東方友好録   作:青い灰

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紅の館

 

 

「…………ん」

 

 

目を覚ます。

両手をグーパーして生きてることを確認する。

 

あれ、両手?

 

 

「治ってる?え、なんで?」

 

「あ、おはよう。って言っても夕方だけど」

 

「うん?おはよう」

 

 

オレの横では、さっきの幼女が寝ていた。

なんで?

 

 

「腕、治してくれたのか?」

 

「繋げておいたけど、無理したら外れるよ」

 

「繋がったの!?」

 

 

腕、残ってたのか。

よく見れば、薄く黒い何かで繋がっている。

それが何か、知りたくはなかった。

 

てゆーかまた千切られるフラグ?

嫌だなー、そんなフラグ。

 

 

「それより、起きたなら案内するのだー」

 

「案内って………どこへ?」

 

「ついて来るのだー」

 

「ちょ、待ってくれよ!」

 

 

ふよふよと浮かびながらどこかへ

行こうとする彼女を追いかける。

 

追い付いて、歩く。

 

 

「そういえば、名前、名前を教えてくれ」

 

「ルーミアなのだー」

 

「オレは空。よろしく、ルーミア」

 

「うん、よろしくー」

 

 

こうして、オレはまた、

ルーミアと共に歩みを進める。

 

内心、生きてる実感で泣きそうになりながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここを真っ直ぐ行くと、家があるよ」

 

「おー!ありがとう」

 

「バイバイなのだー」

 

「じゃあなー」

 

 

森の木々が浅くなってきたところで、

オレはルーミアと別れる。

 

聞いていなかったが、

彼女も妖怪だったのだろうか?

 

 

「………ま、またいつか会えるだろうな」

 

 

そんな気がして、オレは森を抜ける。

そして、唖然とした。

 

 

「なんじゃこりゃ、赤い………」

 

 

目がチカチカしそうな真っ赤な館。

家というより、洋館のようだ。

 

 

「人は………あ、いた」

 

「あれ、珍しいですね?

  どうかしましたか、人間さん」

 

 

見つけたのはチャイナ服の少女。

人間さん、と言うのは、妖怪だからだろう。

 

ルーミアと同じようなものも感じるし。

 

 

「えーと、ちょっと森で迷って」

 

「あぁ………それは災難でしたね。もう遅いですし

 出来れば紅魔館に泊めてあげたいんですが………」

 

 

オレの姿を見て本当に災難そうな顔をする

中国風の少女。

 

 

「何か事情でも?」

 

「はい、少し色々ありまして。

  妖怪ならともかく、人間さんは不味いですね」

 

「え?」

 

「出来れば早くここから離れたほうがいいですよ、

  人間さん。死にたいなら別ですが」

 

 

死にたくはない。

先程死にかけたばかりなのに。

 

 

「じゃあ、森を回って、

 今日は湖にでも行って野宿です。

 そこに妖精がいるんですけど、

 人里を教えてくれる筈ですから」

 

「ありがとう」

 

「急いだ方がいいです………うわ!?」

 

「なっ!?」

 

 

話していた少女の頭にナイフが突然現れる。

それを辛うじて避けた少女は尻餅をつく。

 

 

「急に、ナイフが……?」

 

「あちゃあ、人間さん、全力疾走して下さい!」

 

「え?」

 

「速く!!」

「逃がさないわよ」

 

 

走りだそうとして、気づく。

オレの背後に、誰かがいた。

 

首にナイフを突き付けられ、動けない。

 

 

「何してるの、美鈴?

  ………返答によってはナイフが飛ぶわよ」

 

「たまには良いじゃないですか、

   気まぐれですよ、気まぐれ」

 

「もうナイフ飛んでるしな」

 

「黙りなさい」

 

「メイドさん、ナイフ怖いんだけど」

 

 

オレの背後にいたのは、メイド姿の少女。

逃げようと思えば外れるナイフの突き付け。

 

簡単に言うと、隙だらけ。

美鈴、と呼ばれた少女と話をしている。

 

だけどなぁ………鳩尾に肘打ちは可哀想ってゆーか。

まぁ命狙われてるし、我慢してくれ。

 

 

「ぐふっ!?」

 

「うわ!?」

 

「お邪魔ぁぁ、しまぁぁぁす!!」

 

 

ナイフメイドの拘束を外し、

チャイナ少女の横の壁を乗り越えて、

窓へ右肩から体当たりして割る。

館の中にダイナミック侵入。

 

逃げよう。

 

 

「大丈夫ですか咲夜さん!?」

 

「貴女どっちの味方なのよ………

  お嬢様の手を煩わせるわけにはいかないわ」

 

 

追いかけてくるな、兎に角、どこか遠くへ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、寝起きに虫がいるな。潰すか」

 

「っ!?」

 

 

背後から声が聞こえ、光弾がオレを狙ってくる。

オレは前に転がって回避し、姿を見る。

 

幼女だった。

青い髪のドレスを着た幼女。

 

だが、関われば死ぬ、と、

本能が警鐘を鳴らしている。

 

 

「私の館、紅魔館に侵入とはな。

  窓の弁償、お前の血で払って貰おうか」

 

「ごめん!落ち着いたら今度謝る!!」

 

「逃がすかッ!」

 

 

立ち上がり、後ろから飛んでくる光弾を

回避しながら、オレは再び逃走を始めた。

 

 

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