椛「…………あの人たち、何をしてるんですか………」
「ワフ」
「シュァァ」
なんか仲良くなってるな、この2匹。
にとりとの交渉も終え、オレたちは帰り道。
特に妖怪の襲撃もなく、森を歩いている。
「いやー、いい収穫だった。
妖怪、悪いヤツばっかじゃないんだなー」
「シュァァ」
「ワフッ」
にとりから魚まで分けてもらい、
塩をふって焼いた魚で昼食を取りながら歩く。
美味しい。マスだろうか。
2匹も旨そうに食べているので良かった。
「んんー、特に何も無いなー。
危険な妖怪は来なくていいんだけど」
「ワフッ!」
「ん?」
狼がオレの裾を引っ張る。
なんだ?
狼の方へ引っ張られていく。
そして、急に浮遊感を感じると。
「え、マジで!?」
「ワフッ!」
「シャアァ!」
乗せてくれた。
ライドオンとか、最高か!
頭を撫で回す。
「ワフッ♪」
「良い子だなー!名前つけようか!」
「シュァ」
名前、名前なぁ…………
どうしようか。送り狼。
…………シフ………流石に不味いか。
でも確かに灰色なんだよなぁ………
有名な狼の名前でいいか。
なら…………真神、かな?
なんか違うな………他は………千疋狼か。
うん。これだ。
「セン。お前の名前はセン!」
「ワォォォォン!!」
「シャァァ!」
決定。千疋狼から取って、センだ。
センが雄叫びを上げる。
そして、そのまま走り出す。
オレはセンの毛を掴み、前屈みになる。
もののけ姫ってこんな感じかぁ………!
なんかワクワクする!
「ひゃっほー!」
「ワォォン!」
「シュァァ!」
そのまま妖怪の山の道に出る。
長かった獣道もおしまい。
しっかし、セン、むっちゃ速いな………
フランの弾幕並みの速さ。
センと一緒なら全部避けられる気がする。
流石に無理か。もうあれはゴメンだ。
「ワフッ」
「と、ありがとう」
センが下ろしてくれる。
撫でる。
「ワフー」
「ははは、良い子だなー」
顔をペロペロ舐めてくる。
ザラザラしてるけど、気にならないな。
「よし、帰ろうか」
「シュァ」
「ワフ?」
「お前も帰るんだぞ、と?
もしかしてお前も来る?」
「ワフッ!」
「よし、んじゃもう一回頼む!里に帰るぞ!」
オレは再びセンに跨がり、人里へと帰るのだった。
「…………あ、ヤベ」
「ほぉぉう?昼飯を持ってきて、
いないと思ったら、何処に行ってたんだ?」
「シュァ」
「ワフ」
里の前まで来ると、慧音さんが現れる。
しまった、帰ってきた時の言い訳………
「しかも、お前が帰って来た方角………
そして乗っている狼…………妖怪の山だな」
「あ、ははは!いやだなぁ慧音さん!
ほら、酒虫も貰ってさ!
しかも河童と仲良くなって…………」
慧音さんがゆっくりと近づいてくる。
センはゆっくりとオレを下ろした。
「天・誅!!!」
「ごぁぁっ!!?」
凄まじい勢いの頭突きを食らい、
オレは意識を失ったのだった。