ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

58 / 85
新年、あけましておめでとうございます。今年も“ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強”をよろしくお願いします。


58話目です。


インディ的な冒険?と最終試練

 

グリューエン大火山を攻略してから数時間、現在のハジメ達は、何処までも続く道をひたすら進み、神代魔法がある最深部へと向かっていた。

 

 

 

具体的には、ハジメ達は宙を流れる大河の如きマグマの上を赤銅色の岩石で出来た小舟のようなものに乗ってどんぶらこと流されているのだ。

 

 

「気分は、ハードモードのインディさんだな……」

 

「……何故インディをチョイスしたんだ?」

 

 

地球で一番有名なアグレッシブ過ぎる考古学者を思い出しながら、そんな事を呟くハジメと、ハジメの呟きにツッコム雷電。

 

 

 

なぜ、こんな状況になっているかというと……端的に言えばハジメのミスである。というのも、少し前の階層で攻略しながらも静因石を探していたハジメ達は、相変わらず自分達を炙り続けるマグマが時々不自然な動きを見せていることに気がついた。

 

 

 

具体的には、岩などで流れを邪魔されているわけでもないのに大きく流れが変わっていたり、何もないのに流れが急激に遅くなっていたり、宙を流れるマグマでは一部だけ大量にマグマが滴り落ちていたり、というものである。

 

 

 

大抵、それは通路から離れたマグマの対岸だったり、攻略の障害にはならなかったので気にも止めていなかったのだが、たまたま“鉱物系探査”の効果範囲にその場所が入り、その不自然な動きが“静因石”を原因としていることが判明したのである。マグマそのものに宿っているらしい魔力が“静因石”により鎮静されて、流れが阻害された結果だったのだ。

 

 

 

ハジメ達は、ならば、マグマの動きが強く阻害されている場所に“静因石”は大量にあるはずと推測し探した結果、確かに大量の“静因石”が埋まっている場所を多数発見したのである。マグマの動きに注意しながら、相当な量の“静因石”を集めたハジメ達は、予備用にもう少しだけ集めておこうと、とある場所に向かった。

 

 

 

そこは、宙に流れるマグマが大きく壁を迂回するように流れている場所だった。ハジメが錬成を使って即席の階段を作成して近寄り、“鉱物系探査”を使うと充分な量の“静因石”が埋まっていることがわかった。

 

 

 

雷電はハジメに注意して回収する様にと伝え、ハジメは早速、錬成の“鉱物分離”を使い静因石だけを回収するのだったが、暑さによる集中力の低下と何度も繰り返した“静因石”の回収に油断があったのか、壁の向こう側の様子というものに注意が向いていなかった。

 

 

 

ハジメが自分のミスに気が付いたのは“静因石”を“宝物庫”に収納し、その効力が失われた瞬間、“静因石”が取り除かれた壁の奥からマグマが勢いよく噴き出した後である。

 

 

 

咄嗟に飛び退いたハジメだったが、噴き出すマグマの勢いは激しく、まるで亀裂の入ったダムから水が噴出し決壊するように、穴を押し広げて一気になだれ込んできた。

 

 

 

あまりの勢いに一瞬で周囲をマグマで取り囲まれたハジメ達。その時に雷電とシアが、フォースを使ってマグマを凌いでいる間に、ハジメが錬成で小舟を作り出し、それに乗って事なきを得たのである。小舟は、直ぐに灼熱のマグマに熱せられたが、ハジメが〝金剛〟の派生〝付与強化〟により小舟に金剛をかけたので問題はなかった。

 

 

 

そして、流されるままにマグマの上を漂っていると、いつの間にか宙を流れるマグマに乗って、階段とは異なるルートで“グリューエン大火山”の深部へと、時に灼熱の急流滑りを味わいながら流されていき、現在に至るというわけだ。

 

 

 

ちなみに、マグマの空中ロードに乗ったとき、普通に川底を抜けそうになったのだが、シアが咄嗟に重力魔法“付与効果”で小舟の重さを軽減したのでマグマに乗ることができた。“付与効果”は、シアが触れているものの重量を、自身の体重と同じように調整出来るというものだ。

 

 

「あっ、ハジメさん、マスター。またトンネルですよ」

 

「そろそろ、標高的には麓辺りじゃ。何かあるかもしれんぞ?」

 

 

シアが指差した方向を見れば、確かに、ハジメ達が流されているマグマが壁に空いた大穴の中に続いていた。マグマ自体に照らされて下方へと続いていることが分かる。今までも、洞窟に入る度に階層を下げてきたので、普通に階段を使って降りるよりショートカットになっているはずだ。

 

 

 

ティオの忠告に頷きながら、いざ、洞窟内に突入するハジメ達。マグマの空中ロードは、広々とした洞窟の中央を蛇のようにくねりながら続いている。と、しばらく順調に高度を下げていたマグマの空中ロードだが、カーブを曲がった先でいきなり途切れていた。いや、正確には滝といっても過言ではないくらい急激に下っていたのだ。

 

 

「またか……全員振り落とされるなよ!」

 

 

ハジメの言葉にユエ達も頷き、小舟の縁やハジメの腰にしがみつく。ジェットコースターが最初の落下ポイントに登るまでの、あのジワジワとした緊張感が漂う中、遂に、ハジメ達の小舟が落下を開始した。

 

 

 

ゴウォゴウォ

 

 

 

耳元で、そんな風の吹き荒れる音がする。途轍もない速度で激流と化したマグマを、シアの重力魔法を使った体重移動とティオの風によって制御しながら下っていく。マグマの粘性など存在しないとばかりに速度は刻一刻と増していった。

 

 

 

ハジメは、靴裏にスパイクを錬成し体を固定しながら、油断なく周囲を警戒する。なぜなら、こういう時に限って……

 

 

「ちっ、やっぱり出たか」

 

 

ハジメは舌打ちすると同時にドンナーを抜き、躊躇いなく引き金を引いた。周囲に轟く炸裂音。それが三度響くと共に三条の閃光が空を切り裂いて目標を違わず撃破する。ハジメ達に、襲いかかってきたのは翼からマグマを撒き散らすコウモリだった。

 

 

 

このマグマコウモリは、一体一体の脅威度はそれほど高くない。かなりの速度で飛べることとマグマ混じりの炎弾を飛ばすくらいしか出来ない。ハジメ達にとっては、雑魚同然の敵である。

 

 

 

だが、マグマコウモリの厄介なところは、群れで襲って来るところだ。一匹見つけたら三十匹はいると思え、という黒いGのような魔物で、岩壁の隙間などからわらわらと現れるのである。

 

 

 

今も、三羽のマグマコウモリを瞬殺したハジメだったが、案の定、激流を下る際の猛スピードがもたらす風音に紛れて、おびただしい数の翼がはためく音が聞こえ始めた。

 

 

「……ハジメ、左は任せて」

 

「ハジメ、俺とコマンドー達は右と後方をやる。お前は前を頼む」

 

「ああ、分かってる。そっちは任せた。シア、ティオ、船の制御は頼んだぞ」

 

「はいです!」

 

「うむ、任された。ご褒美は尻叩きでよいぞ?」

 

 

ティオの冗談とも本気ともつかない変態発言はスルーして、ハジメとユエ、清水にコマンドー達が小舟の上で対角線上に背中合わせになった直後、マグマコウモリの群れがその姿を見せた。

 

 

 

それはもう、一つの生き物といっても過言ではない。おびただしい数のマグマコウモリは、まるで鳥類の一糸乱れぬ集団行動のように一塊となって波打つように動き回る。その姿は傍から見れば一匹の龍のようだ。翼がマグマを纏い赤く赤熱化しているので、さながら炎龍といったところだろう。

 

 

 

一塊となってハジメ達に迫ってきたマグマコウモリは、途中で二手に分かれると、前方と後方から挟撃を仕掛けてきた。いくら一体一体が弱くとも、一つの巨大な生き物を形取れる程の数では、普通は物量で押し切られるだろう。

 

 

 

だが、ここにいるのはチート集団。単純な物量で押し切れるほど甘い相手でないことはウルの町で大地の肥やしとなった魔物達が証明済みだ。

 

 

 

ハジメは、“宝物庫”からメツェライを取り出すと、腰だめに構えて、その怪物のトリガーを引いた。

 

 

 

ドゥルルルルルル!!

 

 

 

独特の射撃音を響かせながら、恐るべき威力と連射を遺憾無く発揮した殺意の嵐は、その弾丸の一発一発を以て遥か後方まで有無を言わせず貫き通す。洞窟の壁を破砕するまでの道程で射線上にいたマグマコウモリは、一切の抵抗も許されず粉砕され地へと落ちていった。

 

 

 

さらに、ハジメはオルカンを取り出すとメツェライを持つ手とは反対の手で肩に担ぎ、容赦なくその暴威を解放した。火花の尾を引いて飛び出したロケット弾は、メツェライの弾幕により中央に固められた群れのど真ん中に突き刺さり、轟音と共に凄絶な衝撃を撒き散らした。

 

 

 

結果は明白。木っ端微塵に砕かれたマグマコウモリの群れは、その体の破片を以て一時のスコールとなった。

 

 

 

後方から迫っていたマグマコウモリも同じようなものだ。

 

 

「後方からマグマコウモリが来るぞ、対空防御!」

 

 

清水が指示を出すのと同時にブラスターで応戦していた。デルタに不良分隊も各々が持つブラスターで応戦する。弾切れによる空白の時間を作らない為にタップ撃ちを心がけながらもマグマコウモリを迎撃するのだった。

 

 

 

そして左からもマグマコウモリ達が迫って来た。

 

 

「“嵐龍”」

 

 

ユエが右手を真っ直ぐ伸ばし、そう呟いた瞬間、緑色の豪風が集まり球体を作った。そして瞬く間に、まるで羽化でもするかのように球形を解いて一匹の龍へと変貌する。緑色の風で編まれた“嵐龍”と呼ばれた風の龍は、マグマコウモリの群れを一睨みすると、その顎門を開いて哀れな獲物を喰らい尽くさんと飛びかかった。

 

 

当然、マグマコウモリ達は炎弾を放ちつつも、“嵐龍”を避けるように更に二手に分かれて迂回しようとした。しかし、ユエの“龍”は、その全てが重力魔法との複合魔法だ。当然、“嵐龍”も唯の風で編まれただけの龍ではなく、風刃で構成され、自らに引き寄せる重力を纏った龍であり、一度、発動すれば逃れることは至難だ。

 

 

 

マグマコウモリ達は、いつか見た“雷龍”や“蒼龍”の餌食となった魔物達のように、抗うことも許されず“嵐龍”へと引き寄せられ、風刃の嵐に肉体を切り刻まれて血肉を撒き散らし四散した。なお、ユエが“雷龍”や“蒼龍”を使わなかったのは、マグマコウモリが熱に強そうだった事と、翼を切り裂けば事足りると判断したためである。

 

 

 

最後に、“嵐龍”は群れのど真ん中で弾け飛ぶと、その体を構成していた幾百幾千の風刃を全方向に撒き散らし、マグマコウモリの殲滅を完了した。

 

 

「う~む、ご主人様とユエの殲滅力は、いつ見ても恐ろしいものがあるのぉ」

 

「流石ですぅ」

 

「それもそうだが、清水の指示も的確なのも感心するな」

 

 

小舟を制御して激流に上手く乗りながら、ティオとシアが苦笑い気味に称賛を送る。それに肩を竦めつつメツェライとオルカンを“宝物庫”にしまったハジメは、得意気に胸をはるユエの頬を軽く触れて、前方に視線を戻した。ユエも、触れられたことに目元を緩めて嬉しそうにしながら視線を周囲の警戒に戻す。

 

 

 

マグマの激流空中ロードを、魔物に襲われながら下っているというのに結構余裕のあるハジメ達。だが、その余裕に釘を刺したかったのか、今まで下り続けていたマグマが突然上方へと向かい始めた。

 

 

 

勢いよく数十メートルを登ると、その先に光が見えた。洞窟の出口だ。だが、問題なのは、今度こそ本当にマグマが途切れていることである。

 

 

「おいおい……マジかよ!?」

 

「掴まれ!」

 

 

ハジメの号令に、再び、小舟にしがみつくユエ達。小舟は、激流を下ってきた勢いそのままに猛烈な勢いで洞窟の外へと放り出された。

 

 

 

襲い来る浮遊感に、ハジメは股間をフワッとさせながら素早く周囲の状況を把握する。ハジメ達が飛び出した空間は、かつて見た“ライセン大迷宮”の最終試練の部屋よりも尚、広大な空間だった。

 

 

 

“ライセン大迷宮”の部屋と異なり球体ではなく、自然そのままに歪な形をしているため正確な広さは把握しきれないが、少なくとも直径三キロメートル以上はある。地面はほとんどマグマで満たされており、所々に岩石が飛び出していて僅かな足場を提供していた。周囲の壁も大きくせり出している場所もあれば、逆に削れているところもある。空中には、やはり無数のマグマの川が交差していて、そのほとんどは下方のマグマの海へと消えていっている。

 

 

 

ぐつぐつと煮え立つ灼熱の海とフレアのごとく噴き上がる火柱。地獄の釜というものがあるのなら、きっとこんな光景に違いない。ハジメ達は、ごく自然にそんな感想を抱いた。

 

 

 

だが、なにより目に付いたのは、マグマの海の中央にある小さな島だ。海面から十メートル程の高さにせり出ている岩石の島。それだけなら、ほかの足場より大きいというだけなのだが、その上をマグマのドームが覆っているのである。まるで小型の太陽のような球体のマグマが、島の中央に存在している異様はハジメ達の視線を奪うには十分だった。

 

 

「“風よ”」

 

 

飛び出した勢いでひっくり返った小舟を、ティオが空中で立て直し、それぞれ己の姿勢を制御して再び乗り込んだ。ユエが、小舟の落下速度を“来翔”で調整する。柔らかくマグマの海に着地した小舟の上で、明らかに今までと雰囲気の異なる場所に、警戒を最大にするハジメ達。

 

 

「……あそこが住処?」

 

 

ユエが、チラリとマグマドームのある中央の島に視線をやりながら呟く。

 

 

「階層の深さ的にも、そう考えるのが妥当だろうな……だが、そうなると……」

 

「最後のガーディアンがいるはず……じゃな?ご主人様よ」

 

「ショートカットして来たっぽいですし、とっくに通り過ぎたと考えてはダメですか?」

 

「いや、それはないだろう。解放者の迷宮だからこそ、ガーディアンは必ずいる筈だ」

 

 

ハジメの考えをティオが確認し、僅かな異変も見逃さないとドMの変態とは思えない鋭い視線を周囲に配る。そんなハジメ達の様子に気を引き締めながらも、シアがとある方向を見ながら楽観論を呟いてみたが、雷電はそれを否定し、ここに大迷宮を守るガーディアンがいる事を確信していた。

 

 

 

ハジメが、シアの視線をたどると、大きな足場とその先に階段があるのが見えた。壁の奥から続いている階段で、おそらく、正規のルートをたどれば、その階段から出てくることになるのだろう。

 

 

 

しかし、いくらマグマの空中ロードに乗って流れてくることが普通は有り得ないことだとしても、雷電の言う通り、大迷宮の最終試練までショートカット出来たと考えるのは楽観が過ぎるというものだ。シアも、そうだったらいいなぁ~と口にしつつも、その鋭い表情はまるで信じていない事を示している。

 

 

 

そのハジメ達の警戒が正しかった事は、直後、宙を流れるマグマから、マグマそのものが弾丸のごとく飛び出してくるという形で証明された。

 

 

「っ!ティオ!」

 

「むっ、任せよ!」

 

 

ティオの掛け声と共に魔法が発動し、マグマの海から炎塊が飛び出して頭上より迫るマグマの塊が相殺された。

 

 

 

しかし、その攻撃は唯の始まりの合図に過ぎなかったようだ。ティオの放った炎塊がマグマと相殺され飛び散った直後、マグマの海や頭上のマグマの川からマシンガンのごとく炎塊が撃ち放たれたのだ。

 

 

「ちっ、散開だ!」

 

 

このままでは、小舟ごと今いる場所に釘付けにされると判断したハジメは、小舟を放棄して近くの足場に散開するように指示を出した。凄まじい物量の炎塊が一瞬前までハジメ達がいた小舟を粉砕し、マグマの海へと沈めていく。

 

 

 

ハジメ達は、それぞれ別の足場に着地し、なお、追ってくるマグマの塊を迎撃していった。迎撃そのものは切羽詰るというほどのものではなかったのだが、いつ終わるともしれない波状攻撃に苛立たしげな表情を見せるハジメ達。それは、マグマの海により、景色が歪むほど熱せられた空気も原因だろう。

 

 

 

そんな状況を打開すべく、ハジメは、ガンスピンしてドンナー・シュラークのリロードを終えると同時に、振り返らず肩越しにシュラークの銃口を真後ろに向けた。そして、前方に向けた義手の肘から散弾を発射してマグマの塊を迎撃しつつ、背後でユエに迫っていたマグマの塊を、シュラークの連射で撃ち落とした。

 

 

 

その意図を、言葉はなくとも正確に読み取ったユエ。一瞬出来た隙をついて重力魔法を発動させる。

 

 

「“絶禍”」

 

 

響き渡る魔法名と共にハジメ達四人の中間地点に黒く渦巻く球体が出現し、飛び交うマグマの塊を次々と引き寄せていった。黒き小さな星は、呑み込んだ全てを超重力のもと押し潰し圧縮していく。

 

 

 

ユエの魔法により炎塊の弾幕に隙ができ、ハジメは、“空力”で宙を跳ぶと一気にマグマドームのある中央の島へと接近した。

 

 

 

ハジメ達を襲う弾幕で一番厄介なのは、止める手段が目に見えないことだ。場所的に、明らかに“グリューエン大火山”の最終試練なのだが、今までの大迷宮と異なり目に見える敵が存在しないので、何をすればクリアと判断されるのかが分からない。そのため、もっとも怪しい中央の島に乗り込んでやろうと、ハジメは考えたのである。

 

 

 

ハジメは、中央の島へと宙を駆けながら“念話”を使う。

 

 

“俺と雷電で中央の島を調べる。援護を頼む”

 

“俺をご指名か……了解だ”

 

“了解”

 

 

ユエの“絶禍”の効果範囲からマグマの塊がハジメと雷電を襲うが、そうはさせじと雷電がフォースで縁談の軌道を捩じ曲げ、清水達がブラスターで縁談を迎撃する。ティオがマグマの海より無数に炎弾を飛ばして迎撃し、シアもドリュッケンを戦鎚に展開せずショットガンモードで迎撃していく。ユエは“絶禍”を展開維持しながら、更にティオと同じく炎弾をマグマの海より作り出して迎撃に当たった。

 

 

 

ユエ達の援護をもらって、一直線に中央の島へと迫ったハジメと雷電は、“空力”による最後の跳躍を行い飛び移ろうとした。

 

 

だが、その瞬間……

 

 

「ゴォアアアアア!!!」

 

「「ッ!?」」

 

 

そんな腹の底まで響くような重厚な咆哮が響いたかと思うと、宙を飛ぶハジメの直下から大口を開けた巨大な蛇が襲いかかってきた。

 

 

 

全身にマグマを纏わせているせいか、周囲をマグマで満たされたこの場所では熱源感知にも気配感知にも引っかからない。また、マグマの海全体に魔力が満ちているようなので魔力感知にも引っかからなかったことから、完全な不意打ちとなった巨大なマグマ蛇の攻撃。

 

 

 

しかし、ハジメと雷電は超人的な反応速度で体を捻ると、辛うじてその顎門による攻撃を回避した。

 

 

 

一瞬前までハジメと雷電がいた場所を、マグマ蛇がバクンッ!と口を閉じながら通り過ぎる。ハジメは、空中で猫のように体を反転させながら、銃口を通り過ぎるマグマ蛇の頭に照準し発砲した。必殺の破壊力を秘めた閃光が狙い違わずマグマ蛇の頭を捉え、弾き飛ばす。

 

 

「なにっ!?」

 

 

しかし、上がった声はマグマ蛇の断末魔ではなく、ハジメの驚愕の声だった。

 

 

 

当然、その原因は、マグマ蛇にある。なんと、マグマ蛇の頭部は確かに弾け飛んだのだが、それはマグマの飛沫が飛び散っただけであり、中身が全くなかったのだ。今までの“グリューエン大火山”の魔物達は、基本的にマグマを身に纏ってはいたが、それはあくまで纏っているのであって肉体がきちんとあった。断じて、マグマだけで構成されていたわけではない。

 

 

 

ハジメは直ぐに立ち直ると、物は試しにと頭部以外の部分を滅多撃ちにした。幾条もの閃光が情け容赦なくマグマ蛇の体を貫いていくが、やはり、どこにも肉体はなかった。どうやら、このマグマ蛇は、完全にマグマだけで構成されているらしい。

 

 

「身体が完全にマグマで構成されたものか……ある意味、面倒だな」

 

「それに関しては同意見だな!」

 

 

ハジメと雷電は驚きつつも、取り敢えず、体のあちこちを四散させたことでマグマ蛇を行動不能に出来たので、その脇を通り抜け“空力”で中央の島へ再度跳ぼうとした。

 

 

 

だが、マグマ蛇の攻撃は、まだ終わっていなかったらしい。ハジメが、脇を抜けようとした瞬間、頭部を失い体中を四散させておきながらも突如身をくねらせハジメに体当たりを行ったのだ。

 

 

 

その時に雷電は、ライトセーバーでそのマグマ蛇を完全に真っ二つに切り裂いたその時、ハジメ達の背筋を悪寒が駆け抜けた。ハジメは本能に従って、間髪入れず義手のショットシェルを激発させながら、“空力”も併用してその場を高速で離脱する。雷電もハジメ同様に“空力”を併用してその場を高速で離脱する。

 

 

 

すると、ハジメの軌跡を追うようにしてマグマの海からマグマ蛇が次々と飛び出し、その巨大な顎門をバクンッ!バクンッ!と閉じていった。

 

 

 

ハジメは、宙をくるくると回りながら後退すると近くの足場に着地する。その傍にユエ達もやって来た。ハジメが襲われている間に、炎塊の掃射は一時止んだようだ。

 

 

「……ハジメ、無事?」

 

「ああ、問題ない。それより、ようやく本命が現れたようだ」

 

「その本命がマグマで出来た蛇か……面倒な」

 

 

ハジメの腕にそっと触れながら安否を気遣うユエに、ハジメは前方から目を逸らさず、そっと触れ返すことで応え、雷電は本命であるマグマ蛇に対して愚痴るしかなかった。そのハジメの目には、ザバァ!と音を立てながら次々と出現するマグマ蛇の姿が映っていた。

 

 

「やはり、中央の島が終着点のようじゃの。通りたければ我らを倒していけと言わんばかりじゃ」

 

「でも、さっきマスターが斬った相手、普通に再生してますよ?倒せるんでしょうか?」

 

 

遂に二十体以上のマグマ蛇がその鎌首をもたげ、ハジメ達を睥睨するに至った。最初に、ハジメから銃撃を受けたマグマ蛇も、既に再生を終え何事もなかったかのように元通りの姿を晒している。

 

 

 

シアが、眉をしかめてその点を指摘した。ライセン大迷宮のときは、再生する騎士に動揺していたというのに、今は、冷静に攻略方法を考えているようだ。それを示すようにウサミミがピコピコと忙しなく動き回っている。ハジメは、随分と逞しくなったものだと苦笑いしつつ、自分の推測を伝えた。

 

 

「おそらく、バチュラム系の魔物と同じで、マグマを形成するための核、魔石があるんだろう。マグマが邪魔で俺の魔眼でも位置を特定出来ないが……それをぶち壊すしかない」

 

「それしかないか……総員、ここからが正念場だ。気張るぞ!」

 

 

雷電の言葉に全員が頷くのと、総数二十体のマグマ蛇が一斉に襲いかかるのは同時だった。

 

 

 

マグマ蛇達は、まるで、太陽フレアのように噴き上がると頭上より口から炎塊を飛ばしながら急迫する。二十体による全方位攻撃だ。普通なら逃げ場もなく大質量のマグマに呑み込まれて終わりだろう。

 

 

「久しぶりの一撃じゃ! 存分に味わうが良い!」

 

 

そう言って揃えて前に突き出されたティオの両手の先には、膨大な量の黒色魔力。それが瞬く間に集束・圧縮されていき、次の瞬間には、一気に解き放たれた。竜人族のブレスだ。

 

 

 

かつて、ハジメをして全力の防御を強いた恐るべき威力を誇る黒色の閃光は、ティオの正面から迫っていたマグマ蛇を跡形もなく消滅させ、更に横薙ぎに振るわれたことにより、あたかも巨大な黒色閃光のブレードのようにマグマ蛇達を消滅させていった。

 

 

 

一気に八体ものマグマ蛇が消滅し、それにより出来た包囲の穴から、ハジメ達は一気に飛び出した。

 

 

 

流石に、跡形もなく消し飛ばされれば、魔石がどこにあろうとも一緒に消滅しただろうと思われたが、そう簡単には行かないのが大迷宮クオリティーだ。

 

 

 

ハジメ達が数瞬前までいた場所に着弾した十二体のマグマ蛇は、足場を粉砕しながらマグマの海へと消えていったものの、再び出現する時には、きっちり二十体に戻っていた。

 

 

「おいおい、魔石が吹き飛んだ瞬間は確認したぞ? 倒すことがクリア条件じゃないのか?」

 

 

ハジメが、訝しげに表情を歪める。ハジメは、ティオのブレスがマグマ蛇に到達した瞬間から“瞬光”を発動し、跳ね上がった動体視力で確かにマグマ蛇の中に魔石がありブレスによって消滅した瞬間を確認したのである。

 

 

 

ハジメが迷宮攻略の方法に疑問を抱いていると、雷電がその謎が解けたのか、中央の島の方を指差し声を出した。

 

 

「いや、ちゃんと倒せている様だが、こいつらは別の個体だ。それと、回りにある一部の岩壁が妙に光っているぞ。それも八個だ」

 

「なに?」

 

 

言われた通り中央の島に視線をやると、確かに、岩壁の一部が拳大の光を放っていた。オレンジ色の光は、先程までは気がつかなかったが、岩壁に埋め込まれている何らかの鉱石から放たれているようだ。

 

 

 

ハジメが“遠見”で確認すると、保護色になっていてわかりづらいが、どうやら、かなりの数の鉱石が規則正しく中央の島の岩壁に埋め込まれているようだとわかった。中央の島は円柱形なので、鉱石が並ぶ間隔と島の外周から考えると、ざっと百個の鉱石が埋め込まれている事になる。そして、現在、光を放っている鉱石は八個……先程、ティオが消滅させたマグマ蛇と同数だ。

 

 

「なるほど……このマグマ蛇を百体倒すってのがクリア条件ってところか」

 

「……この暑さで、あれを百体相手にする……迷宮のコンセプトにも合ってる」

 

「この世界ならではの百人抜きか……本当にいい趣味してるよ、この大迷宮を作った解放者は!」

 

 

ただでさえ暑さと奇襲により疲弊しているであろう挑戦者を、最後の最後で一番長く深く集中しなければならない状況に追い込む。大迷宮に相応しい嫌らしさと言えるだろう。

 

 

 

確かに、ハジメ達も相当精神を疲労させている。しかし、その表情には疲労の色はなく、攻略方法を見つけさえすればどうとでもしてやるという不敵な笑みしか浮かんでいなかった。

 

 

 

そうして全員が、やるべき事を理解して気合を入れ直した直後、再び、マグマ蛇達が襲いかかった。マグマの塊が豪雨のごとく降り注ぎ、大質量のマグマ蛇が不規則な動きを以て獲物を捉え焼き尽くさんと迫る。

 

 

 

ハジメ達は再び散開し、それぞれ反撃に出た。

 

 

 

ティオが竜の翼を背から生やし、そこから発生させた風でその身を浮かせながら、真空刃を伴った竜巻を砲撃の如くぶっ放す。風系統の中級攻撃魔法“砲皇”だ。

 

 

「これで九体目じゃ!今のところ妾が一歩リードじゃな。ご主人様よ! 妾が一番多く倒したらご褒美お仕置きを所望するぞ!もちろん、二人っきりで一晩じゃ!」

 

 

九体目のマグマ蛇を吹き飛ばし切り刻みながら、そんな事をのたまうティオ。呆れた表情で拒否しようとしたハジメだったが、清水がそれを遮る。

 

 

「おいおい、ティオだけうま味を取ってどうする。俺も参戦するぞ、ハジメ。俺が勝ったら何か奢れ!」

 

 

そんな事を叫びながら、清水は、跳躍した先にいるマグマ蛇の頭部にRPS-6ロケット・ランチャーをぶっ放す。弾頭がマグマ蛇に直撃した瞬間、爆発する。弾けとんだマグマ蛇の跡にキラキラした鉱物が舞っている。RPS-6のミサイル弾頭の爆風の衝撃により砕かれた魔石だ。

 

 

 

一体のマグマ蛇を屠った清水に、背後からマグマの塊が迫る。清水は、その場で転がって回避した。しかし、それを狙っていたかのように、清水が止まる場所にマグマ蛇が炎弾を放って襲いかかる。

 

 

 

しかし、清水は特に焦ることもなく、懐から取り出したある装置を地面に設置した。

 

 

 

清水が置いた装置は簡易式偏向シールド発生装置だった。その装置からエネルギーが上へと登って、三メートル辺りでエネルギーが全方位に拡散し清水を包み込んだ。

 

 

炎弾を偏向シールドに防がれつつも、清水はハジメが作ってくれたベネリM4を取り出し、銃口をマグマ蛇に向けてトリガーを引いた。撃ち放たれたのは散弾ではなくスラッグ弾だ。

 

 

 

ただし、普通のスラッグ弾ではない。ハジメ特製の“魔衝波”が付与された特殊鉱石を使った弾丸で、着弾と同時に込められた魔力が衝撃波に変換される。威力だけなら、グレネード弾を遥かに凌ぐレベルだ。

 

 

 

ベネリM4の銃声と共に飛び出した炸裂スラッグ弾は、狙い違わず背後からマグマ蛇に直撃し、頭部から胴体まで全てを巻き込んで大爆発を起こした。その衝撃で、再び、砕け散った魔石がキラキラと宙を舞う。

 

 

「おい、コラ。お前ら、なにかって……」

 

「……なら、私も二人っきりで一日デート」

 

「やれやれ、でもまぁ、こういう意味ではムードメーカーも重要だな」

 

 

ハジメは、ティオと清水の勝手な競争にツッコミを入れようと口を開いたが、それを遮ってユエも討伐競争に参戦の意を示した。最近仲間が増えてめっきりと減ってしまった二人っきりの時間を丸一日欲しいらしい。

 

 

 

ユエは、楽しみという雰囲気を醸し出しながら、しかし、魔法についてはどこまでも凶悪なものを繰り出した。最近十八番の“雷龍”である。

 

 

 

ただし、熟練度がどんどん上がっているのか、出現した“雷龍”の数は七体。それをほぼ同時に、それぞれ別の標的に向けて解き放った。雷鳴の咆哮が響き渡る。ユエに喰らいつこうとしていたマグマ蛇達は、逆にマグマの塊などものともしない雷龍の群れに次々と呑み込まれ、体内の魔石ごと砕かれていった。

 

 

 

その光景を見て、“やっぱり、何度見てもえげつないな……”と清水が、“ユエはバグっとるよ!絶対、おかしいのじゃ!”とティオが、それぞれ焦りの表情を浮かべて悪態をつきつつ、より一層苛烈な攻撃を繰り出し、討伐数を伸ばしていった。

 

 

「……別に、いいけどな。楽しそうだし」

 

「確かに、こういうのには満更でもないしな」

 

 

そう呟きながらも雷電は、マグマ蛇が纏うマグマに注意しながらもライトセーバーで魔石をピンポイントに突き刺して、破壊する。そしてハジメは、そんな自分が景品になっている競争に闘志を燃やす女子二人と清水に肩を竦めると、若干、諦めた感を醸し出しながら、背後から襲いかかってきたマグマ蛇に、振り向くことなく肩越しにシュラークを連射する。

 

 

 

放たれた弾丸は、マグマ蛇の各箇所に均等に着弾し衝撃を以てそのマグマの肉体を吹き飛ばした。同時に、衝撃で魔石が宙を舞う。ハジメは、すっと半身になって前方から飛んできたマグマの塊をかわしながら、右のドンナーでマグマの海に落ちる寸前の魔石をピンポイントで撃ち抜いた。

 

 

 

ハジメがシュラークで放った弾丸も、シアや清水に渡したのと同じ炸裂弾だ。ただ、弾丸の大きさの問題で、炸裂スラッグ弾程の威力はでない。もちろん、シュラーゲンなどを使えば、それ以上の破壊力をもたらす事もできるが、今回は、初使用なので実験も兼ねて二丁の拳銃で使用している。

 

 

 

拳銃サイズの弾丸では、一撃でマグマ蛇を魔石ごと吹き飛ばす威力はないため、ハジメは、大体二発ほど撃ってマグマの鎧を衝撃で吹き飛ばし、露出した魔石をドンナーでピンポイント狙撃する方法を取った。当然、レールガンならマグマの鎧など無視して魔石を貫通できるが、貫通力が高すぎて、位置を特定しづらい魔石を狙うには不適当だったのだ。

 

 

 

更に、二体のマグマ蛇が左右からハジメを挟撃するが、“空力”と“縮地”で高速離脱すると、空中で上下逆さになり、シュラークを発砲する。

 

 

 

ドォパァアン!!

 

 

 

響く炸裂音は一発。しかし、解き放たれた殺意の塊は四発。猛烈な勢いで以て左右から襲いかかったマグマ蛇達は、突如、見失った獲物に混乱する暇もなく直上から襲い来た衝撃にマグマの体を四散させ、核となっていた魔石を露出させる。

 

 

 

同時に、ドンナーから放たれた二条の閃光が、一ミリの狂いもなく二つの魔石を撃ち抜き粉砕した。

 

 

 

気が付けば、中央の島の岩壁、その外周に規則正しく埋め込まれた鉱石は、そのほとんどを発光させており、残り十六個というところまで来ていた。本格的な戦闘が始まってから、まだ十分も経っていない。

 

 

 

“グリューエン大火山”のコンセプトが、悪環境による集中力低下状態での長時間戦闘だというハジメ達の推測が当たっていたのだとしたら、ハジメ達に対しては、完全に創設者の思惑は外れてしまったと言えるだろう。

 

 

ティオのブレスが、マグマ蛇をまとめてなぎ払う。

 

 

 

──残り十四体

 

 

 

シアのドリュッケンによる一撃と、ほぼ同時に放たれた炸裂スラッグ弾がマグマ蛇をまとめて爆砕する。

 

 

 

──残り十体

 

 

 

ユエに対し、直下のマグマの海から奇襲をかけて喰らいつこうとしたマグマ蛇と直上から挟撃をしかけたマグマ蛇が、とぐろを巻いてユエを包み込んだ“雷龍”に阻まれ、立ち往生する。そして次の瞬間、その二体のマグマ蛇を四体の“雷龍”が逆に挟撃し、喰らい尽くす。

 

 

 

──残り八体

 

 

 

清水やコマンドー達はそれぞれの武器とチームワークで応戦し、確実にマグマ蛇の魔石を破壊していた。

 

 

 

──残り四体

 

 

 

雷電はライトセーバーやフォースを駆使して、襲いかかってくる二体のマグマ蛇を胴体諸共魔石を斬り捨てる。

 

 

 

──残り二体

 

 

 

ハジメに、急速突進してきたマグマ蛇がマグマの塊を散弾のごとく撒き散らす。しかし、ハジメは、ゆらりゆらりと木の葉が舞うようにマグマの塊をかわしていき、マグマ蛇が喰らいつこうとした瞬間、交差しながらシュラークを発砲。弾け飛びながら慣性に従って吹き飛んだ魔石を見もせずにドンナーで狙撃し粉砕した。

 

 

 

遂に最後の一体となったマグマ蛇が、直下のマグマの海から奇襲をかけた。ハジメは、そのまま直上に“空力”で飛び上がると、真下からガバッと顎門を開いて迫るマグマ蛇の口内に向けてシュラークを発砲した。

 

 

 

着弾と同時に紅い衝撃波が撒き散らされ飛び散るマグマ。その隙間から僅かに魔石が姿を現す。ハジメは、右のドンナーを構えた。ユエ達が満足気な眼差しでハジメが最後の一撃を放つところを見つめている。

 

 

「これで、終わりだ」

 

 

それを視界の端に捉えながら、ハジメは“グリューエン大火山”攻略のための最後の一発を放とうとした。

 

 

「…っ!?ハジメ!」

 

「雷電…?うぉっ!?」

 

 

その時に雷電はフォースの未来予知でハジメが極光に飲まれる光景だった。雷電は咄嗟にフォース・プルでハジメを雷電達の所に引き寄せた。

 

 

 

──その瞬間

 

 

 

ズドォオオオオオオオオ!!!!

 

 

 

ハジメが元いた場所の頭上より、極光が降り注いだ。

 

 

 

まるで天より放たれた神罰の如きそれは、ハジメがかつて瀕死の重傷を負った光。いや、それより遥かに強力かも知れない。大気すら悲鳴を上げるその一撃は、攻撃の瞬間という戦闘においてもっとも無防備な一瞬を狙って放たれたが──ハジメは雷電のおかげで喰らう事なく、最後のマグマ蛇だけが呑み込まれるだけであった。

 

 

「ハジメ、無事か?」

 

「ハジメ!」

 

「「「ハジメ(さん)(ご主人様)!!」」」

 

「あぁ、俺は無事だ。それより、今の攻撃は……」

 

「ハジメの考えている通り、アレは第三者の攻撃だ。しかも、油断したハジメを狙った攻撃であると同時に、このグリューエン大火山に乱入して来た奴と見て間違いないだろうな」

 

 

そう言いながらも雷電は上を見上げた。ハジメ達も雷電につられて天井付近に視線を向ける。そして驚愕に目を見開いた。なぜなら、いつの間にか、そこにはおびただしい数の竜とそれらの竜とは比べ物にならないくらいの巨体を誇る純白の竜が飛んでおり、その白竜の背に赤髪で浅黒い肌、僅かに尖った耳を持つ魔人族の男がいたのだった。

 

 

檜山の末路について(死亡は確定済み)

  • 雷電に首を刎ねられる
  • 激昂した恵里に殺される
  • 原作通り
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。