えー、咲夜さんパッド説は、あくまでも説です。
咲夜さんはパッドだとは限らないので、
気分を害される方はこの話の観覧をお控え下さい。
「便利な能力ね」
「大分制御出来るようになったんだよ」
俺は刺された場所を能力で治療………
というか、無かったことにする。
傷は瞬きの間に塞がり、痛みも消える。
吐血することはないが気分は最悪である。
吐きそう。
「顔色悪いわね」
「全く、ただの人間に酷いことするよな」
「因果応ほ「すいませんでした」
…………まぁ、分かればいいのよ」
まぁ、ともかく。
オレは要件を伝える。
「咲夜の能力を借りたいんだ。
力を貸してくれると助かるんだが」
「何をするつもりなの?」
「そう構えるほどのもんじゃないよ。
発酵酒、って知ってるか?」
「発酵酒………あぁ、ワインみたいなものかしら」
「おう、そういうこった」
ワインもだが、酒は蔵に置いておき、
発酵させると美味くなるのは周知の事実。
酒虫がいるので酒は出来るが、
やはり発酵した方が旨いのではないか、と思う。
そこで、時間を操れる咲夜の力を借りたい。
時間を進めて発酵させる。
あと出来ればワインも欲しい。
オレはレミリアが持っているワインを指差す。
「って訳で、レミリアが飲んでるのもワインだろ?
どこから仕入れてるのか教えてくれないか?」
「私のは咲夜が作ってくれたものよ。
ねぇ咲夜、ワイン出してあげて」
「承知しました」
咲夜が手にワインの入ったグラスを持ってくる。
オレはそれを受け取って匂いを確認。
葡萄から作ってんのか、まさか。
「そのまさか、よ。
紅魔館のワインは葡萄から作ってるわ」
「むぅ、そうか………じゃ、葡萄はどこから?」
「あの花の妖怪から貰ってるの。
ちょっと昔に、縁があってね」
「…………花の妖怪?」
最悪の人じゃないですかやだー。
えー、えー…………諦めようかな。
「ワインを売るの?」
「あぁ、レミリアたち、
人里まで来る理由がないだろ?」
実際、彼女らはうちに来たことがない。
だからワインを売って彼女らが飲める
空間でも作ろうかと思ったのだ。
「ふーん、確かにフランは喜びそうね」
「フラン、酒飲んでいいのか?」
「一応ね。何があるか
分からないから飲ませないようにしてるけど」
「妹様の能力で紅魔館が崩れかねませんから」
「なーる。ん?」
その時、ドアがバン!っと
音をたてて開き、フランが現れる。
後ろにはセンとミズもいた。
「お姉様!私に飲ませてくれないと
思ってたらそういうことだったのね!?」
「フラン!?聞いてたの!?」
「幻想郷じゃ15歳からお酒飲んでいいんでしょ!?
だったら私もいいじゃない!」
「ダメよ!私だって500まで我慢したのよ!」
我慢したのか。
つーか流石吸血鬼。年齢の桁が違う。
「お嬢様は妹様のことを思って「うるさい!
パッドの癖に!!」ぐはぁっ!?」
「えっ咲夜パッドだったの?」
「……………」
関係ないところから腹パンして
更に悪口で傷を抉るフラン怖い。
咲夜が吐血して倒れてるんだけど。
ちょっと震えてて可哀想。
ミズが咲夜の背中を撫でる。
「咲夜さん?」
「…………はい、なんでしょうか………」
「元気出して下さい。
胸なんてその内大きくなりますから」
「そ、そうですよ……ね………っ!?」
あ、咲夜が死んだ。
あー、ミズ、結構大きいからなぁ………
「え、あ、咲夜さん!?」
「ミズ…………それはダメだよ」
「ワフ………」
「えぇ!?なんでですか!?」
「文字通り、自分の胸に聞いてみなよ」
オレは咲夜に近寄って
肩を支えてソファに寝かせる。
奥のソファでは幼女吸血鬼2人の
キャットファイトが続いているが、大丈夫だろう。
と、咲夜がオレの腕を震える手で掴む。
「…………ソラ、一つ聞かせて」
「な、なんだ?」
「………無くても私は力になれるかしら」
あ、力は貸してくれるんですね。
オレはどう答えるか、少し考え…………
「…………大丈夫、貧乳はステータスだ。
希少価値だとオレは思ってるから安心しろ」
刺された。解せぬ。