カランカラン、と店に来客が来たことを
伝える音が鳴る。
時刻は6時頃。
まだ夕食には早く、客はいない。
「いらっしゃいませー」
料理をしていたオレは声を上げ、
確認へ行く。
そこには、2本の刀を持った白髪の少女、
そして、浮いている桃色の髪の女性が。
何故か少女の方は不安そうな顔をしている。
「あら、もしかして貴方が店主さん~?」
「はい、空と申します」
「ご丁寧にどうも。ここは居酒屋?」
「えぇ、お酒を中心に扱っています」
「ご飯は食べれる?」
その一言は特に重要、と言ったように、
女性はオレに詰め寄る。
微かに、桜の甘い香りがした。
「…………まぁ、はい。居酒屋ですので。
でもあまり大したものは出せませんよ?」
「大丈夫よ~、小腹が空いただけだから」
「幽々子様、そろそろ座りましょう」
「えぇそうね、ごめんなさいね、
立ち話させてしまって」
「いえ、大丈夫ですよ」
オレはカウンターに座る2人をおいて、
料理に再び取りかかる。
なーんか、嫌な予感が………
両方から。
「なっ、妖怪!?成敗します!」
「ワフッ!?」「シュァ!?」
「困りますお客様ー!?」
早速だ。
刀、刀はダメだよ、お客さん。
「え?え?」
「ウチのペットですので斬らないでー!?」
「あら、そうだったの?
てっきりお食事かと………」
「アンタ食うつもりだったの!?」
なんかもう、言葉使いとかどうでもいいや。
2匹は無事なようだ。
「ウチの配膳係です!
噛まないから斬らないで!」
「え、よ、妖怪ですよ?」
「アンタたち幽霊でしょ!?」
「惜しい♪幽霊じゃなくて亡霊よ~♪」
「何が違うの!?」
分からんよ!?マジで!
「私は半霊ですが………え、害はない?」
「はい………まぁ驚きますよね」
よし、「中の妖怪に危害を加えないで下さい」
とでも書いた張り紙をするべきだろうなー。
「そうそう、注文良いかしら?」
「あ、はい。どうぞ」
「このお酒と、これと、これと、これと、これ」
「…………食べきれます?」
「ええ♪」
「少し時間がかかるんで、
20分ほど待ってくださいね」
「楽しみにしてるわ~」
アホか。
頼まれたのは酒以外、全て食べ物。
ここ、レストランじゃないんだけどなぁ………
全ての注文品を同時に調理する。
出来たものからセンに頼んで持っていってもらう。
「ふぅー、ご馳走様♪」
「幽々子様………あの、夕飯は………」
「食べなくていいわ~♪
お腹一杯になっちゃった♪」
ウチの食糧、3日分が消えたんだ。
あ…ありのまま今 起こった事を話(割愛)
凄いスピードで8~9人分の料理が無くなった。
「うん、貴方の料理とても美味かったわ~♪
お酒も美味しいし、白玉楼に欲しいわね」
「え、私は?」
「妖夢、貴女のより美味しかったわ」
「うわぁぁぁん!」
どっちも酔ってるため、かなりカオス。
どうしようかな、この2人。
途中から来てた
周りのお客さんも引いてるんだけど。
「ふわぁ…………Zzz's」
「うぇぇぇん」
「寝ないでー、泣かないでー」
結局、閉店時間まで寝た2人。
1人で来た慧音さんから寝具一式を借り、
店の床で寝かしたのであった。
「お金………払ってくれるのかな、この2人」