ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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…ん?評価バーが赤…だと……!?((((;゚Д゚)))))))バカな……。


6話目です。


ベヒモス戦、そして奈落へ…

 

 

メルド騎士団長が言う“ベヒモス”に聞き覚えがあった。確かハジメが言うにはRPGゲームにおいて厄介なモンスターだったか?となると今の生徒達では確実にベヒモスに殺される。そう思った俺はすぐにフォードーや他のクローン達に指示を出す。

 

 

「ARCトルーパーを除く全トルーパー!お前達は脱出路を確保しつつクラス全員を連れて退避しろ!フォードー率いるARCトルーパー達は出来るだけベヒモスの注意をこちらに引きつけるぞ!」

 

「「「イエッサー!」」」

 

「なっ!?馬鹿者ッ!!いくら兵士を率いているとは言え、相手はベヒモスだ!!六十五階層まで行った最強の冒険者でも歯が立たなかった化け物だぞ!!」

 

「心配するな。この手のデカブツ(凶暴生物)はなれている!メルド騎士団長はクラスのみんなを頼む!トルーパー、続け!」

 

 

そう言って俺はフォードー率いるARCトルーパーと共にベヒモスの注意を引きつける。メルド騎士団長は騎士団員である“アラン”、“カイル”、“イヴァン”、“ベイル”に生徒達の護衛に向かうよう指示を出してから俺たちと合流する。ベヒモスは咆哮を上げながらも俺たちに向かって突進してくる。俺とフォードー達は回避するもARCトルーパーの二~三人は回避に間に合わずベヒモスにぶちかまされて、そのまま奈落の底に落ちる。

 

 

「クソッ!三名死亡!」

 

「巫山戯やがって!このデカブツがぁっ!!」

 

 

仲間を殺されて怒るARCトルーパー達はDC-15やZ-6ロータリー・ブラスター・キャノン、レシプロケイティング・クワッド・ブラスターをベヒモスに向けて集中砲火を浴びせるもベヒモスは怯む様子もなかった。流石のフォードーもDC-17をベヒモスに向けながらも俺に話しかけて来た。

 

 

「奴は我々のブラスターでも怯む様子を見せません。将軍、このままではジリ貧です!」

 

「分かっている!飽くまでも時間稼ぎだ、後ろのクラス全員が退避するまで持ちこたえろ!」

 

「了か…!?将軍、伏せて下さい!」

 

 

フォードーは何かを見て俺に警告し、俺はフォードーの言われた通り伏せる。すると俺たちの後方から斬撃が飛んで来て、ベヒモスに直撃するもベヒモスは全く怯む様子を見せなかった。どうやら先ほどの斬撃は天之河から放たれた斬撃の様だ。

 

 

「馬鹿な…天翔閃でも傷一つつけられないなんて、奴を倒すにはどうすれば…」

 

「おい、天之河!何をやっている!お前はこっちより後ろの生徒やトルーパー達の援護に向かえ!」

 

「だが!メルドさんや雷電達を置いて行くわけには…」

 

 

ここでも天之河の要らぬ正義感が走ってここに留まってベヒモスを倒そうとする。流石にこれには俺はキレて後ろへ下がるように怒鳴る。

 

 

「この馬鹿が!今は他人の事心配している場合じゃない!!前にも行っただろうが!大局を見極めろと!お前は急いでクラスの所へ向かえ!!」

 

「しかし…「天之河君、ここは退こう!!」!?南雲?」

 

 

するとそこに南雲がやって来た。どうやらに後方で苦戦している仲間の援護を天之河に向かわせる為であった。

 

 

「今後方ではトルーパー達や騎士団員が頑張っているんだけど、みんなはまだ混乱している。天之河君(リーダー)がいないからだ!みんなトルーパーや天之河君の様に強いわけじゃない!みんなを救えるのは君しかいないんだ!!この状況を切り抜けるには強いリーダーが必要なんだ!!雷電の言う様に前ばかりじゃなく後ろもちゃんと見て!!」

 

「南雲…」

 

 

まさかハジメが天之河に発破をかけるとはな。これは予想以上な成長だ。少しばかり嬉しく思いながらも俺は天之河に無効に向かうよう指示を出し、ハジメに何か策があるのか聞いてみる。

 

 

「そう言う事だ天之河。お前は急いで後方に向かい彼らを手助けしろ。ハジメ、あのデカブツに対して何か策がないか?」

 

「…確かに、奴はどうする?放っておくわけにはいかないだろう!」

 

「大丈夫、僕に考えがある」

 

 

俺達はハジメがいう考えを聞いた。ハジメが言うに先ず天之河とフォードー率いるARCトルーパー達はクラス全員を纏め、退路を確保しつつハジメが考えた作戦を伝える。そしてメルド騎士団長と俺、ハジメがベヒモスの相手をしつつもハジメの作戦を伝えたクラスの皆が準備が完了したらハジメの錬成と俺のフォースでベヒモスの動きを止める。動きを止めた隙にクラス全員が魔法詠唱でベヒモスに当てるという一か八かの作戦だった。天之河はこの作戦に否定しようにも時間がない為に俺たちはハジメの考えた……お世辞にも作戦とも言えない天任せの賭けに乗るのであった。

 

 

雷電Side out

 

 

 

将軍はベヒモスを足止めしている間に我々は後方へ退避した生徒達の下へ向かうとそこには無数の骸骨の兵団が行く手を塞いでいた。騎士団の彼ら曰くアレは三十八階層の魔物“トラウムソルジャー”だそうだ。現在のクローン達は将軍の立案の下、新たな戦術ドクトリンとしてデュラスチール合金で出来たシールドを持ったトルーパー達が前衛に立ち、後衛にはDC-15AやDC-15を持ったトルーパー達が前衛のシールド持ちの背後に立ちながら射撃を行う。これによりにトラウムソルジャーを倒していく。しかし、黒い魔法陣から次々とトラウムソルジャーが出現し、倒しても切りがなかった。

 

 

「あーっクソ!まるでドロイド共のブリキ野郎みたいだ!いくら倒しても次から次へとうじゃうじゃ湧いて来やがる!」

 

「それにしてもこの数、本当に厄介ね!」

 

「クソ!まだ出てくんのかよ!?」

 

 

八重樫や坂上、生徒達もトラウムソルジャーの軍勢を相手をしているものの、劣勢に立たされている事に変わりはなかった。しかし、ここで天之河とキャプテン・フォードー率いるARCトルーパー達が戻って来た。

 

 

「みんな大丈夫か、遅れてすまなかった!」

 

「全トルーパー、無事か!」

 

「「「光輝!!」」」

 

「「「サー、無事です!」」」

 

 

将軍の指示でここに戻って来たのかは定かではないが、今は一刻でも増援がほしいところだった。すると天之河が生徒達に指示を出す。

 

 

「みんな聞いてくれ、一旦ここを切り抜ける!!出口を確保するまで後方のベヒモスを足止めする。魔法組はすぐにメルド団長の元へ行き、彼の指示に従え!!後ろは南雲と雷電が食い止めている。皆で援護するんだ!」

 

「トルーパー、天之河の言う通りだ!現在将軍は南雲と共にあのベヒモスを食い止めている。お前達は魔法組と共に援護に向かえ!!退路の確保は俺たちARCトルーパーが引き受ける!!」

 

 

「「「サー、イエッサー!!」」」

 

 

俺達クローン達はフォードーの指示の下、魔法組の方に向かい将軍達の援護の為に準備するのであった。この時に俺は生徒達の中で不審な動きをする者を見つけた。一応その者に警戒して置きながらもブラスターを手に将軍達の元へ向かう。その者がこれから起きる悲劇を作った張本人である事を今の俺は知る由もなかった。

 

 

CT-1373Side out

 

 

 

僕の考えた作戦を雷電達に話した後に天之川君はみんなの方に向かい、雷電とメルド団長と共にベヒモスの足止めをしていた。メルド団長はロングソードを、雷電はエレクトロ・ロングバトンを手にして前衛に立ち、僕はDC-17ハンド・ブラスターで援護する。ベヒモスは目の前の三人を殺そうと体当たりや爪などの攻撃を繰り出してくる。メルド団長はロングソードで防御し、雷電はフォースで強化した身体能力で軽々と避けはロングバトンをベヒモスに当てて感電させる。多少は怯みはするもののあまり効果は薄く、雷電は悪態を吐くくらいに苦戦した。僕はハンド・ブラスターで二人を援護する。その時に何発か撃っている時にベヒモスの左目に直撃し、敵の視力を奪った。視力を失ったベヒモスは怒り狂いながら暴れ回る。

 

 

「やれやれ…あのベヒモスって奴はダソミアの“ランコア”より凶暴で質が悪い!」

 

「それに加え左目の視力を奪ったから余計に凶暴さが増している様だね!」

 

 

ベヒモスを足止めしながらも僕たちは生き延びていた。するとメルド団長が魔法組の配置が完了した事を伝える。

 

 

「坊主、雷電!魔法組の準備は整った!手はず通り頼むぞ!」

 

「了解した!ハジメ、俺がベヒモスの攻撃をしのぐ、その隙に錬成で……」

 

「ベヒモスの足を埋める様に錬成して足を止める!」

 

 

ベヒモスは怒り狂いながらも雷電に向けて爪を振るう。しかし雷電はベヒモスの攻撃を回避した瞬間にベヒモスに向けてフォースを使う。するとベヒモスは何かに叩き付けられたかの様に地面に這いつくばる。その隙に僕は両手の平を合わせ、力を込めた後に合わせた両手の平を離してそのまま地面に着ける。

 

 

「錬成ッ!!」

 

 

すると地面から石が生成されてベヒモスの足から胴体を埋め尽くすように広がっていく。ベヒモスは本能的に危険を察知したのか暴れて石を砕こうにも雷電のフォースによって無理矢理這いつくばされている為に身動きが出来なかった様だ。僕が錬成した石によってベヒモスの上半身は埋もれる様に動かなくなったのであった。その同時に僕の魔力が底を尽きかけていた。

 

 

「くっ…!ぶっつけ本番だったとは言え、上手くいった!」

 

「ハジメ、こっちもそろそろ限界だ……!これ以上フォースで奴を押さえつけられないぞ!」

 

「十分だ、坊主!雷電!急いでこっちに向かって走れ!!

 

「…だそうだ。ハジメ、走るぞ!」

 

 

雷電に続く様に僕は全力でベヒモスからはなれる様に走る。ベヒモスは雷電のフォースから解放されたと理解した瞬間暴れ出して僕が錬成した石を砕いた。その眼に、憤怒の色が宿っていると感じるのは勘違いではないだろう。鋭い眼光が己に無様を晒させた怨敵を探し……僕たちを捉えた。僕たちに報復する為か殺気立ちながら追いかけてくる。

 

 

「奴が動き出すぞ、魔法組!!魔法詠唱!!!」

 

「将軍等の逃走を援護するぞ。トルーパー、ロケット・ランチャー用意!!」

 

 

その時にメルド団長とキャプテン・フォードーの号令の下、クラスメイトからあらゆる属性の攻撃魔法とクローン達が持つRPS-6ロケット・ランチャーから放たれるミサイル・ランチャー弾が殺到した。夜空を流れる流星の如く、色とりどりの魔法とこの世界において最高の火力を持つミサイルがベヒモスを打ち据える。ダメージはやはり無いようだが、しっかりと足止めになっている。“いける!”と確信し、転ばないよう注意しながら頭を下げて全力で走る。すぐ頭上を致死性の魔法が次々と通っていく感覚は正直生きた心地がしないが、チート集団がそんなミスをするはずないと信じて駆ける。

 

 

 

しかし、この時に僕は一つ忘れていた。迷宮に入る前に雷電が警告していた言葉を……

 

 

 

無数に飛び交う魔法の中で、一つの火球がクイッと軌道を僅かに曲げたのだ。……()()()()()()()()

 

 

「え?うわあぁ!?」

 

「っ!?ハジメ!」

 

 

それに直撃した僕は来た道を引き返すように吹き飛ぶ。幸いにも直撃は避けれたようだったし、内臓などへのダメージもないが、三半規管をやられ平衡感覚が狂ってしまった。雷電は僕を助けようと引き返す。その時に僕は雷電の後ろにいるクラスメイトの方を見た。そこには僕たちを嘲笑う様に見つめる()()()姿()()。そしてその檜山は近くにいたクローンに取り押さえられる。

 

 

 

更に最悪な事にベヒモスがこちらに追いついてしまい、腕を上げて僕たちを叩き潰そうとしたが雷電はすぐに僕を抱えて直撃を避ける為に力一杯、皆の方へ飛び退いた。直後、怒りの全てを集束したような激烈な衝撃が橋全体を襲った。ベヒモスの攻撃で橋全体が震動する。着弾点を中心に物凄い勢いで亀裂が走る。メキメキと橋が悲鳴を上げる。

 

 

 

そして遂に……橋が崩壊を始めた。橋は崩落して僕たちはベヒモスと共に橋から落ちてしまう。

 

 

(ああ、ダメだ……)

 

 

そう思いながら対岸のクラスメイト達の方へ視線を向けると、香織が飛び出そうとして雫や光輝に羽交い締めにされているのが見えた。他のクラスメイトは青褪めたり、目や口元を手で覆ったりしている。メルド達騎士団の面々も悔しそうな表情で僕たちを見ていた。そして僕たちは仰向けになりながら奈落へと落ちていった。徐々に小さくなる光に手を伸ばしながら……

 

 

 

ハジメSide out

 

 

 

最悪な事態になった。将軍とハジメがベヒモスと共に奈落の底へ落ちてしまった。生徒達の中で特に白崎が酷く取り乱している。白崎の友である八重樫は取り乱している白崎を羽交い締めで抑えた。無論、白崎は必死にもがいていた。

 

 

「香織っ、ダメよ!香織!」

 

「離して!南雲くんの所に行かないと!約束したのに!私がぁ、私が守るって!離してぇ!」

 

「だめだ香織!君まで死にに行く気か! 南雲達はもうダメだ!このままじゃ、君まで壊れてしまう!」

 

 

天之河は必死に白崎に気を使う言葉を言ったつもりだった。だがそれは白崎だけじゃなく、我々トルーパー達まで逆効果を与えてしまった。

 

 

「お前、本気でそう思っているのか!将軍がそう簡単に死ぬ筈がないだろうが!!」

 

「将軍はハジメと一緒に落ちたが、将軍と一緒ならハジメは無事な筈だ!」

 

「そうよ! それにダメって何!? 南雲くんはまだ死んでない!行かないと、きっと助けを求めてる!」

 

 

生徒達の誰もがどう考えてもハジメは助からないと思っている。しかし、将軍と一緒なら或いはハジメはまだ生きている可能性がある。もし将軍が死んだとしたら、我々の身体が将軍の死と同時に消えてしまうからだ。我々が消えないあたりまだ生きている可能性がある。しかし、今は生徒達を迷宮から脱出させる為にもブラスターを殺傷能力を抑えたスタン・モードに切り替えて白崎の身体に撃ち込み、気絶させる。これには流石に生徒達やメルド騎士団長も驚く。

 

 

「ちょ…香織!?」

 

「なっ!?フォードー、一体何を?!」

 

「心配は要らない。彼女を一時的に気絶させただけだ。今の彼女はPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥っている状況だ。将軍等を捜索したいが、今は彼女の心がこれ以上壊れる前に早く迷宮の脱出を優先する!皆、一旦引き上げるぞ!」

 

「…だからって香織を撃つことはないだろう!?」

 

 

天之川は白崎をスタン・モードで撃ったことに怒りを表していた。しかし今はそういう時ではない。

 

 

「あのまま彼女に何を言っても逆に心が壊れる時間が早まるだけだ。メルド団長もよろしいか?」

 

「…あぁ、一刻も早く迷宮から脱出する。フォードーの言う通り、もう誰1人死なせる訳には行かないんだ…。お前達も分かってくれ」

 

 

私やメルド騎士団長の言葉に生徒達はノロノロと動き出し、八重樫は気絶した白崎を背負いながら歩き、天之河も私がやった行動に不信感を抱きながらも白崎を運ぶ八重樫の様子を見て歩き始める。そしてトルーパー達は再び生徒達を護衛しながらも前進するのであった。その時にCT-1373から生徒の一人である檜山を気絶した状態で連れて来た。

 

 

「キャプテン、報告があります」

 

「報告?報告は迷宮を脱出した後でいい。今は迷宮の脱出が最優先だ」

 

「先程落ちた将軍達のことで重要なことです。…こいつが将軍達を奈落の底へ落ちた原因で南雲に対して同士討ち(フレンドリーファイア)をした張本人です」

 

 

 

…確かか?俺はそうCT-1373に問いかけると間違いないと言ってきた。将軍は生徒の一人である檜山のことをより警戒していた。まさかそれがこの様な結末になるとは。

 

 

「…分かった。だが、前にも言ったように今はこの迷宮の脱出が最優先だ。脱出するまでは彼の処遇は後にする。一応監視役を何人かつける。それまでお前はそいつを担いで運んでくれ」

 

「サー、イエッサー!」

 

 

そう指示を出した後に私は将軍達が落ちた奈落の底を見下ろし、無事であることを祈りながらも生徒達や騎士団の後を追いかけるのであった。

 

 

フォードーSide out

 

 

 

一体…何が起きたんだ?俺は確か…ハジメが魔法組から放たれた攻撃魔法の一部がハジメに直撃したのを確認して彼を抱えてベヒモスから飛び退く様にベヒモスの攻撃を回避した。その時に橋が壊れてベヒモスと共に俺たちは奈落の底に落ちた筈だ……。

 

 

「…!そうだ、ハジメは!?」

 

 

 

俺はすぐに身体を起こして周りを見渡すと、そこにはあり得ない光景があった。本来なら地球やこの世界では見かけることはないジェダイ・テンプルの中だった。テンプルの中では明かりが照らされており、今の時刻が夜だという事を認識させる。

 

 

「ジェダイ・テンプル…?…だが、あり得ない。俺はあの迷宮にいた筈だ……っ!」

 

 

俺は夢を見ているのかと考える時間すら与えられないかの様にテンプルの入り口付近で軍足の足音が聞こえた。

 

 

「足音…?それも多くの…?……まさか!」

 

 

入り口付近から聞こえる軍足の足音に目を向けると、軍足の足音を奏でながら、完全武装したクローン兵が大軍でこちらに向かってきているのだ。

 

 

「武装したクローン兵が?」

 

「一体なにが起こっているというんだ。とにかく正門前にナイトたちを集めろ」

 

 

ただならぬ様子に警戒心を強めるジェダイ・ナイト達。敵がまず攻めてくるであろう正面の門にナイトたちが集結する中、扉はゆっくりと開かれた。ライトセーバーを構えるジェダイたちは、その扉を開けて“一人”で入ってきた人物を見てライトセーバーを下げた。

 

 

「スカイウォーカー?」

 

「っ!!」

 

 

一人のジェダイ・ナイトがそう言葉を発した時に俺の感情は怒りに支配された。ハジメからスカイウォーカーのことを聞かされたとは言え、心の何処かで俺は師や他のジェダイを殺したスカイウォーカーのことを憎んでいた。正面扉に立つローブを着て、フードで顔を隠したスカイウォーカーを見た瞬間、俺は感情的になり、スカイウォーカーに向かって走って他のジェダイが持っているライトセーバーをフォースを使って奪って、ライトセーバーを起動させてスカイウォーカーに斬り掛かる。

 

 

「…スカイウォォォカァァァァァ!!!」

 

 

スカイウォーカーは自身のライトセーバーを手に持って起動させ、俺の怒りを込めた一撃を防ぎ、そのままライトセーバーのプラズマの刃を打ち合う様に繰り出す。それを皮切りにクローン兵達は他のジェダイを粛清する為にブラスターでジェダイ達を攻撃する。そしてジェダイ達はどういう状況なのか理解する前に攻撃してくるクローン達に対して応戦するのであった。

 

 

 

スカイウォーカーと戦い始めてからあれから何分……いや、何十分経過したのであろう。今戦っている場所は既にジェダイ・テンプルではなく、嘗て自分がジェダイだった頃に最後に死んだ場所にいた。そこで俺とスカイウォーカーはライトセーバーを振るう。その剣戟の中で目まぐるしい速さの光が煌めきながらも何度もぶつかり合った。俺は渾身の一撃をスカイウォーカーに向けて繰り出した。しかし、それでもスカイウォーカーには届かず弾き返されてスカイウォーカーのライトセーバーを躱そうとしたが躱しきれず、顔の左眼部分を斬られてしまう。左眼の視力が失ったと同時にスカイウォーカーのフォース・プッシュによって吹き飛ばされる。俺は受け身を取るのに失敗し、スカイウォーカーに攻撃の隙を与えてしまう。それを逃す筈もなく、スカイウォーカーは情け容赦も慈悲もない一撃を叩き込もうとした。その一瞬の刹那、俺の中で蠢く闇が目の前の死に対して激しい怒りが湧いてくる。

 

 

 

……ふざけるな

 

 

 

…ふざけるな!

 

 

 

 

 

 

「……ふざけるな!!」

 

 

 

「……っ!」

 

 

俺の激情の言葉に驚いたのかスカイウォーカーは一瞬だけ動きを止めてしまう。俺はその隙を見逃さずフォース・プッシュでスカイウォーカーとの距離を取る。そしてライトセーバーを力強く握りながらも俺はスカイウォーカーに怒濤の勢いでライトセーバーを振るう。

 

 

「うぁぁあああっ!!!」

 

「……っ!?」

 

 

スカイウォーカーは乱舞のような動きを繰り出してくる俺に戸惑っていた。剣戟を徐々に圧倒してゆき、防戦に回るしかないスカイウォーカーを追い詰めながら、怒りを身に委ねるまま、感じるがままにライトセーバーを力強く何度も叩き付ける。

 

 

 

何度も…

 

 

 

何度も…

 

 

 

何度も…

 

 

 

やがてスカイウォーカーはスタミナを切らし、一瞬だけ隙を作ってしまう。俺はその隙を見逃さずスカイウォーカーの機械の腕である義手の右腕を斬り落とし、そのまま首を斬り裂く。“やった……!”そう確信して斬り落としたスカイウォーカーの首を見てみる。しかし、そこにあったのは…

 

 

 

己自身の首と顔の姿であった。

 

 

 

「!?…俺、だと?」

 

 

訳が分からない状況の中、俺は右腕で目をこすった。その時に右腕が鉄の様に冷たく感じた。俺はそっと右手の方を見るとそれは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ど…どういう事なんだ?俺は……一体?」

 

 

その時に俺は鏡の様に綺麗に磨かれた建物を見ると、そこに映っていたのは……()()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()

 

 

「う……嘘だ。お…俺は、俺は……!」

 

 

混乱する俺に考える猶予も与えられないかの様に一人のクローン兵が何かを片手にぶら下げたままやって来た。

 

 

「ヴェイダー卿、反逆者であるジェダイの粛清が完了しました」

 

 

クローン兵はその証拠といわんばかりに“すとん”と、片手に持っていた物を置いた。そこにあったのは、俺の師であったジェダイ・マスター“フィリア・メンデル”の生首だった。傷は焼け爛れていたが、その隙間を縫うように赤い血液が流れ出ており、それが俺の足元にまで流れ着いたのだ。

 

 

 

この時に俺は考える事が出来ない状況になっていた。俺は藤原 雷電ではなく、ジェダイを殺したアナキン・スカイウォーカー?嘘だ……!俺はスカイウォーカーではない!だが現実は残酷で非情だった。その証拠に俺の師であるマスター・フィリアの生首がある。

 

 

 

嘘だ……嘘だ、嘘だ……!

 

 

 

嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソダ、ウソダ、ウソダ、ウソダ、ウソダ、ウソダ!

 

 

 

 

 

 

嘘だ……!俺は……スカイウォーカーなんかじゃない!!?

 

 

 

 

 

 

「ヴェイダー卿?…っ!?」

 

 

クローンは俺に気遣って声を掛けたが、その時に俺は()()()()()()()()()でクローンの首を切り落とした。これを皮切りに俺は理解してしまった。

 

 

 

結局俺はスカイウォーカーと同様、同じ穴の狢だという事に……

 

 

 

 

 

「…うぁぁぁああああああーーーっ!!!?」

 

 

 

 

 

彼の悲痛の叫びがコルサントに響く。それは虚しいものであると同時に、悪夢の終わりでもあった。

 

 

「……はっ!?」

 

 

あの悪夢から目を覚まし、呼吸を荒立てながらも周りを確認する。そこは洞窟の中であった。先ず俺は乱れた呼吸を整える為に精神を落ち着かせる。

 

 

「はぁ…はぁ……はっ!ハジメは?」

 

 

俺は呼吸を整え、冷静に考え始めた時にハジメがいない事を知る。そして俺は思い出す。途中で橋が崩壊してベヒモスもろとも俺たちは奈落の底に落ちた。その原因の切っ掛けを作った張本人である檜山のことを警戒していたのにも関わらずだ。

 

 

「俺が一番警戒していた筈なのにこの為体か……。俺も未熟ってことか…」

 

 

その時に俺はある違和感を覚えた。左眼に映る筈の景色が全く見えないのだ。俺は左眼の所に手を触れてみると、そこから液体の様な物が流れていた。それは血だった。奈落の底に落ちた時に瓦礫の一部が飛んで来てそれが左眼に直撃して失明したのであろう。

 

 

「……っ。左眼は完全に逝ったか。…せめて装備が無事だといいが……」

 

 

左眼の事は置いといて、俺は一旦自分の装備を確認すべくエレクトロ・ロングバトンの状態を確認した。外見上では異常はないが問題は内部の精密部品だ。それが一つでも破損すると全くの使い物にならなくなる。試しに起動してみると電磁モジュールにエネルギーが伝わり、まだ壊れていない事が判明した。

 

 

「あぁ……壊れてなくてよかった。もし壊れていたら完全に武器無しでハジメを探さないといけなくなってしまうところだったよ」

 

 

そう安堵しながらも俺は、ハジメを見つける為に何階層なのか分からない大迷宮を捜索するのであった。その先に、絶望とも言える過酷な運命が待ち構えていたとしても。…だが、この時に俺は知らなかった。目覚めてから既に数日が経過していたことや、探しているハジメはもう全くの別人になってしまっていることを……。

 

 

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