「Zzz's………」
「全く、幸せそうに寝るよなこの人…………」
正確には人ではないだろうが、
よだれ垂らして立って寝るという
最早、お家芸のような門番を見ながら呟く。
「私も眠くなってきました……」
「ワフー、ゥ………」
「あはは………催眠電波でも出してんのかねぇ……」
目を擦るミズと大きな欠伸をするセン。
まぁそれも仕方ないと思う。
既に日は落ち、月が空で輝いている。
家を出た時はもう8時、今は10時くらいか?
本来なら店が賑わう時間帯だが、
この2人(?)はまだ慣れないようなので寝る時間。
「んん………眠いです……」
「今日は泊めてもらうかな………2人ともお疲れ」
「ワフ……」
その時、例の如くザシュッと音がする。
美鈴の額にナイフが刺さっており、血が噴き出す。
「ぎゃぁぁ!?」
「きゃぁぁぁ!?」「ワフ!?」
「あ、2人とも初めてか」
急に寝ている人の額にナイフが刺さるという
ホラーをリアルで見たら怖い。
血が噴き出すのも死なないか不思議である。
「な、なんですか!?」
「おぉぉ……あぁぁ……!」
「よ、久しぶり咲夜」
まぁこれも予想通り咲夜が現れる。
美鈴にナイフを刺したのも彼女だろう。
悶絶する美鈴はスルー。
「えぇ、久しぶりね。そこの犬は?」
「オレのペット」
「ワフ!?」
「貴女は?」
「居候の水神様」
「えっ、あ、こんばんは?」
「こんばんは、紅魔館へようこそ」
なんかセンが抗議したそうな顔をしてるが
今は無視してオレは美鈴に近寄る。
流石のミズとセンも結構怖がってるし、
とても痛そうなので美鈴の額のナイフを抜く。
「あうっ、あ、ありがとうございます………」
「………よく寝れるよな、美鈴。
いつもやってるけど学習能力ないの?」
「そうよ、寝てなければ刺さないのに」
「もう寝たら刺すの決定なんですか!?」
そんな話をしていると、館の扉が開き
レミリアとフランが出てくる。
「あ、ソラ!いらっしゃい!」
「こんばんは、ソラ」
「おっす、吸血鬼姉妹。元気?」
「元気ー!!」
フランがこちらへ飛んでくる。
うーん、受け止めてもいいんだけど。
多分死ぬよね、勢い的に。
というわけで。
「セン、ごめん」
「ギャゥ゛ンッ!?」
「わふーっ!」
「ちょ、セン!?ソラ様酷くないですか!?」
センを盾にしてモフモフガード。
なんか凄い声出てた。ごめん、オレ人間だもの。
食らったら背骨ごと逝っちゃうよ?
「わー!モフモフー!」
「キャウゥン………」
「ごめんなセン、
今度ステーキ焼いてあげるから許せ」
「それで、今日はどうしたの?」
レミリアがこちらへ寄ってくる。
フランがモフモフに夢中なので、
話を進めておこう。
「ん、ちょっと欲しいモンがあってな」
「あら、吸血鬼相手に商売?」
「吸血鬼でも友達なら問題ないだろ?」
「ふふ、言ってくれるわね。
どうぞ、上がっていって。咲夜、行くわよ」
「はい、美鈴、貴女も」
「はーい」
皆で紅魔館へ。
そう、夜にここへやって来たのは
レミリアに用があるからだった。
オレはレミリアと咲夜に案内され、
あのオレがレミリアをブッ飛ばした例の部屋へ。
レミリアの向かいの椅子に座る。
ミズとセンはフランと遊ぶために地下室へ。
うん、普通に遊ぶらしい。普通に。
…………大丈夫だよな?
「で、商談を聞こうかしら」
「あぁ、率直に言うと咲夜だ」
「「は?」」
うん。
レミリアが椅子から落ちそうになる。
「ど、どういうこと?」
「咲夜が欲しい」
「「ぶふぅーっ!!」」
2人は噴き出す。
「それは縁談じゃないの!?
ソラ、わ、私たちそんな仲じゃないでしょ!?」
「さ、咲夜ぁ………」
「ち、違いますお嬢様!!違いますって!!」
「………うん、幸せになってね………」
「違いますって!!?」
うっわナニコレすっげぇ面白い。
なんか幽香さんの気持ち分かった気分。
これが………愉悦か……!
もっと楽しみたいけど止めとこう。
幻想郷愉悦部入るつもりないし。
「冗談だよ、オレは商談をしに来たんだ。
咲夜の言う通り、縁談じゃねぇよ」
「よ、良かった………」
「冗談が過ぎるわよ………?」
「ぎゃぁぁぁぁ!!?」
ちょ、ナイフ刺しはダメでしょ!?
オレ人間だっつうの!!
熱っ!!?脇腹が血で熱いッ!!?
咲夜「因果応報、愉悦カリバー」
ソラ「作品違ぇよ!!?
マジで刺しやがったこの人!!」