ありふれないジェダイとクローン軍団で世界最強   作:コレクトマン

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ようやく書き終わりました。待たせてしまって申し訳ございません。ハジメルートはこれで終わりです。


78話目です。


ハジメルート 天使の起源とリベンジ戦

 

 

ハジメも当分ユエのサポートはハジメたちの前に立ちはだかるはエヒトの使徒“ラミエル”とデス・トルーパーとパージ・トルーパーたち。

 

 

 

しかし、ハジメはラミエルが言うノイント達のモデルとなった天使という言葉に反応を示していた。

 

 

「……あいつらのモデルだと?」

 

「えぇ、彼女たちは私という高性能にして失敗作をモデルに作られた存在。その実力はイレギュラーである貴方がよく知っているはずです」

 

 

ラミエルからまさかのカミングアウトにハジメ以外の者たちは驚きを隠せないでいた。しかし、ハジメは気になったのはそこではなく、ラミエルが自ら()()()と名乗り出たことに疑問視していたのだ。

 

 

「……逆に聞くが、何で自ら自信を失敗作と評しているんだ?まるで自虐しているみたいによ?」

 

「私はノイント達と違って感情が豊か……といえば納得いくのでは?」

 

 

ラミエルの言葉にハジメは幾つかの合点がつく。確かに、ノイントのような感情が無に等しい位に無表情に対してラミエルは何処かと楽し気な笑顔をハジメたちの前に出している。どうやらエヒトは感情豊かで些細なことで躊躇する駒より、感情無比で何の疑いも持たずに躊躇なく行動を実行することができる駒を作った方が効率が良いのだろう。例えるなら、ノイント達は行動抑制チップによって感情を抑制されたクローン・トルーパー達と同じとも言えよう。

 

 

「……なるほどな。あいつ等のモデルとなったとなると、やはり分解魔法はお前が起源だったのか。……つーか、その取って付けたような敬語はお前の口調じゃないだろ?」

 

「……流石にわかりますか。それでは、私自身の口調で話させてもらうわ。正直、エヒトのところにはもう未練はないし、飽き飽きしていたところだしね」

 

 

まさかのフランクな口調にハジメたちは少し驚いていた。エヒトの使徒でありながらも本来の口調に戻ったとたんにエヒトのことを様付けせず、寧ろエヒトから離れたい一心であることが一番の驚きであろう。ラミエルは自分が生まれた経緯を説明する。

 

 

「エヒトは、最初は暇つぶしという理由で私という存在を創った。当初は感情なき人形という形で創ったのだろうけど、私には感情があった。それ以来エヒトは、私のことを高性能で失敗作という烙印を押された。そんな私を創り出してから数年後、エヒトは私をモデルに新たな天使を無数も創り、その内の一体の天使を私の部下としてつけさせた。同じ容姿でエヒトに対して何の疑いも持たない忠実な駒をね?そのへんはあなた達クローン・トルーパーと同じじゃないかしら?」

 

 

ラミエルはクローンのドミノ分隊の方を見ながら口にする。その言葉に癇に障ったのかヘヴィーが反応する。

 

 

「……何が言いたい?」

 

「あら、癇に障ったかしら?あなた達クローン・トルーパーは戦うためだけに作られた兵器。つまり、クローンを作った者にとって、あなた達は戦争の駒という名の()()()()なのよ」

 

「何だと…!」

 

「よせ、ヘヴィー。いちいち相手の言葉に突っかかるな。たとえそれが正論だとしてもだ」

 

 

感情的になるヘヴィーを止めて制する清水。それでもヘヴィーの苛立ちは抑えられないでいたが、目の前の状況に集中するために気持ちを切り替えるのだった。ラミエルは脱線していた話題を戻すべく本来の話に戻る。

 

 

「……話がずれたようね。私をモデルに創った天使を一体部下として渡したと同時に私の監視だったでしょうけど、寧ろ逆にその天使を私色に染め上げさせて頂いちゃったけどね?」

 

「私色に染めるって……若干言い方が卑猥に聞こえるんだが?」

 

「あら、そう?それはそうと、私色に染めた天使は私と同様に感情を得て、私にとっての良い優秀な部下となったわ。私の問題性を重く見たエヒトは、とうとう匙を投げたのか、私たちのことを放置することになり、それ以降私たちは数百年の間好きに過ごさせてもらったわ」

 

 

どうやらエヒトですら匙を投げる程のレベルの存在にハジメたちは何とも言えなかった。この時にハジメは、“エヒトにも手に負えないことがあるんだな”とエヒトの意外性をしった。ただし、同情はしなかった。

 

 

「そして今、貴方というイレギュラー達が表れて以来エヒトは私たちをぶつける様に頼んできた。あなた達“イレギュラーの抹殺”をね?エヒトの考えとしては、私たちがぶつかり合ってどちらかが倒れれば良しと考えてのことでしょうね?」

 

「それで、お前ともう一人の天使(部下)はエヒトの野郎の頼みを聞いたってことか?」

 

「数百……いえ、数千年くらいかしら?長い年月の間は暇だったからね?長く生き過ぎた私たちは、この世界にもう飽きちゃったのよ。だから私たちは、ノイント達を殺したあなた達に期待してエヒトの頼みを承諾したわ。今のあなた達なら、私を殺すのも造作もないよね?」

 

 

ラミエルがそう言いながらもノイントと同じ大剣を構え、ハジメたちに向ける。ハジメとしては厄介なやつをエヒトは、ハジメたちに押し付けたとうんざりそうな顔をする。そんなハジメたちの前にジェット・パックを装備した一人のパージ・トルーパーがやってきた。

 

 

「なんだ、あのトルーパーは?」

 

「パージ・トルーパーが単体で?一体、奴は…「長話はもういいんじゃないかな?」…!」

 

 

清水は聞き覚えのあるような声を聴いた瞬間、やってきたパージ・トルーパーに目をやる。そしてパージ・トルーパーが、ヘルメットをハジメたちの前で外し、その素顔をさらす。その素顔は()()()()()()()()()()

 

 

「…!?おい、マジかよ…!」

 

「お前は…!」

 

「やぁ、あの時以来だね?兄さん。それと君たちは初めまして……で、合っているかな?僕はシュピーゲル。シャドウ兄さんのクローンであり、弟だよ」

 

 

自らをシュピーゲルと名乗り、清水のクローンであることを告げた。清水は、気を失う前に一度だけシュピーゲルを見たことが分、初対面ではない。特に、清水が気にしているのはそこではなく、この場にいるシュピーゲルがいるという時点で、清水はある可能性に至る。それは、パージ・トルーパーの正体がオリジナルであるジャンゴ・フェットのクローンではなく、自分自身ではないかという可能性である。

 

 

「兄さん、パージ・トルーパー(彼ら)はもしかして僕だと思っている?」

 

「…っ!……何故そう思った?」

 

「僕は兄さんの弟だよ?兄さんの考えぐらい、知っていて当然だよ。彼らは()()ジャンゴのクローンだよ」

 

()()?……ファースト・オーダーは、いずれ俺のクローンの兵士を作るつもりか?」

 

「そうとらえてもいいよ。どの道、君たちはここで終わるか、それとも生き残るかのどちらかだけどね?…まぁ、僕にとってはどうでもいい。僕の目的は、兄さんを殺すこと。ただそれだけだよ」

 

 

そうシュピーゲルが言った後にヘルメットをかぶり直した瞬間、ジェット・パックを起動させ、清水に向かって突貫してくる。清水はシュピーゲルの予想外の行動に回避行動をとれず、そのままシュピーゲルによって連れ去らわれてしまう。

 

 

「おわっ!?またかよ!」

 

「清水っ!?」

 

「清水ではない!シャドウだぁっ!!」

 

 

連れ去られる清水は、ハジメにコードネームの訂正だけは忘れずに言い、そのままシュピーゲルに連れ去られるのだった。そして残されたハジメたちは、ラミエルや敵兵士たちの対処するためにそれぞれ武器を手にするのだった。

 

 

「やれやれ……シュピーゲルも困ったものですね。…では、こちらも始めましょうか?私たちの戦いを……」

 

 

ラミエルはノイントたちと同じ大剣を持ち、兵士たちもブラスターを構えてハジメたちを排除を試みる。

 

 

「…上等だ。実際のところ、ノイントたち(あいつら)との戦闘経験が少ないからな。どうせなら、戦闘経験を得ると同時に、お前には俺が作った新兵器の実験に付き合ってもらうぞ!」

 

「ハジメ……悪そうな顔をしてる」

 

「相変わらずな性格をしておるのぉ?」

 

「どのみち、あいつらと一戦交わることになるな……」

 

 

ハジメ以外はエヒトの使徒であり、天使たちのモデルとなったオリジナルである天使(ラミエル)を相手に警戒しながらも、敵兵士たちに対処するためにそれぞれの武器を構える。そしてハジメは、かつて戦った天使の戦闘経験が浅いためにこの戦いを期に、ラミエル相手に天使戦の経験の糧にすべく、リベンジ戦を行うのだった。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

その頃、シュピーゲルによって連れ去られた清水は、基地から少し離れた場所に投棄される。清水はなんとか受け身を取り、武器を構えてシュピーゲルの方に視線を向ける。清水を投棄したシュピーゲルは、ジェット・パックで地面に着地した後、再び清水と会話をする。

 

 

「ごめんね?ちょっと荒っぽかったけど、こっちのほうが僕にとって都合がよかったんだ」

 

「…お前の都合なんざ知らん。俺を無理やりここに連れていきやがって……俺に何をさせたい?」

 

「ちょっとしたプレゼントを兄さんに渡そうと思ってね?これが、そのプレゼントだよ」

 

 

そう言ってシュピーゲルは清水に何かが入ったケースを投げ渡す。清水は渡されたケースを受け取った瞬間、シュピーゲルを見た。シュピーゲルは清水がケースの中身を確認するのを待っていた。ケースの中身にトラップでも入っていることを想定しながらも、警戒しつつケースを開封する。そのケースの中身は、三本の注射器であった。

 

 

「注射器…?こいつの中身はまさか……!」

 

「そうだよ兄さん。中身はそれなりに危険な薬物でね?それを摂取した人間の身体能力を大幅に強化することができるドーピング薬だよ。…もっとも、副作用が強烈でね?心臓に悪影響を及ぼすほど危険なもので、これに耐え抜いて適合できるのは僕と兄さんだけだよ」

 

「こんなドーピング薬を渡して何がしたい?俺にどうしろと?」

 

「やだなぁ、兄さん。そんなの……分かりきっているじゃないか?……フッ!」

 

 

シュピーゲルは清水に渡した同じ注射器を自らの首に打ち込み、その薬物を投与する。清水は一瞬、血迷ったかと思われたが、そうではなかった。

 

 

「……っ!ハハッ…ハハハッ!」

 

 

ドーピング薬を打ち込んだシュピーゲルは、狂気じみた笑いを発しながらも体に変化が起きていたことは確かだった。清水は、シュピーゲルが先手を取る前にこちらから仕掛けようと手にしていたベネリM4の銃口をシュピーゲルに向けようとしたその時、シュピーゲルの行動が早かった。シュピーゲルはバイブロ=ナイフで清水を切りつけようとするが、清水はとっさの判断で回避する。だが、それを読んでいたのかシュピーゲルは清水に組み付き、そのまま拘束し、そして懐から同じ注射器を取り出す。この時に清水は、最悪な展開を予測した。

 

 

「フフッ…!」

 

「や…止め…ろ……っ!」

 

 

清水の静止すら聞かず、シュピーゲルは清水の首筋に注射器を打ち込み、薬物を投与する。

 

 

「…っ!?グッ…ガァァッ!?」

 

 

投与された清水の首筋には血管が浮き上がり、心臓の鼓動が早くなり、もはや自分では抑えられない程の興奮が蓄積されていく感覚が清水に襲い掛かる。

 

 

「グッ……ァァァァアアアッ!!

 

 

清水は、奇声をあげながらもシュピーゲルの組み付きから脱出し、“宝物庫”から“ランサーMk.1”を取り出してシュピーゲルに銃口を向けて引鉄を引く。ランサーMk.1の銃口から出るマズルフラッシュが出ると同時に大口径の弾丸が放たれ、弾丸がシュピーゲルに向かっていく。しかし、シュピーゲルはジェット・パックを使って、その機動力で清水の攻撃を躱す。

 

 

「そうだよ兄さん、そうこなくちゃ!もっと兄さんの力を見せてよ!!」 

 

 

シュピーゲルは、どこか楽し気にしながらもホルスターからSE-44Cブラスター・ピストルを取り出し、ブラスター・ピストルとバイブロ=ナイフを構えて清水と対峙するのだった。一方の清水は、早めにシュピーゲルを倒し、解毒しなければ命にかかわることになるだろう。タイムリミットが分からないが故に、清水の焦りは増すばかりだった。

 

 

清水Side out

 

 

 

清水がシュピーゲルと戦闘しているその頃、ハジメたちはエヒトの使徒であるラミエルとファースト・オーダーの兵士たちと交戦していた。ハジメとユエはラミエルの相手をし、ティオと不良分隊、ドミノ分隊は敵兵士たちによるハジメたちの妨害を阻止するように交戦していた。

 

 

 

既にハジメは“限界突破”で身体強化をし、ラミエルを相手にしていたが、それでもラミエルに追いつくのがやっとだった。そこはユエの魔法攻撃による援護によってなんとか互角に戦えている。幸いにもハジメたちの行動を妨害する弱体化魔法を詠唱する聖教ラミエルの翼から放たれる“分解魔法”が付与された銀羽がハジメたちに襲い掛かる。

 

 

「…クソッ!厄介だな、分解魔法が付与された攻撃は!…つーか、前から思っていたが翼から放たれるって、ラ〇スロット・〇ルビオンかよ!」

 

「ハジメ……それ、私に言ってもわからない」

 

「いったい誰のことかは分からないけど、あなた達に息つく間も与えないよ!」

 

 

ラミエルは大剣で一気にハジメたちに急接近し、そのまま切りかかろうとする。ハジメとユエは横へ飛んで回避し、反撃にハジメはドンナーとシュラーク、ユエはクレセントで応戦する。しかし、ラミエルは大剣でハジメたちから放たれる数発の弾丸を弾いて防ぐ。

 

 

「クソッたれが!対使徒用に作った特殊弾すらあの大剣に弾かれちゃあ効果が薄い!」

 

「あなたが使うそれはかなり危険そうだからね。そうそう当たってやるわけにはいかないよ!」

 

 

ハジメがドンナーとシュラークに装填されている弾丸はただの弾丸ではない。アシュ=レイの協力のもと、消滅魔法が付与された弾丸、“エクスターミネイト弾”(別名、消滅弾)である。その弾丸の効果は文字通り消滅であり、これを受けた対象は消滅してしまう。しかもハジメは、ノイント戦でアシュ=レイが消滅魔法を使って血液の四割をピンポイントで消滅させたことを参考に、様々なバリエーションの〇〇消滅弾を作り上げたのだ。

 

 

 

今ハジメのドンナーとシュラークには対使徒用の血液消滅弾が装填されているが、ラミエルの持つ大剣によって防がれ、決定打が決められずにいた。埒が明かないと判断したハジメは、ドンナー&シュラーク用のアタッチメントパーツであるレーザー刃発生装置をドンナーとシュラークに装備させ、接近戦を仕掛け、ユエもクレセントと魔法を使ってハジメを支援する。ラミエルは大剣でハジメの攻撃をいなし、ユエの支援攻撃を躱しながらも反撃に銀羽を広範囲に放つ。

 

 

 

ハジメとユエは、ラミエルの攻撃を躱すもハジメのドンナーとシュラークに付けられているレーザー刃発生装置が銀羽に当たってしまい、装置が分解され、壊されてしまう。

 

 

「…くっ!クソがっ!」

 

 

ハジメはシュラークをしまい、壊された装置の代用としてにレーザーソードのアストルムを取り出そうとするが、ラミエルは次の手を出させないためにアストルムをハジメから離すように弾き飛ばした。この時に、偶然にもアストルムが弾かれて落ちてういった場所がユエがいる場所であった。

 

 

「ハジメ!」

 

 

ユエはアストルムを回収し、クレセントで援護しようにも、ハジメとラミエルが組み付くように接近戦を繰り広げているため、下手に撃てばハジメに当たってしまうと同時に、一部のデス・トルーパー達の妨害があってハジメの援護ができなかった。

 

 

 

ハジメも、当分ユエのサポートは受けられないと判断し、単身で使徒を相手にする他に手段はなかった。空中戦では分が悪いと判断したハジメは地上へと降下し、地上戦を仕掛ける。ラミエルもまた、ハジメを追いに地上に降下すると同時に魔方陣を展開し、そこからストーム・トルーパーを召喚する。

 

 

「今度は物量で潰す気か?」

 

「今更卑怯だなんて言わないよね?殺す手段として手札を切ったに過ぎないわ」

 

「言わねえよ。どのみち、殺す相手が増えたことした変わったことはない」

 

 

そう口にするも、ハジメは追い詰められていることに変わりなかった。敵兵士たちを相手しながらも使徒の相手をするということは、スタミナを多く消費する。ハジメはどうにか対策を練ろうと考えて周囲を見渡す。するとハジメの目に映ったのは、ハジメたちが脱出した敵補給基地の存在だった。その基地を目にしたハジメの脳裏に電流が走る。ラミエルも、ハジメの悪だくみを見逃さなかった。

 

 

「そう様子だと、私に勝つ方法でも見つけた様だけど、いかなる手段を用いても全ては無意味に終わるわ」

 

「ほぉ…?その割りには俺とユエ相手に苦戦していたようじゃねえか?それも、ストーム・トルーパーを召喚してまで俺たちに勝とうとするなんざ、お前の実力はそれほど大したことないんじゃないのか?」

 

 

ハジメはラミエルに煽りを入れ、ハジメの策に乗せようと挑発する。ラミエルは冷静にハジメの挑発を流すが……

 

 

「それほど私を倒せる確証を持った自信の策かしら?まぁ…くだらない挑発に乗ってやって少しばかり試してみるとしようかしら?」

 

 

ラミエルは召喚したストーム・トルーパー達に攻撃支持を出し、ハジメの様子を見る。ハジメは、わざとハジメの策に乗ろうとするラミエルの考えが読めなかったが、それでもストーム・トルーパー達を連れただけでもよしと考えた。そして、ハジメのとった行動が敵補給基地に再び入ることだった。ラミエルはストーム・トルーパー達に追撃するよう指示を出し、ハジメの行動を見極めようとした。敵補給基地に戻ったハジメは、交戦中のテックにある指示を出す。その指示は、テックすら狂ったのかと思えるぐらいのめちゃくちゃな指示だった。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

ラミエルはハジメが何故、自爆寸前の補給基地に戻っていったのかは定かではない。するとハジメを追撃しに行ったストーム・トルーパーから連絡が入った。

 

 

《天使ラミエル様、敵は追撃部隊のこちらを迎撃しながらも基地のフロア奥まで後退しています》

 

「(敵がフロア奥に…?私を誘い出すための罠かしら。だとしても、何かが引っかかるわね…)…分かったわ。それで、状況は?」

 

《こちらの被害は死傷者が4名、戦闘続行は可能。このまま敵を追い詰めますか?》

 

 

こちらが敵を追い詰めたことには変わりはないが、何かが引っかかる分、慎重に行動しなければならない。

 

 

「いえ、そちらに増援を送ります。そして、敵を奥に追い詰めた後に私も向かいます。増援部隊と合流次第、各フロアの制圧し、敵を追い詰めなさい」

 

《了解。帝国のために!》

 

 

通信を終えたラミエルは、更にストーム・トルーパーを召喚して増援を送り込む。そしてホロプロジェクターを取り出し、補給基地のフロアマップを開く。基地入口にて青い点が各フロアを埋めるように移動している。青い点は味方のストーム・トルーパーであり、残った赤い点はハジメである。その赤い点の位置は、少しずつだがフロアの奥へと進んでいた。

 

 

 

先ほどハジメが口にしたことは口だけのことだったのか、それとも、これも策のうちなのかは定かではない。そう考えていると、ハジメを追撃していたストーム・トルーパーから連絡が入る。

 

 

《ラミエル様、敵はフロア奥に追い詰めました》

 

「分かったわ。私が来るまでその場で待機してちょうだい(奥に追い詰めたとは言え、こうも簡単に事が進んでいる事態、怪しすぎるし嫌な予感がする。…どのみち、こちらから行かないと相手の真意を見破ることはできないのも事実。…もどかしいわね)」

 

 

僅かな不安を残しつつもハジメを追うために基地内に侵入するラミエル。この行動の結果がどう出るのかは、彼女自身、知る由もなかった。

 

 

 

ハジメがいるであろうフロアの入り口に到着したストーム・トルーパーたち。ハジメはフロア奥の扉をロックを掛けられて開けられないのでラミエルの到着を待ちながらもハジメが移動する様子を見逃さないように監視を行う。そしてラミエルが到着したと同時にストーム・トルーパー達はフュージョン・カッターで扉を溶断し、強引に開ける作業を行う。フロアの扉が開かれる時に、ラミエルはある違和感を覚える。

 

 

(やはり、何か違和感を感じるわ。普通、ここに立てこもっても何のメリットがないというのに……どういう事かしら?)

 

 

そう考えている間に扉の溶断が完了し、そのままこじ開けて突入するストーム・トルーパー達。ラミエルも後に続き、フロアの周囲を確認する。そのフロアにあったのは液体ティバナが満載した“PLNKシリーズ・パワー・ドロイド”が二体もいた。パワー・ドロイドの体には何かしらの機械が取り付けられていた。これを見たラミエルは、今まで感じていた違和感の正体であると同時にハジメが用意した罠であることに気が付く。

 

 

「…っ!不味い!」

 

 

ラミエルは逃げても間に合わないと悟り、身を固めると同時に防御強化魔法“金剛”でステータスにバフをかけて全身を防御を取る。ストーム・トルーパー達は間に合わないと分かっていながらもこの基地から脱出しようとする。その時にパワー・ドロイドに取り付けられていた機械がある信号を受信したと同時にパワー・ドロイドの中にある液体ティバナが引火して大爆発が起きる。その爆炎は、ラミエルと脱出をしようとするストーム・トルーパー達を巻き込んで……

 

 

ラミエルSide out

 

 

 

数分前……

 

 

 

フロア奥についたハジメは、このフロアに来る途中でパワー・ドロイドを回収し、液体ティバナを満載させ、パワー・ドロイドに起爆ユニットを取り付けていた。

 

 

「これで良いだろう。……まさか、クローンウォーズのあのシーンを再現する羽目になるとはな」

 

 

そう言いながらもハジメは、駄目押しに手榴弾を数個置いていき、その後にこのフロアにあるダクトを通って、ストーム・トルーパー達に見つかないように基地から脱出したのだ。その後に十分に距離を取った後に通信でテックに合図を送る。そして数秒後、ラミエルやストーム・トルーパー達がいる敵補給基地が大爆発を起こす。ハジメは補給基地が大爆発した様子をしっかりと見ていた。

 

 

 

何故、補給基地が大爆発したのかは時間は少し遡る。ハジメは補給基地に入ったと同時にテックに通信を入れていた。この時にハジメは、テックから敵を補給基地におびき寄せたら自爆装置のジャミングの解除と同時に時間を早めさせ、ハジメが仕掛けた爆弾とリンクして爆発する仕掛けを同時に起動させたのだ。その結果が今現在に至り、補給基地は木端微塵に吹き飛んだのだった。

 

 

「一応、誘い込んだ後に爆破だからな。これで生きていたら完全にお手上げだな」

 

「ハジメ!」

 

 

ハジメが冷静に分析しているときにユエたちがハジメと合流するために集まったのだ。どうやらユエたちが相手していた敵は、あらかた片付いたようだ。

 

 

「こっちは何とか片づけたのじゃ。なかなかの数じゃったが、苦戦するほどでもなかったのう?」

 

「あぁ…パージ・トルーパーはともかく、デス・トルーパーの連中は少しばかり骨が足りなかったな」

 

「ハッハッハッ!あいつ等じゃまだまだ物足りねえくらいだ、もっと来てほしかったぜ!」

 

「…少しは大人になれ」

 

「なあ、エコー。あいつ等っていつもああなのか?」

 

「…癖が強いけど、慣れれば心強い味方だよ」

 

 

それぞれの感想が出る中、爆破された補給基地から何かが飛び出るように瓦礫を吹き飛ばし、上空へと上昇する。その正体は、補給基地の自爆から生き延びたラミエルだった。しかし、その姿は美しい天使とはかけ離れており、左腕は基地の自爆によって無くっており、左顔部分が基地の自爆による爆炎で焼けただれていた。最早、地に堕ちた天使という言葉しか思いつかないくらいラミエルは、基地の自爆から生き延びたのだ。

 

 

「…っ!ハジメ!」

 

「あの野郎、まだ生きていたのか!」

 

「…正直に言って、死にかけたわ。あれが罠であることを早めに気づけなかった私自身にも落ち度はあるわ」

 

 

その言葉を皮切りに、ラミエルから尋常ではない魔力と凄まじい光が溢れ出し、それが奔流となって天井へと竜巻のごとく巻き上がった。“限界突破”終の派生技能[+覇潰]をラミエルが発動させたのだ。それによりラミエルは、先ずはハジメの周りにいるユエたちを威圧だけで吹き飛ばした。

 

 

「くっ……んんっ!」

 

「ユエ!?」

 

「よそ見とは、自分の命を捨てる行為よ!」

 

 

ラミエルは残った右腕の持つ大剣でハジメを切るために走り出す。ハジメはドンナーを引き抜いて引鉄を引いたが、弾は出ることはなかった。

 

 

「げっ…!?ここに来て弾詰ま(ジャム)りかよ!」

 

 

ハジメはドンナーをしまい、ドンナーの代わりにシュラークで応戦しようとしたその時に、ユエがある物をハジメに投げ渡す。

 

 

「ハジメ!」

 

「……っ!」

 

 

ユエが投げ渡したのは、ハジメのレーザーソード型アーティファクトのアストルムだった。ハジメはユエから受け取ったアストルムを手にして電源を入れ、レーザー刃を展開する。

 

 

「光の剣!?……しかし!」

 

 

ラミエルはハジメの持つアストルムを警戒し、大剣で横薙ぎと見せかけてのフェイントから突きを放つ。ハジメはアストルムのレーザー刃でラミエルが放つ突きを下から滑らせるように防ぎ、そのままラミエルの胴体を捉える。

 

 

「…っ!?」

 

 

そしてハジメは、アストルムのレーザー刃の出力を最大にし、そのままラミエルの体を斬り捨てた。ハジメによって斬られたラミエルは、ふとハジメの方を見た後に、己の死を感じ取った。

 

 

(そう……これが“死”…なのね……)

 

 

何も思い残しが無いかのようにラミエルは、そのまま瞼を閉じ、自身の死を受け入れるのだった。辛くも勝利したハジメは、アストルムのレーザー刃を消し、そのまま脱力するのだった。

 

 

「はぁ……はぁ……もうこんな目には遭いたくないぞ…」

 

「…ハジメ!」

 

 

ユエはハジメに駆け寄り、抱きしめる。彼女もハジメが無事に生き残ってくれたことにうれしさを隠せないでいた。

 

 

「よかった……ハジメ」

 

「ユエ……助かったぜ。こいつを投げ渡さなきゃ、ギリギリ危なかった。サンキューな」

 

「ハジメ……」

 

「ユエ……」

 

 

ハジメとユエは、いつもの雰囲気に入ってしまい、取り残されたティオと不良分隊、ドミノ分隊は蚊帳の外になっていた。

 

 

「おぉっ…久々の放置プレイ……たまらん」

 

「おいおいっ…俺たちの前で言うか普通?流石に引くぜ、おいっ…」

 

「こいつは手遅れの類だ。何を言っても無駄だろう」

 

「噂によると、コマンダー・ナグモが彼女をああなった原因であるとかなんとか聞かれますが、間違いなくそうでしょう」

 

「やれやれ、変わっているのは俺たちだけじゃなさそうだな」

 

 

ティオの変体っぷりにレッカー、クロスヘア、テック、ハンターの順に感想を述べるのだった。その時にドミノ分隊のエコーは、ここであることを思い出す。

 

 

「…っ!そういえば、シャドウはどうしたんだ?」

 

「「……っ!!」」

 

 

ハジメとユエは、エコーが清水のことを言いだしたことで我に返り、清水がまだいないことに気が付く。清水のクローンであるシュピーゲルに連れ去られてから大分時間が経っている。ハジメたちは、一刻も早く清水が連れ去られた場所に向かうのだった。

 

 

ハジメSide out

 

 

 

その頃の清水はというと、強化薬物による身体強化でブーストされた体で、同じく薬物を使用したシュピーゲルと殺しあっていた。清水の体には、バイブロ=ナイフによる切り傷が多数あり、ランサーMk.1の残弾は残っていなかった。そしてシュピーゲルは、清水との戦いでジェット・パックを破壊されており、同じ土俵で戦っていた。地上戦においては清水の方が一枚上手だった。

 

 

「流石だよ…兄さん。こんなにも強いなんて…!」

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

薬物の副作用が今になって清水の体を蝕んでいき、体力的にも限界が来ていた。しかし、同じ薬物を投与したシュピーゲルには副作用らしいものは診られなかった。そんな二人だけの戦いに意外な形で終わる。

 

 

「…んっ?撤退命令?……しらけるなぁ」

 

「何…だ……?」

 

 

清水は副作用に耐えながらも、シュピーゲルから目を離さぬよう見ていた。するとシュピーゲルは、残念そうな顔をしながらも清水に告げる。

 

 

「残念だけど兄さん、どうやら時間切れのようだ。今日の殺し合いはここまで。また次の殺し合いの時までには、その副作用を克服してからだね。それじゃあ…ね!」

 

 

そう言ってシュピーゲルは、何かを地面に叩きつけると煙が舞い、清水の視界を遮った。煙幕による目くらましでシュピーゲルは逃走した。清水は戦いが終わったと認識した瞬間、副作用による体の負荷がとうとう限界に達したのか、口から何かが逆流してくる感覚を覚え、そのまま口から何かを吐き出した。清水が吐き出したそれは()だった。体の負荷に耐えきれなくなった分内出血が起きて血が漏れ出し、行き場所を失って口から吐血したのだ。

 

 

「これが…副作用の代償……か」

 

 

清水はそう理解したと同時に意識を手放し、そのまま眠るかのように倒れこむのだった。その後でハジメたちがやって来て、倒れこんでいる清水を回収と同時に清水の治療のためにハジメが迎えのガンシップを要請し、やって来たガンシップに清水を乗せた後にそのまま医療ステーションに搬送されるのだった。

 

 

ハイリヒ王国編が終わった後、番外編をやろうと思います。ハジメ達や勇者(笑)達を含めて別世界に転移するという設定なのですが、転移する場所はどのような場所が良いでしょうか?

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