

 

「納得するも何も……妾はどちらかと言えば、こんな扱いの方が身体の心から熱くなるのじゃ!」

 

「本当に変態なんですね……」

 

 

聞いた相手を間違えたかの様に少しドン引きする香織にミュウがとんでも発言をするのだった。

 

 

「ほうちプレイ?」

 

「ぶぅっ!?ミュウ!?何時の間にそんな言葉を…!?」

 

 

ミュウのとんでも発言に戸惑うハジメ。その証拠にブリーゼの運転が少し荒くなってしまうのだった。

 

 

 

その様子を見ていたシアやデルタ、不良分隊も少しばかり苦笑いになりながらも不安になるのだった。その時にシアは一緒にいる筈の清水が不在である事に気付いた。

 

 

「あれ?そういえばシャドウさんは?」

 

「何?確かに、シャドウの姿が見えない。どこに行った?」

 

 

シアとデルタ分隊は清水の事を探そうとした時に後方からスピーダー・バイク二機が接近している事に気付いた。その二機の内一機は清水である事は分かったが、そしてもう一機は野暮用を済ませたのか雷電の姿があった。しかもサイドカーにもう一人の女の子を乗せて清水を追いかけているかの様に見えた。この時にシア達は清水は一体何をやらかしたのかと疑問に思うのだった。

 

 

「待ちやがれ、シャドウ!!そんでもってお前が持っているカメラを渡せ!!」

 

「待ちなさいよ清水くん!!今なら少ししか怒らないから早くそのカメラを渡しなさい!!」

 

「だが断る!!たまには娯楽の写真もあってもいいだろうが!!」

 

 

雷電たちは“ふざけるなぁぁぁーーー!!”と叫びながらもハジメ達を追い越して清水を追いかけていたのだった。清水の逃走劇を見たハジメ達は何ともいえない様子だった。

 

 

 

数分後、清水は雷電と恵里により捕まり、カメラ内に保存されている映像データを消去して雷電と恵里の羞恥プレイシーンを消去するのだった。その後にハジメ達と合流し、雷電が改めて恵里が新たな旅の仲間になった事を説明した。当然ハジメは反対したのだが、もう連れて来てしまったならしょうがないと判断し、雷電が恵里の面倒を見るという条件付きで旅の同行を許すのだった。この時にシアは恵里は師である雷電の恋のライバルであると“未来予知”で理解し、正妻の座は渡さない前提で恵里に警告を兼ねて挨拶を交わすのだった。無論、恵里も同様である為に雷電の負担が少し増えたのだった。

 

 

 

なお、清水のお仕置きは目的地に着くまで縄で縛りつけて芋虫状態のまま後部座席に放置するという処遇を下され、清水は縛り付けられ、芋虫状態で後部座席に収納されるのだった。そして、ティオはこの時に“妾もあんな風に放置プレイされたら…”と妄想し、変態っぷりを見せた時に雷電たちがドン引きしたのは余談だ。

 

 

檜山の末路について(死亡は確定済み)

  • 雷電に首を刎ねられる
  • 激昂した恵里に殺される
  • 原作通り
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