僕と彼女と思い出と   作:シア75

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お待たせしました。学校生活1日目です。


街と秘密、そして学校生活へ

「よーし、じゃあ白上の席は…あそこ、窓際の一番後ろが開いてるからそこな」

「はい、わかりました」

 

そう返事した彼女がこちらに向かって歩いてくる。

僕はそんな彼女の様子を笑顔で眺めていると、こちらを見ながら何か言いたげな悪友の様子に気付いたのでイタズラが成功した子供のような顔で見返しておいた。

これはあとでいろいろ聞かれそうだなと後のことに思いを馳せつつ、今は彼女の学校生活が始まったことに喜んでおいく。

 

「やぁ、おはよう。どうだい、久しぶりの学校は」

「あははは、久しぶりにこんなに大勢の人の前に出たので緊張しますね」

 

困ったような、でも嬉しそうな声で彼女はそう言った。

彼女のあの立派な耳と尻尾が見当たらないことは気になるが、まだHR(ホームルーム)中だから一先ず質問はあとですることに。

 

「じゃあ今日の連絡事項はこんなところだ。お前らかわいい転校生にはしゃぐのもいいけど、しっかり学生の本文を全うしろよ!あと転校生に迷惑をかけるなよ!」

 

そう締めくくり、担任は教室から出て行った瞬間、教室のみんなが彼女のもとに殺到し、質問攻めが始まった!

 

「白上さんどうしてこんな時期に転校してきたの?」

「えっと、家の事情で…」

「白上さんどこに住んでるの!」

「あ、あの、白上神社が、私の家です」

「白上さん、彼氏はいるの?」

「えっと、その…いません///」

「白上さん、髪綺麗だけど、ケアとかなに使ってるの?」

「え?ありがとうございます。市販の物ですね、母が買ってくるので…」

「白上さん、スリーサイ『ボコッ』……」

「えっと、あの…」

「「白上さん!」」

 

「はいはい、みんな白上さん困ってるから、気になるだろうけどこの辺でやめてあげてね」

 

前の席で大人しく様子見していたが、彼女も大分困っているようだから助け船を出してあげることに。

 

「そうだぞお前ら、彼女があまりに可愛いからって、いきなりこんな大人数で寄ってたかったら可哀そうじゃないか」

「「うっ……」」

「そろそろ次の授業もあるから散った散った!」

 

悪友も手助けしてくれて興奮状態だったクラスのみんなも落ち着きを取り戻し、それぞれの席に帰っていった。

 

「あの、ありがとうございます」

「お礼なんていいよいいよ、フブキちゃん。こいつら普段はいいやつなんだけどな」

「担任の影響か、ノリが良すぎちゃって一度騒ぎ出すとどうにもね…」

「話しに聞いた通りでちょっと面白かったですw」

「そう?ならよかった。あとお前はあとで詳しい事情の説明してくれよな!」

「あ~わかったわかった。あんまり長く話してると、関係を怪しまれるからお前も席に戻んな」

「あいよ!じゃあ、まったな~」

 

そう一言残して悪友は席に帰っていった。

説明か…多分ここ最近のこと全部だろうな…面倒臭いなぁ…。

この後のことを考えて若干憂鬱になりつつ、自分の席に戻っていると、背中をつつかれて振り返る。

 

「あの、貴方もありがとうございます」

 

内緒話をするかのように小声でお礼を言ってくる白上さんに「どういたしまして」と返礼しながら内心苦笑している。

あぁ、かわいいなぁ。

 

1限目が終わり、休憩時間にまた来るかと思ったが、みんな自嘲を覚えた常識民のようで、囲い込みに来るようなことはなかったが、それぞれのグループで何か重大な会議をするかのように話し込んでいるようだった。

何だか各グループ、不穏な雰囲気を出しているが、今のところ害もないので見なかったことにしておく。

そう言えば、朝の質問の中に失礼なことを言う阿呆がいたから、こっそり処分しておいたが彼は元気だろうか?

今頃は保健室のベッドで快適な眠りについているだろうけど。

そんなくだらないことを考えてたら悪友が近づいてくるのが見えた。

 

「それで、説明してくれるんだろうな?」

「長くなりそうだから昼休みでもいい?もちろん彼女も連れて」

「お前がそういうなら、めんどくせえ事情なんだろうな…いいぞ」

「じゃあ昼に屋上で」

「あいよ」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

というわけで昼休みがやってきた。

前もって白上さんにはお昼ごはんの事とか聞いていたので、授業が終わってみんなにつかまる前にすぐに屋上へ案内した。

僕も白上さんもお弁当だからそのまま向かうが、悪友は購買だから少し遅れてくる。

 

「おう、待たせたな」

 

そう言って僕たちに合流した悪友は両手いっぱいにパンを抱えて現れた。

相変わらずよく食うやつだな。

 

「約束通り昼まで待ったんだ。早速説明してもらおうか!」

「まぁ待て。その前に僕も白上さんに聞きたいことがあるから」

「はぇ?なんですか?」

 

急に話を振られたからか、小首をかしげて自分関係ないですよと言わんばかりの呆けた顔でこちらを見てきた。

そんな可愛らしい仕草をしながら僕の方を見てくるんじゃない!君も当事者だろうが。

気を取り直して質問をする。

 

「朝から気になっていたんだけど、耳と尻尾はどうしたの?」

「あ~これはですね、変化の術式で人に化けてるんですよ。触ってもわからなくなるんで、たまに使うんですけど結構便利ですよ?」

「どれどれ?おぉ~ホントだ。さわってみても耳があるかわかんないや」

 

そう言って軽率に彼女の頭をなで始める悪友に、僕は注意した。

 

「ふえ?!?!」

「お前!!そうやって軽々しく女の子の髪さわったり頭撫でたりするのやめろよ」

「なんでさ?」

「これだから無自覚イケメンは…」

「はっは~ん。さてはお前も触りたいんだな?」

「ふにゃ?!?!」

「は、はぁ!?違うし!そんなわけ…ないだろ!」

「隠すな隠すなwフブキちゃん、別にいいよな?」

「え?えっ?あの、その…いい、ですよ」

 

はぁ!!??

 

僕は一瞬、何を言われているかわからなかったが、彼女が期待に満ちた表情でおずおずと頭を差し出してくるので、思わず手を伸ばしてしまう。

 

ナデナデ、サラッ、ナデナデ…ナデナデ…

なんだこれ?すっごく気持ち良い手触りだ!まるで高級な絹を触っているかのような…いつまでも触っていたくなる…

 

「っで?俺はいつまでこのイチャイチャを見てればいいわけ?」

 

っは!あまりのさわり心地にずっと撫でてしまっていた!

悪友の言葉で現実に引き戻された僕は慌てて彼女の方を見れば、なんだかとても気持ちよさそうに蕩けきった顔で「ふみゃ~~」と猫のような鳴き声を漏らしていた。

 

「ご、ごめん!!」

 

僕は謝りながら急いで手を頭から話すと「あっ…」と名残惜しそうな彼女の声が聞こえた気がしたが、僕の方は今それどころではない。

初めて女性の髪を触ったが、あんなにも手触りがいいのか!?男の固くボサボサしたものとは比べ物にならないほど触り心地がよく、癖になってしまいそうだ。

 

「なかなかに夢中になってたよーだが、正気に戻ったかにゃ?ww」

 

そうニヤニヤしながら揶揄ってきた悪友に思わず右手が動いていた。

 

「うぉ!あぶねぇなぁ」

「うるさい!大人しく殴られとけよ!」

 

僕は恥ずかしさを誤魔化すために、そのまま悪友に殴りかかっていると、さすがにお昼時ということもあって2人ともお腹が鳴り、飯時であることを思い出した。

 

「飯にするか…」

「だな…腹減ったわ」

 

そして皆で思い出したように昼ご飯を食べ始めた。

しばらくしてそれぞれご飯を食べ終わって、当初の目的通り彼女の転入の経緯を話すことになった。

 

「ふ~ん。最近忙しそうにいろいろやってると思ってたけどそんなことになってたのか」

「まぁ僕もこんなことになるとは思ってなかったけどな」

「私としては、またこうして学校に通えるようになって嬉しかったですよ?」

「うんうん、こうしてフブキちゃんが学校にいるのは嬉しいよな!よくやったぞ!相棒!!」

「まぁ僕としても白上さんが喜んでくれてよかったと思ってるよ」

「んで、この街のそんなとこまで話してよかったのか?」

「安心しろ、ちゃんと許可はとってあるし、何ならおまえにも働いてもらうつもりだ」

「え?マジ?まぁ術が使えるようになるってんなら、願ったり叶ったりだ!!」

 

そんな風に雑談をしていると、あっという間に昼休みが終わってしまった。

一応教室に戻るときは別々に時間差で戻ることに。

考えすぎかもしれないが、今日転入してきたばかりの白上さんと仲良くしているのは妙な勘繰りをされそうで面倒だ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

午後の授業も何事もなく無事に終わったところで、皆で帰ろうかと思っていると委員長が紙の束を持って白上さんの席に訪れていた。

何事かと気になり、失礼は承知で聞き耳を立ててみる…なんでもクラスメイトの気になる質問をまとめてきたようで、その数の多さに若干申し訳なさそうにしてる。

これなら朝みたいに人が殺到することにはならないな。さすが委員長!優秀だ!

話も終わったようだし、帰るかな。ちょうど悪友もこっちに向かって来てると思い立ちあがると、

 

「おーい、帰ろうぜ!相棒!フブキちゃん!」

「あっ!」

 

「「はぁ!?」」

 

悪友がフブキちゃんの名前を呼んだ瞬間にクラスメイト全員が僕らのことを凝視していた。

 

あ~やりやがったよ…コイツは…

転校初日の彼女にそんな馴れ馴れしくしたらみんなが何事かと思うじゃん…

あと、お前はいい加減に自分がイケメンなことをもっと気に掛けろ…ファンが泣くぞ…

それと僕を巻き込むな…どうやって収集つけるか…

 

「そうだね、校内の案内をしに行こうか」

 

突然すぎて頭の回転が追い付かないが、苦し紛れの言い訳をしてみる。

 

「え?お前何、もがっ!?」

「はいはい、行くよ行くよ~。さぁ白上さんも、行こうか」

「え?あっ、はい」

 

悪友(バカ)と肩を組むようにしながら口をふさいで黙らせ、ひこずるように連れて教室を出て行く。

白上さんがついて来ている様子を背後に感じながら、とりあえず屋上に逃げ隠れるように向かった。

 

「まったく、お前は気を付けろよ!」

「えっ?なんか拙かった?」

「今日転入してきたばかりの白上さんに、そんな馴れ馴れしく話しかけたら色々怪しまれるだろ…」

「あ~すまん」

「全く、無理やり誤魔化したから追及されても僕は知らないからな」

「うぐっ!?わぁったよ…」

「白上さんもごめんね。明日また色々聞かれることになっちゃうかもしれないけど…」

「いえいえ、こう言う賑やかなのも学校に来てるなって実感しますし、クラスメイトの方たちもみんな面白いので大丈夫ですよ」

 

ホントいい娘だなぁ。

そのまましばらく屋上で雑談をして時間をつぶしてから皆でそろって帰ることに。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

夜は禍祓いの仕事に参加していた。

僕もこの組織の一員として認めらえたため、一度神社の方へ集まってミーティングを行い、それぞれの持ち場に向かう格好だ。

先日までは御老公に迎えに来てもらい、誘導なども任せっきりだったので正直緊張している。

制服も支給されており、もらってから袖を通してみたけどまだまだ着慣れない。

服に着られている感じがして落ち着かないな。

僕はまだ新人だからしばらくはスリーマンセルでの行動らしい。

組む相手は白上さんとあの晩一緒にいた男性だ。

 

「フブキの従兄だ。よろしく」

「よろしくお願いします」

 

そう言って握手をするもこれが親族からの洗礼ってやつなのだろうか、めちゃくちゃ思いっきり握り潰された…

やられっぱなしは癪だが、仮にも先輩だ、涼しい顔で耐えることにした。

 

「チッ…」

 

小さく舌打ちもされてしまったが、まぁまだ出会ったばかりだ。

これから仕事で交友は深めていくとして、

 

「今日からこっちでも、よろしくお願いしますね!」

「はい、よろしくお願いしますね。先輩!」

 

そう言って嬉しそうに笑顔で挨拶をした。

 




もっと早く上げる予定だったんですけど、推しの配信を見るのが忙しくって…

外出自粛中の皆さんの暇な時間を少しでも楽しませられるようこれからも拙作ながら続きを書いていきます。

次は今月中にあげられたらいいなぁ…
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