なーんかバトル小説みたいになっちゃいました。
作者がそう言うの好きだからですけど……
「セン!」
「ワフッ!」
オレはセンに飛び乗る。
ミズを腕に巻き付かせて固定し、
泥田坊と思われる妖怪を錯乱する。
「はっ!!」
ルーミアが弾幕を撃って泥の巨人を牽制、
腕に叩き潰されそうになっているにとりを
オレは捕まえる。
「た、助かった………」
「にとり、アイツを
どうにかする手立てはないのか!?」
「あるよ」
「あるんかい!?」
にとりはどこから取り出したのか………
て、オイ、ちょっと待ちやがれ。
「重火器じゃねぇか!!」
「これぞ河童の最終禁断兵器だ!」
にとりの肩に担いでいるのは、
銃を巨大化したような火器。
先端にはロケット弾が既に装填されている。
そう、所謂″ロケットランチャー″である。
「幻想郷にそれは不味くねぇ!?
ガチの現代兵器じゃねぇかそれ!!」
「アリなんだよ、こういう時に、ね!!」
にとりはニヤリと笑ってロケランを肩に構え、
そして、凄まじい勢いで弾が発射される。
「ルーミア、離れろ!!」
「分かった!」
咄嗟にルーミアに避難を促す。
ルーミアが離れたその瞬間、
泥巨人の頸部に弾が命中。
ドゴォォォォン!!!!
大爆発を起こす。
「やったぜ」
「これでいいのか幻想郷!?」
にとりが爽やかに笑い、
オレはその威力に驚愕する。
「ワフッ!?………!!」
「うわっ!?」「うおっ!?」
急にセンが背中を跳ねさせ、
俺たちを飛ばす。
「セン!?」
「ォォォォォオ………!!」
「ギャウ………ッ!!」
横に薙ぎ払われた腕によって
センが吹き飛ばされる。
「…………っ!!」
「あっ!ちょっと!」
オレはにとりからロケランを奪って
センの前に立ちはだかる。
弾を再度装填する。
「この野郎が………!」
「やめろソラ!お前が狙われたら終わりだぞ!?」
「だけどコイツは………!!」
「オォォォォォォ………!!!」
「しまっ………!?」
巨大な泥の腕が、オレを押し潰す。
その瞬間、だった。
「え」
蛇、だった。
青い、それでいて深い、水の色をした蛇。
それが視界の隅に目が入る。
ミズ………!?
「何を…………っ!?」
ミズは、
青く、腰まである長い髪。
水色の着物を着た少女が、そこにいた。
「妖怪?………いや、それにしては………」
「………」
違う。感じる力は妖怪のものではない。
何か…………外の世界では、希に感じたものだ。
そして、妖怪の力よりも遥かに大きい。
もはや、力の規模が違う。
後ろ姿のせいで顔は見えないが………
「私の川を汚し、その挙げ句には
私の友人と恩ある家主を傷つけ………
最早、手加減は必要ありませんか」
ゾッとするような凄みのある声。
だが………友人と恩ある家主って………オレとセン?
あと私の川って…………えぇ、まさか………
「オォォォォォォオ…………!!」
「あ、危ないわよ!」
「無駄です」
彼女はルーミアの忠告を無視。
そのまま泥の巨人の振り下ろされる腕に
掌を向けた。
弾ける、音がした。
その光景に、オレは再度、
にとり、ルーミアすらも言葉を失う。
泥の巨人の腕が、肩から弾け飛んだのだ。
更に、飛び散る泥は次々と土だけを落とし、
水だけがオレたちに降りかかる。
泥の巨人は危険を感じ取ったのか、
体ごと少女を押し潰そうとする。
「ォォォォォオ……!!!」
「川を汚す愚か者に天罰を下しましょう」
少女は避ける必要もない、と言うように
腕を振り上げる。
途端、地面が揺れ始める。
「な、なんだ!?」
「うわわわわ………!?」
にとりとルーミア、
センを引き寄せ、揺れに耐える。
泥の巨人が倒れる、その瞬間。
地面が隆起、同時に地割れが起こり、
その地割れから凄まじい勢いで水が噴き出す。
「か、間欠泉!?」
「んな馬鹿な!?
この辺の地下水脈は穏やかな筈なのに!?」
にとりが目を丸くする。
水の勢いにより、泥の巨人は持ち上げられ、
そして泥が落とされて………いや、
あれは落とされてるんじゃない。
「泥が………消えてる……!」
まるで溶けるように水に飲まれて消えて行く。
やはり、こんな馬鹿馬鹿しい程の力は………
「水神様、か………!」
「ご名答。その通りです、ソラ様」
オレの言葉に、
水色の少女はこちらを向いて笑った。
噴き上がる水の竜巻が、
泥の巨人を完全に消し去る。