東方友好録   作:青い灰

2 / 48


   ソラ
身長:172cm
体重:58kg

そこそこ筋力はあるくらい。



森に落ちて

 

「いたっ!」

 

 

落とされた…………やっぱり迷惑だったかな。

というか、ここはどこだろう。

 

森だ。うん。木しかない。

空気が美味しいです。

 

 

「うーん?」

 

 

まずは姿の確認から。

服は死んだ時のままだ。怪我は無くなっている。

 

 

持ち物を確認する。

 

左ポケットには入れっぱなしだった飴玉が3つ。

で、味は?

イチゴ、オレンジ、青リンゴ味だ。

 

右ポケットには、ミステリーの小説本。

まぁ暇潰しに使える。お気に入りなので飽きない。

 

 

 

「大したものはない、か。

  まずは人を探さないと」

 

 

大声を上げることも考えたけど、

熊とか来ても困るから歩きで行こう。

 

 

「北へ~行こう、らんららん♪」

 

 

某アドベンチャーゲームの歌を歌いながら

適当な方向へ歩く。

 

こっちがだいたい北だな。うん。

太陽は真上にあるため昼のようだ。

 

昼飯を食べてから死んで良かった。

お腹はまだ空かない。

 

 

「北へ~行こうらんらら、ん?」

 

 

今、何か前を横切ったような?

気のせいかな。

 

ズバッ。

 

隣の木が大きな音を立てて斬り倒される。

 

 

「お、お見事………」

 

 

オレは目の前にいたイタチのような

生き物に言ってみる。

 

意志疎通、大事。

 

 

「キシャァァ!」

 

「ですよねー!!?」

 

 

回れ右。

全力で真っ直ぐ走る。

 

 

「キシャァァァ!」

 

「いぎぃッ!!?」

 

 

右腕の肘に電気が走るような痛み。

熱ッ熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い

痛み痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 

 

「がぁぁぁッ!」

 

「キシャァ!」

 

 

叫んで左手で顔をぶっ叩く。

思考が戻ってきて、凄まじい痛みがくる。

走り続ける。

 

 

「2回も死んで、堪るかよ………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げ切ったことを確認して、

オレは土の地面に膝をつく。

 

 

「は、っ、は、ぁっ、か、はっ」

 

 

倒れて、空を仰いで空気を肺に取り込む。

頭がボーっとする。

痛みは、消えていた。というか。

 

 

「やっち、まったな、はぁっ、くそ………」

 

 

先程まであった筈の肘の先が消えた。

正確には。

 

 

「切り飛ばされた………、

 鎌鼬(カマイタチ)、本物、いたんだな………」

 

 

もう感覚すらない。痛みも、流れる血も。

感じなくなっている。

 

 

「何なんだよ………ここは…………」

 

 

鎌鼬………妖怪。

そんなファンタジーな世界かよ。

オレは目を閉じる。

 

 

「……あー……死ぬ………」

 

「んあー?」

 

 

声が聞こえた。だが、目は開けない。

だけど、さっきの鎌鼬と同じような感じがする。

むしろ、感じるのが強い。

 

 

「人間なのかー」

 

「………人間だー」

 

「そーなのかー」

 

 

なんだよコイツは…………

思考、安定しちゃったよ。

 

 

「手、ないけど無くしたのかー?」

 

「小動物に食べられたのだー」

 

「そーなのかー」

 

 

…………思考放棄する。

どうせ食われる。うん。

 

 

「お前は食べても良い人類?」

 

「そうなのだー」

 

「でも不味そうなのだー」

 

「酷くない!?」

 

 

オレは飛び起きて目を開ける。

なんなんだよ、全く。

 

そこにいたのは、幼女だった。

金髪ショートの大きなリボンをつけている。

白と黒の洋服、黒いロングスカートを着ている。

 

 

「食べてもお腹壊しそう」

 

「えぇ………」

 

「でも何か食べたいのだー」

 

「………じゃ、これいるか?」

 

 

オレは左手で飴玉(オレンジ)を取り出す。

左ポケットで助かった。

 

 

「何なのだ?」

 

「飴だよ、この袋を開けて、中の飴を舐めるんだ」

 

「分かったのだー」

 

 

彼女は飴の袋を開けて、飴玉を口に入れて転がす。

そして目を見開く。

 

 

「んー!美味ひいのらー!」

 

「だろ?あと2つあるけどいる?」

 

「貰っへおふのらー!」

 

 

オレの飴玉を全て渡し、オレはまた寝転がる。

眠くなってきた。多分、永遠の眠りだ。

 

 

「寝ちゃうのかー?」

 

「うん…………おやすみ」

 

「おやすみなのだー」

 

 

意識を、手放した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。