僕と彼女と思い出と   作:シア75

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お待たせしました。
続きでございます。

前回のあらすじ産業
気を利かせたら白上さんを怒らせる
楽しいお昼ごはん
悪友と放課後に遊ぶ約束(物理)


新しい日常、そして賑やかな日々 【後編】

――――――――――――――――――――――武道場―――――――――――――――――――

 

「そういえば今回はどうやって貸し切ったんだ?」

「インハイに向けて強化週間ってことで部活を手伝うことで手を打ってもらった!ついでにお前も参加な!」

「はぁ?何勝手に巻き込んでるんだよ!?僕の都合も考えてくれよ!」

「だってお前教えるのうめぇじゃん!今度飯奢ってやっから!」

「1週間学食のスペシャルランチで手を打ってやろう」

「はぁ!?ふざけんな!あんなの一般学生の俺が買えるわけねぇじゃんよ!1食分で勘弁しろよ!」

 

この学校には実は学食があって、そこに1日10食限定のスペシャルランチがあるのだが、しかしそれを食べれるのは学園の権力的象徴である生徒会と委員長連中がその仕事の忙しさの報酬として優先されているのだ。

別に一般生徒が買うことができないわけではないのだが、1食買うだけでも並々ならぬ努力が必要な程である。

何ならその1食のためにお金を積む奴も出るほどである。

 

「そんなものがあるんですね」

「あぁ、めっちゃ美味ぇんだぜ!昔、部活の助っ人の報酬で食ったことがある」

「僕も学校の手伝いのお礼ってことで1度食べたことがあるけど、あれは確かにまた食べたくなる味だった」

「へぇ~…私も食べてみたいな…」

「ってことでよろしく」

「はぁ?2人分用意しろって!?無理いうなよ!!」

「大丈夫!お前ならできる!!」

「そんな信頼はいらねぇよ!はぁ…やるだけやってみてやるよ…」

「よろしく!!」

 

そうやって今回の件の報酬もきまったことだし、これは気合を入れてやるしかない!

お互い数歩離れて向かい合い、集中力を高めていき、組手を始める雰囲気になってきた。

悪友のご所望である、術を行使するために"気"を煉っていく。

 

「それでは立ち会いさせていただきますが、危ないと思ったらすぐにでも止めさせていただきますね」

 

白上さんが僕らの間に立って審判をするようにそう宣言をし、右手をすっと上げて、

 

「それでは、はじめ!!」

 

勢いよく右手を振り下ろし、開始の合図を知らせる。

その直後、僕は思い切り飛び出していき、悪友の懐に飛び込む。

 

「うおっ!?」

 

普段のスピードとの違いに驚く悪友に、してやったりと思いつつ速さ重視で攻撃を繰り出す。

左のジャブ3連から右フックを叩き込み、そのまま沈み込むようにダッキングからリバーブローをブチかます。

その悉くをガードしていくコイツはやっぱり普通の人間の限界を超えているようにしか思えない。

そのまま拳を連打していくも、次第に慣れ始めたのかガードから回避、受け流しなど対応が変わってき始めた。

ついに右ストレートにカウンターを合わせられたので、いったん仕切り直しのために距離を取った。

 

「やっぱりお前、人間やめてるよ…」

「そんなわけねぇだろw俺はお前と同じ普通の人間だよw」

「今それなりに身体能力上がってる僕の動きについて来てるやつが普通なわけあるか!」

「そんなもん経験と慣れだよ。予測するくらいお前だってできるじゃんよ!」

「ふぅ~、じゃあもう少しギア上げてくし、ガードも撃ち抜かせてもらうよ」

「なんだよ、まだまだ隠し玉あるんじゃんか!全部見せてくれよ!」

「はぁ~……じゃあ行くよ」

 

先ほどまでは体力を温存するために、全身を満たすように使っていた"気"を今度は動きに合わせて使う量を増やす。

さっきまでとは段違いのスピードに、再び驚く悪友に、しかし今回もしっかり反応してくるあたりやっぱりコイツはおかしい。

アッパー気味に下から救い上げるように掌底を打ち込むもガードに阻まれる。

 

「うぐぅ!!?」

 

ガードしたのにも関わらず、身体にダメージを負った悪友が驚きの表情をする。

突然のダメージに追撃を警戒して距離を取った悪友は、驚きながら何をしたか聞いてきた。

 

「お前っ、今、何しやがった…?」

「煉った"気"をそのまま打ち込んだんだよ。いわゆる浸透頸ってやつさ」

 

外皮の固い敵やガードされようが構わず相手にダメージを与えるためにマンガや小説などから考えた技。

触れた部分から相手に煉った"気"を打ち込み、内部に直接ダメージを与える。

そのことを聞いて白上さんも驚いた表情でこちらを見ていた。

今まで教わった"気"の使い方にそんな方法はなかったからそれも仕方ないだろう。

基本的に"気"は術の行使がメインだからな…。

 

「相変わらず面白いことをしやがる…なるほど、これが"気"ってやつか…」

 

そのまま悪友はぶつぶつ言いながら目を閉じたかと思った次の瞬間、

 

ゴォォォッ!!

 

っと空気が震え、悪友の圧が増した。

 

「はぁ?」

「えっ!?」

 

白上さんと二人、驚きのあまり声を出しながら呆けてしまったが、コイツ自力で"気"を煉って操りやがった…

 

「こうか?なるほど、これが"気"ってやつか」

「マジかよ…」

「さぁ、続きを始めようぜ!」

 

"気"による強化のアドバンテージがほぼ消し飛んだ中、嬉しそうにしながら悪友が突っ込んできた。

驚きのあまり一瞬反応が遅れたが、まだ強化に振り回されているようで、動きが大雑把で荒い。

おかげでまだ反応できているが、これが最適化されたらいよいよヤバイな…

そのまましばらく殴る、蹴るの激しい応酬が続いていくが、

 

「あっあれ?」

 

突然そんな声を上げながら糸の切れた人形のように力なく悪友が倒れこんできた。

あぁ、これは…

 

「"気"の消費による…体力切れですね…」

 

そう、僕も最初になったあの身体に力が入らなくなる奴だ…

 

「嘘、だろ…」

 

ツラそうにそうつぶやく悪友を見ながら、内心ほっとしていた。

あのまま続けていたらどうなるかわからなかったが、まさかこんな終わりを迎えるとは…ある意味助かった。

 

「しばらく寝てたら動けるようになるから、そのまま寝ときな」

「あぁ、クソっ。今から楽しくなりそうだったのに…じゃあちょい寝る。1時間くらいして起きなかったら起こしてくれ」

 

そのまま「zzZ…zzZ…」と寝息が聞こえてきた。

僕も疲れたのでその場に座り込んで休憩をする。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

そう声をかけながら白上さんが近づいてきた。

 

「少し疲れたけど、大丈夫ですよ。殴られた箇所は痛みますが…」

 

そう、後半"気"を使い始めた悪友の拳はスピード、パワー共に一般人なら即気絶コースの容赦のない一撃だったので、ガードや受け流しをしていてもかなり痛かったし、中には数発ほどまともにもらった時は、当たる瞬間に"気"による防御をしていたが、そこは青痣になっていた。

 

「え?ちょっと見せてください!今すぐ術で治しますから!!」

 

そう慌てて言ってきたが、そこまでしてもらうほどの怪我でもないので遠慮しようとしたが、

 

「いいえ!始める前にも言ったと思いますが、治療させていただきます!!」

 

と、珍しく強引な感じで押し切られてしまった。

 

「うん…うん……大丈夫…うん…」

 

結果、今現在、僕は上の服を脱いで上半身裸の状態で白上さんに触診されている…どうしてこうなった…

背中側から白上さんの掌の冷たい体温を感じながら、僕の身体を調べている。

そこにやましい気配など何もない、無いったら無い!

 

「よし、では術を使いますね!」

 

調べ終わったようで、これから術による治療をするようだ。

気恥ずかしい時間が過ぎて一安心した。

 

「では、よいしょ!」

 

可愛い掛け声とともに術を行使して、僕の身体が暖かい光に包まれた。

数瞬後には終わっていて、身体から痛みが引いていた。

 

「ありがとう」

「いえ!このくらい当然です!」

「じゃあアイツの治療は練習がてら僕がやろうかな」

「あ、じゃあ私が教えてあげますね!」

「あははっ、じゃあお願いしようかな」

 

そうして悪友の体の治療も終えて、目を覚ますまでいろいろ話をした。

さっきの組手の事、悪友の非常識なところ、学校生活の事などなど。

 

「ふぁ~よく寝た!」

 

悪友が寝てから1時間後、きっちり目を覚ましてきた。

 

「きっちり1時間で目を覚ますとか、お前の体はどうなってるんだよ…」

「え?1時間くらい寝るって言ったんだから当たり前だろ?」

「いや、力尽きて寝た人間がそんなきっちり起きるわけないだろ…」

「そうか?」

「あの、ところでどこか痛むところはないですか?」

「うんにゃ、どこも何ともないぞ!なんならもう一回やってもいいくらいだ!!」

「えっと…筋肉痛とか、関節が痛むとかは…?」

「全然何ともないぜ!」

 

うん、やっぱりこいつは何処も彼処もオカシイ…

僕だってそれなりに鍛えてきたけど、始めて術を使って身体を動かしたときは筋肉痛にはなったぞ。

 

「身体動かして腹減ってきたから飯食いに行こうぜ!」

「はぁー。元気な奴だな…まぁいいが、ならマックでも食べに行くか」

「いいですね!」

「いいじゃん!じゃあ奢るから今日はそれでいいよな!!」

「ならゴチになるけど、それはそれ、これはこれ。スペシャルランチ、忘れんなよ!」

「ちぇっ!!ダメか…」

「駄目ですよ!私楽しみにしてるんですから!学食のスペシャルランチ!!」

 

そうやってワイワイ雑談しながら、軽く片づけをして3人で軽食を食べに行った。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「白上フブキ」

彼女が学校に転入して来て早数週間が経過し、学校生活にも慣れてきて、毎日楽しそうにしている。

最近は家の仕事も手が空いてきているようで、休みの日なんかは新しい友達と遊びに行ったりしているようだ。

そして僕も手伝いには大分慣れてきて、ついでにあの日"気"の扱いを覚えた悪友も連れて行って仕事に巻き込み、今は僕と悪友と白上さんのスリーマンセルで仕事にあたっている。

そろそろ、夏の気配が近付いてきた…暑い、熱い夏が……

 

 




てなわけで、主人公も大概だったと思いますが、悪友のチートはどうでしたでしょうか?

最後に匂わせっぽい分つけてますけど、まだ何も考えてませんw
次の更新がいつになるかわかりませんが、ゆっくりお待ちください。


私事ですが、小○家に〇ろうで好きだった作品が連載を再開してめちゃめちゃうれしいです。
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