東方友好録   作:青い灰

18 / 48


ルーミアさんは喋り方が微妙なんですよねー。
もっと子供っぽくしていいのか、
原作では普通に喋ってますし…………うーん。




宵闇との再開

 

 

 

「ここに来るのも久々だなぁ」

 

「ワフ?」

 

 

オレは今、あの幻想入りしたときに

落とされた森を歩いている。

 

目的は、綺麗な水の確保。

本来なら里の近くを流れる川の水を使うのだが、

なんだか最近は汚れてきているらしく、

里の人たちは井戸を使うようになった。

 

霊夢に妖怪避けの札をもらい、

オレとミズ、センは霧の湖を目指して歩いている。

 

でもなんか二匹とも札を見ても

ケロッとしていたんだけど。効果が心配です。

 

 

「酷い目にあったもんだよなぁ………」

 

 

もう2ヶ月も前だ。

鎌鼬に腕を切られ、紅魔館で咲夜たちに襲われ、

フランとの弾幕ごっこで腕を千切られ、

レミリアの槍で死にそうになった。

 

あれ、オレ腕千切られ過ぎじゃね?

 

 

「よく生きてたよね」

 

「確かになぁ…………ん?」

 

「どうしたの?」

 

「いやお前誰って………ルーミア!?」

 

 

クスクスと笑い、驚くオレの前に立つルーミア。

いつの間にいたんだろう。

 

というか、とうとう御札の意味が…………

 

 

「グルルル………!」「シュァァ!」

 

「あー落ち着け二人とも、確かに妖怪だけど」

 

 

牙を剥き出す二匹の頭を押さえて落ち着かせる。

まぁ守ってくれるのは嬉しいけど。

 

 

「久しぶり、ルーミア。前は助かったよ」

 

「うん、久しぶり。また死にに来たの?」

 

「違うけど!?」

 

「あなたも二匹も美味しくなさそうだし」

 

「食わなくていいからね!?」

 

 

つーか、ミズはともかく、

センまで美味くなさそうなのか。

いや、オレは食べる気ないけどね?

 

 

「で、どうしたの?」

 

「霧の湖に行くんだ。ルーミアは散歩?」

 

「んーん。私も湖に行くとこ」

 

「じゃ、一緒に行こうか」

 

「そうね」

 

 

そう言えば、一つ気になる。

ルーミアは何の妖怪なんだろう?

 

慧音さんはハクタクだし、

レミリアたちは吸血鬼だったりと、

色々、種族があったりするらしいけど。

 

 

「ルーミアってさ、何の妖怪なんだ?」

 

「…………ふふっ、何の妖怪だと思う?」

 

「焦らすなよ、教えてくれないのか?」

 

 

オレはルーミアに笑いかける。

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───後悔するよ?」

 

 

その顔に、その言葉に、背筋が凍てついた。

薄く微笑むルーミアに、体が動かなくなる。

 

あぁ………『違う』と、脳が理解する。

決して、同じ種族ではないことを、思わせる笑み。

 

それはすぐに人懐っこい笑顔に変わって。

 

 

「なんてね、冗談だよ」

 

「───、──そ、そっか」

 

「妖怪に馴れ馴れしいからさ、

  ちょっと悪戯。怖かった?」

 

 

こちらを覗き込んでくるルーミア。

オレは額の冷や汗を拭く。

 

 

「むっちゃ怖かった」

 

「あはは、ごめんね」

 

「馴れ馴れしいって、

  ………………迷惑だったか?」

 

 

一つの懸念が浮かぶ。

彼女はオレを鬱陶しいと思っているのだろうか……

 

 

「そんなことないよ?

  寧ろ私なんかと一緒にいるのが楽しい?」

 

「オレは楽しいかな。

  さっきは怖かったけど」

 

「なら良いんだけど。

  私、人食い妖怪だしね」

 

「そうかねぇ…………あ、そうだ」

 

 

忘れるところだった。

大切なことなのに、忘れるとは危ない危ない。

 

 

「どうしたの?」

 

「オレさ、今は人里で酒屋やってるんだ」

 

「うん」

 

「今度、助けてもらった

 お礼がしたいから来てくれないか?」

 

「バカなの?」

「なんで罵倒されてんのオレ?」

 

 

何故に?

 

 

「人食い妖怪だって」

 

「夜に来れば?10時までやってるし。

  ただし、人里にいる間、人は食べたらダメだ」

 

「むー………でもなぁ」

 

「慧音さんに言っとくから、また今度来なよ」

 

「……………うん、わかった」

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。