丸い石を積み上げる。
「………むぅ」
石が丸いため、中々積み上げるのが難しい。
少し気分転換に近くを流れる川を眺める。
「………えぇ……」
川底には何か知らんが巨大な影が蠢いている。
…………怖っ。
俺の周りでは小さな白い炎………人魂か?
それが俺の石の塔をまじまじと見つめて(?)いる。
時折「おぉ……」とか感嘆の声が聞こえるのは
多分気のせいだろう。
「………ん?」
ぼけーっ、としていると、
岸の見えない川の向こうから船が渡ってくる。
誰か乗っているようだ。
それはどんどんこちらへ近づいて来て、
顔が見えるくらいで船が止まる。
渡し守と思われる船を漕いでいた女性は、
俺を見て珍しそうに目を丸くする。
見覚えのある赤い髪に同色の瞳。
確か、うちの店に来たことあるな。
かなり楽しい奴で、幻想郷について間もない時にも
色々と教えてもらったんだった。
名前は………
「………小町!?」
「ソラじゃないか、どうしたんだい!?」
小野塚 小町。
死神と名乗っていたが、だとしたらここは
………どうやら、俺は本当に死んだらしい。
「そうだったんだ、災難だったねぇ……」
これまでの経緯を話そう。
俺は幽香との弾幕ごっこ(虐待)中に、
油断して弾幕に腹を撃ち抜かれた。
で、気づいたらここにいた。
それを船を岸につけ、降りてきた小町に話す。
「でも、多分大丈夫だよ。
ソラ、アンタは完全には死んでないから」
「んん?そうなの?」
「うん。ここに来たら普通は魂だけになるんだよ。
だけどアンタは身体がしっかりあるからね」
なーる、道理で俺の周りが人魂ばかりだったのか。
俺は石の塔の周りにいる人魂を見る。
「………どうやってこんな高い塔を立てたんだい?」
「そりゃ普通に積んだだけ。暇だったから」
小町が俺を変な目で見てくる。
まぁ、暇だったし。ここで30分くらい経ったし。
俺の目の前には、石積みの塔………
その辺の石をかき集めて作った156段の石の塔が
そびえ立っていた。
そのせいか、河原の石が減って土が見えている。
俺の身長より明らかに高い(2mくらいの)
それを見て、俺はよく分からん達成感に包まれる。
「幻想郷記録だよこんなの」
「最高どんくらいだった?」
「最高でも1mくらいだったような………」
「よっしゃ」
なんか嬉しい。
途中を見え出した土を川の水で湿らせ、
石の接着剤にしたので崩れにくい。
「馬鹿なのかい?」
「ストレートな悪口やめよう?
一番傷つくの知ってるよね?」
「はぁ………ともかく、
アンタは送っていけないねぇ」
「ん、そうなの?」
「そう。映姫様に説教されたいのかい?」
「あ、遠慮しときます」
あれは正座で説教を聞き流さないと
いけないので正直キツイ(体験談)。
あ、なんで怒られたのかは聞かないで。
「んじゃ、冥界かな。
そこまでは送ってあげるよ」
「冥界と言えば………」
あの大食いのお姫様と
苦労人の従者がいる場所、名前は白玉楼だったか。
あそこに行くことになるのかー。
「んじゃ、もう死なないようにね。
怒られるのも嫌だし、あたいは仕事に戻るよ」
「えっちょ、ま」
小町の能力、"距離を操る程度の能力"により、
俺はいつの間にか何処かへ突き飛ばされる。
バシャァァン!!という音がして。
そして、まず感じたのは。
「冷たい」
こちらを見る例の苦労人の従者の目付きと、
池に落ちて水に濡れた冷たさだった。
「何してるんですか………取り敢えず斬ります」
「理不尽」
刀を抜いた従者との、おいかけっこが始まった。