かなり短め。
「よし!完成っ!」
オレは巨大な筆を片手に、
看板を家の屋根に固定する。
周囲から「おぉ」と声が上がる。
「うん、中々良いじゃないか」
「ワフッ!」
「シャァァ!」
妖怪の山に行ってから、早1ヶ月。
オレは遂に、居酒屋を完成させた。
にとり経由で河童たちにも手伝ってもらい、
リフォーム、増築まで行い、
居酒屋として完成させることが出来た。
売り物の酒、ツマミもにとりに送ってもらい、
酒虫に酒を作ってもらった。
ちなみに、
センについてだが、ウチに住むことになった。
河童たちに頼んで大きめの狼小屋を作った。
「良い名前だな。幻想郷でしか成せないことだ」
「あぁ、これがオレの目標。
そして、幻想郷の目標なんだろ?」
居酒屋の名前は、「
人間と妖怪、共に友人になれるような酒屋。
そんな意味を込めた。
巨大な筆を使い、看板に目立つよう書いた。
「よし!開店サービス!
酒を大量に用意したから飲んで行ってくれ!
でもちゃんと金は払ってくれよ!」
「「「「イェーイ!!」」」」
オレは店へ入って料理を始める。
酒、料理を運ぶのはセンに任せた。
河童たち、建築を手伝ってくれた人たちが
店になだれ込んで来る。
拝啓、家族の皆様。
幻想郷でオレは、居酒屋を開きました。
「うっへぇ、疲れた…………」
「ワフ………」
「シャァァ」
オレは客のいなくなった店で倒れる。
本当に酒を結構持っていかれた。
河童、飲み過ぎだろ…………
カランカラン、と、扉を開ける音が聞こえる。
「店は閉店しました………」
「ははは、客じゃないぞ。
大盛況だったな、ソラ」
「慧音さん!?」
いや客だろ。オレは急いで立ち上がる。
「何、一つ祝いに来ただけだ。
まさか幻想郷にこの速さで慣れるとはな」
「適応力は凄い高いと自分でも思いますよ」
「良いことだ。店はいつでも空いてるのか?」
「いやぁ、流石にいつもは」
無理だなぁ。幻想郷も見て回りたいし。
昼は無し。夜にだけ開けよう。
「そうか、明日は?」
「今日来た方が良かったのでは?」
「いや、友人が来たいと言っててな。
どうせなら静かに飲みたいだろう?」
「静かに酒を飲むのも良いですからね」
慧音さんの友人か。
顔が広そうだからなぁ慧音さん。
オレは酒を用意する。
「慧音さんは辛いのが好きですか?」
「いいと言ってるだろう?」
「飲んで行って下さい。
慧音さんには感謝してますし、タダで」
「言ったな?じゃあ辛いので頼む」
慧音さんに酒を渡す。
ツマミに、川で河童たちに貰った魚の塩焼きも。
「………うん、良い酒だ。
ツマミも中々いけるな」
「なら良かった」
そのまま慧音さんと少し話すと、
慧音さんは扉へ向かう。
「そろそろ寝るよ。
酒、美味しかったぞ」
「はい、おやすみなさい」
「あぁ………1つ、言い忘れていた」
慧音さんはニヤリと笑う。
「幻想郷で居酒屋を開いたなら、
おそらく客がどんどん増えるぞ?
覚悟しておけよ?」
「………ははは、それは楽しみです」
オレはまだ知らなかった。
幻想郷では、不定期、かつ、高い頻度で
凄まじい規模の宴が開かれることを。
そして。
この酒屋が、いずれ幻想郷中に知れ渡る
有名な居酒屋になることを。
過労死するレベルで、キツくなることを。